IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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キャノンボール・ファースト会場に突然現れた謎の存在グリフォン。火影と海之は追いかけてきた鈴・シャルロット・簪・ラウラと共に戦闘を開始する。動きを止めながら上手くダメージを与えていく中、敵は予想外の攻撃を見せる。それは以前戦ったシルバリオ・ゴスペルが持っていた光の翼であった。奴を倒すにはまずあの翼から。そう思った火影と海之は敵の攻撃をひたすら自分達に集中させ、疲労した所で鈴達に翼を破壊させる作戦を取る。結果作戦は成功し、六人は見事グリフォンの撃破に成功する。

……一方、一夏・箒・セシリアの三人は…。

※次回にきれいに続けるため、今回短めです。


Mission105 M 強襲

キャノンボール・ファースト会場

 

一夏・箒・セシリアに何があったのか?時は火影と海之がグリフォンを追いかけた後、シールドが閉まった直後にまで遡る……。

会場では既に観客達の避難活動が始まっていた。一方一夏達はグリフォンを追いかけて飛び出して行った火影と海之を追おうとしていたがシールドが開かず、千冬に通信で訴えていた…。

 

一夏

「おい千冬姉!シールドを開けてくれ!火影達を追いかけねぇと!」

セシリア

「そうですわ!おふたりだけ行かせるなんて事!」

千冬

「いいからお前達は残っていろ!あいつらに任せておけば問題ない!」

「!……まさか千冬さん、ふたりがこうする事を知っていたんですか!?」

千冬

「……知っているも何もこれは私が頼んだ事だ」

シャル

「織斑先生が!?」

千冬

「…ああ。また以前の時の様にもしなにかしらの異常があれば…その時は頼むとな。しかし会場内であんな奴と戦えば周りに被害が出る。だからあいつらは外にあの妙な奴を追い出す事にしたんだ。その後は自分達に任せろと言ってな」

「…そんな…」

ラウラ

「しかし教官!先程のは今までに見た事が無い奴です!どんな力を持っているか!」

千冬

「…大丈夫だ。あいつらは…きっと…」

一夏

「…千冬姉…」

 

千冬もまた、ふたりの前世の秘密を知っているひとりである。確証は無いがおそらく先程の存在も、ふたりが前世でかつて戦った事があるものであり、そして勝った事がある。千冬はそう予測していた。故に心配はあったが大丈夫だと信じていた…。そんな千冬に鈴が静かに訴える。

 

「……千冬さん、お願いです。シールドを開けてください」

千冬

「鳳、言った筈だ。それはできん。ふたりに任せておけ」

 

やはり拒否する千冬。しかし、

 

「……はい。確かに火影達ならきっと問題ないでしょうね…、それはわかってます。……でも私は前に…、火影が私達を守って自分の腕を斬った時…約束したんです。何があっても火影に付いて行くって。もうあんな馬鹿な事しない様に…傍についてるって!………だから…」

「鈴…」

「……織斑先生、私も行きたいです。前に私が海之くんにそんな事はしないでってお願いした時、決してしないって言いましたけど…、でもわかるんです。いざって時は海之くんもそれ位平気でしちゃう人だって…。考えすぎかもしれませんけど…、そんな事をしない様についててあげたいんです!」

セシリア

「簪さん…」

千冬

「………」

シャル

「織斑先生、お願いします!僕も火影と約束したんです!正直僕なんて火影達の役に立てないと思うけど……それでも!」

ラウラ

「教官!!」

 

鈴、簪に続いてシャルロット、ラウラも訴える。

 

千冬

「…お前達…」

一夏

「…千冬姉。もう一度頼む。俺達を行かせてくれ」

「足手まといにはなりません!」

セシリア

「お願いします!先生!」

千冬

「……」

 

一夏達の心からの頼みに千冬は遂に、

 

千冬

「………シールドを開く。だが覚悟しておけ?戻ったら全員反省文だ」

 

そしてシールドは解除された。真っ先に鈴、簪、シャルロット、ラウラが出て行き、次に一夏が出ようとした…その時、

 

ヴィーンッ!

 

一夏

「!!」

 

直ぐ様シールドは元通り閉まってしまった。

 

「シールドが閉まった!」

一夏

「千冬姉!なんで閉じんだよ!?」

 

一夏は千冬に訴えるが返事は予想外のものだった。

 

千冬

「私にもわからん!急に閉じたのだ!………駄目だ、こちらのコントロールを受け付けん!」

セシリア

「コントロールを受け付けないって…どういう事ですの!?」

「故障か?…まさか…或いはコントロールを乗っ取られ……!ふたりとも避けろ!」

一夏・セシリア

「「えっ!?」」

 

ズギューンッ!

 

その時一夏達の後ろからレーザーが襲ってきた。一夏達は何とかギリギリで避けられた。

 

一夏

「あ、あぶねぇ~。今のは一体…?」

「ISのレーザーの様にも見え…! 後ろだ一夏、セシリア!」

一夏

「何!……お前は!?」

 

一夏が後ろを振り返るとそこにいたのは、

 

「……」

セシリア

「サイレント・ゼフィルス!」

 

先日の学園祭の時に襲撃してきたサイレント・ゼフィルス。そしてその操縦者であるMだった。

 

「どうしてあのISがここに!?」

「……織斑一夏」

 

Mの視線は一夏に向けられていた。

 

一夏

「! お前も俺を知ってるのか!?…いやそんな事は今はどうでも良い!さっきの鳥野郎はお前の仕業か!?」

「……」

「どうやらその様だな。会場のシールドのコントロールを乗っ取っているのもお前か!何故そんな事を!」

「……余計な邪魔が入らん様にするため。…そして織斑一夏、貴様を逃がさん様にするためだ」

一夏

「…俺を?」

セシリア

「何故一夏さんを狙うんですの!?」

「…答える必要はない。…織斑一夏、私はお前を倒す。そのための障害も排除したからな」

一夏

「障害?……火影と海之の事か?」

「…ああ。あの時のあの妙なISの男。そしてファントムを一瞬で撃破したという奴。それらを同時に相手というのは流石に荷が重すぎる。そのためにグリフォンを使ったんだが、まさか外に放り出されるとはな…。まぁ結果的に排除はできた。邪魔が入らん今が好機だ。他の雑魚には用は無い。死にたくなければどいていろ」

一夏

「ふざけんな!お前達みたいな奴に負けてたまるか!」

「その通りだ!一夏は私が守る!それにあの時の様な不覚はとらんぞ!」

セシリア

「そうですわ!それにそのサイレント・ゼフィルスは元々我が祖国のもの。今ここで返して頂きますわよ!」

「……良いだろう。邪魔立てするというなら…織斑一夏共々、纏めて沈めてやる!」

 

ビュビュビュビュンッ!

 

そう言うとMはサイレント・ゼフィルスのビットを展開し、三人に襲いかかって来た。

 

 

…………

 

同じ頃、一夏達の様子を見ていた別室でモニターしていた千冬は、

 

千冬

「一夏!篠ノ之!オルコット!……くそ!まさかあのIS以外にも既に侵入されていたとはな…!いや、正確には同じファントム・タスクか。ジャミングされているのか海之や火影達とも連絡がとれん。…くっ!一夏やあいつらが戦っているというのに私は……!」

 

自分が何もできないという現実を、千冬はただただ悔しかった…。

 

千冬

「…お前は…先程私を守ると言ってくれたが…やはり何もできないのは辛いよ………海之…」




次回、一夏・箒・セシリアとMの戦い本編です。

※次回までまた間を頂きます。

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