IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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遂に訪れたキャノンボール・ファースト当日。
一年訓練機部門が終わり、レースは次の一年専用機部門へ。出場する火影達の紹介が終わり、レースはいよいよスタート!
…と思ったその時、突然会場内に異変が表れ、同時に新たな謎の存在が出現した。火影と海之は会場に被害を出す訳にはいかないとそれを会場外に出し、外で撃退する事に。やがてふたりを追いかけてきた鈴・シャルロット・簪・ラウラの四人も合流、共に戦う事になった。

その頃、会場のとある場所で謎の存在を「グリフォン」と呼ぶ声があった…。

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Mission104 凶鳥を撃ち落とせ!

キャノンボール・ファースト会場 遥か上空

 

グリフォン

「グオォォォォォォ!!」

 

火影達に気付いたグリフォンは高速で突進してきた。

 

火影

「みんな散開しろ!」

 

ビュンッ!

 

その場にいた全員は火影の言葉でバラバラに散り、突進をかわした。

 

「び、吃驚した…」

シャル

「! 気をつけて!また来るよ!」

 

シャルロットの言う通り、それは急旋回して再びこちらに向かってきた。

 

ラウラ

「食らえ!」

「当たって!」

 

ズドンッ!ズドンッ!

 

ラウラと鈴は向かって来るそれに向けてレールガンと龍咆を撃つ。

 

グインッ!

 

するとグリフォンも今度は急上昇してそれをかわす。

 

ラウラ

「ちっ!あの巨体でなんという回避だ!」

「大きいけど流石は鳥ね!速いわ!」

火影

「奴を倒すには動きを止めた瞬間を狙うのが手っ取り早そうだな」

海之

「うむ。みんな、俺と火影が奴の攻撃を引き付ける。その間の隙を狙って攻撃しろ」

「私達が!?」

「で、でも攻撃を引き付けるなんて危険だよふたり共!」

火影

「大丈夫だよ簪。俺達を信じな。…つーわけで鈴、シャル。俺らの命預けるぜ?」

「……わかったわ!任せておきなさい!」

シャル

「わかったよ火影。僕頑張る!だから気を付けて!」

海之

「簪、ラウラ。ふたりも行けるか?」

ラウラ

「無論だ海之。大船に乗った気でいろ」

「……うん、わかった!海之くん達は私達が守るから!」

火影

「…ふっ、言うじゃねぇか。でもまぁ心配すんな、これまで通りお前らには傷ひとつ付けさせやしねぇからよ」

海之

「ああ。お前達は俺達が守る。だから安心しろ」

鈴・シャル・簪・ラウラ

「「「うん(ああ)!」」」

火影

「んじゃ行くぜ!」

 

ドンッ!ドンッ!

 

火影と海之はグリフォンに向かって突進した。グリフォンははふたりの存在を確認するとそちらに向かって方向を変え、向かって来る。そして

 

グリフォン

「グオォォォォォッ!」

 

バババババババババッ!

 

角からの雷撃を拡散して撃ってきた。その隙間隙間を縫う様にふたりは避ける。

 

火影

「あのチキン野郎もビリビリしてやがったな。蜘蛛野郎がレーザーを吐きだしてやがった様にここらへんも似せてんのか」

海之

「今はその話は後だ。俺達の役割はできるだけ奴の攻撃手段をさらし、あいつらが攻撃しやすい様足を止める事だ」

火影

「わーってるよ。んじゃ、精々足止めするかね!」チャキッ!

 

火影はリべリオンを展開し、グリフォンに向かって行く。

 

火影

「おおぉぉぉ!」

 

…ガキンッ!

 

だが届かなかった。リべリオンはグリフォンのクチバシで受け止められていたからだ。しかし、

 

シャル

「当たれ!」

ラウラ

「今度は逃さん!」

 

ドドドドドドドッ!

ズドズドンッ!

ボガアァァァァンッ!

 

グリフォン

「グアァァァァッ!」

 

グリフォンはシャルロットのライフルとラウラのレールガンを背中に受けた。クチバシで受け止めさせたのは火影の作戦であり、こうする事で動きを止めるためだったのだ。

 

グリフォン

「グオォォォォッ!」

 

バババババババッ!

 

すると今度はふたりに向けて電撃を発するグリフォン。

 

シャルロット・ラウラ

「「!」」

 

ふたりは当たると思った。しかし、

 

シュンッ!……シュンッ!

 

シャルロット・ラウラ

「「!?」」

 

ふたりは攻撃を受けなかった。海之がブリンク・イグニッションで急接近し、ふたりを抱えて離れたのだ。

 

海之

「大丈夫か?」

シャルロット

「あ、ありがとう海之!」

ラウラ

「すまない!」

海之

「気にするな。油断するなよ」

 

そして海之は再度グリフォンに向かった。

 

シャル

「い、今の一瞬で僕達ふたりを抱えて離れるなんて…」

ラウラ

「…やはりまだまだ敵わんな」

シャル

「さすがはラウラの旦那さんだね♪」

ラウラ

「……う、うるさい。あと海之は嫁だ!」

 

 

…………

 

グリフォン

「ガアァァァァァァァッ!」

 

ズギューンッ!

 

グリフォンが口から収束されたレーザーを撃ってきた。

 

火影

「へっ!」

 

ドギューンッ!……ドォォォォン!

 

火影もカリーナからチャージしたビームを撃ち、互いにエネルギーがぶつかる。その瞬間、

 

火影

「鈴!簪!」

「ええ!開きなさいガーベラ!」

「行って!春雷!」

 

ドギューンッ!ズギューンッ!

ドガアァァァァァァァン!

 

グリフォン

「グオォォォォォ!」

鈴・簪

「「やった!」」

 

グリフォンがレーザーを撃って動きを止めている間に鈴と簪がロックオンし、ガーベラのレーザーと春雷の荷電粒子砲が襲った。グリフォンは両側から攻撃を受けて悲鳴を上げる。

 

グリフォン

「グオォォォォォ……」

 

…ヴィ――――ン……

 

するとグリフォンのビームでできた翼が突然強く光り始める。

 

「な、なんか様子がおかしいよ?」

シャル

「…なんだろう…、あれって…どこかで………!」

ラウラ

「まさか!?」

「あれってあいつの!」

 

ドドドドドドドドンッ!

 

すると突然ビーム翼から多数のレーザーが襲ってきた。

 

火影

「ちっ!」

海之

「!」

 

ドドドドドドドッ!

 

周辺にいくつもの爆発が起こる。その爆発に全員巻き込まれた…。

 

………シュンッ!シュンッ!

 

……と思われたが、全員火影と海之のブリンク・イグニッションで回収、離脱されていた。

 

火影

「ふぅ~、驚いたな。大丈夫か鈴、シャル」

「う、うん。ありがとう火影」

シャル

「僕も大丈夫だよ」

海之

「簪、ラウラ。無事か?」

ラウラ

「すまない、また助けられた」

「私も大丈夫。ありがとう海之くん」

火影

「…しかし今の攻撃…、まさか…」

海之

「ああ…間違いない。あれは……ゴスペルの銀の鐘だ。データで見た」

 

それは以前臨海学校の時に戦ったシルバリオ・ゴスペル。それが使っていた銀の鐘だった。

 

シャル

「でもなんであいつが…!?」

「確かゴスペルってあのアンジェロってISにさらわれたんだよね?…まさか!」

火影

「…ああ。おそらくアンジェロが連れ去ったゴスペルのデータを盗み出したんだろうな」

ラウラ

「そしてそれをあの鳥のISにも流用した…!」

「じゃあやっぱりあの鳥もファントム・タスクって訳ね!」

海之

「奴を倒すにはまずあの翼を何とかした方が良いだろう」

 

海之の提案に全員同意したが、

 

「でもどうしよう…。あれって距離に関わらず攻撃できる兵器だよね?」

シャル

「うん。セカンドシフトしたゴスペルの光の翼程じゃないみたいだけどね…」

ラウラ

「私のレーゲンのAICを使えば動きを止められるが…あの大きさでは片翼位しか無理だな…」

火影

「…つまり、あの翼を黙らせりゃ良いわけだな?」

「どうするの火影?」

海之

「いいか、よく聞け。…………」

シャル

「…!!ほ、本当にそんな事できるの!?」

火影

「任せとけ。だからその後は頼むぜ?」

ラウラ

「……わかった。気をつけろよふたり共」

「責任重大ね…。でも絶対成功させるから!」

海之

「シャルと簪も良いな?」

シャル

「…うん!わかった!」

「海之くんも火影くんも気を付けて!」

海之

「ああ。…では行くぞ!」

 

ドンッ!ドンッ!

 

火影と海之は再びグリフォンに向かって行く。そしてグリフォンもふたりに向けて再びレーザーを撃ってきた。

 

グリフォン

「グアァァァァッ!」

 

ドドドドドドドドドドドドンッ!

 

火影

「へっ!抜け毛の時期にゃまだ早いぜ!チキン野郎!」ジャキッ!

 

ズダダダダダダダダダダッ!

ドドドドドドドドドドドンッ!

 

火影はエボニー&アイボリーのビームでレーザーを撃ち落としていた。

 

海之

「……」チンッ!

 

ズバンッ!ズバンッ!ズババンッ!

 

海之は閻魔刀で自身に飛んでくるレーザーを斬り払っていた。…そんなふたりの動きを見ていたみんなは再び驚きを隠せなかった。

 

「…海之くん…凄い…。本当にレーザーを斬ってる…」

シャル

「火影もあのレーザーを全て撃ち落としてる…」

「ほんと出鱈目よね…、あのふたり」

ラウラ

「感心している場合ではない!私達も位置に着くぞ!」

 

 

…………

 

火影と海之はそれから暫くグリフォンの銀の鐘に対処し続けた。飛んでくる無数のレーザーを撃ち落とし、斬り払い、時にはブリンク・イグニッションでかわして。途中いくつか身体を掠めたものもあったがふたりは気にせず、只管に攻撃に対処し続けた。すると、

 

グリフォン

「グオォォォォ…」

 

やがて連続でレーザーを放出したための疲労か、グリフォンの動きが徐々に鈍くなり始め、遂に銀の鐘からの攻撃が止んだ。ふたりはその瞬間を逃さなかった。

 

海之

「!」

火影

「今だ!」

 

火影がそう言うと上空から、

 

鈴・シャル・簪・ラウラ

「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

鈴はガーベラの高加速状態で双天牙月、シャルロットはグレースケ―ル、簪はフレイル形態のケルベロス、ラウラはブレイクエイジのパンチラインをそれぞれ構え、上空からグリフォンに向かってきた。そして、

 

ドオォォォォォォォォォンッ!

 

グリフォン

「グオォォォォォォォッ!」

 

四人の攻撃は翼の付け根部分を破壊した。その攻撃で翼は完全に大破し、グリフォンのダメージは大きいものになった。

 

「やった!翼が壊れたよ!」

火影

「よくやった、後は任せろ!」

 

火影はそう言うとイフリートに変え、もはや虫の息になりかけているグリフォンに高速で接近し、そして、

 

火影

「キャッチ・ディス!」ドゴォ!「ライジング・ドラゴン!」

 

ドゴォォォォ!

 

グリフォンを捕えたまま上空へと登っていく。その先には、

 

海之

「おぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

何時の間にか上空に上がっていたベオウルフを付けた海之が流星脚を繰り出しながら降下してきていた。そして、

 

火影・海之

「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」

 

ズガガガガガガガガッ!……ドガァァァァァァァンッ!

 

すれ違いにふたりの攻撃がグリフォンを貫いた。ダメージに耐えきれなくなった敵は完全に爆発・霧散した……。

 

 

…………

 

火影

「…ふぅ~。やれやれ、なんとかなったな。少し時間かかっちまったが」

海之

「仕方あるまい。奴がどの様な手段を使ってくるか把握したかったからな」

火影

「まぁな。でもまぁ奴の攻撃パターンは一通り掴んだし今度はもっと有利に戦える。……しかし…」

海之

「…ああ。アンジェロ、ファントム。…そして奴はおそらく…」

火影

「……」

 

とその時みんながふたりの所へ近づいてきた。

 

「火影ー!」

「海之くん!」

火影

「おおお前ら、お疲れさん。怪我は無いか?」

シャル

「本当にお疲れ様。僕達はみんな大丈夫だよ」

「どうなるかとハラハラしたけどね。でもあんた達のお陰でみんな無傷よ」

海之

「それは何よりだ。みんな本当によく頑張ったな」

「ううん、私達はふたりに守ってもらいながら戦ってたから。鈴の言う通りふたりのお陰だよ」

ラウラ

「…ああそうだな。ふたりがいなければ幾つも被弾、若しくは撃墜されていた可能性も十分あり得る」

火影

「そう言うなってラウラ。簪も。生き残れたのは自分達の実力だ。それに奴に大半のダメージ与えたのはお前らじゃねぇか」

海之

「その通りだ。意図的とはいえ隙ができたのは偶然だ。お前達はそれを見逃さずに攻撃していた。自信を持っていい」

「えへへ。ありがとね」

シャル

「…でもさ、なんで僕達に攻撃させたの?ふたりがやればもっと早くに終わらせられたと思うんだけど?」

「それは私も思った。ふたりならブリンク・イグニッションとか使ってもっと早く倒せたんじゃ…?」

 

ふたりの疑問に鈴とラウラも同意した。

 

海之

「…ああ。お前達の言う通り確かにそれは可能だったかもしれん。しかし何時までもそれではお前達の成長にならんと思ってな。…それに俺達が今後いない時が無いとも限らんだろうし」

「…え?」

「……」

火影

「だからそんな顔すんなって鈴。みんなも。あくまで万一の話だ。そんな時が今後本当に全く無ぇとも限らねぇだろ?だから簡単に倒さずに奴の攻撃方法をできるだけ把握しておく必要があったんだ。分かってたら対策を立てられるだろ?お前らだけじゃなく俺達の経験にもなるしな。だから安心しろ」

海之

「そう言う事だ」

「…まぁそう言うことならそれで良しとしますか」

ラウラ

「ああ。確かに火影が言った事は一理あるし、良い経験になった事も事実だ」

シャル

「うん、そうだね。次はもっと…ってこんな事あってほしくないけど…きっとそういう訳にはいかないもんね」

「…うん。私達も強くならないと」

シャル

「でも勝手に出ていったりだけはしないでよ?」

火影

「わかってるよシャル。信用無ぇなぁ」

 

火影は苦笑いしながら言った。

 

(…信用してるから心配なのよ…)

火影

「……そういえば結局一夏達は来なかったな。どうしたんだ?」

シャル

「あっ、そういえば思い出した!さっき連絡してみたけど繋がらなかったんだ!」

海之

「繋がらない?箒やセシリアもか?」

シャル

「うん。一体どうしたんだろう…」

 

~~~~~~~~~~~~~

 

とその時火影と海之のインカムに連絡が入った。千冬からの様だ。

 

海之

「はい。……ええ、こちらは終わりました。みんな無事です。そういえば先生、そちらに一夏達は?………!本当ですか?」

火影

「それであいつらは?………そうですか、ならとりあえず良かったです。……はい、分かりました。帰還します」

 

ふたりは通信を切った。

 

ラウラ

「ふたり共、教官はなんと?」

シャル

「一夏や箒達もやっぱりいたの?」

火影

「…ああいた。ただどうやら三人共…別のパーティーをしていたらしいぜ」

鈴・シャル・簪・ラウラ

「「「…へ?」」」




果たして一夏・箒・セシリアに何があったのか?

※いつもお読み頂いている皆様へ
ありがとうございます。以前書かせて頂きました通り、今後約一週間毎に1~3話の投稿になります予定です。今後とも宜しくお願い致します。

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