さすらいの矛盾小隊   作:めーりん

4 / 8
PHASE-03

††††

 

その頃、廃墟を囲むように鉄血の部隊を指揮していた上級人形(ハイエンドモデル)の一人である侵入者(イントゥルーダー)はため息をついていた。

 

ただでさえ、数時間前に同僚である上級人形(ハイエンドモデル)錬金術師(アルケミスト)が謎の狙撃により撃破されており、さらに今回の追撃においても、狩人(ハンター)処刑人(エクスキューショナー)の二人が爆弾魔(ターゲット)に返り討ちにされているのだ。いくら指揮担当である代理人(エージェント)夢想家(ドリーマー)の二人による連盟の命令とはいえ、こうも同僚が立て続けに撃破されている中での任務は気が重たくもなるものだった。

 

「(流し読みになったが、数時間前に撃破された錬金術師(アルケミスト)記録(ログ)ではグリフィンの人形と夜間という事もあり不意遭遇戦。が、その時の部隊は大した敵ではなかったはず。なのにいきなり、恐らくは視覚外からの攻撃で撃破されていた・・・・。確かに錬金術師(アルケミスト)も多少は被弾していたとはいえ、ラッキーヒットで撃破される程の被ダメージではなかったんだ。しかもあの時、あのエリアにいたグリフィンの部隊はあの時錬金術師(アルケミスト)と交戦していた部隊のみ。つまり錬金術師(アルケミスト)を撃破した奴は狙撃手(スナイパータイプ)の戦術人形で、恐らくは名前付き(ネームド)。夜間にも関わらず錬金術師(アルケミスト)に気付かれない距離から狙撃を可能とするとなれば、キロ単位での狙撃ができるって事になる。そんな奴がいるってのにこの強制探索命令だし未だに爆弾魔(ターゲット)は見つからないし・・・・)」

 

指揮官(イントゥルーダー様)働き蟻(ダイナゲート)のセンサーに爆弾魔(ボマー)と思わしき反応をようやく捉えたとの報告が。ただし、その報告が数カ所(・・・)から、とのことです」

 

ため息混じりに思案していた侵入者(イントゥルーダー)だったが、ようやく隣に控えていた副官の竜騎兵(ドラグーン)から望んでいた報告が告げられる。

 

「全く代理人(エージェント)夢想家(ドリーマー)爆弾魔(ターゲット)の詳細を送ってくれないから現場が苦労する・・・・。爆弾魔(ターゲット)は電子戦で我々を混乱させるつもりか?ならば私が先手を打って電子戦を仕掛ける(ハッキングしてみる)。貴様らは爆弾魔(ターゲット)を鶴翼の陣で包囲、爆弾魔(ターゲット)を追い込む用意をしなさいな。念の為に虎の子の毒持つ獣(マンティコア)も起動よ」

 

「はっ」

 

侵入者(イントゥルーダー)の指令を受け、竜騎兵(ドラグーン)が指示を出す。しかしこの時、侵入者(イントゥルーダー)は致命的なミスを犯した。爆弾魔(ターゲット)が電子戦をしていると勘違いし、自身が真っ先に電子戦を仕掛けてしまったのである。それは致命的なミスとして、侵入者(イントゥルーダー)のAIに刻まれる事になるのであった。

 

†††††

 

隊長(イーグルアイ)侵入者が食いついたよ(憎たらしいコンチクショーが掛かった)。で、今は毒持つ獣(マンティコア)を操って敵を混乱させてるよ』

 

完璧じゃない(ザマァないわね)。さて、シグ(ヴァルキリー)エイト(バック)は周りの雑魚を潰したらマンティコア(操り人形になったデカブツ)の武器を無力化。侵入者は(憎たらしいコンチクショー)私が撃ち抜くわ(への御礼参りは私ね)

 

『了解隊長(イーグルアイ)マンティコア(案山子になったデカブツ)エイトに任せるよ(バックの方が楽でしょ)

 

『了解だリーダー(イーグルアイ)マンティコアは私かあ(御礼参りは仕方ないから譲るよ)

 

爆弾魔(ターゲット)を仮拠点に軟禁すると(閉じ込めると)、廃墟群の中で二番目に高い(・・・・・・)建物の最上階の一室で狙撃態勢に入ったイーグルアイ()に、電子戦をしていたウニカ(シーカー)が敵の通信を聞き取り、ソレを伝えてくる。

 

そのウニカ(シーカー)からの報告を受け、イイ笑顔になるイーグルアイ()。そんな笑顔の私の指示を受け、闇に溶けるようにシグ(ヴァルキリー)が先行し、エイト(バック)が続いて行く。それを見送った私は、.50BMG(12.7×99mm NATO弾)を装填したPGM へカートⅡ(自身の分身)に取り付けたナイトスコープ(ヘリアンに送らせた物)を覗き込むと、ウニカ(シーカー)の電子戦により混乱している侵入者(憎たらしいコンチクショー)に照準を合わせるのだった。

 

†††††

 

爆弾魔(ターゲット)の電脳に侵入(ハッキング)し、自分が動けなくなって初めて侵入者(イントゥルーダー)は自分が逆に罠に嵌ったのだと理解した。最初に働き蟻(ダイナゲート)が発見したという反応の一つが未だにオンラインのままである事を、周囲の電子機器に侵入(ハッキング)して確認した侵入者(イントゥルーダー)。そこで周辺の電子機器にアクセスしている反応が侵入者(自分)爆弾魔(ターゲット)だけだった為、安全だと判断して素早く対象に侵入を開始(ハッキングする)。するといきなり電脳内に流れるハッキング警告の音(掛かったなアホが!のメッセージ)。その段階になってやっと侵入者(イントゥルーダー)は自身が罠に嵌った(逆ハックされた)事に気付いた。

 

「(侵入された!?(逆ハックされた!?)しかもこのパターン(・・・・・・)はデータベースに記録(ログ)代理人(エージェント)が警告していた例の部隊(・・・・)の手口の一つか!チクショウ、代理人(エージェント)の警告は正しかった訳だ。・・・・やられt)」

 

あっという間に電脳(ネットワーク)を制圧されてしまい、思考しかできない中侵入者(イントゥルーダー)は理解する。指揮系統を様々な方法で制圧(ハッキング)してから手早く作戦を行う部隊の事を。それは鉄血のネットワーク上で、代理人(エージェント)が名指しで警戒を促す部隊の手口の一つだった。とはいえ、実際にその部隊と真っ当に交戦(・・・・・・)した部隊は居なかった為、一種の戦場伝説を代理人(エージェント)が過敏に警戒していただけだ、と当時は侵入者(イントゥルーダー)も笑い話にしていたものだった。しかし"死"の間際になって侵入者(イントゥルーダー)はその警告が間違いではなかった、と自笑する。そんな刹那の中、自身のコアが.50BMG(12.7×99mm NATO弾)でぶち抜かれるのを理解しながら侵入者(イントゥルーダー)のAIはシャットダウンされるのだった。

 

††††

 

(イーグルアイ)よ。侵入者(ターゲット)を排除。ウニカ(シーカー)毒持つ獣(マンティコア)を操って廃墟に移動させて』

 

エイト(バック)了解。今毒持つ獣(マンティコア)の武器を無力化。現地で待機中』

 

シグ(ヴァルキリー)より隊長(イーグルアイ)、敵部隊の殲滅を完了。エイト(バック)と共にウニカ(シーカー)の元で合流します』

 

ウニカ(シーカー)りょーかい」

 

PGM へカートⅡ(自身の分身)から撃たれた.50BMG(12.7×99mm NATO弾)侵入者(イントゥルーダー)の胸部を捉えて撃ち抜いた事を確認した私は、ボルトを操作しながらウニカ(シーカー)のハッキングで棒立ちとなっていた(ただの案山子となった)鉄血の部隊を鏖殺した仲間(エイトとシグ)に通信を行う。返ってきたまだ気を抜かない二人からの通信に満足しつつも、二人(エイトとシグ)の合流まで周囲の警戒を行うのだった。

 

††††

 

まず対侵入者撃滅戦(憎たらしいコンチクショーへの御礼参り)を完遂した私達は建前上の任務(一応表向きの肩書きは遊撃小隊だ)に戻る前に一度確保した爆弾魔(ボマー)との交渉(オハナシ)を行う事にした。

 

無論、廃墟にウニカ(シーカー)制圧(ハッキング)した毒持つ獣(マンティコア)を運び終えた為、ウニカ(シーカー)爆弾魔(ボマー)火器管制機能(ファイヤコントロール)無力化(ハック)させてからであるが。

 

「ん・・・・ぅ・・・・?」

 

「ようやくお目覚めだね。ちょいと手強かったみたいだし隊長(イーグルアイ)、だいぶ強引に制圧(ハッキング)したのかなあ・・・・」

 

ウニカ(シーカー)がそこまで言うって珍しいな。って事は爆弾魔(コイツ)リーダー(イーグルアイ)クラスの対電子防壁持ってるって事か?」

 

「うん。てか爆弾魔(この子)の電子戦能力のポテンシャルは侵入者(イントゥルーダー)クラスに匹敵するよ。多分理由としては鉄血の上級人形(ハイエンドモデル)はネットワーク上に自身の経験(メモリー)累積(バックアップ)する事が可能だから、侵入者(イントゥルーダー)の電子戦の経験(メモリー)を流用したんじゃないかな?まあAI人格の基本骨子以外は一部だけしか引き継げないみたいだけれど、理論上は可能だろうし」

 

再起動する爆弾魔(ボマー)を見てボヤいたウニカ(シーカー)に思わずエイト(バック)が問いかける。ウニカ(シーカー)の分析に、思わず感心するエイト(バック)イーグルアイ()はというと、周辺を念のために偵察してきたシグ(ヴァルキリー)からの報告を受け、ヘリアントス(合コンの負け犬)への報告書(脅しネタ)を纏めていた所であった。

 

「私は・・・・」

 

「現状把握は今は後回しにしてもらえると嬉しいわね。私からの問いは二つに一つ。仲間になるかならないか(私の部下になりなさい)

 

「酷いスカウト方法だなリーダー(イーグルアイ)よぉ」

 

「でも我々らしい強引さ。でも、それが隊長(イーグルアイ)らしい(・・・)と思う」

 

ようやく現状を理解したのか、はたまた火器管制機能(ファイヤコントロールシステム)が動かないことに気づいたのか、少し怯えたように周辺を見渡す爆弾魔(ボマー)。そんな彼女の真正面に立つと、非常にイイ(・・)笑顔でスカウトする(半ば強制に仲間に入れる)。その裏を理解したのかエイト(バック)は心底楽しそうな笑みを浮かべ、シグ(ヴァルキリー)は珍しく楽しげな笑みを浮かべる。

 

ポカンとしていた爆弾魔(ボマー)だったが、(イーグルアイ)正体(・・)に気づいたようで、唖然としながらもしっかりと頷く。それを確認したウニカ(シーカー)彼女(ボマー)の運動機能を解除する。

 

「貴女の誤魔化しなら任せなさいな。では改めて、歓迎するわ。ようこそ409 Conflict小隊へ」




現状ストックしてあるのはここまでです。続きはお待ちくださいorz
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。