IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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一夏達専用機持ちによるタッグマッチトーナメントが翌日に迫ったこの日。火影と海之は千冬や真耶と最終確認を行っていた。その中で千冬から数日前にISコアが某国から秘密裏に盗み出されたという話をされるが、ふたりは自分達のやる事は変わらない、守るために全力を尽くすと何時も余裕ある表情で答える。千冬と真耶はそんなふたりにやや呆れながらもとても頼もしく思っていた。

……一方、ファントム・タスクも当日に向けて不穏な動きを見せ始めていた。男はオータムに命令した。「赤と青のISのデータを集めろ」と…。


Mission118 招かれざる客人

キーンコーンカーンコーン

 

 

IS学園アリーナ管制塔

 

一夏達が参加する専用機持ちタッグマッチトーナメント当日。火影と海之はアリーナ周辺を巡回警備して戻って来た。

 

ウィィィン

 

火影・海之

「「失礼します」」

真耶

「お疲れ様です。ふたり共」

千冬

「御苦労。それでどうだ?」

海之

「現状ではこれといった異常は内部外部共に確認できませんでした。最も開始当時になればわかりませんが」

千冬

「…そうだな。お前の言う通り現時点で何かしらの異常が見つかる可能性は低いかもしれん。何か起こるとすればその時だろうな。…まあ不審物が見つからなかっただけ良しとしておこう」

火影

「入場者に不審人物は?」

真耶

「それも大丈夫だと思います。来客全てチェックしていますから。もちろん持ち物もです。隅々まで調べるのはやや気がひけますが…」

千冬

「止むを得んだろう。前回のキャノンボールの一件もあるんだ。油断しないに越したことはない。…野蛮な話だがな」

海之

「大丈夫ですよ先生。みんな先生方の気持ちを分かっている筈です」

千冬

「……そう言ってもらえると助かる」

火影

「先生、一夏達の様子はどうですか?」

千冬

「あいつらならそれぞれのピットでもう待機しているよ。会いに行ってやったらどうだ?お前達が声をかけてやるのが一番の薬だろう?一部の者にはな」

真耶

「間違いありませんね♪」

 

 

…………

 

一夏・簪サイド

 

海之

「簪、一夏」

「あっ、海之くん」

一夏

「おお海之。どうしたんだ?」

海之

「様子を見に来たのだ。緊張等していないか?」

一夏

「全く問題ねぇよ。寧ろ楽しみだぜ。何しろいきなり箒と楯無さんだからな!」

 

一夏と簪のペアは一回戦から箒・楯無ペアと戦う事が決定していた。

 

海之

「そうだな。…簪、お前は大丈夫か?」

「…全く緊張していない事は無いかな。でも自分がやってきた事を信じて精一杯頑張るよ。悔いを残さない様に」

 

簪の目は真剣なものだった。

 

海之

「それで良い。頑張れ。…一夏、しっかりサポートしてやれよ?」

一夏

「ああわかってる。任せておけって!…あっ、ちょっと悪い。最後にトイレ行ってくる!」

 

そう言って一夏は走って行った。

 

海之

「では俺は」

 

去ろうとする海之。すると簪が、

 

「あ、あの…海之くん。ひとつだけ…、お願い聞いてもらって良い?」

海之

「なんだ?」

 

すると簪は恥ずかしそうに言った。

 

「あ、あの…本当に良かったらでいいんだけど……、私、ちょっとまだ緊張してるから…、あの…、ぎゅって…してもらって良い…かな?…あっ、べ、別に全然変な意味じゃなくて!ほら!前に手を握ってもらった時にとても落ち着いたから!だからまた同じ様な事やってほしいなって思っただけで…、あの…」

海之

「……」

 

簪は自分の発言に動揺しているようだ。海之は黙っていたが、

 

スッ…

 

「!…あっ」

 

安心させる様にそっと簪を抱きしめた。

 

海之

「落ち着け。…これで良いのか?」

「……うん。……ありがとう」

(…ラウラに悪いかな?…でもデートふたりきりでできなかったし、良いよね)

 

そう心で思いながら簪は一夏が戻って来るまで暫し海之に身を預けていた。

 

 

…………

 

箒・楯無サイド

 

火影

「箒、楯無さん」

「おお火影」

楯無

「あら火影くん。様子を見に来てくれたの?」

火影

「まぁそんなもんです。聞きましたよ、最初から一夏と簪のペアと当たるそうですね」

「ああそうだ。こんな事言うのもなんだが嬉しい気持ちだ。一夏とは一度本気で戦いたかったからな」

火影

「お互い同じデビルブレイカ―もあるし、力としてほぼ五分五分という感じだろうな。楯無さんはどうですか?」

楯無

「もちろん万全よ。箒ちゃんとは毎日訓練してたし毎日一緒にお風呂入って友好を深めてたし♪」

「ちょ、ちょっと楯無さん!それは秘密にしてくださいと言ったでしょう!」

楯無

「いいじゃな~い。それに聞かれて恥ずかしいのは一夏くんでしょ~?」

「それでも恥ずかしいんです!」

火影

「ははは。全然問題無さそうですね。…でも安心しました。簪相手でも全く加減する気は無さそうで」

楯無

「あら、当然でしょ?そんな事あの子が一番望んでいないし、あの子の気持ちに応える意味でも全力でやらせてもらうわよ。悪いけど完勝するつもりで行くんだから♪」

「…私も全力でサポートします。楯無さん」

楯無

「うん。ありがとう箒ちゃん」

 

ふたりの闘志は熱く燃えていた。

 

楯無

「…それにあの子には何より海之くんへの熱い想いがあるからね~♪今頃抱き締められたりしてるんじゃないかしら~?」

「た、楯無さん!」

火影

「ははは…」

 

…僅かにその闘志が冷めた気がした箒であった。

 

 

…………

 

セシリア・ラウラサイド

 

海之

「セシリア」

セシリア

「ああ海之さん。お疲れ様ですわ」

海之

「お互いにな。…? ラウラはどうした?」

セシリア

「ラウラさんなら先程忘れ物とか言われて……ああ来ました」

ラウラ

「おお海之。来てくれたのか?」

海之

「様子を見に来たのだ。それにふたりが頑張っていたのは知っているからな。今さら心配は不要だろう?」

ラウラ

「…ふふっ、よく分かっているではないか。お前の言う通り、私もセシリアもしっかり準備してきたつもりだ。勝てる自信もある」

セシリア

「ええそうですわね。信用して頂いていると考えましょう」

海之

「ああその通りだ。…ところでラウラ、先程セシリアに聞いたが何か忘れたのか?」

ラウラ

「ああ、お前に貰った指輪を部屋に置いてきたのだ。付けたまま試合に出てもし壊してしまったり等したら一生後悔するからな」

セシリア

「…というかラウラさん。普段から指輪はめているおつもりですの?」

ラウラ

「当然だろう?私と海之は夫婦なのだからな。セシリアも今度一夏にねだったらどうだ?少しは気付くかも知れんぞ?」

セシリア

「わ、私はそんな大胆な事は…」

海之

「…まぁその話は終わった後で良いだろう。ふたり共頑張れ」

ラウラ

「うむ。終わったらディナーデートだ」

セシリア

「ラウラさん、それは優勝しないと……そうですわね。優勝したら良いのでしたわね。頑張りますわ!」

海之

「……まぁ張り切っている様で何よりだ」

 

ふたりのやる気に感心する半面、ほんの少し不安になる海之だった。

 

 

…………

 

鈴・シャルロットサイド

 

火影

「鈴、シャル」

シャル

「あっ、火影!」

「どうしたの?心配して来てくれた?」

火影

「様子を見に来たんだ。それに心配はそんなしてねぇよ。お前らの事は信用してっから」

「え~少し位は心配してくれても良いんじゃない~?薄情者~」

シャル

「ふふっ、でも言葉と違って鈴嬉しそうだよ?さっきも言ってたじゃん、火影来てくれないかな~って」

「ちょ、ちょっとシャル!」

火影

「はは…。…なぁ鈴、シャル。この前はありがとよ。お前らや本音の言ってくれた事本当に嬉しかったぜ。…もうお前らに黙ってどっか行ったりしねぇから」

「…うん」

シャル

「約束守ってね?」

 

火影からその言葉を聞いて安心するふたり。すると鈴が、

 

「……ねぇ火影。本当にあの時の事感謝してる~?」

火影

「? ああマジだって」

 

その言葉を聞いた鈴は何か思い付いたのか、悪戯心を含んでいる様な笑みを浮かべて更に続ける。

 

「じゃあさ~?言葉より行動で示してほしいな~♪」

シャル

「鈴、あんまり火影を困らせちゃ駄目だよ」

火影

「……」

 

火影は少し考慮するとふたりに近づき、そして、

 

鈴・シャル

「「!!!!」」

 

鈴とシャルの頬にそっとキスをした。瞬間的にトマトみたいに真っ赤になるふたり。

 

火影

「こんなんでいいのか?」

「いいいいいきなり何してんの!?マジで何してんのよ!?」

シャル

「ななな、なんで僕までしてくれたの!?じゃない、したの!?」

火影

「いや行動で示せっつったから。あと鈴だけしたらシャルに悪いしな」

「本当にするなんて思わないでしょ!やっても抱きしめるとかそんなんでしょ!予想外過ぎるのよ!」

シャル

「もー火影ったら!心臓に悪いよ!」

 

……ふたりはそう言うが火影が去った後、

 

(ねぇシャル!この事は絶対皆には内緒よ!特に本音には!私達だけの秘密だからね!)

シャル

(う、うん!わかってる!本音には悪いけど…絶対言わない!)

 

…決して嫌ではなさそうであった。

 

 

…………

 

そうこうしている間にやがて時刻は試合開始まもなくになった。現時点でもまだ目立った事は起こっていない。何が起こってもできるだけ直ぐ対応できる様、千冬からの指示で教職員は観客の警備に重点を置き、火影と海之のふたりは予定通りフリーで行動する手筈になっている。

 

管制塔

 

千冬

「間もなく試合開始時間になるな。…周囲の状況はどうだ?」

真耶

「現時点では何も反応ありませんね。それから来客チェックも何も問題ありませんでした」

千冬

「そうか。どうか何事も起こらなければ良いが…」

 

無事に事が始まる事を願う千冬。………しかし、

 

 

~~~~~~~~~~~~~!

 

 

突然異常を知らせる警報が鳴り響いた。

 

千冬

「!何事だ!?」

真耶

「!!え、遠方より接近して来る反応あり!多方向より数複数!」

千冬

「…ちっ!やっぱりこうなるか!海之と火影に」

 

と千冬が言おうとしたその時、

 

~~~~~…………

 

鳴り響いていた警報が突如鳴り止んだ。

 

千冬

「…?……どうした?」

 

不思議がる千冬。

 

真耶

「……!せ、先輩!反応が全て消失しています!」

千冬

「何だと?……まさか」

 

~~~~~~~~~

 

とその時通信機が鳴った。

 

火影

「…聞こえますか、先生」

千冬

「火影か?…何があった?」

 

すると火影は何事も無かったかのように言った。

 

火影

「先程遠方から何機かアンジェロが出てきましたので海之と片付けました」

真耶

「!簡単に見ただけでも30機程確認できたのにあんな一瞬で!?」

火影

「大した事はありませんよ。それより他に敵は見当たりませんか?」

真耶

「は、はい。今は大丈夫です…」

火影

「了解です。引き続き警戒します」ピッ

 

そう言うと火影は通信を切った。

 

真耶

「……先輩」

千冬

「…全く、頼もしいなんてもんじゃないな…」

 

ふたりの動きに良い意味で苦笑いを浮かべる千冬だった。

 

 

…………

 

アンジェロを撃退した火影と海之はアリーナ上空で待機していた。

 

火影

「もうすぐ開始時間か…。さっきの奴の出現から特に何も起こらねぇな…」

海之

「油断するな。現に奴らが現れたんだ。また何か起こる可能性は高い」

火影

「わーってるよ。…しかしさっきの奴ら見て思ったが…、まるで俺らが外に出てくるのを待っていたかのように現れたな…」

 

火影の言う通り、先程火影と海之が外に出たのと全く同じタイミングでアンジェロは出現していたのである。そのタイミングが火影は不思議に思った。

 

海之

「…俺達が出てくるのを待っていたのか、或いは…何者かが知らせたのか…」

火影

「…やれやれ、もてる男は辛いねぇ」

 

とその時、

 

 

ヴゥゥーーーン!

 

 

火影・海之

「「!」」

 

突然ふたりの周辺に異常が起こった、それはまるで先のキャノンボール・ファーストの際の様な空間の歪みであった。

 

火影

「…海之」

海之

「…来るぞ」

 

 

ドォォォォォォン!

 

 

やがて異変があったその場所が爆発する。

 

グリフォン

「「グオォォォォォォォ!!」

 

そこに現れたのは先のキャノンボール・ファーストの時に現れたグリフォン。しかも今度は二体である。更に加えて数十体のアンジェロ。そして、

 

「久しぶりだなぁ~赤いの!」

 

爆発による煙の中から聞こえたのは人間の声。声色からして女性であるのが伺える。そして火影はその声に聞き覚えがあった。

 

火影

「…あの蜘蛛女か」

 

それは以前学園祭にてMと共に襲撃してきたアラクネを纏うオータムであった。

 

オータム

「蜘蛛女っつーのはムカつくが今はいい。そういうこった赤いの!あとそっちの青いのはファントムを即殺した奴だな!」

海之

「……」

オータム

「おいおい無言かい?折角良い女が話しかけてるっつーのに連れねぇなぁ~」

海之

「…御託は良い。…何しに来た?」

オータム

「もちろん遊びに来てやったに決まってんじゃねぇか~!なんか楽しそうな事してるしよ!私も混ぜてくれよ?」

 

~~~~~~~~~~

 

するとふたりの通信が鳴る。千冬からだ。

 

千冬

「ふたり共!何が起こっている!今上空に突如反応が……まさか!」

海之

「ええ、その様です。以前火影や一夏が交戦したファントム・タスクの者もいますね」

火影

「先生。一夏達にはそのままピットで待機させてください。直ぐに終わらせるので。あとシールドは絶対開けないでください」

千冬

「………本当に大丈夫なのだな?」

海之

「問題ありません」

火影

「そういう事です」

 

海之と火影ははっきり答えた。

 

千冬

「……わかった。ふたり共…、頼むぞ」ピッ

 

千冬は通信を切った。

 

火影

「さ~て、さっさと終わらせるか~」

 

火影はめんどくさそうに答える。その態度を見て怒りが頂点に達したらしいオータム。

 

オータム

(……あいつは倒すなって言ってたが知ったこっちゃねぇ!ぶっ殺す!!それに織斑一夏達の方は手は打ってあっからな!)

「さぁ!力を貸しな!」

 

するとオータムは何かに訴えかける様な言葉を発した。

……………しかし、

 

火影・海之

「「……?」」

 

数秒程経ったが何か起こった様子も何かが起こりそうな様子も無かった。

 

オータム

「!!……おいおいいってぇどういうこった!力貸してくれんじゃねぇのか!?」

 

オータムは何も起こらない事に慌てている様だ。

 

火影

「お~いどうした?かかってこないのかお譲ちゃん?」

海之

「戦う気が無いならご退場願おう。付き合っている暇は無い」

オータム

「……へっ!どうせあいつの造ったもんなんて当てにしてねぇ!直接ぶっ殺してやらぁ!」

 

そう言ってオータムはグリフォンやアンジェロと共に向かって来る。

 

火影

「…そいつらもあいつとやらが造ったもんじゃねぇのか?」

海之

「……」

 

そう言いながらふたりはオータム達との戦いに突入した。

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