さすらいの矛盾小隊   作:めーりん

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PHASE-02

††††

 

闇の帳が下りた森の中を素早く動く三つの影。その動きに躊躇いはなく、枝から枝へと飛び移るその速度は明らかに慣れていると分かる動きだった。

 

へカートⅡ(イーグルアイ)より各位、もうじき爆弾魔(ボマー)の痕跡があったと侵入者(憎たらしいコンチクショー)への通信があった地点よ。警戒を』

 

C8-SFW(バック)よりリーダー(イーグルアイ)へ、了解』

 

MPX-SD(ヴァルキリー)より隊長(イーグルアイ)。ジャミングでバレないから良いけど、妙に働き蟻(ダイナゲート)斥候(スカウト)の数が多くない?あと面倒な事に神の盾(アイギス)の姿も見える。もう少し先行する?』

 

『確かに多いわね・・・・・。よし、ならば迂回して斥候頼むわ。アタリかハズレかだけでも良いから分かればすぐ連絡を』

 

了解(Copy)

 

へカートⅡ(イーグルアイ)よりC8-SFW(バック)。あの廃墟群で予定通り準備するわよ』

 

『了解』

 

枝から枝へと飛び移るへカートⅡ()は背負っているマテバ モデロ6 ウニカ(シーカー)の電子バックアップを受けながらヘリアンから送られた(賭けに勝って送らせた)高性能な軍用咽喉マイク(スロートマイク)で前衛と斥候を担当するMPX-SD(ヴァルキリー)からの報告を受け、指示を出す。(なお、作戦時には全員がコールサインで呼び合う事を徹底しているが、その理由は侵入者(憎たらしいコンチクショー)が原因である。)

 

MPX-SD(シグ)が私の号令に応え、闇に溶けるように先行する。私は電脳内にインストールしてある情報から、予定通りに進めている事を理解すると、C8-SFW(エイト)と共に前方に見える廃墟群に向かう。

 

『で?ウニカ(シーカー)、連中は?』

 

『上手く騙せてるよ。侵入者(イントゥルーダー)も情報が増えすぎて取捨選択に困ってるみたいだね。で、この廃墟群の中に不明のシグナルを確認。十中八九爆弾魔(ボマー)だと思うんだけど、この子拙いながらも対抗電子戦をやれてるみたい。確保が目当てだから軽く使い捨てのコードで手助けしたらソレを上手く組み合わせ利用するあたり、才能あるよ。バックドア("枝")への警戒もかなりのものだし、逆に侵入者(イントゥルーダー)へのダミー情報に転用してるし』

 

廃墟群の中で比較的無事な建物の一室に身を隠すと、今まで背負って居たウニカに聞けば出てきたのは予想外の展開。少し驚いている私を余所に、ウニカは部屋の中にエイト(バック)が背負っていた機材を受け取ると、手早く設置して行く。

 

「じゃ、これから本格的にサポートするね。とりあえず私が10分は侵入者(イントゥルーダー)達を電子戦で封殺しておくから、隊長達はその間に爆弾魔(ターゲット)との接触と説得お願い」

 

「分かった。5分で接触と説得(オハナシ)してくるから」

 

シグ(ヴァルキリー)、どうかしら』

 

爆弾魔(ターゲット)を視認。周囲に敵影はない。ただ、問題・・・・になるのかな?が、発生した。・・・・・一瞬とはいえ私を視認したみたいだ。索敵能力は化け物の粋じゃないか?』

 

使い捨ての機材を設置したウニカに声を掛けてから建物を後にし、先行して索敵をしていたシグ(ヴァルキリー)に通信を繋げばとんでもない情報がもたらされた。私達の部隊で主に前衛と斥候を担当するMPX-SD(シグ)非常に高い(異常とも言えるレベル)隠密性を持つ戦術人形だ。その隠密性は日中ですら並みの上級人形(ハイエンドモデル)の索敵能力を上回るし、現在は夜。専用の夜戦装備を持たない人形では索敵能力の九割は低下するという条件下の中で爆弾魔(ターゲット)シグ(ヴァルキリー)を視認していたらしいのだ。

 

『その非常識なまでの索敵能力があったからこそ、今まで逃げれていたのかもな』

 

『でしょうね。じゃあ排除ではなく取り込みましょうか(これは是非ともスカウトしなきゃね)

 

エイト(バック)の呟きに愉しげな笑みを浮かべてしまうイーグルアイ()。そんな話をしているうちに爆弾魔(ターゲット)の潜伏している建物から500m程離れた建物に入り込み、先行していた

エイト(ヴァルキリー)と合流する。

 

『じゃ、まずは確保して離れましょうか(拉致って敵の殲滅準備ね)

 

『笑顔で言う事じゃねーぞリーダー(イーグルアイ)・・・・』

 

『煩いよエイト(バック)。左右からでいい?』

 

『退路は確保しておくから、確実に確保してね(拉致りなさい)ウニカ(シーカー)のいる地点にまで引いたら侵入者(憎たらしいコンチクショー)の殲滅戦に移行するわ(への復讐戦よ)

 

イイ笑顔で宣言すると、口はともかくエイトとシグ(バックとヴァルキリー)の二人も中々イイ笑顔で了承。それぞれがかなり遠回りに左右から爆弾魔(ターゲット)が潜伏している建物に潜入する。

 

ウニカ(シーカー)、今から爆弾魔(ターゲット)確保してそっちに向かう(拉致って敵の殲滅の準備に入る)から、侵入者とその部隊(コンチクショーと取り巻き)に"枝"を仕掛けておいて(を電子戦で封殺する用意しておきなさい)

 

『了解隊長(イーグルアイ)

 

脳内マップ上でエイトとシグ(バックとヴァルキリー)が準備ができた事を確認してから電子戦で補佐をしているウニカ(シーカー)に指示を出す。普段の明るい声ではなく、冷徹さを感じさせる声で返事が返ってきた事から、既に予測しており、あとはイーグルアイ()のゴーサインを待つだけだったと理解する。

 

GO!(確保!)

 

私のサインを受けシグとエイト(ヴァルキリーとバック)が左右から立体的に爆弾魔(ターゲット)を強襲する。その際にイーグルアイ()電子的にも強襲する(ハッキングを行う)。完全な不意打ちであったが故に爆弾魔(ターゲット)は呆気なくエイト(バック)に確保されるのであった。

 

『じゃあ一度引くわよ』

 

『了解だリーダー(イーグルアイ)

 

電脳をハッキングされてオフになった為に無抵抗な状態の爆弾魔(ターゲット)エイト(バック)に担がれた状態で運ばれてくる。さらに数カ所に時間稼ぎ兼バックドア("枝")用のダミーを設置したシグ(ヴァルキリー)が続いて出てくると、イーグルアイ()殿(しんがり)について移動を開始するのであった。

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