IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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箒達は楯無の指示の下、初めて黒いIS「アンジェロ」達と交戦する。数だけでは3倍近い相手ではあったが、以前より遥かにレベルアップしていた彼女達は大した被害はなくそれらを殲滅する。
互いに健闘を称える箒達。しかしそこに突然アンジェロとは違う謎のISが接近してくる。全員が何者かと思う中、唯一セシリアとロシア代表の楯無ははそれを知っていた。
機体の名はサイレント・ゼフィルス。ブルー・ティアーズの後継機であり、過去に強奪され、今まで行方不明になっていた機体であることを…。

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Mission92 魔人、蝶を翻弄する

IS学園 倉庫内

 

火影によって倒されたオータムは火影の尋問を受けていた。何故彼女がアンジェロ、そしてファントムの事を知っているのか。そして先程言っていた「あいつ」とは誰の事なのか。だがその人物の事については頑なに口を閉ざすオータム。…とその時、

するとその時、

 

ゴォォォォォォォッ!

 

一夏

「な、なんだ!?」

 

ドォォォォォォン!!……パラパラ

 

倉庫の天井を何かが突き破って来た。

 

火影

「…!」

一夏

「あ、IS!?」

 

それは先程外で箒達が遭遇したIS、サイレント・ゼフィルスであった。

 

?

「……」

 

沈黙しているパイロット。とそこへ、

 

バンッ!

 

海之

「無事か二人共!」

 

先程アリーナでファントムを撃退した海之が入って来た。

 

一夏

「海之!」

海之

「…火影、なんだこいつは?」

火影

「…さあな。だがお友達って感じじゃなさそうだ」

 

~~~~~~~~~~~~

 

とその時連絡が入る。千冬からだ。

 

千冬

「海之!火影!一夏!聞こえるか!?」

一夏

「千冬姉!?」

?

「…!」

海之

「…?」

千冬

「良く聞け!謎のISが更識達がいる地点を突破して学園内に侵入した!十分に警戒しろ!」

一夏

「…警戒も何も…今目の前にいるよ」

千冬

「なっ!?」

 

するとオータムが謎のISのパイロットに話しかける。

 

オータム

「て、てめぇ…なんでここに?」

?

「…命令だ。撤退する」

オータム

「命令って…あいつのか!?それともスコールか!?」

?

「…どちらもだ」

 

話からしてオータムと謎のパイロットは知り合いらしかった。そして敵は声色からして女の様だった。

 

一夏

「どうやらあいつ、オータムって奴と知り合いらしいぜ」

火影

「…へっ、そっちからわざわざ出向いてくれるとは、今日はラッキーデーだな」

一夏

「いやどこがだよ…ってそうじゃなくて!なんだお前は!」

女

「……こいつをやったのはどちらだ?」

火影

「俺だ。選手交代か?」

女

「オータムをここまでにするとは…。ファントムの奴もあっという間に破壊された様だな」

海之

「そちらも知っているのか…。どうやら本当に当たりの様だな」

一夏

「答えろ!何でこんなことしやがる!?」

女

「……行くぞオータム。動けるか?」

オータム

「当たり前だ!…ちっ、しょうがねぇ。あいつのはともかくスコールの命令じゃあな」

一夏

「逃がすか!」

 

ドンッ!ドンッ!

 

一夏は二人を取り押さえようとするが一瞬遅く、オータムのアラクネとゼフィルスは飛び去っていく。

 

火影

「あのオータムって奴、まだ動けたのか」

一夏

「くっ!白し」

火影

「待て一夏!お前はまだ完全に回復していない。俺が行く。海之、一夏を頼むぜ」

海之

「ああ任せておけ」

一夏

「火影!俺も」

火影

「お前が死んじまったら悲しむ奴がいるだろうが!」

一夏

「!!」

 

火影の言葉に一夏は動きを止める。そして一夏は思い出した。火影、そして海之は他人の命を何よりも特に重視している事を。

 

火影

「弾は無駄にしても良いが…命を無駄にするな。良いな?」

一夏

「…わかったよ。火影、気をつけろよ!」

火影

「ああ。海之、あと頼んだぜ」

 

ドンッ!

 

火影も天井の穴から二人を追いかけていった。…その後ろ姿を見て一夏は思っていた。

 

一夏

「……」

(俺が死んだら悲しむ奴がいる、か…。だがよ、それはお前も同じだろ火影…)

海之

「……」

 

 

…………

 

学園校外

 

飛び去ったゼフィルスを追いかけて箒達は学園に向かっていた。すると、

 

簪

「…見て、あれ!」

 

少し先に見える学園からゼフィルスともう一体のISが飛び出してくるのが見えた。

 

楯無

「あれは…アメリカの第2世代のアラクネ?行方不明になっていたって聞いたけど」

セシリア

「ゼフィルスもいますわ!」

ラウラ

「逃がすか!」

箒

「…待て!まだ何か出てくるぞ!」

 

箒の言った通りもう一機の何かが飛び出してくる。それは先程の二機を遥かに超えるスピードだった。

 

鈴

「あれは…アリギエル!火影!」

シャル

「な、なんてスピードなの…。前よりまた速くなってる」

 

 

…………

 

箒達より少し先の空域。

 

バッ!

 

火影

「……」

女

「…!」

オータム

「なっ!?」

 

火影のアリギエルが逃げようとする二人の前に立ちふさがった。

 

オータム

「な、なんてスピードだよ…!?」

女

「…まさかこうまで簡単に追いつかれるとはな」

火影

「悪いがあんたらにはまだ聞きたい事があるんでね。あんたらの組織についてもだが…何よりさっきの「あいつ」とかいう奴についてだ」

オータム

「し、しつけぇんだよてめぇ!」

火影

「答えろ。あいつらを造ったっていう「あいつ」とは……誰だ?」

女

「…聞いてどうする?それに簡単に教えると思うか?」

火影

「…いや、そう言うだろうと思った。分かりやすくて良い」

女

「…オータム、下がっていろ。今のお前は足手まといだ」

オータム

「何だとぉ!!…ちっ、しょうがねぇ」

 

そう言うとオータムは離脱する。

 

女

「オータムをあそこまで痛めつけた程の力、見せてもらう!」ジャキッ!

 

敵は先に銃剣が付いた大型のライフルを展開し、火影に向ける。

 

火影

「へ~、早撃ち勝負か」ジャキッ!

 

そして火影もエボニー&アイボリーを向ける。そして、

 

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

ふたつとひとつ、それぞれの銃口から火花が吹いた。だが女の撃った銃弾は火影のアイボリーの弾と相殺されて当たらなかった。一方エボニーの弾は直撃していた。

 

女

「!…なに」

火影

「…ふっ」

 

ズダダダダダダダダダダッ!

 

火影は高速で動いて拳銃を連射する。それに対して敵は回避行動をとる。

 

女

「……速い!」

火影

「へ~、動きは悪くねぇな。だが」

 

ドンッ!

 

その瞬間火影は瞬時加速で接近し、相手の行きつく先に来ていた。

 

女

「!」

 

ボシュ!ボシュ!ボシュ!

 

加速中に武装を拳銃からカリーナに変更していた火影はランチャーからミサイルを発射した。

 

女

「!」

 

ドォォォォォォォォォンッ!

 

ミサイルがゼフィルスに直撃した。……しかし、

 

火影

「!…ほぉ」

女

「……」

 

撃破されたと思いきや、敵はミサイルをガードしていた。見ると展開されたビットからエネルギーで作られたシールドが張られていたのだ。

 

火影

「ビットで防御したか…。さっきの大型ライフルといいビットといいセシリアの機体の様だな」

女

「防御だけではないぞ!」

 

ビュビュビュビュンッ!

ビシュッ!

 

すると今度は突然ビットからレーザーが放たれた。その内の一本のレーザーが火影の頬をかすめた。

 

火影

「へ~便利なもんだな。それにビットも動かしながら自分も動けてるし、やるじゃねぇか」

女

「そんな事を言っている暇があるのか?」

(シールドが発動しなかった…?なんだ奴のISは…)

 

ズダダダダダダッ!

キキキキキキンッ!

 

火影はビットに向かって銃を撃つ。しかしシールドによって全て弾かれてしまう。

 

女

「無駄だ。その程度の攻撃ではゼフィルスのビットは落とせん」

火影

「ふ~ん、そうかい」

 

だが火影はふざけた表情を崩さない。

 

女

「…そのふざけた態度を二度とできない様にしてやる!」

 

ビュビュビュビュンッ!

 

怒った女は火影に向かって全ビットから砲撃した。そして、

 

ドォォォォォォォンッ!

 

全レーザーが直撃し、火影がいた地点で大爆発が起こった。煙が消えた時、火影もアリギエルの姿も消え失せていた…。

 

女

「…ふん、口ほどにもない」

 

勝利を確信するゼフィルスのパイロット。……しかし、

 

ドォォォォンッ!

 

女

「!?」

 

突然ビットのひとつが破壊された。そして立て続けに、

 

ドンッ!ドドンッ!ドンッ!

 

残りのビットも全て破壊された。

 

女

「な、何だ!?」ドゴォォォォォッ!「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

突然背中に強烈な衝撃を受け、前方に吹っ飛ぶゼフィルス。

 

女

「ぐっ!!な、何が!?」

オータム

「馬鹿野郎!後ろだ!」

女

「!?…!!」

 

オータムの忠告を聞いて女は最初後ろを振り返ろうとした。しかし無意識からか動物的本能から来る行動だったのか、女は振り返らずに自然に身体を前に動かしていた。

 

ブンッ!!

 

その時女は感じた。背中に強烈な衝撃の風があった事を。もし動いていなければ衝撃そのものを再び背中に受けていた事だろう。少し離れた女は改めて振り返る。するとそこにいたのは、

 

火影

「ほぉ、俺の気配を感じたか。やるな」

 

イフリートを展開したアリギエル、火影だった。

 

M

「!…何故だ?お前は先程確かに攻撃が当たった筈だ!」

火影

「俺の身体がバラバラになった所まで見たのか?当たる瞬間に避けた。それだけだ」

M

「! 馬鹿な!あんな一瞬でだと!?」

火影

「んじゃ、もう一度見せてやる」

 

シュンッ!

 

すると目の前で突然火影の姿が消えた。そして同時に、

 

ザンッ!

 

女

「ぐああああ!」

 

女は背中に再び攻撃を受ける。みるとリべリオンで斬りかかった火影だった。

 

女

「ぐうぅぅ…な、なんだ今のスピードは…!?」

火影

「俺のアリギエルにはエアトリックっつうちょっとした技があってな。SEをちと多めに使う代わりに瞬間移動できんだよ。さっきてめぇのビットを破壊したのもこいつを使ったのさ」

オータム

「しゅ、瞬間移動だと!?」

女

「そんな事が…!」

 

火影の力に女もオータムも言葉を失っていた…。

 

 

…………

 

一方、彼らの戦いを少し離れた所で見ていた楯無や箒達も驚きを隠せない様子だった。

 

シャル

「……ねぇ、誰か今の火影の動き…見えた?」

簪

「ううん、全然…」

楯無

「…もはや瞬間移動のレベルね…」

セシリア

「あんな事ができるなんて…」

鈴

「あいつといい海之といい…日に日にどんどん強くなっていくわね…」

ラウラ

「若しくは…元々それ位強いのかもしれんな」

箒

「それにしてもあいつら、あれだけの強さを一体どこで…」

鈴

「私達も強くなったつもりだけど…まだまだ足元にも及ばないわね…」

シャル

「…うん」

箒

「悔しいが…一夏が目標としているのがよくわかるな」

 

少女達は自分達と火影達の実力の差を改めて認識していた。

 

 

…………

 

場所は戻って火影、オータム、そしてゼフィルスを操る女。

 

火影

「さて…どうする、おとなしく捕まった方が良くないか?」

女

「……」

オータム

「…ちぃっ、まさかこれ程の奴がいるなんて聞いてなかったぜ…。こうなったら止むを得ねぇか…おいM!」

 

ガシャガシャッ!

 

するとオータムは突然自身のアラクネのコアを本体から外し始めた。コアを失ったオータムは自動的にISが解除された。そこをゼフィルスが抱える。

 

火影

「…?何の真似だ?」

オータム

「へっへっへ。てめぇは確かに強えぇよ。素直に認めてやらぁ。だがよ、俺らにはできててめぇには絶対できない事があんのよ!なんかわかるか?」

火影

「…?」

オータム

「良いか?俺らはいわば悪だ!悪は何だってできる!誰のもんを奪おうと、誰がどれだけ死のうと関係ねぇ!完全に自由だってことだ!」

 

ドンッ!

 

そしてオータムは手に持ったコアを高速で発射させた。向かう先には……、箒達みんながいた。

 

オータム

「ひゃはははは!あのコアにはちょいと特殊な改造がしてあってな!人体に反応して追尾し、自爆する様にできてんのよ!」

火影

「!」

オータム

「しかもコアの装甲を更に強化してっからそこらの銃器では撃ち落とせねェ!かといって直接ぶった切ればその途端にドカンッだ!早くなんとかしねぇと大事なお仲間が危ねぇぞ~?」

Mと呼ばれた女

「……醜い」

火影

「……」

 

ドンッ!

 

その瞬間火影はエアトリックで瞬間移動した。

 

オータム

「さ~て帰ろうぜ~。コアをひとつ失ったがまぁなんとかなるだろ♪」

Mと呼ばれた女

「……」

 

そしてオータムと女はその場を離脱した。

 

 

…………

 

一方、箒達も自分達の方に何かが向かってくるのが見えていた。

 

箒

「…?なにかこっちに来る!」

ラウラ

「…アレは…ISのコア?」

楯無

「…なんかやばそうな感じね」

 

と、その時

 

シュンッ!

 

彼女らの前にエアトリックで瞬間移動してきたアリギエルが現れた。

 

セシリア

「火影さん!」

火影

「おめぇら離れろ!あれは爆弾だ!」

鈴

「ば、爆弾ですって!?」

火影

「簡単には壊せねぇみてぇだし直接斬ったら一発アウトだ。だから早く逃げろ。あと俺に近づくなよ」

 

そう言って火影はコアに向かって近づいた所で旋回する。するとコアも誘導される様に向きを変える。

 

簪

「向きを変えた…感知式の爆弾ってこと!?」

シャル

「まさか…僕達を守るために囮に!?そんな!」

鈴

「火影!」

 

みんながそう言っている間にも爆弾はアリギエルを追尾し続ける。

 

火影

「ちぃ!」

 

ズダダダダダダダダダッ!

キキキキキキキキキキンッ!

 

火影はエボニー&アイボリーを撃つが貫けない。

 

火影

「強度が改造されてるってのはマジな様だな。かと言ってぶった切ると爆発か…」

 

シールドが無いアリギエルだと爆発のダメージをもろに受ける可能性があるため、それは避けたい。かといってみんなに近づける事はできない。

 

火影

「あの女はあれは人体に反応するっつった…………しゃあねぇな」

 

火影はなにか閃いた様だ。そしてリべリオンを展開する。

 

箒

「火影の奴、爆弾を斬る気か!?」

簪

「そんな!あれを斬ったら……!?」

シャル

「えっ!?」

ラウラ

「何だと!?」

セシリア

「火影さん!」

楯無

「なっ!」

鈴

「……」

 

その瞬間全員言葉を失った。何故なら…

 

ザンッ!!

 

火影は自らの、アリギエルの腕を、リべリオンで斬り落としたからだ…。




海之(バージル)が分身を使うのに対して火影(ダンテ)は瞬間移動を使う設定にしました。
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