(白)ウォズのヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

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無理矢理感が半端ないですがオールマイトが先に屋上についたことになっております。そのために前回を少し変更しております。


打ち倒せ!アナザーキカイ!

タワーの屋上でアナザーキカイと化したウォルフラムがヘリが来ているにも関わらず乗り込むことなくその場に立っていた。その姿はオールマイトなど恐れるに足らずといわせるものだった。

 

そして屋上に見える影が一つ

 

「パパを……返して!」

 

「ダメだ……来るな……メリッサ……」

 

システムを解除したメリッサがいち早く屋上に来てしまったのだ。

 

それを見たウォルフラムは

 

「テメェごとき雑魚に用はねえ!」

 

手を振り上げると金属の槍がメリッサに襲い掛かった。

 

その余波で吹き飛ばされるメリッサ。

 

「やめろ……やめてくれ……」

 

デイヴィッドは弱弱しい声でウォルフラムに頼み込むが

 

「死ね」

 

躊躇なく生成した金属をぶつけようとしたが

 

「Texassmash!」

 

下から飛んできた影が金属の槍を吹き飛ばした。

 

「ハーッハッハッハ!もう大丈夫!何故って!?私が来た!」

 

「マイトおじさま!」

 

「やっと来たか……」

 

「ぬっ!?それはアナザーライダー!?」

 

「ハハハハ!貴様も知っていたか!あいにく……今の俺は負ける気がしねえ!」

 

ウォルフラムが床に手を触れるとタワー中の金属が浮かび上がってオールマイトに襲い掛かった

 

「Detroitsmaぬあっ!?」

 

オールマイトは拳で迎撃しようとしたが生成され続ける金属の塊とその圧力に飲み込まれてしまい

 

「潰れろ!」

 

「ぬぅぅうううう……!うおおおおっ!」

 

拘束を力づくでこじ開けたオールマイトだったが

 

「これで終わりだ!」

 

アナザーキカイが放ったミサイルがオールマイトを吹き飛ばした

 

「Texas……sma……」

 

衝撃波がメリッサに届かないように迎撃したがそのせいで力を使い果たした結果ー

 

「が……!があああああっ……!」

 

「マイト……おじさま……」

 

「フフフ……ハッハッハッハッ!個性を渡して弱っているというのはホントだったのか!なんだその惨めな姿は!」

 

マッスルフォームを維持できなくなり、トゥルーフォームに戻ってしまい腕は細々しくなって全身が傷まみれになってその傷からは鮮血が流れていた。

 

「これじゃあ……潰し甲斐がないってもんだぜ!え!?オールマイト!」

 

「オール……マイト……」

 

デイヴィッドはウォズが言っていた言葉を思い出し、後悔していた

 

今のオールマイトをこれほど戦わせて苦しめた原因を作ったのは他でもない自分のせいだと自責の念にかられた。

 

「今のテメェを潰すだけじゃ面白くねえ……そうだな……テメェの無力さを呪って死んでもらおうか!」

 

「え……?」

 

オールマイトが弱弱しく口にした次の瞬間とてつもない質量の金属の塊がメリッサに向けられた。

 

「メリッサ逃げろおー!」

 

「ぐぅぅううう……!!」

 

逃げようとするも一度目に受けた攻撃の影響と恐怖で身体が動かなかったメリッサ

 

オールマイトは体を奮い立たせようとするも痛みが全身を駆け巡り倒れてしまった。

 

そしてメリッサが目を瞑ったその時

 

<超銀河エクスプロージョン!>

 

下から飛んできた出久が金属の塊を粉々に砕いた。

 

「もう大丈夫……何故かって……?僕たちが来た!」

 

「来たか……」

 

メリッサの目に映ったのは自分が初めて憧れたヒーローと同じ後ろ姿だった。

 

「ハッハッハッハッ……!ウォズか!ちょうどいい!オールマイトの後継の貴様を潰せば……俺に最早敵はいねえ!」

 

そしてウォルフラムが生成した金属をウォズに四方からぶつけようとしたがウォズは空中に跳ぶとそれを追うように金属も伸びるが

 

「Pegasussmash!」

 

空中で回転した勢いをそのまま金属の塊にぶつけるとその衝撃波は止むことなく伝導していきウォルフラムまで襲い掛かるが

 

「ヌゥン!」

 

ウォルフラムは衝撃が伝導する前に金属を分解して衝撃が伝わらないようにした。

 

「ハハハ……その力……全盛期のオールマイトのようじゃねえか……!ハッハッハッハッ!オールマイトを潰すより面白れぇぜ!」

 

高笑いするウォルフラムが、持っていた装置を装着した途端

 

「ぬおおおおおおおっ!!!」

 

とてつもないエネルギーがウォルフラムから放たれると同時にタワー中のありとあらゆる金属が奴に取り込まれるように合体した。

 

「さすがデイヴィッド・シールドの作品……個性が活性化していくのがわかる……!ハハハハハ!これで俺は最強になった!」

 

ただでさえ強化されていたウォルフラムの個性はデイヴィッドの装置によってもはや災害と呼べるまでにパワーアップしていた。

 

そして生成され続ける金属はタワーと融合し歪な龍の形となって出久に襲い掛かった

 

「はあっ!」

 

エナジープラネットで迎撃し続けるがいかんせん数が多い。そして床が波打つように動くのをみた出久はジャンプして金属に飛び移って一気に駆け抜け、そのままウォルフラムにエナジープラネットをぶつけようとするもウォルフラムが床にある金属をせりあがらせてそのまま金属を生成し続ると衝撃が押さえられ、衝撃が収まると先ほどとは比にはならないぐらいのスピードで金属が飛び出す。

 

「グううううう……!」

 

エナジープラネットを破壊光線として叩きつけるがそれでも尚四方から飛び出してくる金属についに飲まれてしまった。

 

「ハッハッハッハ!俺の力の前にはオールマイトの後継すらも無力だ!」

 

出久はエナジープラネットで脱出しようにも金属が生成されるスピードが尋常じゃないぐらい早く脱出できなかった。

 

『くそぉ……!』

 

『諦めるな……!』

 

「さあ!このまま潰れちまえ!『ドゥン!』ぬ!?」

 

ウォルフラムが視線を向けた先には

 

「うおおおおおおおっ!」

 

「回原くん……」

 

回原が必死に襲ってくる金属を迎撃しつづけメリッサを守っていた。

 

それだけではない

 

「はあっ!」

 

「才子さん……一佳ちゃん……レイ子ちゃん……唯ちゃん……鉄哲くん……夜嵐くん……轟くん……」

 

才子に一佳、唯、レイ子、鉄哲、夜嵐に轟、だけでなく季乃子にお茶子もいた。

 

「緑谷!俺はおまえが勝つって俺は信じてるっす!だからここは任せてほしいっす!」

 

「そうですわ!出久さん!」

 

「皆……!そうだ……こんなところで終わるわけにはいかないんだああああ!」

 

エナジープラネットを最大規模で発動させた結果一瞬だが拘束が解けた。ほんの一瞬だがウォズにとってはその一瞬だけで脱出できた。

 

「なにっ!?」

 

そして皆の元へ戻った。

 

「大丈夫?」

 

「そりゃこっちが言いたいぜ!」

 

「ところで飯田君たちは?」

 

「ああそれなら『しばらく俺はエンストで動けない……悔しいが足手纏いになりかねん!先に行ってくれ!』ってさ。八百万も創造の限界だったし。峰田と上鳴は及び腰だったし……」

 

「そうだったのか…「ご、ごほっ……!」オール……マイト……」

 

瓦礫の山からオールマイトが今にも倒れそうなのに飛び出してきた。

 

「私は……やらなければ……奴を……倒さなければ……」

 

「オール……マイト……?」

 

轟くんと夜嵐君にお茶子ちゃんが驚いた表情を隠せなかった。

 

「オールマイト!無茶です!もう活動限界が近いのに……!やめてください!」

 

「緑谷少年……それでも……限界を超えて……奴を倒さなければ……私は……平和の象徴なの「ふざけないでください!!」緑谷少年……」

 

出久の叫びが屋上に響く

 

「貴方は……死ぬまで戦うつもりですか!?そうやってボロボロになって誰かの静止も無視して……貴方は自分の命をなんだと思ってるんですか!平和の象徴だから!?ふざけるな!貴方は平和の象徴である以前に一人の人間なんだ!貴方が死んだら悲しむ人がいるんですよ!グラントリノにサー・ナイトアイ……雄英の教師陣に僕たち生徒もそうです!貴方はもう少し……自分の命を重んじてください……頼みますから……!」

 

「緑谷少年……すまなかった……私は託すだけ託しておいて君を……親友を……相棒を……信じてなかったのかもしれないな……自分一人が犠牲になればいいとばかりに……」

 

「オールマイト……」

 

「緑谷……」

 

「緑谷……」

 

「出久君……」

 

夜嵐と轟、お茶子が静かにオールマイトと出久を見ていた。

 

その直後吐血を吐いて倒れるオールマイト

 

「ハハハ……どうやら本当に限界のようだ……なら……後継者である君に……託しても……いいんだな?」

 

「…………ッハイ!!!」

 

「なら……頼むよ……次代の平和の象徴よ」

 

オールマイトが倒れるのを見届けた出久は

 

「皆……力を貸してくれないか……」

 

「何を今更……」

 

「任せとけ!」

 

「ああ……」

 

「頑張るっす!」

 

「任せて……」

 

「ん!」

 

「ウチも頑張るで!」

 

「おう!」

 

「やってやろうじゃねえか!」

 

「話はまとまったか?」

 

ウォルフラムが眼前の出久たちを睨みつけると同時に個性を発動させて金属の槍をぶつけようとしたが

 

「させねえ!」

 

轟が氷塊を出して止める

 

そして出久も

 

<タイヨウ!>

 

<アクション!>

 

<投影!ファイナリータイム!灼熱バーニング!激闘ファイティング!ヘイヨー!タイヨウ!ギーンガタイヨウ!>

 

ギンガタイヨウフォームに変身すると氷塊をぶちぬいてきた金属の塊に高熱をぶつけて溶かす

 

「なにっ!?」

 

「どんなに数が多くとも……金属は熱に弱い……」

 

そして一気に駆け抜ける出久に対して

 

「調子に乗るな!」

 

金属の雨を降らすが

 

「はあっ!」

 

エナジープラネット・ソーラータイプによる超高熱で再び溶かした。そしてそのまま飛び上がってウォルフラムの正面に行く

 

「これで終わりだ!」

 

そしてエナジープラネットをぶつけようとしたその時

 

「そりゃテメエだ!」

 

アナザーキカイの触手がウォズを拘束した。振りほどこうとするが個性で増幅されたかのような力だった

 

「まさか……!」

 

「察しがいいな!その通りだ!」

 

オールフォーワンから与えられた個性だけでなくアナザーキカイの力、それに加えてデイヴィッドの装置もプラスされているのでウォズでも振りほどくのが簡単でなかった。

 

「ぐぅぅうううう……!」

 

「このまま絞め殺してやる!」

 

「ウォズくん!」

 

季乃子が叫んだが無情にも力はどんどん強くなっていく

 

「どうしよう……」

 

「あの機械さえ壊せれば……出久さんたちは脱出できますわ……」

 

「でもどうやって壊すんだよ!」

 

回原が叫ぶ。

 

とその時季乃子が

 

「才子才子!」

 

そして心の念話で思いついた作戦を伝える

 

(それなら……!)

 

(うん!)

 

(轟さん!手伝ってください!)

 

(わかった……)

 

そして作戦通りに轟が冷気をブツケル

 

「んん!?なんだそりゃあ!その程度で俺は止まらねえよ!」

 

慢心していたのかウォルフラムは冷気をまともにくらったが強引に外した

 

「はあっ!」

 

出久が超高熱を放つが

 

「冷気が効かねえなら炎ってか!無駄だ無駄だ!」

 

その間にも出久を絞める力は増していく

 

「これで終わりだ!ハハハハハ!ん?なにっ!?個性の力が……弱まっていく……!?」

 

「はあっ!」

 

「ぐっ!?」

 

個性が弱まった隙に脱出した出久が攻撃したがウォルフラムは間一髪で避ける。

 

「なぜだ!貴様ら……!なにをした!まさか氷か!?いやありえん!この装置はあの程度の冷気では機能停止しないはずだ!」

 

「フフフ……キノコまみれにしちゃいノコ!」

 

「き、キノコぉ!?まさか……!?」

 

ウォルフラムは慌てて装置を外して中を分解すると大量のキノコが回路の中に生えていた。

 

「なあっ!?」

 

そう。あの時の氷で中は多少凍ったがそれぐらいでは装置は壊れるはずはなかったのだ。

 

だが出久が氷を溶かした結果、湿度が高くなった中はキノコが生えやすい環境となり季乃子の個性『胞子』ではんだの回路を遮断するかのようにキノコを生やした結果電気が回らなくなり装置は機能停止したのだ。

 

装置が停止したので個性の筋力増強も出力が弱まったのだ。

 

「バカな……そんなバカなあああ!!!よくも!貴様らよくも!」

 

そして電磁浮遊で浮かび上がるウォルフラム

 

「地獄を見せてやる!このチャージした電気をぶつければこの島の人間全員が死ぬだろう……!さあカウントタイムだ!」

 

『ウォズ……』

 

『おそらく次が……最後のチャンスだ……』

 

『そうだね……でも……ウォズと一緒なら……怖くない!』

 

『ふっ……君ってやつは……最後まで付き合うよ』

 

『行くよ!』

 

『ああ!』

 

そして駆け出す出久。ウォルフラムもチャージが完了するまで迎撃し続けるがやはり装置を失ったせいかさっきよりかはスピードが低い。

 

「させねえ!」

 

轟が氷で金属の攻撃を妨害する。

 

「ぬおっ!」

 

ウォルフラムがミサイルを放ってくるが

 

「「はあっ!」」

 

レイ子と才子がサイコキネシスとポルターガイストでミサイルをずらす。

 

「ぐっ!なら!」

 

なら人質を狙おうとするウォルフラムだが

 

「せいやっ!」

 

「おりゃあ!」

 

「はっ!」

 

一佳、回原、鉄哲がメリッサの前に出て守る。

 

「甘い!」

 

だが壊された小さな破片が襲い掛かるも

 

「うおおおおおおっ!!!」

 

夜嵐が上空に吹き飛ばす。

 

そして炎の推進力で上空に飛び上がる出久。

 

それを見たウォルフラムは

 

「タワーごと潰れちまえ!」

 

これまでとは比べ物にならないほどの金属の塊を生み出してぶつけようとするが

 

<ファイナリービヨンドザタイム!>

 

出久は回転しながら突っ込んでいき右手にエナジープラネットを纏うと

 

「Galaxysmash!」

 

その勢いを金属にぶつけると一瞬拮抗したが

 

「出久さん!」

 

「出久!」

 

「やれー!」

 

「ん!!」

 

「やっちゃえー!」

 

「緑谷あ!」

 

「やれ!」

 

「ぶちかませー!」

 

「やっちまえー!」

 

足に纏っていたエナジープラネットの炎の出力は勢いを増してウォルフラムは徐々に押されていき

 

「これでラストだあー!」

 

「まさか……!ありえん!そんなことはありえん!全てを制する力を持つ俺が!負けるなど……!ありえるものかああ!」

 

そして金属の塊は押し返されウォルフラムは上空へ飛ばされ、チャージしていた電気は空中で放電され、その身体からアナザーライドウォッチが飛び出て壊れた。

 

その様子を近くで見ていたデイヴィッドの目には

 

(ああ……ヒーローだ……)

 

・・・・

 

 

「勝った……のか?」

 

「勝ったん……だよな!?」

 

「ああ!緑谷が!ヴィランを倒したんだ!」

 

『うおおおおおおおっ!!!』

 

夜嵐が確信を持って答えると皆が喜びに打ち震えた。

 

そしてデイヴィッドの元へ行くオールマイト

 

「メリッサから大体の事情は聞いたよ」

 

「私は……君という光が……失われるのが……怖かった……君が死ぬのが怖かったんだ……でも……その重圧が……君を苦しめていたんだと……気づかなかった……君が新たな光を見つけたというのに……私はそれをみようともせず……君に縋りついてばかりだった……あんなにも偉大な光なのに……」

 

「ああ……私の自慢の弟子だ……」

 

朝日に映る緑谷の姿はまさしく人々を照らす太陽だった

 

 

 




やっと……やっと終わった……!でも事後処理もありますので完全に終わりではありません!林間合宿もありますしね……

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