IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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これはキャノンボール・ファーストの前に行われた中間試験とその放課後のお話です。

※UAが80000に到達致しました!ありがとうございます。


Extramission06 たまには思い思いに

IS学園 1-1

 

「「「………」」」

 

とある平日のある日の午前。教室は静かだった。いや1-1だけでは無い。全ての教室がだ。というのも…。

 

真耶

「試験終了まであと一分です」

 

今日は学園の中間試験、そして今は最終日の最後のテストであった。終了までの間見直しをしている者、もう終わっている者、最後の詰めに入っている者様々である。……やがて、

 

キーンコーンカーンコーン

 

真耶

「はい終了です。回収していきますので皆さんペンをしまってくださいね」

生徒

「あ~やっと終わった~」

「あの問題だけ解けなかった~!」

「疲れた~」

 

みんな感想はそれぞれであった。それは彼らも同じ様で、

 

一夏

「………」

 

一夏は妙に色が薄かった。

 

セシリア

「どうしました一夏さん!?」

シャル

「多分だけど…燃え尽きたんだと思う」

「だから訓練ばかりするなと言ったのに…自業自得だな。赤点だけは阻止してる事を祈ろう」

本音

「そだね~」

ラウラ

「海之と火影はどうだった?」

海之

「これといって特に問題はないと思うが」

火影

「俺も問題ないぜ。さて今日はこの後どうすっか…、たまには訓練も休んでゆっくりしたいけどな」

海之

「俺も久々にひと休みしたい気分だな」

セシリア

「…では今日はそれぞれ思い思いに過ごしません事?最近皆さんで集まっていることが多かったですし、たまにはそんな息抜きも必要ですわ」

「…そうだな。私も賛成だ」

ラウラ

「うむ、本当なら嫁と過ごしたいところだが夫婦にもそれぞれプライベートは必要だからな」

本音

「私も賛成~」

シャル

「じゃあ鈴と簪には僕から連絡しとくね」

 

と言う訳で今日の放課後はみんな思い思いに過ごすことになった…。

 

 

…………

 

寮の調理室

 

火影

「……」

 

火影はなにやらオーブンの前で腕を組んで立っていた。どうやら何か作っているらしい。とそこへ、

 

「…おや、火影」

「ほんとだ。どうしたの火影くん?」

ラウラ

「何か調理中か?」

 

サッ

 

火影は手を出して三人の言葉を止める。…そして10秒程経って、

 

火影

「…よし」

 

火影はミットをはめてオーブンを開け、中から何かを取りだす。出したのは…ピザだった。

 

火影

「見た目は良い感じだがどうだろな」

「ピザを焼いていたのか…ってこの匂い、チョコレートか!」

「それにこれって…苺?凄く甘い匂いだね」

ラウラ

「チョコと苺だけでないな。…これはマシュマロか?」

火影

「ああ。ストロベリーとマシュマロのチョコレートピザだ。良かったら試食してくれ。そこ席空いてっから」

 

そう言うと火影はピザを切り分け、それぞれの皿に盛る。三人とも通り過ぎただけなのだがそこはスイーツ大好き女子。良い匂いに惹かれて思わず席に着く。

 

箒・簪・ラウラ

「「「い、頂きます」」」

 

そう言うとそれぞれピザを口に運ぶ。…すると、

 

「…美味しい!」

「チョコレートが甘さ控えめなのが丁度良いね」

ラウラ

「ああ、文句の付けようがないぞ火影」

火影

「どうも。…にしても今日は珍しい組み合わせだな三人共」

 

そう言いながら火影は三人に紅茶を出す。

 

「ああ。今日はテスト明けという事で部も休みでな。思い思いに過ごすとしたのは良いが、どうも思いつかなくて…」

「私も同じなの」

ラウラ

「私もみんながいないと逆にどうも落ち着かなくてな…。結局誰か探していたら箒と簪に出会ってしまった。火影、お前は?」

火影

「俺も同じ様なもんさ。暇だからこの前アルさんに教えてもらったピザをやってみようと思ってな」

「そうか。ふふっ、みんな結局似た様な感じという訳だな」

 

そして四人は暫く会話をした。すると、

 

火影

「…でおまえら、あいつらとは少しは進展したのか?」

箒・簪・ラウラ

「「「!!」」」

 

思わぬ火影のフェイントに三人は驚いた。

 

ラウラ

「ききき、急に何を言い出すんだ弟よ!?」

火影

「…いや今さらだろ?俺らからしたらモロバレだし」

「…わ、私からすればまだ何も…」

火影

「…そうかな?俺からしたら大分進展つーか、一夏が変わってきたと思うぞ?祭りの時もお前の巫女の姿見てキレイって言ってたし、この前の学園祭の時もはっきり話してたみたいだしな?」

「う、うむ。あれは私もかなり驚いた。同時に嬉しくもあったが…」

火影

「…まぁあいつの場合は二歩進んで一歩下がるって感じだろうな。頑張れ。…簪、ラウラ。海之の奴はどうだ?」

「…うん。私も箒と同じかな。でも海之くんは私の事もラウラの事も大切に考えてくれているっていう事を知ってるから。だから焦ってないよ」

ラウラ

「簪の言う通りだ火影。それに急は事を仕損じるというからな」

火影

「…そうか。…ふたり共、これからもあいつを頼むぜ」

「うん」

ラウラ

「無論だ」

「…ただ海之の場合、もうひとりいるんだけどな…」

簪・ラウラ

「「あ…」」

火影

「?」

 

ふたりの頭にはある女性が思い浮かんでいた。

 

ラウラ

「…そ、そういえば火影。お前こそ気付いていないのか?何時も一緒にいるくせにあいつらの気持ちに気付いていないならお前も相当だぞ?」

「そ、そうだぞ火影!お前も鈍い方だが一夏程じゃないだろう!」

火影

「…さりげなく酷い言われ方してる気がするが、まぁいいか。………ああ、知ってるよ」

 

火影の頭には三人の少女が浮かびあがった。

 

「火影くん知ってたんだ…」

火影

「この前医務室で寝てたら大きい声で喋っててな。その時に気付いた。……だけどどうすれば良いか分からなくてな。…あいつらの気持ちは嬉しい。俺もあいつらの事は大切に思ってるつもりだ。…ただ本当にどうすれば良いのか…、こんな事は初めてでな。接し方を変えるのも違う気がするし…」

 

前世の頃から火影にはこういった経験は無かった。そのためどうすれば良いのかというのは正直な感想で悩むところだった。そんな火影に三人は、

 

「…ふふっ、お前でもそんな弱音を言う時があるんだな」

火影

「ん?」

ラウラ

「レオナさんが言っていたぞ?お前達が弱音を吐いた所を見たことがないと。そのお前がまさかこんな話で弱気になるとはな。あの人が聞いたら何と言うだろうな?くっくっく」

※Mission72をご覧ください。

火影

「…頼むからそれだけは勘弁してくれ…」

「…大丈夫だよ火影くん。本音達に火影くんの気持ちはちゃんと伝わっているからさ。焦って答え出す必要なんて無いよ」

火影

「……悪い」

「気にする必要なんてないさ。私も一夏の件で色々話を聞いてもらっているからな」

ラウラ

「ああそうだ。それに弟の悩みを聞くのも姉の役割だ」

火影

「…ふっ」

 

火影はこういった時間も悪くないと思った。それから暫くの間、四人は引き続き一緒に過ごした。

 

 

…………

 

とある喫茶店

 

海之

「………」

 

海之は行きつけの喫茶店にいた。以前強盗騒ぎに巻き込まれた喫茶店である。

※Mission53をご覧ください。

 

「人間の偉大さは恐怖に耐える誇り高き姿にある プルタルコス」

 

海之

(恐怖、か…。以前の俺なら恐怖する事等無かったな)

 

海之がいつものあんみつを食べながら読書をしていると、

 

カランカランッ

 

扉が開いて誰かが入ってきた。

 

楯無

「あれ?海之くんじゃない」

「あ、ほんとだ」

セシリア

「お疲れ様です、海之さん」

海之

「セシリアに鈴、それに楯無さん。…珍しい組み合わせですね」

「まぁね。何をしようかな~って同じく思ってたセシリアと会って。そしたら今度は楯無さんと会って、せっかくだからお茶でもしようかなって話になって」

セシリア

「そうなんです。宜しければ海之さん、テーブル御一緒して宜しいですか?」

海之

「…ああ構わん」

 

そして三人は海之のテーブルに着いて注文を取る。

 

「またあんみつなのねアンタ」

楯無

「海之くんはあんみつ好きなの?」

海之

「嫌いではないですね」

セシリア

「そういえばスメリアでも食べておられましたわね」

楯無

「そういえばみんな行ったんだったね。いいな~。ねぇ海之くん、今度私も行って良い?」

海之

「どうぞ」

 

そんな感じでこちらも話をし、暫くすると、

 

楯無

「…でそれで諸君、それぞれの進展はどう~?♪」

鈴・セシリア

「「!!」」

海之

「……」

 

鈴とセシリアは驚き、海之はこれと言って反応は無い。

 

楯無

「あれ~海之くんはいたってクールねぇ~。もしかして余裕な感じ~?」

海之

「いえ。ただ何の事を言っているのか分からなくて…」

楯無

「あそういう事。えっとね~、かんちゃんやラウラちゃんとはその後どう~?」

海之

「? どうというのがどういう意味か分かりませんが…、簪もラウラも俺の良き友人でいてくれています。ありがたいですし、守ってやりたいと思っています」

「…火影もだけどアンタも凄いわね…」

セシリア

「おふたりが羨ましいですわ」

楯無

「うんうん、お姉さんとしては妹がそこまで想われて鼻が高いよ♪…まぁふたりからしたらちょっと物足りないかも知れないけどね。それで鈴ちゃんとセシリアちゃんは?」

セシリア

「わ、私はこれと言ってはまだ…。ISの組み合わせが良いとか、テストの勉強を一緒にしたりとかはしてますけど。あああと先日のメイド喫茶ではケーキを食べさせて頂きましたの!幸せでしたわぁ♪」

 

思い出しているのか、セシリアは夢の世界に入っている様だ。

※Mission85をご覧ください。

 

楯無

「あはは…。それで鈴ちゃんは?…てまぁあんだけぶっちゃけたらもうわかってるけどね♪」

「わ、私も…」

 

とその時海之が口を開いた。

 

海之

「…鈴」

「へ?な、何?」

海之

「…礼を言う」

「えっ?」

海之

「あいつにはっきり言ってくれた事、礼を言う。あいつは昔から時々馬鹿な事をしがちだからな。周りの事等全く考えずに。…だがお前の様に止めてくれる者がいれば安心だ。…お前さえ良ければ、これからもあいつを頼む」

 

それは海之の本心だった。

 

「……うん。任せといて!」

楯無

「…私からもお願いね鈴ちゃん」

「え?は、はい!」

海之

「……」

 

楯無は先日の話で火影と自分の隠された真実を知っている。きっとそれを思っての言葉だろうと海之は思った。

 

「…そ、そういえば楯無さんもどうなんですか?最近一夏を見る目が違う様な気がするんですが?気のせいならすいません」

セシリア

「…!ぜ、是非私も伺いたいですわ!」

 

夢からセシリアが戻ってきた。

 

楯無

「…うーん、まだはっきりとはわかんないわねぇ。でも決して嫌いじゃないわよ♪結構ガッツもあるし」

セシリア

「…そ、そうですか」

楯無

「あれ~、セシリアちゃん。まさか今の言葉で気持ち揺らいじゃった?そんな簡単に揺らいじゃったら箒ちゃんや私が一夏くん取っちゃうよ~?」

セシリア

「!!…いいですわ!望む所ですわ!決して負けません!箒さんにも楯無さんにも!」

楯無

「よーし!それでこそね♪」

「な、なんか凄い事になってきたわね…」

海之

「ハァ…」

 

そんなこんなありながら暫く四人で過ごす事になった…。

 

 

…………

 

一夏side

 

五反田食堂

 

その頃、テストが終わって燃え尽きていた一夏は腹ごしらえのために五反田食堂に来ていた。

 

「…て訳でやけに食が進んでるわけか」

一夏

「おう。普段以上に頭使ったためか食欲が湧いてくるぜ!」

 

一夏はここまでに既に3杯おかわりしていた。…とそこへ、

 

ガラガラッ

 

本音

「こんにちは~、ってほえ?おりむ~」

シャル

「本当だ。お疲れさま一夏」

一夏

「おうシャル、のほほんさん。ふたりも昼飯?」

本音

「そうだよ~。久しぶりに食べに来ようって。ああこんにちはだんだん。この前はありがとね~」

シャル

「? この前って?」

本音

「この前おねえ」

「ええっとお嬢様方!御注文はいかが致しましょうか!?」

 

本音が言いきる前に弾が勢いよく注文を迫ってきた。そして注文を取り終えると弾は真っ先に厨房に入って行ってしまった。

 

一夏

「…弾の奴どうしたんだ?えらく慌てて」

本音

「さあ~ね~♪あ、おりむ~ここいい?」

 

そう言って本音とシャルも一夏の前に座る。

 

一夏

「てか珍しいな。のほほんさんとシャルだけなんて」

シャル

「あ、そうか。一夏は知らなかったんだっけ」

 

シャルロットは一夏に今日は久々にそれぞれ思いのままに過ごしている事を伝えた。

 

一夏

「成程な。ふたりは何で一緒に?」

本音

「私がお昼ごはん食べに来ようとして途中であったんだよ~」

シャル

「…考えればこの三人だけっていうのも珍しいね。初めてじゃないかな」

 

とその時、

 

ガラガラッ

 

「帰ったよ~!……って一夏さん!?」

一夏

「おう蘭。寄せて貰ったぜ。蘭は出前帰りか?」

「は、はい!あ、ありがとうございます!ゆ、ゆっくりしていってくださいね」

 

とその時、奥から弾と蘭の母親が出てきた。

 

弾と蘭の母

「おかえり蘭。御苦労だったね。あとはもう良いからあんたも昼休憩したら良いよ。…そうだ、一夏くん達と一緒に食べたらどうだい?良いかいみんな?」

一夏

「ええいいですよ」

本音

「もち~」

シャル

「一緒に食べよ」

「は、はい!」

 

と言う事で四人で同じテーブルに着いた。とそこへ、

 

~~~~~~~~

 

誰かの電話が鳴った。

 

一夏

「ん?おれか。…千冬姉か。悪い、ちょっと電話してるわ」

 

そう言って一夏は外に出た。残ったのは女子三人。

 

シャル

「相変わらず千冬さんに弱いなぁ一夏は」

「…あの、本音さんとシャルロットさんでしたね?」

本音

「そだよ~、ランラン~」

「あの、おふたりは…」

本音

「えっ?ううんちがうよ~、私もシャルルンもひかりんだよ~」

シャル

「ちょ、ちょっと本音!そんなはっきり!」

 

はっきり言った本音に対し、恥ずかしさでうろたえるシャルロット。

 

「…ふふっ、知ってますよ。先日の学園祭でもお話しましたからね。でもそんなにはっきり仰るなんて本当に好きなんですね、火影さんの事。羨ましいです」

シャル

「……あぅ」

本音

「そういえばランランはその後おりむ~とは~?」

「そうですね…。やっぱり別々の学校ですからどうしてもここだけしかお会いしにくいですね…。それが残念です…」

シャル

「でもさ。この前一夏言ってたよ?蘭ちゃんや弾くんの顔を見るとホッとするって。ここならISとか関係なくゆっくりできるってさ」

「えっ?…一夏さんが?」

本音

「そ~そ~。だからさ、ランランも自信を持って。おりむ~はランランやだんだんの事も凄く大切に思ってるからさ~」

「…ありがとう本音さん。シャルロットさん」

 

とそこへ一夏が戻ってきた。

 

一夏

「悪い悪い、……どうした三人とも?」

本音・シャル・蘭

「「「なんでも~♪」」」

一夏

「?」

 

と言う訳でこちらも四人で暫く一緒に過ごしたのであった。




※次回よりキャノンボール・ファースト編です。オリジナル展開も今まで以上に増えてくると思いますが頑張って書いて行きます。
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