(白)ウォズのヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

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祝え!出久の委員長就任と我の弁当!

個性把握テストの翌日。僕たちは教室で

 

「えー急にではあるがこれから学級委員長を決めてもらう!」

 

教室の空気が一気に盛り上がり

 

「俺やりてえ!」

 

「闇を引っ張るのは我……」

 

「私が皆を導いてあげましょう……」

 

「静粛に!他を牽引する重大な役目だぞ!簡単に決められるわけがなかろう!」

 

ブラド先生の言葉に皆静まってしまった。

 

「じゃあ誰にする?」

 

「物間はねえな」

 

「おいおい!?なんでかなあ!」

 

物間くんは相変わらずだなあ……悪い人じゃないんだけど……

 

「緑谷はどうだ?」

 

骨抜くんの発言で

 

え?僕!?

 

「確かにいいかもな!」

 

「実力があれば問題ない」

 

鎌切くん……君ってバトルジャンキーなのか?

 

「いいんじゃない!」

 

「私も賛成です!」

 

「私も……」

 

「俺もだな」

 

「悪くねえかもな」

 

「ワタシもいいと思いマース!」

 

回原くんたちも言ってくるし……僕ってリーダーに向いてる?

 

『なにを今更……君の行動が周りの者たちに影響を与えているんだぞ?まあ私も色々とやったが……』

 

そうだけど……でもトップヒーローになるなら乗り換えなくちゃならないことなのかもな……!

 

「わかりました!立候補します!」

 

「うむ!皆からも信頼もあるし……いいだろう。緑谷!委員長として皆の期待に応えれるように頑張れよ!」

 

「はい!」

 

そして周りの拍手を受けて僕は座る。

 

「さて次は副委員長だが……」

 

とその時

 

「私がやります!」

 

「ワタシですわ!」

 

「私がやる……」

 

と拳藤さんに印照さん、柳さんの3人が立候補した。

 

しかし皆すごいやる気だな……まあヒーローとして人を導く立場ってのは憧れるのかな?

 

と出久がこう思ってるのに対してウォズは

 

『出久は相変わらず鈍いな……妙なとこは鋭いのに……皆君と一緒にやりたいというのがわからないのか?』

 

それにこれに気づいているのはウォズだけではなかった。

 

クラスの大半の男子陣が緑谷を恨めしそうに見つめていた。

 

ブラドも3人の気持ちには態度で気づくと

 

(青春だなあ……頑張れよ!緑谷!)

 

と心の中で応援していた

 

そしてじゃんけんの結果、副委員長は印照に決まった。

 

「よろしくお願いしますわ!出久さん!」

 

「よろしくね。印照さん」

 

「あ、あの……私のことは名前で呼んでいただけますか……?」

 

「え?才子さん?」

 

「っ!ハイ!!!」

 

ここまできたら才子が緑谷を好きだというのが鈍感でもわかるのに緑谷は一向に気づかなかった。

 

そして出久に名前で呼んでもらえた才子に二人は羨ましがっていた。

 

さて午後からはヒーロー基礎学だ。

 

午前の授業も終わって食堂に行こうとしたら

 

『出久よ。鞄の中を見たまえ』

 

『え?鞄?』

 

気になったので覗いてみると

 

『うおっ!なにこれ!?』

 

『私が作った弁当さ。皆の分も用意してある』

 

『なんで皆の分も……?』

 

『話を聞いてみると皆弁当ではないから無駄にならないと思ってね。こう見えて私は料理が得意なんだぞ?』

 

『そうなの!?』

 

とそこに取陰さんが来て

 

「おっ!緑谷!なになに!?すごい大きい弁当じゃん!それに美味しそう……!私も食べていい?」

 

「え?ウォズ……?」

 

『構わんよ。皆で食べるために作ってきたからね』

 

「いいよ」

 

「ありがとう!」

 

「お?なになに?美味そうだなー!俺も食っていいか!」

 

「俺も俺も!」

 

「ワタシもいいですかー!?」

 

「ワタシもいいかな?」

 

「私もいいですか?」

 

「いい……?」

 

「俺もいっか!?」

 

でその結果、鉄哲くん、円場くん、骨抜くん、鎌切くん、物間くんに取陰さんに拳藤さん、才子さんと柳さん、角取さんに小大さんに小森さんと一緒に弁当を食うことなった。

 

なんでウォズこんなに用意してたのかな?まさか皆が弁当を持ってこないということをこっそりと心の中で聞いてたのか?恐るべしウォズ……

 

「じゃあ」

 

『いただきます!』

 

皆の分を小皿に分けて食うと

 

「うめえ!こりゃうめえな!」

 

「このおにぎりの梅干しもちょうどいいぐらいに酸っぱい!」

 

「キノコのパスタも最高!緑谷くん!どこでこのキノコ売ってたの!?」

 

小森さんが近寄ってくる。ちょっ!近い近い!

 

「い、いやこれウォズが作ったから……僕知らないんだ」

 

「ウォズが!?」

 

「これ全部!?」

 

「すげえ!」

 

「ちょっと聞いてみたいんだけどいいか?」

 

「う、うん」

 

僕とウォズの精神を切り替えると

 

「やあ呼んだかな?」

 

「あっ、ウォズくん!このマッシュルームはどこで買ったの?」

 

「雄英の近くの商店街の八百屋さ。あそこは私の行きつけなんだよ」

 

「そうなんだ!ありがとう!ウォズくんもキノコ好き!?」

 

「ああ、私は味噌汁にはシメジを入れる派でね。」

 

「そっか!私と一緒だね!私も好き!個性がキノコ関連だから!」

 

「ウォズ!ウォズ!この卵焼きはなにを入れてるんだ!?」

 

「回原くん。この卵焼きにはね、だしの素とマヨネーズを入れてあるんだよ。お好みでネギも入れて構わないよ」

 

「ありがとな!今度母さんにお願いしてみるよ!」

 

「ウォズくん!ウォズくん!」

 

「…………なんだい?物間くん」

 

「僕の時は随分と辛辣だねえ!何かしたかなあ!!?」

 

「君はまず態度を改めた方がいいぞ。出久でもなければ白い目で見られるぞ」

 

ウォズの言葉に周りの皆は頷く。僕にもわかるよ……

 

「まあそれでなんだい?」

 

「この鴨のコンフィの作り方を教えてくれないか?」

 

「ふむ。これはだな」

 

と皆で話しながら弁当を食って

 

『ご馳走さまでした!』

 

「ふ〜美味かったな!」

 

「ん……!」

 

「デリシャスでしたね!」

 

「ああ、最高だったな!」

 

『ウォズありがとね』

 

『構わんさ。私も皆は嫌いではないからね』

 

「しっかしすごいな〜!ウォズって料理得意だったんだ」

 

「ああ驚いたよ」

 

「物間には出来ないかもな」

 

「いちいち僕を引き合いに出さないでくれるかな!」

 

「しかし明日も食いたいな〜……」

 

チラッと僕を正確にはウォズを見る。

 

『出久よ。材料費を払ってくれるなら私は構わんぞ?』

 

『いいの?』

 

『私としてとも暇つぶしになるしね。君の体を借りなければならないが……』

 

『いいよ、わかった』

 

「ウォズは材料費さえ払ってくれればいいってさ」

 

「いいのか?」

 

「やったぜ!」

 

「じゃあ頼むね!」

 

皆が盛り上がるのを見ているとウォズが

 

『出久よ。水を差すようで悪いがもうすぐ昼休みが終わるぞ?』

 

「は!しまった!」

 

こうして僕たちは大急ぎする羽目となった。

 

 

 

 

 


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