IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
「魔力が無いのに閻魔刀が反応した?」
衝撃の事実に火影も驚きを隠せない様子。
一方、暫く姿を見せなかったファントム・タスクも次の作戦に向け、虎視眈々と準備を進めていた…。
※今回一話だけの投稿となります。
IS学園 アリーナ
……ジジッ…シュンッ!
火影
(……ちっ)
火影と海之の勝負から数日。あの後ふたりは授業や訓練の旅にISを展開し、その都度さり気無く例の違和感が無いかを調べてみたが、あの時の様に全力で戦ったりしない限り特に問題は無さそうだった。しかしふたりで模擬戦を行ったり稀に本気を出したりすると時折ではあるが先日の様な事が起こり、あれが幻や気のせいではない事を物語っていた。実際今、火影はエアトリックを繰り出している途中で突然それを感じて動きを止めた。
生徒1
「すごーい!全然見えないよー!」
生徒2
「どうすればあんなに速く動けるのー!?」
セシリア
「相変わらず全く見えませんわ…」
箒
「悔しいが私の紅椿でも追いつける気がしないな…」
海之
「……」
キーンコーンカーンコーン
その時授業終了のチャイムが鳴った。
千冬
「時間か。…それでは本日の授業はこれまで!……さて、皆も既に知っているだろうが再来週はいよいよキャノンボール・ファーストが行われる。これも知っているだろうがキャノンボールは高速下という状態でのより正確なIS操作や戦術を測るものだ。普段アリーナで行っている動いたり止まったりという生ぬるい試合とは違う。一歩間違うとあっという間に撃墜や墜落という可能性も十分あり得るから覚悟しておけ!」
真耶
「尚、明日から本番に向けて高速機動の訓練を行っていきます。皆さん頑張ってくださいね」
生徒達
「「「はい!」」」
千冬
「……海之、火影。お前達は着替えた後、職員室に来い」
火影
「? はい」
海之
「わかりました」
千冬
「では解散!」
…………
放課後、職員室に向かったふたりはその後、以前千冬によって尋問された部屋よりもやや大きい部屋に連れて行かれた。あの時と同じく完全な密室。そして部屋には真耶、楯無もいた。
楯無
「ふたり共お疲れ様」
真耶
「お疲れ様です。火影くん、海之くん」
火影
「楯無さん、山田先生。お疲れ様です。…おふたりがここにいると言う事は」
海之
「…いや…それだけではない。……いるのでしょう?…束さん」
パカッ!
すると突然部屋の片隅の床下が開いた。
束
「てへ、やっぱりばれちゃったか♪」
クロエ
「き、窮屈でした…」
中から出てきたのは束とクロエだった。
火影
「束さん、クロエ。…どっから出てきてんですか。つーか何時来たんですか?」
束
「ちーちゃんに呼ばれて来たんだ♪ロケットは学園の外に隠してあるよ。そこから束さん特製のステルス迷彩で入ってきたんだ♪」
クロエ
「こそこそ隠れる様な事をしてすいません…」
海之
「……千冬先生。束さんとクロエまで呼んでこの部屋と言う事は…」
千冬
「……まぁな」
すると千冬は前にある椅子に座り、真剣な表情でふたりに視線を向けて言った。
千冬
「単刀直入に聞く。海之、火影。お前達の事を全て話せ。命令だ。拒否は認めん」
海之
「……」
火影
「…それは」
ふたりは黙っていたが千冬の表情は絶対に逃がさんという表情をしている。
真耶
「御免なさいふたり共…。でもどうか誤解しないでください。私達はみんなふたりを信じています」
楯無
「前にも話した通り、私達が調べられる限りの事は全て知ってるわ。…でも、君達にはもっと多くの秘密がある様な気がして仕方ないのよ。ふたりのISの事も含めてね」
扇子
(意味深!)
火影
「…束さんとクロエも知ってるんですか?」
束
「モチのロン♪…といってもちーちゃん達と同じ程度だけどね。でもアリちゃんウェルちゃんといい魔具といい、束さんは随分前から何かあるなって思ってたよ。だからちーちゃんから今回の話を聞いて飛んで来たんだよ~♪」
クロエ
「千冬様より連絡を受けて最優先で来たんです」
海之
「……」
千冬
「私も最初は何れお前達が話してくれるまで待とうと思っていた。…だが、最早あの時とは状況が違っている。火影、一夏から聞いたがお前はあの時オータムとかいう侵入者にやたら詰め寄ったそうだな?例のIS達について。何故だ?…あいつらを知っているのか?」
火影
「……」
真耶
「火影くん…」
千冬
「もっと言えばお前達の戦い方はとてもただの子供ができるレベルでは無い。お前達は何時どこであんな戦い方を学んだのだ?…答えろ」
火影・海之
「「……」」
火影と海之はどうしようか悩んでいる様子だ。
束
「…ひーくんみーくん。今年の春に出会った時、ふたりは私を信じてくれたよね?アルティスさんと雫さんの様に。もう一度信じてくれないかな?例えふたりがどんな話をしても私は信じるよ。そして決して嫌いにもならないよ。ふたりは私の大切なお友達だもん」
クロエ
「私も同じです。おふたりは以前、私に困った時があったらいつでも頼れって言ってくれました。あんな優しい言葉をかけて頂いたのは束様以来です。例えおふたりが何を言われても…私は信じます」
火影
「…束さん…クロエ…」
楯無
「大丈夫よふたり共。ここでの話は決して外に漏れることはないし、真に私達だけの秘密よ。誰にも言ったりしない。だから安心して」
扇子
(絶対安全)
真耶
「お願いします…」
千冬
「……」
千冬もどうか頼むという表情だ。言葉はきつく聞こえるがその心は本当にふたりを心配しての事。そして臨海学校の時、彼女は例えふたりが何を言っても信じると言ってくれた。………ふたりは決めた。
火影
「…わかりました。はっきり言ってとても信じて頂けないと思いますが」
海之
「ええ。…ですが俺達がこれから話すことは全て紛れもない事実です。宜しいですか?」
千冬
「ああ」
束
「モチ♪」
楯無
「わかったわ」
真耶
「わかりました」
クロエ
「はい」
火影
「……みなさんは「転生」という言葉をご存じですか?」
真耶
「…てんせい?」
楯無
「知ってるよ~。確か死んだ後に全く新しい存在となって生まれてくるっていう。どっかの宗教的な教えでしょ?それがどう………って」
クロエ
「そ、それってまさか!?」
千冬・束
「「………」」
海之
「お話します。俺達の…、いや、かつての俺達の話を…」
……それから火影と海之は千冬や束達に全てを話した。
火影と海之はかつてダンテとバージルと言う双子の兄弟であり、人間の女性と悪魔のハーフであった事。
ダンテ(火影)はデビルハンターとして数多くの悪魔や魔王を相手にし、仲間達と共に幾度も魔界からの侵略を防いできた事。それに対しバージル(海之)は力に囚われ、魔界を呼び起こして世界を危機に陥れた事。
兄弟でありながら一時は殺し合う程憎んでいた宿敵同士であり、何年にも渡って剣を交えた事。
そんなふたりも最後は魔界の侵略を防ぐために共に魔界に降り、長い時を経て無事に帰還した事。
そしてふたりが前世で生涯を終えた後、転生者としてこの世界に生まれ、エヴァンス夫妻に助けられた事。ふたりのISは前世の姿を模したものであり、生まれてきた時から既持っていた事を…。
…………
火影・海之以外
「「「…………」」」
ふたりから聞かされた衝撃の真実に、流石に誰もが言葉を失っていた…。
海之
「…以上が俺達の真実です」
火影
「信じられなくても構いません。…そして今の話を聞いて俺達を遠ざけたいと思われたのなら…どうぞ好きになさってください」
ふたりは正直退学位は覚悟していた。…とその時ひとりが声をこぼした。
束
「…ふっ、ふふっ」
火影
「…束さん?」
海之
「…?」
千冬
「束?」
それは束だった。そして、
束
「ふっ、ふふふっふふ、あははははは!あはははははははは!!」
束は笑っていた、実に楽しそうに笑っていた。ふたりはさぞ冗談と思われているのだろうと思っていたのだが、
束
「あははは!凄い!凄いよふたり共!!あははははははははは!!」
火影
「た、束さん?」
クロエ
「束様。落ち着いてください。…きのこの山食べます?」
束
「貰おうじゃないか!……いや~、こんなに楽しいのは久々だよ♪…それにしてもふたり共、すっっごい人生を送って来たんだねぇ!いや悪魔だから魔生?それともハーフだから魔人生?」
真耶
「そ、それは普通に人生でいいかと…」
束
「あそう?とまぁそれは今は良いか♪いやまさかひーくんみーくんにそんな凄い秘密があったとは!デビルハンターか~!カッコいいね~!でもそれならいろんな点で納得いくよね~!」
楯無
「…そうですね。ふたりがあれ程に強いのは前世からの戦いの記憶を受け継いでいるから。そしてふたりのISや魔具は、前世でふたりが使っていた物だったという事ですね」
真耶
「もしふたりの話が本当だとすると…ふたりは9年どころか何十年もの間戦ってきた、という事なんですね…」
束
「正確にはISはふたりの姿そのものらしいけどね♪あと魔具は本来魔力ってやつで動いてたんだっけ。それがこっち来てSEで動く様になったんだねぇ」
クロエ
「どうりで束様がご存じなかったのも納得いきますね」
思った以上にみんなすんなり受け入れている様子にふたりはかなり驚いている。
火影
「…信じてくれるんですか?こんな突拍子も無いお伽噺みたいな話を?」
束
「モチロンだよ♪さっきも言ったでしょ?束さんはどんな話でも信じるって!」
クロエ
「私も信じます。おふたりを」
真耶
「…悪魔とかふたりが殺し合いとか、正直半分もまだ理解できていませんが…ふたりが嘘を付く様には思えませんからね」
楯無
「私も信じるわ。…でもまだ他のみんなには話さない方が良さそうね。前世の話とはいえふたりが悪魔と人のハーフとか殺し合いをしてたとか、刺激があり過ぎるわ」
海之
「そうして頂けると助かります」
千冬
「……」
束や楯無達がそう言っている中、千冬だけは黙っていた。
真耶
「…先輩?」
束
「およ?どしたのちーちゃん?…もしかしてふたりを信じられない?」
火影
「しかたありません。正直とても信じれる話ではありませんからね」
海之
「その通りです。虚偽の申告をしたとみなされても構いません」
束
「ちょ、ちょっとふたりとも!ちーちゃんもなにか言ってよ!」
ふたりの言葉に束が動揺する。すると千冬が口を開く。
千冬
「…落ち着けふたり共、それに束も。誰も信じないと言っていないだろう?」
束
「…へっ?」
火影・海之
「「…!」」
千冬
「正直理解しきるには時間がかかりそうだが…約束したからな。…信じよう。お前達を」
真耶
「先輩…」
楯無
「流石織斑先生。度胸がおありです」
束
「私は信じてたよちーちゃん!」
クロエ
「良かったですね火影さん、海之さん」
火影
「…ありがとうございます」
海之
「感謝します」
千冬
「……さて、お前達の正体については納得できた訳だが…、まだ謎は残っているぞ?」
火影
「…ええ。例のIS達、何故俺達があれに拘ったのか」
すると束がふっと言葉を出す。
束
「ひょっとしてあれもふたりの世界の奴らとか?なんて~」
火影・海之
「「……」」
束の言葉にふたりは黙る。
束
「…あれ?もしかして……大当たり?」
クロエ
「…おふたりを見るとどうやらその様ですね」
真耶
「ほ、本当ですかふたり共!?」
火影
「…いえ、正確には違います。よく似てはいますが…あれは俺達の世界のものではありません」
楯無
「よく似ているけど違う?」
海之
「俺達の世界では奴らは悪魔、完全なる生物でした。…しかしあれは機械、根本的に違うものです」
真耶
「だからふたり共、あれを見た時に驚かれたんですね」
すると千冬が火影に訪ねる。
千冬
「……ひとつ気になることがある。確か火影が例の女から聞いた話だと…あれは誰かが造ったものと言ったな?それがお前達の世界にいた生物、悪魔か。それに似ていると言う事は……、まさか…」
火影
「…ええ」
束
「ちーちゃんもそう思ってるんだね…」
真耶
「…どういうことですか?」
束
「全くの想像だけど…他にもいる。多分、ふたりと同じ世界からの転生者が…」
楯無
「なっ!?」
真耶
「そんな!?」
千冬・クロエ
「「……」」
束
「全く別々の世界のものが…ひとつならともかくふたつも限りなく似ているなんて、ちょっと偶然とは考えにくいからね。もしあれを造ったのがふたりと同じ世界から来た転生者なら…、そっくりなのも納得がいくし」
火影
「…はい。俺達もそう思っています」
千冬
「…そしてそれがファントム・タスクにいる…」
海之
「…おそらく」
楯無
「だから火影くんあの女に聞きだそうとしたのね。そいつが誰なのか…」
千冬
「……はぁ…」
千冬は頭を押さえ、とても疲れた様な表情をしている。全てがあまりにも非現実的なものだったので無理もないかもしれない。
火影
「…俺達は突き止めなければなりません。それが誰なのか、そして何をしようとしているのか。…これは誰にもさせるわけにはいきません。俺達がやらなければならない事です」
海之
「こいつの言う通りです。だから」
千冬
「断る」
海之
「…?」
真耶
「先輩?」
千冬
「断ると言ったんだ…。大方、これに首を突っ込むな、とでも言うつもりだったのだろう。ふざけるな。奴らは既に多くの生徒達を危険に晒し、ましてや一夏の誘拐にも絡んでいる。言わば私にとっても奴らは因縁の相手だ。…それに、お前達の前世に関わる問題だとしても、今のお前達はこの世界の人間だ。私の生徒だ。お前達に関わる問題は、担任である私の問題でもある。だから断る」
火影
「先生…」
海之
「……」
束
「流石ちーちゃん♪ひーくんみーくん、束さんも協力するよ!いっくんをさらったのもひーくんを傷つけたのも許せないし。それに束さんの大事なISをあんなブサイクなものにされたり、正直ムカつくからね!」
クロエ
「束様…」
真耶
「火影くん、海之くん。もうふたりだけで抱え込まないでくださいね。私でも話相手位ならできますから」
楯無
「後輩くん達だけに背負い込ませるわけにはいかないわよ♪」
火影
「みんな…」
海之
「……」
ふたりは声にこそ出さなかったがある種感動していた。前世・転生・悪魔。普通ならとても信じられる話では無い。しかし自分達を信じてくれる、使命を理解してくれる人達がいる。その事に何とも言えない感情が湧き出ていた様だった。
束
「あれ~ひーくん、もしかして泣いてる~?」
火影
「…気のせいですよ。悪魔は泣かないもんですからね」
千冬
「…違うだろう。今のお前達は人間だ。悪魔では無い。忘れるな」
火影
「…はい」
楯無
「それでこれからどうするの?」
海之
「やつらはまた必ず接触してくる筈です。残念ですが手がかりが無い以上こちらはその時を待つしかないでしょう…」
真耶
「ファントム・タスクが何処にいるかもわかりませんものね…」
束
「……」
千冬
「? どうした束?」
束
「ううん、なんでもないよ。…さて、そうと決まったら私はパンドラの完成を急ぐとしますか♪来月には渡せるからね♪」
火影
「ありがとうございます。…それと束さん。少し聞きたい事があるのですが…」
…………
火影と海之はアリギエルとウェルギエルに起こっている異変について相談してみた。
束
「…ふむ。ISの動きが鈍くなっている、ねぇ…」
千冬
「そう言えば先程の授業で妙なタイミングで止まっていたりしたが…、あれはそれによるものだったのか」
海之
「…ええ。それでどうでしょう?」
束
「…多分だけどみーくんの言う通りだと思うな。限界を超えて機能している事でISが付いていけてないんだと思う。臨海学校の時に言ってたけど、アリちゃんウェルちゃんはふたりと一緒に成長していくんだよね?でもふたりの成長がアリちゃんウェルちゃんの成長を追い越してしまったという可能性もゼロじゃないと思うよ」
火影
「やっぱりそうなのか…」
楯無
「一度オーバーホールとかしてみたらどう?」
束
「それでも多分無理だよ。というかあれは自動でメンテされるんでしょ?だったらそんな事する必要も無い筈だし」
海之
「…その通りです」
クロエ
「束様。おふたりのISですが…、セカンドシフトする可能性は?」
束
「考えられなくも無いけどね~。…でも何がきっかけで起こるかはわからないなぁ。今はなるべく負担を与えない様にするしかないと思う。本気を出しさえしなければ問題ないんでしょ?なら当分は大丈夫だと思うよ。そうでなくてもふたりは十分強いんだから♪」
真耶
「そうですね。でも一応気をつけて下さいねふたり共」
千冬
「…すまんなふたり共。もしこの前の戦いのために起こったのなら…」
火影
「いえ織斑先生、一夏は悪くありません。…わかりました。では当分は暫くそのままにしておきます」
海之
「ありがとうございます、束さん」
束
「いやいや、今日は最高に面白い話も聞けたし問題ナッシング~♪益々開発頑張れるよ♪」
火影
「?まだ何か造ってるんですか?」
束
「ちょっとね~♪」
クロエ
「……」
千冬
「…さて、すっかり遅くなってしまった。今日はとりあえずこれ位にしておくとしよう。ふたりはもう戻って休め」
海之
「…それだけですか?」
千冬
「なに?」
海之
「これだけ重要な話を今迄隠していた俺達を…処分しないのですか?」
千冬
「…何故そんな必要がある。お前達は正直に話してくれた。必要ない。それに…お前達の力はこれからも必要だからな」
海之
「……ありがとうございます先生。…失礼します」
火影
「…失礼します。ああそれから束さん、クロエ。また何れ」
そう言って火影と海之は出ていった。
パタンッ
千冬
「……」
楯無
「あのふたりにまさかあんな裏話があったなんてね…。想像をはるかに超える内容だったわ…」
真耶
「生まれ変わりに悪魔…。神話や伝説だけの話だと思ってましたが…」
束
「ん?そんなに不思議な事かな?悪魔の伝説は世界中にあるし、実際いる世界があってもおかしくないよ。パラレルワールドや異次元世界みたいなもんさ。…まぁあのふたりの前世が人と悪魔のハーフっていうのはちょっと驚いたけどね。でも今はそれは関係ないよ。ひーくんもみーくんも今はれっきとした人間なんだから。それで良いんじゃない?」
クロエ
「はい、そうですね」
千冬
「…束、お前変わったな」
束
「ひどいな~ちーちゃん!束さんだってまだまだ身長伸びてるんだよ~?」
真耶
「そ、そういう意味じゃないような…」
束
「…まぁでも一番驚いたというか面白い話はやっぱあれかな♪」
千冬
「…なんだ?」
束
「…みーくんが前世で子持ちだったって話♪」
千冬
「なっ!?」
楯無
「お、織斑先生、どうしたんですか!?」
千冬
「! い、いや、なんでもない…」
束
「ふっふ~ん♪」
実に楽しそうな表情の束。激しく動揺してしまった事に恥ずかしがる千冬。苦笑いを浮かべる真耶。それを不思議そうな表情で見る楯無とクロエ。全員が火影と海之の秘密に大変驚いた事は間違いない。しかしだからといって何も変わる様な事はなく、これまで通りふたりを信じる気持ちも変わらなかった…。
おまけ
IS学園からの帰り 束のロケット内
束
「あ~面白かった♪…そういえばクーちゃん、ちょっといい?」
クロエ
「? なんですか束様」
束
「前に会った時からひーくんみーくんに対して随分フレンドリーになったね。様って呼んでたのが「さん」付けになったり。何かあった?…はっ!もしかしてクーちゃんふたりの事を!?…う~んひーくんもみーくんも相手としては申し分無いけど親である束さんとしてはそんな急には~」
束が何を考えているのかクロエはすぐさま感じ取り、
クロエ
「ちょ、ちょっと束様!そんな事ではありません!以前おふたりが私にもっと気軽に話してほしいと言われたのでそうしただけです!決してそんな事ではありません!むしろ私にとっておふたりはお兄さんみたいな人です!」
束
「あそう?」
クロエ
「そうです!」
束
「な~んだ残念。…………んっ?」
クロエ
「今度はどうしました?」
束
「…今お兄さんって言った?ひーくんとみーくんが?」
クロエ
「!!そ、それは…えっと、その…」
クロエはひどく恥かしそうな顔をしている。そんなクロエを見て束はまた楽しそうな表情をする。
束
「そうなのか~お兄さんなのか~♪これはますますアレの完成が楽しみだねぇ♪」
クロエ
「た、束様!」