(白)ウォズのヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

54 / 65
祝え!メリッサ・シールドとの出会い!

コスチュームに着替えた僕たちは現在入国審査を受けていた。

 

「厳重」

 

「それぐらいここにあるものたちはヴィランにとっても貴重というわけですわ」

 

「しっかしすっごいシステムだな」

 

「ん……」

 

「麗日さん、もうついているかな?」

 

とここでオールマイトが

 

「緑谷少年たちに質問だ。この人口島が作られた理由は?」

 

「確か……世界中から個性の科学者やヒーローアイテムの開発者などを一箇所に集めて……ヴィランから守るためだと聞いています」

 

「それにこの島は移動が可能で警備システムも大収容所”タルタロス”に匹敵するといわれてるんですよね?オールマイト」

 

「うむ!印照少女に緑谷少年。正解だよ!」

 

そうこうしてるうちに入国審査が終了した。

 

そして目の前に広がるのは

 

『うわあああああ……!!』

 

目の前に広がるのはWelcomeと文字が描かれた噴水や宙に浮かんでいるカプセルなどそのどれもが最先端の技術によるものだった。

 

「雄英も凄いと思ってたけど……!」

 

「これはこれは……そうだ!写真写真!」

 

回原くんが我慢できなくなったのか趣味の写真撮りを始め、才子さんたちが

 

「出久さん!一緒に写真を撮ってもらいましょう!」

 

「そ、そうだね!」

 

「ん……!」

 

「ふふ……」

 

そして色んなアングルから写真を撮ってもらっていると

 

「あれ?オールマイトは?」

 

「オールマイト先生ならあっちで足止め食らってるぜ」

 

遠目で見てみると確かにいろんな人たちから熱烈な支持を受けていた。

 

「そういうわけですので!しばらくは楽しみましょう!」

 

「そうだね……楽しもう!」

 

こうして時間のある限り写真を撮ってもらったが回原くんがフィルムが少ないと嘆いていた。

 

そしてオールマイトと合流すると

 

「あそこまで足止めされるとは……約束の時間に遅れてしまうとこだったよ」

 

「約束?ですか?」

 

「ああ、古くからの私の友人でね。色々なサポートアイテムで私を助けてくれた」

 

「まさかその人ってあの……」

 

「印照少女が予想している通りだ。その人物はデイビット・シールドさ!」

 

「デイヴィッド・シールドってあの!?」

 

「そんな人と会えるのか!?」

 

「俺たちも会っていいんですか!?」

 

「勿論だとも!ただ、緑谷少年の秘密については内緒にしてくれ」

 

「親友にも話してないんですか?」

 

「ワンフォーオールには危険がつきまとう。デイブにも簡単に話すことはできない」

 

「そうですよね……」

 

僕がオールマイトの言ったことに納得していたがウォズが

 

「だがオールマイト。それは彼の気持ちを蔑ろにしてるんじゃないのか?」

 

「なっ!?どういうことだい!?」

 

精神の主導権を強引に奪ってオールマイトにそう言った。

 

ちょぉっ!?ウォズ!?皆も驚いていた。

 

「彼だって君の仲間なんだろ?君の思いはわかる。オールフォーワンの戦いに巻き込みたくないんだろ。だがそれが君を助けたいって思う彼の気持ちを切り捨てていることではないのか?」

 

「それは……」

 

「確かに君の懸念も最もだが、仲間というのはそんなに薄っぺらいものなのか?少なくとも私が知っているヒーローは最後まで仲間を……こんな私のことすらも信じていたぞ」

 

「…………」

 

と重たい空気が流れていた時、遠くからピョーン、ピョーンと軽快な音が近づいてきた。音の方を見てみるとホッピングに乗っている金髪眼鏡の女性が向かってきていたのを見たオールマイトはすぐに悪い空気を断ち切るように笑顔を浮かべて

 

「おじさまー!」

 

「オー!メリッサ!」

 

その勢いのままオールマイトに抱きつくとオールマイトも抱きしめる。

 

「来てくださって嬉しいです!」

 

「こちらこそ招待ありがとう。しかしすっかり見違えたね。もう立派な大人の女性だ」

 

「17になりましたから。昔と違って重いでしょ?」

 

「なんのなんの!」

 

その様子を見ていた僕たちは

 

「あの人は誰だろう?」

 

「おそらくデイビットさんの娘さんだと思いますが……」

 

とメリッサさんもこちらに気づいたのかこっちに来ると

 

「ああ、緑谷少年たちよ。彼女はデイブの娘の」

 

「メリッサ・シールドです。初めまして」

 

「こちらこそよろしくお願いします。雄英高校ヒーロー科1年の緑谷出久です」

 

「初めまして、メリッサさん。同じく雄英高校ヒーロー科の印照才子ですわ」

 

「同じくヒーロー科の拳藤一佳!よろしく!」

 

「柳レイ子です……よろしくね」

 

「ん……小大唯です」

 

「俺は鉄哲徹鐵ってんだ!よろしくな!」

 

「俺は回原旋だ」

 

「雄英高校……じゃあマイトおじさまの……」

 

「ああ!自慢の教え子たちさ!」

 

「すごーい!将来有望なのね!」

 

メリッサさんが目を輝かせてこちらを見てくるが

 

「ああ!早くパパの元に案内しなくっちゃ。こっちです、マイトおじさま」

 

自立していたホッピングのボタンを押すと光と共に紐上になった。

 

その後をついていく僕たち。

 

でも僕にはウォズが言った言葉が引っかかっていた。

 

サー・ナイトアイもそうだったがオールマイトは……自分のことを……見ていないのかな……

 

もしそうならオールマイトは……ボロボロになっても……他者のためだけに……笑い続けるのかな……

 

そんなの……

 

嫌だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌だ…………

 

そんな不安を胸に抱いたまま僕の足は進んでいく。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。