大して面白みのない作品ですが、よかったらどうぞ。
あと、スゲェ短いです()
「私、秘封倶楽部やめるから」
それは突然の告白だった。
「私はきっと、ここに長く居過ぎたんだ………… 」
そして、メリーが最後に残した言葉だった–––––––
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私こと
視界に映るのは、空気中に透明な歪みを生み出す灰色のアスファルト、その上に伸びる自分自身の影。汗が
7月。梅雨が過ぎたかと思えば、季節の初っ端から各地で最高気温が次々と観測されていた。どうやら、お天道様は手加減というものを知らないらしい。夕方になっても、その暑さは増すばかりだった。
「ッ…………!」
お陰で汗が止まらない。額から流れた汗が目に染み、思わず右手で擦る。視界の霞が消えると、私はポケットからハンカチを取り出し、汗を拭う。
「はぁ…………」
私は溜息をついた。かれこれ5時間以上は歩きっぱなしだっただろうか。お陰で疲労も限界まで来ていた。そして、喉の渇きを潤さねばならぬこともこの瞬間までは忘れていた。
「水…………」
ゴソゴソと肩掛けバッグを漁ってみるが、ボトルは既に空だった。
「…………」
特に落胆するわけでもなく、ただ無言でそれをしまい、目の前にある歩道橋まで歩き始める。
私とすれ違う者、私を追い越してゆく者、それぞれ全く違う特徴を持っていたが、この暑さに辟易している点だけは共通していた。
汗だくで駆けていくサラリーマン、大量の買い物袋を両手にヨタヨタと歩く主婦、猛暑に愚痴を吐きながら談笑する女子高生。
それらには、さして興味も示さず私は歩いていた。
階段の部分に差し掛かると、手すりを掴みながら一段一段上っていく。カン、カン、カンと上る度に鳴る音と共に、振動が手すりに伝わってくる。階段を一段上るごとに汗が吹き出していた。
カン、カン、カン、カン、カン………………
足音と共に、自身の呼吸の乱れる音が耳に届く。視界を上下させながら歩を進めていると、頂上から夕陽が徐々に顔を覗かせる。射し込むオレンジ色の光に目を細めながら最後の一段に足をかけ、
「…………」
ふと、足をピタリと止め、後ろを振り返る。見えるのは道路を目まぐるしく行き交う車の列に、自身が光っているかのようにオレンジの光を反射するガラス張りのビル群。いつもと変わらない街の風景が、余計に私の不安を増長させた。
–––––––メリー、貴女は何処に行ったの……?
そこかしこで鳴るクラクションなど気にかけず、私は灼熱を思わせるほど真っ赤に染まる空を見上げながら、あの日の光景を脳裏に浮かべていた。
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とある大学の一室。"あの告白" の後、メリーは無言のまま、ドアを開けて部屋を出た。 バタンッ……と、ドアが閉まった後の空しい余韻、耳に
––––––––メリーは今、なんて………………
彼女の言葉をもう一度、頭に浮かべてみる。
––––––––私、秘封倶楽部やめるから
「 ッ…………!!」
余韻が消え、沈黙が訪れる。ここで
お読みくださり、ありがとうございました
一応続きますので、しばしお待ちを
本来は1話で終わらせる予定でしたが、区切って投稿することにしました。