IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
そんな中、部屋には簪と刀奈のふたりきりになり、簪は自分が今まで刀奈に対して思っていた事を全て告白する事に。自分が劣性とまで思いつめていた事を知った刀奈は決してそんな事は無いと必死で庇うと同時に謝罪する。簪と刀奈は互いが必要な存在であり、決していなくなってほしくないと話して涙した。姉妹の止まっていた時間は漸く流れ出すのであった。
※今回、そして来週は一話のみの投稿予定です。
キーンコーンカーンコーン
IS学園 1-1
ファントム・タスクによる思わぬ襲撃があったタッグマッチトーナメントの翌日。アリーナはファントムの出現によって生まれた損害の修復工事のため、この日は全クラスISによる実習は行われず、座学のみの授業であった。そして本日の授業も終了し、
生徒達
「「「ありがとうございました!!」」」
千冬
「では今日の授業はこれまで。海之、火影の両名は私と山田先生に付いて来い。…では解散!」
そう言ってふたりは千冬、真耶と共に行ってしまった。
シャル
「…なんだろう先生?」
ラウラ
「おそらく昨日の事後報告だろう。昨日は楯無さんの件でできなかったらしいからな」
セシリア
「そういえばそうでしたわね。…ああそういえば昨日は私達も楯無さんのお見舞いに伺えませんでしたわ。この後皆さんで行きませんか?」
箒
「そうだな。では行くか一夏。……一夏?」
一夏
「…え?ああ悪い。そうだな、行くか」
箒
「…?」
シャル
「じゃあ鈴には僕から連絡しておくね」
本音
「かんちゃんはきっと行くだろうから大丈夫だよ~」
…………
会議室(秘密)
千冬
「さて…では」
とその時、
海之
「待ってください先生。…束さん、クロエ。そこにいるんでしょう?」
海之は部屋の隅の空間に向かって声をかける。
火影
「…ああほんとだ。こんにちは束さん、クロエ」
真耶
「…えっ?えっ?」
束
「………………も~う!もう少し驚いてくれても良いんじゃない?ふたり共~」
すると隅の空間が揺れ出し、束とクロエの姿が現れた。
クロエ
「束様、もう皆さん予想できているのだと思いますよ?……あ、すいません火影さん。こんにちは」
火影
「ステルス迷彩ってやつか。便利なもんですね」
真耶
「び、吃驚しました…。おふたり共一体何時から!?」
千冬
「ついさっき来ると私の所に連絡が来た。断る暇も無かった」
束
「ちーちゃんシドイ!…とまぁそんな事はさておき、私も是非話を聞きたくて来たんだよ~」
クロエ
「今回の事も私達は衛星を通して拝見していたのです。皆さんの戦いを、…そしてあの妙なISも」
火影・海之
「「……」」
真耶
「それって…あのファントム・タスクのISが変化した件ですよね?」
千冬
「ああそうだ。私達はモニターを通して見ていたので詳しくは分からないが…海之と火影はあれを目の前で見ていた。…ふたり共。報告を頼む」
火影
「はい。…先生方も見られていたと思いますが、俺と海之は、トーナメントを襲撃してきたあのオータムというファントム・タスクの人間、そしてそいつが展開したらしいアンジェロやグリフォンと交戦し、戦闘の末それらを沈黙させました」
束
「そうだったね。相変わらず強いねふたり共~。あとひーくんのあの武器なに!?バイクがノコギリみたいになるなんて!本当に魔具ってのは色々あって面白いね~♪」
千冬
「束、今は無駄話は良い。…続けてくれ」
火影
「オータムのISは明らかに戦闘不能の状態で、俺達は奴を連行しようとしました」
真耶
「はい。そこまでは私達も確認できています。あの人のIS…アラクネのダメージは明らかに甚大でした」
火影
「…しかし、その時突然オータムに異変が、いえ、異変と言えるのかどうか…」
千冬
「…なんだ?」
海之
「…突然何者かと話をしだしたのです。内容は聞こえませんでしたが」
クロエ
「プライベート通信ですか?」
海之
「……いや違う。そんな感じでは無かった。まず最初の言葉が誰だ、だったからな。奴にも相手が誰かわかっていない様だった。…そして奴はこう言った。力が欲しい、力を寄こせ、と」
千冬
「…力を寄こせ…」
火影
「ええ。…そして次の瞬間には奴の身体がISごと突然黒い炎に包まれ、凄まじい悲鳴を上げました。そしてあんな変身を…」
千冬
「…海之、奴のあの時の変身は…」
海之
「…ええ。状況からして多分、あの時のラウラに起こったものと同じかと思います。良く似ている…いえ、全く同じでしたから」
束
「それって以前あのドイツの子が使ったVTSの事だよね?……う~~ん…」
束は渋い表情をしている。
真耶
「…どうしたんですか博士?」
束
「いやね、あの時はムカついて忘れてたんだけど、VTSはあんな変身はしないはずなんだよね~。黒い火で焼かれるなんて…。ましてやVTSは過去のモンドグロッソ優勝者のデータを再現するものの筈。あんなモンスターみたいなのになる筈無い」
クロエ
「VTSとは違うシステム…という事でしょうか?」
束
「わかんない…。調べたくてもVTSの研究所はあの騒ぎの後木端微塵に吹っ飛んじゃったからね~」
あのラウラの件の後、ドイツにあったVTSの研究所は原因不明の爆発事故を起こして消滅していたのである。ドイツ政府が情報統制等必死にひた隠ししたので世間には知られていないが。
千冬
「…ふたり共、あのオータムの変身した姿だが…あれもお前達の知っている存在なのか?」
海之
「…ええ。あれも前世で俺達が戦った存在です」
火影
「とは言ってもやっぱり機械ですけどね。名前はベオウルフ。こいつの魔具、ベオウルフの元となった悪魔です」
真耶
「…え!?」
束
「そういえば魔具の設計図にも書いてあったね~。魔具の中には悪魔が持つ力や命が具現化して生まれた物もあるって~」
火影
「とはいってもこっちの世界では勿論そんな力はありま………」
火影は言葉を止めた。
千冬
「…?どうした火影?」
火影
「……いえ、実は気になる事があって…」
クロエ
「どんな事ですか?」
海之
「…反応したんです」
千冬
「なに?」
海之はあの時起こった事、ふたりが最も驚いた事を話した。それは、
海之
「…オータムがあの黒い炎に包まれた時、閻魔刀とリべリオンが…脈をうったんです。そしてそれは……魔力に反応したという事を意味します」
千冬・束・真耶・クロエ
「「「!!」」」
流石に皆驚きを隠せない様だ。千冬も束も。
火影
「といっても一瞬でしたから僅かな力でしょうけど。…しかし閻魔刀とリべリオンはあの時確かに脈をうちました。…多分、あの変身の際に発生した魔力に」
千冬
「……では、あの変身にはその魔力という力が使われている、という事か?」
火影
「確証はありませんが恐らく。しかし魔力が使われているとしたら…悪魔に変身したのも納得できます。…それにあの後出てきたあのスコールという奴はあれの事をDIS、デビルズ・インフィニットストラトス、と呼びましたから」
真耶
「…デビル。…悪魔、という意味ですね」
千冬
「悪魔のIS…。まさにその通りだな」
束
「……」
クロエ
「…あの、魔力とはどういった力なんですか?ファンタジーの小説や映画等で聞いた事だけはありますが」
火影
「ああ。確かに魔力というのは一般的には魔法なんてもんを使うための力とか神秘的な力で知られているが…俺達の、いや前の俺達の世界か。そんな生易しいもんじゃない」
海之
「魔力とは…文字通り魔の力。負の力とも言う。悪魔達の力の源で奴らの世界、魔界を満たすエネルギー。そう考えてくれれば良い」
真耶
「…本当に凄い世界で生きていたんですねふたり共」
火影
「俺達が元いた世界では人界と魔界は表裏一体。入り込もうとすれば雑魚の悪魔なら可能だったんです。強力な悪魔なら「扉」をくぐる必要がありますが」
千冬
「…扉?」
海之
「人界と魔界を結ぶ文字通り扉です。ふたつの世界の間には一種の結界の様な物があるのですが…力が強い悪魔は自らの力のせいで結界に阻まれてしまいます。そのため扉をくぐらなければ人界に来る事が十分にできなかったのです。故に多くの邪悪な者が己の欲や望みのために扉を開こうとしました。……かつての俺の様に」
火影
「お前…」
束
「……」
千冬
「…まぁ「扉」や「魔界」については今は良い。お前達曰くこの世界はそれらとは無縁なのだろう?」
火影
「ええそれは間違いない筈です。……しかし」
クロエ
「だからこそおふたりの剣が反応したのが何故なのか…という事ですね…」
真耶
「どういう事なんでしょう…?」
海之
「考えられるとすれば……俺達の他の転生者が魔力に関わる何らかの力を使う事ができる、という事でしょうか。しかしそう考えるとひとつ疑問が出てきます」
千冬
「なんだ?」
火影
「悪魔と人間のハーフであるかつての俺も、そしてこいつも魔力を持っていました。…しかしこの世界に転生してからは只の人間。例え俺達以外に転生した者がいたとしても…そいつが魔力を持っているとは考えにくいんですが…」
千冬
「……確かに言われてみればそうだな」
束
「……」
場に少しの静寂が流れる。
火影
「ですが今回の事で確信を得ました。ファントム・タスクには間違いなく、俺達以外の転生者がいるという事。そしてそいつは魔界や悪魔に詳しい者である、という事」
海之
「ああ。そして向こうの方も多分俺達の事に気付いている。その内必ず姿を見せるだろう」
真耶
「…そうですね。そうでなくてもこれまでの襲撃は全て失敗している形ですから…。その人もきっと注意している筈です。ふたりの事を」
千冬
「…束、お前はどう思う?…………束?」
束
「……」
クロエ
「束様?」
束は腕を組んで俯いたまま答えなかった。考えてみれば先程から一言も喋って無く、姿勢も崩していない。その事に全員不思議がっていたが、
束
「…ふ」
千冬
「…何?」
束
「フザケンナァァァァァァァァァァァ!!!」
束以外全員
「「「!!!」」」
突然何かに対して大声で反論する様な声を上げる束。彼女のいきなりの声に皆動揺してしまう。
クロエ
「た、束様!?一体どうされ」
束
「何がDISだ!何がデビルズ・インフィニットストラトスだ!!ふざけんな!私のISに勝手な事しやがって!例えテロリストのISだろうとISは全部私の子供だ!私の夢のためのもんだ!それをあんな醜い姿にしやがって!私の夢を汚すような事しやがってー!!」
束は酷く興奮している。
真耶
「あわわわわわ…」
火影
「な、なんかわかんねぇけどめっちゃキレてんな」
千冬
「あ、ああ。私もこんなこいつは久しく見たことが無い」
クロエ
「わ、私もです」
海之
「…ハァ」
皆なんと言ったら良いのか分からなかったので暫くそのままにしておく事にした…。
…………
数分後…、漸く束は落ち着き始めた。
束
「はぁ、はぁ……」
千冬
「落ち着いたか?」
クロエ
「…タケノコの里食べます?」
束
「もらおうじゃないか!」
火影
「…うん、どうやら戻ったようだ」
真耶
「良かった~。…でもなんでさっきあんなに怒ったんですか?」
束
「これが怒らずにいられるかってのー!良い?ISは本来宇宙での活動を目的に造ったものなの!言わば人類のこれからの路を開いてくれるかもしれない物なの!そのために造ったの!…最近まで忘れてたんだけどね。めちゃくちゃ大事な事なのにさ…」
束の言う通り、最近まで彼女は過去の記憶からISの本来の目的を忘れてしまっていた。しかしそれは火影と海之、そして彼等の両親の想いを知って修正された。時間はかかりはしたが。
束
「どこの国が造ったものでも例えテロリストのもんでも、ISは束さんにとって全部子供同然!それをあんな姿にされて…、親である束さんとしては許せないよ!」
千冬
「…お前」
束
「あれを造ったオーガスって奴がどんな奴かは知らないしどんな仕組みなのかも分からないけど…絶対に許さない!ひーくんみーくん!束さんにできる事があったら必要以上になんでも言って!ふたりの敵は私の敵!ふたりがそいつを止めるっていうなら私も止めるよ!クーちゃんも同じでしょ!お兄ちゃん達の役に立ちたいでしょ!?」
クロエ
「は、はい!」
束の勢いに圧されて思わず返事をするクロエ。
火影
「……はは、束さんめちゃくちゃやる気ですね。…でもありがとうございます」
海之
「心強いです。…ですがあくまで戦うのは俺達の役目。束さんもクロエも…もう俺達が守る範疇に入っているんです」
束
「ありがとひーくんみーくん!」
クロエ
「…私の様な者に…嬉しいです」
千冬
「……」
千冬はそんな束を見てひとり思っていた。
千冬
(…束、お前本当に変わったよ。10年前の事を、お前は今償おうとしているんだな。ISを正しい方向に導くためにできる事をなんでもしようとしているんだな。………私もできる事をやらなければならんな。…10年前、あの事件に携わった者として…)
真耶
「どうしました先輩?」
千冬
「ん?ああいや何でもない。ちょっと思い出してただけだ…」
真耶
「?」
束
「そうと決まったらクーちゃん!あれの完成急ぐよ!大部分はもうできてるけど一番肝心なのはクーちゃんだからね!」
海之
「クロエが?」
クロエ
「え、ええっと…それはできたらわかります」
火影
(…一体何を造ってんだ…?)
束
「…あ、そうだひーくんみーくん!アリちゃんウェルちゃんはあれからどう~?調子悪くなったりしていない?」
束は以前火影達から聞いたふたりのISの不調について訪ねてみた。すると、
海之
「…実は…、最近本気を出さなくても妙な違和感が出始めている様です。昨日の戦いで気付いたのですが…」
千冬
「…本当か?」
海之の言う通り、アリギエルとウェルギエルの謎の不調はゆっくりではあるものの日に日に頻度が多くなっていた。昨日の戦闘でも何度か発生していたのである。
火影
「幸いそのせいで被弾する様な事は無かったですけど…、こいつの言う通り確実に増えてはいますね。でもまぁ気にしないでください。あれが俺達自身に問題があるならどうにかしますから」
千冬
「……」
束
「ごめんねふたり共。見てあげたいけどふたりのISは束さんもわからない事が多いから…。せめて設計図でもあればなぁ~」
海之
「ありがとうございます。大丈夫です」
クロエ
「くれぐれも気を付けてください」
真耶
「無茶しないでくださいねふたり共…」
心配する皆に対し、ふたりは笑って返事を返すのであった…。
…………
気がつけば時間は過ぎ、夕刻が迫ったのでこの日の会議は締めくくる事にした。
束
「じゃあ束さん達は帰るね♪」
クロエ
「皆さん。それではまた」
そう言って帰ろうとする束とクロエ。そこを真耶が呼び止める。
真耶
「あ、そうです博士。全然関係ない事なんですけど聞いて良いですか?…ひとつ気になった事があって」
束
「ん~なに~?」
その時真耶はある事が気になっていた。それは、
真耶
「あの…多分聞き違いじゃないと思うんですけど…、博士さっきクロエさんに、お兄ちゃん、て言ってた様な気がするんですけど…?」
束
「へ?」
クロエ
「…あっ!!」
落ち着いている束とは対照的にクロエはその言葉に動揺している様だ。
火影
「ああ…、そういや確かに言ってたな」
千冬
「私も聞こえた。聞き違いではなかったか」
海之
「クロエ。お前には兄がいるのか?」
クロエ
「そそそ、それは…」
どうやら気になっていたのは真耶だけではなかった様である。当のクロエはなんと言ったら良いか考えていると束が横槍を入れる。
束
「クーちゃんもう正直に話しちゃったら~?」
クロエ
「は、話したらって、束様がこぼしてしまったせいじゃないですかー!」
束
「え~でも何時かはわかる事でしょ~?」
クロエ
「黙ってたらわからなかったですよー!」
思わぬ形でバレたのが恥ずかしいらしいクロエは束に反論している。
火影
「クロエ。なんかあんなら遠慮せず言ってみな?気にしなくて良いからよ」
クロエ
「え、ええっと……、あのですね……」
相変らず恥ずかしそうに黙っているクロエ。そんな彼女を見て束はまたつい言ってしまった。
束
「…も~クーちゃん、そんなに難しい事じゃないでしょ~!ひーくんみーくんにお兄ちゃんになってほしい、って言う事位~」
火影
「…えっ?」
海之
「……」
千冬
「…何だと?」
真耶
「…ええっ!」
クロエ
「! た、束様!」
火影達は言葉を失い、クロエは赤い顔をしている。
海之
「…クロエ、どう言う事だ?」
束
「実はね~♪」
とここでも束が言おうとする。すると、
クロエ
「た、束様!止めてください!私が自分でお話しますから!」
クロエがそれを止め、自分で話すと言いだす。
束
「おし!よく言った!頑張れクーちゃん!」
クロエ
(…束様がお話されたら過剰話だったり作り話もされかねませんからね…)
火影
「クロエ、できれば詳しく話してくれると助かる」
海之
「ああ」
ふたりにクロエは深呼吸して話し出す。
クロエ
「……は~。…あの、火影さん。そして海之さん。…わ、私は…今までおふたりに、といってもまだ数ヶ月ですけど、優しく接して頂いたり暖かい言葉をかけて頂いたりして、スメリアでもいきなり伺ったのに嫌な顔ひとつなさらず暖かく迎えて頂いたり、もっと頼って良いとか言って頂いて、凄く嬉しかったんです…。束様以外にそんな事をしてくださる方は今までいなかったですし、ましてや同じ年頃の方からそんな風にして頂いた事も今まで無くて…」
火影
「…そうなのか」
クロエ
「はい。それでなんというか…、とても温かい気持ちになって、胸が熱くなって…。あっ、で、でも決して恋愛感情とかそんな事じゃなくて!それは本当です!寧ろなんというかその…あの…」
もじもじしながら話すクロエに、なんとなく理解したらしい海之が聞き返した。
海之
「…恋愛感情というよりも安らぎ。家族の様な感覚。…つまり、俺達を兄の様に感じた、と?」
クロエ
「…………はい」
その言葉に恥ずかしながらも遂に認めるクロエであった。
火影
「…そうか。前の通信の時といいパンドラを届けに来た時といい、何んとなくお前の様子が変だったのはそういう訳か」
束
「そういう事らしいんだよ~。で、どうかなひーくんみーくん?クーちゃんのお願い、聞いてあげてくれない?母親代わりである束さんとしては聞き届けてあげたいんだよ~」
さっきまでおふざけモードだった束もこの言葉はふざけてはいない。彼女にとってクロエも子供同然。純粋に願いを叶えてあげたいのだ。
真耶
「ふたり共…」
千冬
「…やれやれ」
火影・海之
「「……」」
クロエ
「……」
ふたりの返事が無い事にクロエは心配そうな顔をしている。
火影
「…クロエ、お前歳は?」
クロエ
「え?あ、はい。一応16です。今年17になります。」
火影
「俺らと同いか…。俺らも皆よりひとつ上だからな」
それを聞いて火影は少し考慮する。そして、
火影
「………………まぁ別に良いぜ」
クロエ
「…えっ?」
火影のその返事に目をキョトンとさせるクロエ。
海之
「お前…」
火影
「別に問題ねぇだろ?年上ならおかしいけど同い年ならぎりだし。それになっても別に困りはしねぇしさ」
火影は苦笑いしながら言った。
海之
「……ハァ、………好きにしろ」
海之はため息をついたが最終的には火影と同じく了承した。
束
「ありがと~ひーくんみーくん!信じてたよ~!良かったねクーちゃん!」
クロエ
「………本当に良いんですか?…本当に、おふたりをお兄ちゃんと思って良いんですか?」
自分が言いだした事とはいえ、受け入れてもらえた事にクロエはとても驚いている様だ。
火影
「気にすんなクロエ。それよりお前の方こそ良いのか?俺らみたいなややこしいのが兄でも」
火影の質問にクロエは、
クロエ
「私は…私は………おふたりが良いです。火影さんと海之さんが…お兄ちゃんでいてほしいです!」
そうはっきり答えた。
火影
「…そうか、わかった。じゃあクロエは今から俺らの妹ってわけだな」
クロエ
「!!」
海之
「だがクロエ、そのお兄ちゃんというのは…止めてもらえないだろうか?可能であれば別の呼称に変えてくれ」
クロエ
「あっ、わ、わかりました。えっと………お兄様?」
火影
「様なんて俺らには似合わねぇって。……兄さんで良いぜ。良いよな海之?」
海之
「…そうだな。それで良い」
クロエ
「!!…あ、ありがとうございます!火影さ…あ、違った。火影兄さん、海之兄さん!」
クロエはとても嬉しそうな笑顔でそう言った。
真耶
「…良い話ですね」
千冬
「…そうか?…やれやれ全く」
真耶は感動し、千冬は疑問符を浮かべたが良い意味の苦笑いも見せるのだった。 尚、クロエはそれから一日中ずっと上機嫌だったらしい。
クロエを火影、海之の義妹とする事は話を続けて行くうちに思い付きました。今後とある理由で更に交流を続けて行く予定ですのでお楽しみにして頂ければ幸いです。