助けて邪神様!(助けて旧神様!×GATE)   作:VISP

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なお、ここまでほぼ原作組と絡みなし


第九話 日米

 銀座に門が開き、ちょっと人類じゃ太刀打ちできない巨大ロボバトルが行われたあの日から、日本は超頑張った。

 

 具体的には理不尽な要求ばっかりしてくる諸外国(主に特亜)の難癖を避けつつ、被害者への賠償や各種生活保証を行い、銀座周辺の土地を買い上げ「店主死亡や撤退企業が多かったのでそこそこ安かった)て陣地化を行い、更に門の向こう側へと乗り込んで報復及び拉致被害者の救助を行うための法案成立と向かわせる自衛隊の編成と選抜や物資の手配と、それはもうすんごく頑張ったのだ。

 しかし、世界トップクラスの経済大国にだって、出来ない事はあった。

 

 そう、彼らは国内のファンタジー系問題に関して、殆ど何も出来なかったのだ。

 

 元々、戦前の陰陽寮の末裔や寺社仏閣の関係者、時々民間からの突然変異なんかの有志が国内の霊的治安を守っていた。

 必要な経費に関しては持ってる所が出すか、時々公安なんかの機密費等から出ていた。

 なお、本来ならちゃんと国が出すべきなのだが、GHQの頃にその辺の予算関係が一掃されてしまったため、こうして七面倒で表に出ないやり方でしか予算が出せなかった。

 現在は度重なるファンタジー系問題に対して正式な予算案が通過し、近々関連法案も通る予定になっている。

 なお、これら全てはマスゴミと外患誘致しまくる野党とか外国人によるデモ隊とかに妨害されている事を特筆する。

 アメリカの様にその筋の超専門家もいないのに、この対策へのスピードは流石災害大国日本と言うべきだろうか。

 しかし、しかしだ。

 どうにもならん問題もあるのだ。

 それを前にして、大泉首相は頭を抱えていた。

 

 「霊的諸問題へ対処する人材が、まるで足りません…。」

 「国内の人員で、使えそうな者はもういないのか…?」

 「いません。寺社仏閣の関係者も、新たに地鎮祭等をしっかりしないと祟る事例が多発し、時には無関係の一般人に障る事例も報告されています。他の事例も併せて民間からの依頼が激増しており、とてもではないですが門の調査に出せる人材がいません。加えて、例の盗賊団の問題がありまして…。」

 「警察に発破をかけろ。外交的な問題は何とかするから、必ず連中を捕えろ。後の始末がそいつらが無礼をした方々がつけてくれるだろう。」

 

 西日本を中心に好き放題をしている隣国からの盗賊団の所業により、西日本の霊的治安はガタガタと言って良かった。

 かろうじて国家規模での破滅的な事態は国内の関係者らの頑張りによって防がれているが、それ以外の部分はもう目も当てられない有様だった。

 それでも何とか一般人への被害が未だに極小なのは、昔からの習慣や行事をしっかり守ってくれる神主さんやお坊さん達、そして術者の皆さんがいるからだ。

 加えて、最近では米国による外交的圧力が加えられ、隣国からの盗賊団は減少傾向にある。

 が、それでも完全には消えず、寧ろブラックマーケットでは日本製のそうした遺物は品数が減少した分だけ希少価値が上がり、被害が出続けている。

 また、他の連中はその分大陸方面に向かっており、貴重な遺跡等を漁って文化財を盗み出してお守りや骨董品として売り捌いているらしい。

 

 「最早、我が国だけではどうにもならんか…。」

 

 そう言って総理が目を落としたのは、とある資料だった。

 最重要機密・部外秘と赤く英語で印字されているソレには、洒落にならない情報が載っていた。

 

 その内容は三つ、「神州世界対応論」と「門に対する現時点での調査結果」、「昨今の霊的事件の多発についての調査結果」。

 

 一つ目の神州世界対応論だが、これは「日本と世界の各地は地脈(龍脈とも)で繋がっており、日本列島の形状は世界の大陸の配置と対応させられる」とする論だ。

 首相は当初「月刊ムーの記事かな?」と思って読んだが、超頼りになるが無茶ぶりしてくる同盟国アメリカからの資料なので真面目に読んだ。

 この論を応用する事で、世界各国の動きを先読みしたり、日本の影響下に置く事ができるとされているが……それは悪い意味でも通じる。

 つまり、「日本で起きる悪い出来事は、地脈を通じてその土地に対応する国や地域でも起きる」という事である。

 で、だ。

 これを念頭において、次の二つの情報を見てみよう。

 

 二つ目の「門に対する現時点での調査結果」。

 こちらは文字通りのものであり、あの門に対する現段階での調査結果の報告書だ。

 首相は知らないが、作成者はあの二人である。 

 調査報告書によれば、あの門の正体は異なる世界を繋ぐ、云わば「次元アンカー」の様なものなのだと言う。

 そして、異世界と地球のあるこちら側の世界はどの様な関係にあるかと言うと、「互いに自転と公転を続ける惑星」に近いのだと言う。

 で、今回の事例は公転軌道上で一番近い位置に並んだ惑星直列状態になった惑星同士が門というアンカーで繋がった状態だ。

 その状態なので、アンカーを通じて行き来できるが、その状態でも互いの惑星は自転と公転を行っている。

 惑星そのものじゃないので今はまだ大丈夫だが、何れ空間の歪が蓄積され、アンカーの破損か切断と同時に歪は解放されてしまう。

 そう、まるでプレートの歪が解放されて起きる地震の様に。

 地面ではなく空間で起きる地震に似た現象、空間震の発生である。

 門が繋がり続ける限り、歪は蓄積され続け、空間震はそのエネルギーを増大させる。

 これは距離で減衰する事無く、地球全土にほぼ同時刻に到達し、最終的には震度7以上となるだろう、と報告書は締め括っていた。

 

 三つ目、「昨今の霊的事件の多発についての調査結果」。

 他二つに比べれば専門用語が多くてやや難解だが、これも超大問題だった。

 要約すると、「門の向こうの世界は現在クトゥルー神話系の邪神からの侵略を受けており、物理法則にすら浸食を受けている。門を介してこちら側にも影響が発生しており、こちら側の世界そのものがカウンターとして嘗て神代の頃に去った神秘法則を呼び覚ましている。この状況が進めば、世界は神話の時代に逆戻りし、現代文明は不可逆の混沌に飲まれ、消失する可能性が高い」と言っている。

 新手の厄介なウイルスに感染した人体みたいだった。

 

 さて、これら二つ目と三つ目を頭に入れつつ、一つ目の「神州世界対応論」を読んでみよう。

 特に注目すべきは「日本で起きる悪い出来事は、地脈を通じてその土地に対応する国や地域でも起きる」の部分だ。。

 

 

 Q つまり?

 A 日本で起きてる様々な厄ネタが自動的に全世界にばらまかれます★

 

 

 世界で唯一となってしまった超大国アメリカ様が頭を抱えるのも当然な事態だった。

 現状のまま事態が推移すれば、地球はクトゥルー神話世界の神秘法則と空間震の二大災害に飲み込まれ、最終的災厄に見舞われるだろう。

 情報自体の信憑性はともかく、真実だったとしたらとてもではないが日本一国でどうにかなる事態ではなかった。

 

 「…アメリカを頼ろう。ホットラインを準備してくれ。」

 「畏まりました。」

 

 こうして、日本国首相は(現実って何だろう…)と思いつつ、自身の常識とか色々と戦いながら、世界最強の同盟国米帝様を頼る事にするのだった。

 

 

 ……………

 

 

 正式に日本からの救援要請を受けた米国の動きは素早かった。

 僅か三日で本国から選抜された兵士達がニミッツ級航空母艦(原子力空母)に乗って、横須賀在日米軍基地へと移動を開始した。

 また、他にも佐世保と沖縄(普天間と喜手納)の三基地にも合計一個師団が追加配置され、太平洋艦隊からも選抜された小艦隊が真珠湾から出発し、有事に備える予定だ。

 その中には対COD特殊任務部隊、通称「ホラーハンターズ」の姿もあった。

 他所の兵士達の多くが彼らの最新兵器に注目し、或いはあんなんが役に立つのかと疑問を感じているが、公開されたウォーマシンとエステバリスのシミュレーション(made inリーア&アーリ)をプレイしてみると、退屈な船旅もあってか誰もが夢中になった。

 何せ男の子なら誰もが夢見るパワードスーツとロボットなのだ。

 兵士達は童心に帰ったようにシミュレーションに入り浸り、熱中した。

 白熱する勝負に平然と賭博も行われ、その様子は備え付けのモニターだけでなく、悪乗りしたアーリによって食堂にも中継された程だった。

 

 「うちの隊長に50ドル!」

 「俺は100ドル!」

 「相手側には誰も賭けねぇのか!?」

 「「「「「だって隊長が勝つし。」」」」」

 「あーもう!賭けにならねーだろうが!」

 

 そしてリーアは選手として堂々と参加した。

 そのお姫様かお人形の様な容姿に突っかかってきたり眉を顰める兵士もいたが、その全てを実力で黙らせて勝利をもぎ取っていく姿は、ホラーハンターズからは畏怖され、それ以上に信頼されていた。

 

 「私に一度でも勝てたら、私特製の黄金の蜂蜜酒をやろう。」

 「え」

 「それ、隊長が作った『効果も凄いけど美味過ぎて飲み尽された』蜂蜜酒!?」

 「あぁ。つまみに特製ベーコン(何の肉かは秘密★)も付けるぞ。」

 「うおおおおおおお各員死ぬ気で挑めェーーー!!」

 

 こんな感じで兵士達との連帯を深めつつ、合間合間に日本からのデータを基に兵士達と戦訓の共有や図面引いたりと仕事をしつつ、遂に横須賀基地に到着した。

 

 「これから我らが極東の友人と共に赴くのは前人未到、正体不明の異世界の大地だ。多くの困難が予想されるだろう。だが、私は君達となら何の不安もない。必ずやその任務を果たしてくれるだろうと信じている。それは何故か!」

 「「「「AHEAD!AHEAD!GO AHEAD!」」」」

 「そうだ!どんな化け物だって殺してみせる!我らこそホラーハンターズ!どんな化け物にも怯まず前に出ろ!」

 「「「「AHEAD!AHEAD!GO AHEAD!」」」」

 「よろしい!さぁ諸君、上陸だ!お行儀よくな!」

 「「「「Yes,Mam!」」」」 

 

 こうして、米軍特殊任務部隊「ホラーハンターズ」はリーア&アーリの当初の目論見通り、遂に日本へと上陸したのだった。

 

 

 

 

 

 

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