IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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火影と海之、鈴達がグリフォンの撃破に成功した頃よりほんの数刻前、一夏・箒・セシリアの三人も会場でMが駆るサイレント・ゼフィルスと対峙していた。最初はやはりMに圧される一夏達であったが、一夏への想いから目覚めた箒の紅椿の絢爛舞踏やセシリアのティアーズの偏光射撃。楯無の参戦。そして一夏の自分を支えてくれる者達のために負けられない想いが次第にMを圧し始める。そして一夏がとうとうMにとどめを!……そう思った瞬間、Mは彼等の目の前から忽然と姿を消した。
一体Mはどこへ…?謎は残ったが取り合えず目の前の問題を解決し、互いの無事を喜び合うみんなであった…。


Mission107 更なる予兆

Mとグリフォンによるキャノンボール・ファースト襲撃から二日が経った。

あの後一夏は以前火影と海之がほぼ丸一日眠った様に、翌日の夕刻まで全く起きずに眠り続けたのだった。当然その間は箒とセシリア、そしてふたり程ではないが楯無も交代で一夏の看病をしていた。そして……、

 

 

IS学園 医務室前の廊下

 

一夏

「ありがとうございました~」

 

ガラッ

 

「一夏、先生はなんと?」

一夏

「全く問題ないってさ。もうすっかり大丈夫だ」

セシリア

「良かったですわ!」

本音

「ほんとだね~!」

「あんたは昔から怪我の治りは早かったもんね。インフルエンザなんかも一日で治ってたっけ?」

「イ、インフルエンザって一日位じゃ治らないんじゃ…?」

一夏

「俺もそう思ってたけど翌日にはウイルスも全部無くなってスッキリだったぜ?」

ラウラ

「成程。これが馬鹿は風邪ひかない、というやつか」

シャル

「ラウラ、それは意味も違うし言い過ぎ…。まぁでもみんな無事で良かったよね。サイレント・ゼフィルスもあの鳥も倒せたし、幸い観客にも誰ひとり被害はなかったって聞いたし」

ラウラ

「ああ。しかし一夏達がゼフィルスと戦っていたとはな…。結果とはいえ分断してしまったのは不味かったか」

セシリア

「仕方ありませんわ。あんな事になるなんて誰も思いもしなかったですもの」

「ああ。…それに全部が悪かった訳ではない。私は紅椿の特性も掴めたし、セシリアはビットを更に使いこなせるようになったからな」

シャル

「紅椿の特性?」

「そ、それは秘密だ。…ところでお前達もよくあんな奴を倒せたな。火影と海之もいたとはいえ」

「ううん。私達はふたりの指示に従って戦ってたから。私達が危なかった時も全部助けてもらってたし、そのお陰でみんな無傷だったんだよ」

「そうね。火影達がいなきゃ危なかったわ。私達が最適な攻撃ができる様に囮同然になってくれたのよ。まぁふたり共簡単に蹴散らしてたけど」

一夏

「……やっぱあいつらすげぇな」

「そう言うな一夏。お前も私達を助けてくれたではないか。本当に感謝しているぞ」

セシリア

「そうですわ一夏さん。貴方は立派なナイトでしたわ」

一夏

「…へへっ、ありがとなふたり共。…所で火影と海之は?」

本音

「ひかりんとみうみうはかっちゃんと一緒に織斑先生の所に行ったよ~?お話があるんだって」

 

 

…………

 

その頃、火影と海之は千冬・真耶・楯無と一緒に先日の事態について話し合っていた。

 

千冬

「……成程。やはりあの時現れたのも…お前達がかつて前世で戦った事があるものだったか」

海之

「確証はありませんがおそらく間違いないと思います。先のふたつと同じく良く似ていましたから。まぁ奴も機械という意味では違いますが」

真耶

「と言う事はふたりはあれの名前も知っているんですか?」

火影

「ええ。おそらくあれの名は……「グリフォン」といいます」

楯無

「グリフォン、か…。神話に出てくる生き物にも同じ名前のものがいるわね。言われてみれば形もよく似てるわ」

千冬

「……だが奴にはゴスペルの武装である銀の鐘が使われていた」

火影

「ええ。俺達が前世で戦った奴にはあの様な武装も技もありませんでした。おそらく新たな武装として付け加えたんでしょう。ゴスペルのデータを流用して」

真耶

「…じゃあやっぱりあの時ゴスペルとファイルスさんを誘拐したのも…」

楯無

「ファントム・タスクでしょうね…。そしてグリフォンという新たな敵…。これでますます確実性が増したわね。以前篠ノ之博士が言った通り……向こうにもいる。君達の様な転生者が」

火影・海之

「「……」」

 

何も言わなかったがふたりも多分間違いないと感じていた。

 

千冬

「今はその事を話しても仕方ないだろう。手がかりも無いからな。それよりグリフォンだが…倒す事は可能なんだな?」

海之

「はい。多少武装が変わっているとしても奴の戦い方は把握しています。それに奴は悪魔と違って機械です。プログラム以外の事はできません」

火影

「しぶとさで言えば寧ろ俺達が知っている奴らの方が上でしたね。鈴や簪達も経験していますし、次はもっと有利に戦えるでしょう。あれがアンジェロの様に数で来れば厄介ですが…その時は俺達がやります」

真耶

「無茶はしないでくださいねふたり共」

楯無

「そうよ。ふたりのISだって万全じゃないんだからね。私も手伝うから」

海之

「ありがとうございます」

千冬

「……」

火影

「先生?」

千冬

「あっ、す、すまない。……グリフォンという奴についてはこれ位にしておこう。次はゼフィルスだが…」

火影

「…すいません。俺達が現場を離れたばかりにみんなや観客を危険に晒してしまって」

真耶

「そんな!ふたりは悪くありません!みんなを守るために戦ってくれたのですから」

楯無

「その通りよ、君達は悪くないわ。だからそんな風に考えるのはよしなさい。良いわね?」

海之

「…ありがとうございます」

火影

「しかしまさかMが入りこんでいたなんてな」

真耶

「M?」

火影

「ああ、以前俺が戦った時にあのオータムって奴がゼフィルスの操縦者をそう呼んでいたんです」

楯無

「…M…。おそらくコードネームでしょうね」

海之

「そういえば箒達から聞きましたが…、ゼフィルスの操縦者は一夏の命を狙ってきたのですね?」

楯無

「ええ。あの女の話からすればその様だったわ。でもそのまま挑んだら君達に邪魔される。そうさせないためにグリフォンを使ったみたい」

真耶

「…なんで織斑くんを…。先日のオータムって人は白式が目当てだったらしいですから織斑くんが直接の狙いだった訳では無いらしいですけど…」

火影

「…Mとオータムとでは目的が違ったという事か…?Mの狙いは一夏の命…」

千冬

「……!!!」

 

その時一瞬だけだが千冬の表情が変わった。

 

海之

「? どうしました先生?」

千冬

「……いや、何でもない」

海之

「……」

 

海之は何かを感じ取ったようだがその場ではそれ以上追及しない事にした。

 

海之

「もうひとつ。一夏がゼフィルスにとどめを刺そうとした時、奴は目の前で急に消えたのですね?」

真耶

「…はい。本当にいきなり。あの鳥…グリフォンでしたっけ?あれが出現した時の様な空間の歪みみたいなものがあの人を覆って、気付いた時には…」

火影

「…いなくなっていた」

真耶

「はい…」

海之

「……」

(グリフォンの突然の出現、ゼフィルスの操縦者の消失。………まさか、………いやありえん。この世界には魔力はない。それに俺達以外の転生者とはいえ、人間に転位等できる筈は無い………)

楯無

「でも今度はそう簡単に負ける事はないと思うわよ?箒ちゃんもセシリアちゃんもパワーアップしたみたいだし、一夏くんはあの件で益々やる気になってるみたいだしね♪」

火影

「…それは楯無さんも同じなんじゃないですか?なんか雰囲気が違いますよ?」

楯無

「さぁ~どうかしらね~♪…まぁでもふたりにばかり任せる訳にはいかないと言うのは本当よ?そのためにより強くなろうと思うし。それに織斑先生もね」

火影

「先生?」

千冬

「いずれ分かる。…さて、今日はこれ位にしておくとしよう。わかっていると思うがここでの会話は一切他言無用だ。いいな?」

真耶

「もちろんです」

火影

「……」

楯無

「? どうしたの火影くん?」

火影

「…なら束さんにも聞かせないでくださいよ」

真耶

「えっ?篠ノ之博士はここにはいませんけど!?」

海之

「……机の上のメモ用紙」

楯無

「えっ?」

 

みんなが見てみると机の上に確かにメモ用紙の束が置かれてた。しかしその一番上の用紙の真ん中部分が不自然にやや膨らんでいる。

 

千冬

「……」

 

千冬がそれをめくると……そこには兎の形の小さな置物があった。そしてそこから声が聞こえてきた。

 

(……てへ♪やっぱりばれちゃったか。しかも今回はひーくんに気づかれるとは。ひーくんもまたできる様になったね!)

火影

「…まぁ盗聴器は初めてじゃありませんから」

※Mission41をご覧ください。

真耶

「篠ノ之博士!?そ、それに盗聴器って!」

楯無

「い、何時から…?もしかして織斑先生…」

千冬

「……すまん。あの時のグリフォンとの戦いを衛星から見ていたらしくてな。あの後すぐ送りつけてきた…。全く面倒な奴だよ」

(いや~それ程でも~♪ひーくんみーくんお疲れ様ね~!またブサイクな奴をやっつけてくれて、全てのISのお母さんである束さんとしたら嬉しい限りだよ♪)

海之

「…どうも」

火影

「束さん。誰にも今の話言わないでくださいよ?」

(ガビーン!!ひーくん疑ってるの~!?束さん大ショーック!!)

千冬

「盗聴器なんて送りつけてくるお前が悪い」

火影

「はは、冗談ですよ束さん。…クロエ、どうせお前もそこで聞いてんだろ?相変らず大変だなお前も」

クロエ

(………)

 

火影の言う通り束の傍にはクロエがいた。…しかし彼女からの返事は無かった。

 

海之

「…クロエ?」

クロエ

(はっ!す、すみません!ちょっとボーッとしちゃって)

(あれ~?クーちゃんもしかして照れてる~?早速おにい)

クロエ

(わ―――!!!)

 

奥からクロエの大声が聞こえた。

 

楯無

「び、吃驚した…」

火影

「どうしたクロエ?」

クロエ

(な、なんでもありません火影さん!私は大丈夫です!)

火影

「そ、そうか」

(クーちゃんかわいい~♪)

クロエ

(……う~……)

海之

「?」

 

その後、束とクロエも交えて少し話した所で全員解散となったのであった……。

 

 

…………

 

??? オータムの部屋

 

スコール

「オータム、入るわよ」

 

ウィーン

 

オータム

「おおスコール。何か用か?」

スコール

「ええ。オータム、あの人が呼んでるわよ」

オータム

「…けっ、スコールが用があった訳じゃあねぇのか。…まいっか、あいよ。スコールも付いてきてくれよ?」

スコール

「ふふっ、甘えん坊さんねオータムは。わかったわ」

 

 

…………

 

?の部屋

 

ウィーンッ

 

「……」

オータム

「おーい来てやったぜ~。ありがたく思いやがれよ?」

スコール

「待たせて御免なさいね。Mは?」

「……ゼフィルスの修理と改良中だ」

オータム

「だろうな。つってもあんなコテンパンにやられたら暫くはISの活動はできないだろうな。大口叩いてる割りに大したことねぇ」

スコール

「こぉら、オータム。ねぇ、オータムを呼んだって事はもしかして?」

「ああ。アラクネの修復が完了した。基本性能もUPさせてある」

オータム

「やっとか。随分掛かって待ちくたびれたぜ」

「それと新たな機能を追加しておいた」

スコール

「新たな機能?」

オータム

「おい!俺のISに何勝手な事してくれてんだ!」

「怒るな。お前も力が欲しいだろう?」

オータム

「……ちっ。どんな機能なんだよ一体?」

「心の底から望めばそれは力を貸してくれる」

オータム

「なんだそりゃ?望めば力を貸すって…まるでVTSみてぇだな」

「あんな出来損ないとは違う」

スコール

「なんという機能なの?」

 

スコールが尋ねると男はゆっくり答えた。

 

「…DNS。正しくは………」




果たして「DNS」とは何を意味するのか?
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