IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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これは火影達が一夏の見舞いを終えてから翌日の集会までのお話です。


Extramission05 簪と本音の秘密

一夏の見舞いを終え、医務室を出た一行は帰路についていた。みなそれぞれ自分達の部屋に向かう中、火影は鈴とシャルロットが約束通り付いてきていた。

 

「…ねぇ火影、しつこい様だけど今度あんなことしたら許さないからね」

火影

「わかってるよ鈴。もう二度としねぇって約束しただろ?」

シャル

「…本当に約束だよ?絶対しちゃ駄目だよ?」

火影

「大丈夫だよシャル。俺だってもうお前らのあんな泣き顔は見たくねぇし…」

「千冬さんも言ってたけどあんたはもうあんた達だけのものじゃないんだからね。あんたや海之は学園にも、そして私達にも必要不可欠だって事、もっと自覚しておきなさい」

シャル

「…なんか鈴に全部言われちゃったなぁ。でもその通りだよ火影」

火影

「…ありがとよふたり共」

 

そんな話をしている内に部屋の前に着いた。

 

ガチャッ

 

本音

「ひかりんお帰り~って鈴とシャルルンも。どうしたの~?」

火影

「ああちょっとな」

「ねぇ本音、これから当分火影を絶対ひとりにしちゃダメよ?」

シャル

「絶対だからね?暫くは一緒に登校してね?」

本音

「ほえ?…うん、わかった」

「お願いね。よし、それじゃ帰るわね。おやすみ」

シャル

「また明日ね。火影、本音」

 

そう言って鈴とシャルロットは自室に帰って行った。

 

火影・本音

「「……」」

火影

「とりあえず入れてくれ」

本音

「あっ、うん」

 

 

…………

 

本音

「ねぇひかりん、おりむ~どうだった?」

火影

「全く問題ねぇよ。風呂に入りたそうだったな」

本音

「そうなんだ~。……ねぇひかりん?」

火影

「ん?」

本音

「もし間違ってたらごめんね。………ひかりん、また何か無茶したでしょ?さっきお願いされた時の鈴やシャルルンの表情。まるでひかりんを放っといたら何するかわからないからっていう感じだったもん…。だからよっぽどの事だったんじゃないかなって」

火影

「……」

 

火影は内心驚いていた。普段のんびりしている本音だがやはり彼女も楯無の家に仕える者。いざという時はみんなに負けずとも劣らない位鋭い。

 

本音

「やっぱり…。でも私はなにも言わないよ。ひかりんの事は信じてるし、困った事言ってひかりんを困らせたくないもん。それにいつも通りの私でいるのがひかりんやみんなのためにできる事だもんね♪」

火影

「…悪いな本音」

本音

「えへへ」

火影

「…湿っぽくなるのはやめて飯にしようぜ。今日は俺が作ってやる」

本音

「わ~い!…あっそうだひかりん~、昨日のシンデレラって結局どうなるのかな?今日かっちゃん言ってなかったんだけどなんか聞いてる?」

火影

「…いや何も聞いてねぇな。やっぱ中止じゃねぇか?」

本音

「…ねぇひかりん~、ひかりんってあの勲章、まだ持ってる~?」

火影

「勲章って…シンデレラのか?あああるぜ、ほら」

本音

「…じゃあさ!記念にわたしにちょうだ~い?」

火影

「…記念って何のだ?まぁ良いか」

 

そして火影は本音に勲章を渡した。本番じゃないためか電流は発生しなかった。

 

本音

「ありがと~!」

火影

「…ところで本音の願いってなんだったんだ?」

本音

「ヒミツだよ~♪」

火影

「?」

 

本音は笑ってそう言った。

 

 

…………

 

ほぼ同時刻、海之と簪とラウラ。

 

ラウラ

「一夏の怪我も大した事無くて良かったな」

海之

「ああ」

「うん。……ねぇ海之くん。絶対無茶しないでね?」

海之

「…どうした?」

「…昨日ね、火影くんが爆弾から私達を守ってくれた時に…お姉ちゃんが言ったの。海之くんもいざとなったは火影くんと同じ様に無茶するかもしれないから気をつけてって」

ラウラ

「だからそうさせない様にしっかりついててやれとの事だ。まぁ夫である私は言われるまでもないが…。だからお前も私達から離れようとするなよ?鈴やシャルと同じくどこへでも連れていけ。異議は認めん…」

海之

「……」

「…お願い海之くん。もし海之くんが…あんな事になったら…私、私…」

 

簪は昨日の火影と海之を重ねている様だ。そしてラウラも口調こそいつも通りだが本当に心配している事を海之はわかっていた。そんなふたりに海之は彼女らの頭に優しく手を置いた。安心させる様に。

 

海之

「大丈夫だ。信じろ」

「…うん」

ラウラ

「信じてるぞ海之。…おっと私の部屋か、ではなふたり共」

 

そう言うとラウラは部屋に入り、海之と簪も自分達の部屋に戻った。

 

海之

「では俺は風呂に行くか」

「…ねぇ海之くん。もうひとつ聞きたい事があるんだけど…ちょっと良い?」

海之

「なんだ?」

「あ、あのね。大した事じゃないんだけど…昨日のあのお芝居って、結局どうなったの?」

海之

「…芝居とはシンデレラか?生憎だが俺も知らん。中断してそのままだからな。まぁ中止だろう」

「そうなんだ…。ねぇ海之くん、その…海之くんの勲章って…まだ?」

海之

「ああそのままだ」

「…じゃあさ、あの、良かったらでいいんだけど…、それ…貰えない、かな?…あっ、け、決して変な意味じゃなくて!その、あの…」

 

簪は顔を赤くして落ち着かない様子だった。

 

海之

「…まぁ構わんぞ」

「…えっ、ほ、本当?」

海之

「ああ。もう意味は無いだろうし、それにあったとしてもお前なら変な願いもしないだろう」

 

そう言うと海之は簪に自らの勲章を渡した。やはりこちらも電流は走らなかった。

 

「あ、ありがとう…」

海之

「…簪、お前の願いとは…いや、俺が深く聞く事ではないな」

「……」

 

簪は考え事をしているのか海之の言葉には答えず、ただ顔を少し赤くしたまま暫く黙っていた。

 

 

…………

 

翌日、まだ一限目が始まる時間前。

 

楯無

「さぁ今日も張り切って行きましょー♪今日もお願いねふたり共」

「宜しくお願いします。……どうしたの本音ちゃん?」

本音

「う、うん…。…あのね、かっちゃんにお願いがあるんだけど~」

楯無

「な~に?本音」

本音

「…はい」

 

本音が出したのは……火影と海之の勲章だった。

 

「! 本音ちゃんこれって…」

楯無

「これは驚いたね~。いつ手に入れたの~?」

本音

「ひかりんから貰ったの。あとみうみうのはかんちゃんが貰ったんだよ」

楯無

「…ほんとあの子大胆になったわね…。油断しちゃったわ~。まさか罠が起動しない終了後に譲ってもらうなんて、やっぱり恋は女を強くするのかしらねぇ♪」

「本音ちゃんもよ。まさかここまである種図々しくなるなんて思わなかったわ~、ふふっ」

本音

「も、もうお姉ちゃん!…それでかっちゃん、もうこれって…やっぱり期限切れ?」

楯無

「う~ん本当は駄目なんだけど………、今回は良いよ♪」

「宜しいのですかお嬢さま?」

楯無

「良いの良いの♪黙ってさえいれば問題ナッシングだし、それに時間外とはいえ手に入れた事は違いないしね♪でも本音ちゃん、絶対他の子に言っちゃだめよ?もしバレて校内大混乱になったら……………コワイヨ?」

「コワイデスヨ?」

扇子

(秘密主義)

本音

「わわわわわわ、わかった~!」

楯無

「と、いうことで本音ちゃん。どんなお願いを聞いてほしいの?あと簪ちゃんは?」

本音

「ああそういえばかんちゃんからお手紙貰ってたんだった。はいこれ~」

楯無

「…お手紙ね」

 

楯無は簪が良い意味で変わる事を喜ぶ半面、まだ素直に面と向かって話しあう事ができない事にちょっとばかり寂しくもあった。そして手紙を読むと、

 

楯無

「…やっぱりね。わかったわ、それ位なら簡単よ♪…それで本音ちゃんのお願いは?」

 

本音は答えた。それは偶然か簪の手紙と一部を除いて全く同じだった。何故なら、

 

本音・簪の手紙

「「ひかりん(海之くん)とこのまま一緒の部屋にして下さい」」




本音と簪が漁夫の利を得た形ですね。この後前回の集会に続きます。

また次回まで暫く間を頂きます。すいません。
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