IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
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海之
「……思えば下らん事引き受けたものだな」
火影
「仕方ねぇだろ、あんなに必死に頼まれたら断りにくいしよ」
一夏
「箒、大丈夫か?ガチガチじゃねぇか」
箒
「だ、大丈夫だ。心配ない…」
とある日の夜。四人はやや重い足取りでとある場所に向かっていた。一体何があったのか…?
…………
IS学園 1ー1
事の発端は昨日の放課後、火影達のクラスに来たある人物だった。
薫子
「…ねぇ、織斑くんに火影くん、海之くん、篠ノ之さんいる~?」
一夏
「ん?は~い」
それは写真部の黛薫子だった。
火影
「黛先輩?お疲れ様です」
薫子
「うん、お疲れ様~。あっ!そうだ火影くん、海之くんと一夏くんも。この前の文化祭はありがとね♪君達の執事姿写真とっても好評だったよ~!またあんな企画どんどん考えてね!何時でも写真撮りに行くから♪」
一夏
「あははは…、何が好評なのかわからないですけどね」
薫子
「いやいや本当に大好評だったんだよ。あと女の子達のメイド姿も受けてたよ!アイドルに誘いたいからどこにいるのか教えてほしいって電話が来た位♪」
箒
「は、恥ずかしいですがお役に立てたなら嬉しいです」
セシリア
「あ、アイドル!?……どど、どうしましょう!」
ラウラ
「……アイドル」
シャル
「いやいやふたり共。なに微妙にやる気になってるのさ…」
火影
「…黛先輩。それで今日はどんな御用事で?」
薫子
「ああそうだった!結構急ぎの用事だったんだ!いや実はね、今言った四人にお願いがあるんだよ!ハイこれ!」
薫子が皆の前に出したのは一冊の雑誌だった。
鈴
「これは今女の子の間で評判の雑誌ですね」
本音
「そうだね~!今活躍中の女の子や男の子を紹介してる結構有名な雑誌だよ~」
簪
「でもこれと黛先輩となんの関係があるんですか?」
薫子
「良く聞いてくれました!実はね、私のお姉ちゃんがこの雑誌の編集社に勤めてるんだけど…次号で取り上げる子を探してるのよ。今度のテーマは「新星」。突如出現した著しい活躍をしている子っていうのよ~。おまけに次号は出版100号目!だから会社も気合い入ってるらしいのよ!でも中々見つからなくて…」
一夏
「それは大変ですね。…新星、今著しい活躍をしてる人か~」
薫子
「そうなのよ。…だからね」
箒
「……へっ?」
火影
「…まさか」
海之
「……」
バンッ!
すると突然薫子が土下座して言った。
薫子
「お願い!火影くん海之くん織斑くん篠ノ之さん!次号の写真モデル引き受けて!」
火影・海之・一夏・箒
「「「…………」」」
四人は固まっていた。
生徒達
「「「お―――――――!!」」」
本音
「すご~い!」
一夏
「ちょ!みんな何言ってんだ!俺達学生だぞ!おまけにIS操縦者だぞ!モデルとか関係ねぇだろ!?」
と一夏は言うがここで女子の操縦者達が話し始める。
鈴
「あら一夏、知らなかったの?IS操縦者とかって結構そういう活動してんのよ?私も中国でやった事あるわ」
一夏
「…へっ?マジで?」
ラウラ
「鈴の言う通りだ。専用機持ち、つまり代表や候補生、または企業専属の操縦者だな。宣伝や広告活動も兼ねてそういった事も行うのだ。私も以前テレビの取材に出た事もある」
セシリア
「私もプロマイド撮影を行いましたわ」
シャル
「そう言えば僕も以前誘われた事あったな。その時はお断りしたけど」
簪
「私も以前お姉ちゃんと一緒に出ないかって言われた。やってはいないけどね」
どうやら嘘では無いらしい。
火影
「だがそれは代表や企業専属の操縦者だろう?俺達はそんなのとは関係ないぞ?何も宣伝する物もねぇし」
海之
「うむ。出来ればお断りしたい所だ」
一夏
「う~ん、俺もあんまり気が乗らねぇかも…」
薫子
「そう言わないで~!前に私が撮った写真をお姉ちゃんとこの会社の編集長さんが見ちゃって是非君達にって言ってるらしいんだよ~!ねぇお願い!私とお姉ちゃんを助けると思って!それにさ!君達の写真なんて売れ行き爆発間違いないし!」
生徒達
「「「それは間違いない!!」」」
必死で頼み込む薫子。周りの生徒も是非やってほしいという目をしている。
鈴
「火影、やってあげたら?こんなに言ってるんだし」
セシリア
「一夏さん、これもIS操縦者の御仕事ですわ」
ラウラ
「海之。私の嫁としてやってみせろ」
シャル
「僕もやってあげて良いと思うよ火影」
簪
「…海之くん。先輩を助けてあげて?」
本音
「ひかりん~、私もサンセイ~」
そんな鈴達の心中は、
鈴・セシリア・ラウラ・シャルロット・簪・本音
(火影(ひかりん)・海之(くん)・一夏(さん)の写真…欲しい!!)
一夏
「……ハァ。しょうがねぇなぁ、そこまで言われたら断りにくいじゃんか。なぁ箒?」
箒
「わ、私はまだやるなんて言って無いぞ!?」
箒はまだ悩んでいる様だ。
薫子
「まあそう言わずに~。編集長さんが君にもとても興味があるって言ってるんだよ。何せあの篠ノ之博士の妹さんだからね。是非うちで真っ先に紹介したいって」
箒
「……」
束の名前が出た事に箒は黙ってしまう。そこに、
火影
「…黛先輩。箒は束さんの妹だからISを動かせる訳でも、ここまで成長できた訳でもありませんよ。全てはこいつ自身の努力の成果です。束さんは関係ありません」
海之
「箒は確かに束さんの妹ですが、その前に篠ノ之箒というひとりの人間です。先輩のご家族の会社がそう言った目でこいつを見るのなら…俺達はお断りします」
箒
「!…火影…海之」
一夏
「…そうだな。ふたりの言う通りだ。先輩、お姉さんに伝えてください。箒を束さんの妹では無く箒自身として扱ってくれるなら、俺はお引き受けします。でももし無理なら…、俺もお断ります」
箒
「一夏…」
生徒達
「「「………」」」
先程まで騒いでいた生徒達も三人の言葉に皆黙っていた。
薫子
「……うん。そうだね、その通りだね。ごめんね篠ノ之さん。必ずそうする様にお姉ちゃんに伝える。約束する。…だから改めてお姉ちゃんを助けたい私としてお願いしたいんだけど…、今回の件、引き受けてくれないかな?」
…その言葉に嘘は無いと感じた火影達は、
火影
「…わかりました」
海之
「…仕方ありませんね」
一夏
「いいですよ」
箒
「はい」
全員了承した。
薫子
「ありがとう!じゃあ早速だけど明日の夜ここに来てね!…ああ後コレ!今回の撮影のお礼!きっと引き受けてくれるって信じてたから先に貰っといたよ!じゃあ私はお姉ちゃんに伝えてくるから!」
そう言って紙袋を渡すと薫子は走り去って行った。
一夏
「…はっ?なんてった?明日!?」
火影
「…また急だな」
箒
「まず予定を聞いてから考えるべきだった…」
海之
「…迂闊だった」
火影達は予定を聞く前に引き受けてしまった事を後悔した。
鈴
「まぁ引き受けたからには頑張りなさいな。……所でお礼って何?火影」
火影
「ん?ああ。ええっとこれは……チケット?」
火影が自分の紙袋に入っていた封筒を開けると中にはチケットらしい紙切れがあった。二枚ある事からペアだと思われる。
セシリア
「!!これってあの○○○ホテルのディナーペアチケットですわ!」
シャル
「○○○ホテルって…あの五つ星の!?」
鈴
「しかもそれSPチケットじゃない!一日一組限定コースよ!」
簪
「確か中々予約取れなくて大変って聞いたことがあるね」
ラウラ
「大変どころではない。VIPでも中々入れない位の有名店だ」
本音
「すご~い!」
一夏
「そ、そんなに凄いのか…?」
生徒達
「「「うんうん!!」」」
皆の力の入り様から本当に凄い事の様だ。それは彼女も同じ様で、
箒
「一夏!引き受けて良かったな!」
一夏
「あ、ああ」
先程の落ち込みはどこへやら、箒もすっかり元気になった様だった。
火影
「…まぁこれをどうするかは追々考えるとして、向かう場所は島内の様だな」
海之
「千冬先生に許可を頂かねばならんな…。ハァ…」
…………
こうして無事許可を貰った火影達は指定された集合場所に向かっているのであった。……そしてもうすぐという所で突然箒が三人を呼び止める。
箒
「…一夏、火影、海之」
一夏
「ん?」
火影
「なんだ箒?」
海之
「?」
箒
「…あの、昨日はありがとう…。お前達の言葉…、嬉しかった」
箒は昨日の一夏達の言葉に感謝していた。束の妹では無く箒自身を見てほしい。そう言ってくれた一夏達に。
一夏
「…へへっ、当然だろ?」
火影
「本当の事を言った迄だ」
海之
「気にするな」
箒
「…うん」
箒は再び心の中で感謝し、歩き始めた。
…………
火影達が着いたそこはとある小さいホテルだった。薫子から貰った情報によると撮影はどうやらそこの広間で行われるらしい。四人がホテルのロビーで待っているとひとりの女性が話しかけてきた。
?
「ああ!もしかして君達が妹が話していた子達!?」
火影
「? もしかして…貴女が黛先輩の?」
渚子
「ええ、渚子といいます。宜しくね!今回はうちの無茶なお願いを聞いてもらってありがとう!本当に大変だったのよ~、テーマに合った子が決まらなくて!候補に挙がってた子は先に他の会社に取られちゃうし。そんな時に妹から君達の事聞いて、写真を見てコレだ!って思って直ぐ即決よ!いや~本当に助かったわ~!」
箒
「は、はぁ」
一夏
(…なんか黛先輩がそのまま大きくなった感じだな)
海之
(…ハァ)
そしてそれぞれ簡単に自己紹介を済ませ、渚子に連れられてエレベーターに乗る。その室内で、
渚子
「…ねぇ篠ノ之さん?」
箒
「は、はい。あっ、箒でいいです」
渚子
「じゃあ箒さん。…先日は本当に御免なさいね。妹から聞いたわ。貴女を篠ノ之博士の妹としてではなく、箒さんとして見てあげてって。…確かにその通りだわ。貴女には嫌な思いをさせてしまったわね。安心して?そんな目で貴女を見たりしないから。……良いお友達を持ったわね」
箒
「あ、ありがとうございます。…はい、良い仲間です」
一夏
「照れる事言うなって」
火影・海之
「「…ふっ」」
そんな話をしている内に目的の階に到着し、準備は進み始めた…。
…………
一夏
「しかしやっぱふたりって執事姿似合うよなぁ」
火影
「俺はこんな格好は苦手なんだけどな。でもまさか俺達もこの服をほんの二ヶ月位で3回も着るとは思わなかったよ」
海之
「……」
スケジュールはまず簡単にそれぞれに取材を行い、その後何パターンか写真を撮るとの事である。因みに服装は男子は執事服が、女子はドレスが必須。それ以外は各々が気にいっている物で良いらしい。と、
箒
「すまない。遅れてしまった」
一番最後に着替えが終わった箒が出てきた。ドレスを持っていないという事だったので会社側で用意されたドレスを着ている。真紅のドレスで箒に良く似合っていた。
火影
「おお箒。中々似合ってるぜ。大人の女性って感じがする」
海之
「ああ」
箒
「あ、ありがとう。こういうのは着慣れていないから緊張する」
火影
「なぁ一夏?」
一夏
「あ、ああ。良く…似合ってるぜ箒」
箒
「!そ、そうか。…ありがとう」
一夏に言われたからか箒は恥ずかしそうだ。
渚子
「はいは~いお待たせ~!…おお!やっぱり実物で見ると余計に似合うわねぇ!じゃあまずはこっちで簡単にインタビューやるから来て~。その後撮影に入るから♪」
…………
火影
「休みの日はピザ焼いてたりレコード探している事が多いですね」
海之
「詩はよく読む方です。ウィリアム・ブレイクとか…」
一夏
「そうなんです。間違って入った所にISがあって。何も考えずにそれに誤って触っちゃって…。あの時は本っっ当に大変でしたよ…」
箒
「私も結構料理は好きです。あとは…舞でしょうか…。先日は神楽舞をやりました」
火影達へのインタビューは問題なく進んでいた。渚子の言う通り箒へのインタビューでは束の名前が出る事は無く、やがて全て終了した。そしてその後はそれぞれの撮影へと移る。時にはふたり、時には三人、そして時にはこんな要望も。
渚子
「じゃあ次に箒ちゃん。誰かにお姫様抱っこされている形で撮ってもらって良い?」
火影
「一夏、お前がやってやれ」
海之
「そうだな。一夏、頼む」
箒
「!!なな、何を言うふたり共!そそ、そんな撮影私!」
当然箒は恥ずかしがるが、
一夏
「俺?まぁ良いけどさ。…箒、俺がやっても良いか?」
箒
「へっ!?……うぅ、し、仕方ない…。お前がそう言うなら…」
箒はそう言うが決して嫌そうではない。
渚子
「ありがとう箒ちゃん、織斑くん。じゃあ宜しくね♪」
そう言われて執事の一夏が箒をお姫様抱っこする。
一夏
「窮屈だったら言えよ箒」
箒
「だだだ、大丈夫だ!そそそ、それよりお前も重かったら言えよ!?」
一夏
「心配すんな。そんなに重くねぇよ」
箒
「……」
(後で特別に写真貰えないかな…?)
…………
小休憩の後、次は各々が気にいっている服で撮影を行う。一夏と箒は既に着替え終わり、火影と海之を待っていた。
一夏
「遅いなぁふたりとも。なぁ箒………おい箒?」
箒
「ふぇっ!な、なんだ一夏!?」
一夏
「いや…ふたりが遅いなぁって思って」
箒
「そ、そうだな!全く何をやっているのか…」
(いかん。冷静に、冷静に…)
まだ先程のペア写真の緊張が解けていない様である箒。
……とそこにようやく火影と海之が来た。
火影
「悪い。遅くなっちまった」
海之
「すまんな」
ふたりとも共に黒い服の上に火影は赤、海之は深い青色のロングコート。そして共にブーツとグローブを付けている。
一夏
「相変わらず凄い私服だな~」
箒
「ああ…なんというか、貴族という感じがするぞふたり共」
火影
「寧ろハードボイルドって呼んでくれ」
海之
「…ハァ」
…………
後半の撮影も順調に進み、やがて終盤に近づいた所で渚子が四人に最後のリクエストをする。
渚子
「じゃあね~、織斑くんと箒さんでカップルみたいな感じで頼める~?」
箒
「!か、か、かっぷる!?」
一夏
「どんな写真が良いんですか?」
渚子
「そうね~…じゃあこのマフラーを織斑君、箒ちゃんの首に巻いてあげて。その場面を撮るから♪」
一夏
「わかりました。良いか箒?」
箒
「あ、ああ。頼む…」
そう言うと一夏が箒に向かい合い、彼女の首にマフラーを巻いていく。
箒
(…これも後で写真貰えるか聞いてみよう…)
…………
渚子
「……OK~♪じゃあ最後に双子くん!君達でキメの写真行こう♪何でも良いから何かふたりでポーズやって!」
火影
「…んじゃああれはどうかな。渚子さん、確か小道具の中に拳銃がありましたよね?」
そう言われて渚子はふたつのモデルガンを火影に渡し、火影はそのひとつを海之に渡す。
海之
「…お前…」
海之は火影の考えが読めた様だ。
火影
「あれが一番分かりやすいだろ?」
海之
「…今回だけお前に付き合ってやる…」
ふたりがとったポーズ。それは、
ジャキジャキッ!
背中合わせになり、カメラに向けて共に銃を構える。そんなポーズであった…。
こうして全行程は無事終了し、渚子と別れた四人は今まで感じた事が無い疲れを感じながら帰路に就くのであった。数日後、四人が載った雑誌は100回記念号として発売された。予想されていた通りその刊の売れ行きは凄まじく、渚子曰く会社始まって以来の爆発的なものとなったらしい。
※最後のポーズはもちろんDMC3のあのポーズ。あとホテルの名前はご想像にお任せします。