IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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自分の大切な家族である妹。そして幼馴染を守ってほしいと火影と海之に依頼してきた束。

自分達の存在の異質性をわかりつつも少女の言葉を思い出す火影。
はたして彼らの答えは?


第二章 Infinite Stratos
Mission06 IS学園  (人数が増えるので、今回より台詞の前に名前を記入します)


火影・海之兄弟と束の思わぬ邂逅から数日後。

場所は変わり、ここは日本にある島のとある空港。

ここに火影と海之兄弟がいた。

 

火影

「……なぁ海之。なんかさっきから視線を感じねぇか?あちらこちらから」

海之

「同意する。まぁIS学園は女しか生徒がいない。教師も男性はほんの数人しかいないと聞いている。大方男がここにいる事が珍しいんだろう。ましてや俺たちみたいな学生はな」

火影

「なるほど。しかし、束さんの紹介とは言え入学試験も何も無しにいきなり入学決定とはな。試験受けた生徒から白い目で見られそうだ」

海之

「お前が安請け合いなどするからだ」

 

…………

 

そう。あの時彼らは束の依頼を引き受け(正確にいえば海之は巻き込まれた)、IS学園行きを決定したのだ。そしてその後の進行はとてつもない勢いであれよあれよと進められた。

まず束は兄弟が行くという返事を聞いてすぐIS学園にいる織斑千冬に電話を入れた。どう話したかというと、

 

「ああもしもしちーちゃん?お久しぶりだね~!ねぇねぇ早速で悪いんだけどさ!双子の男の子のIS操縦者って興味ない?束さんの友達なんだけどさ!……え?束さんに友達なんているのかって?失礼だなー。まあそれはともかくとして聞いてよ!あの飛行機墜落未遂事故覚えてる?あれを助けた赤と青のISいたでしょ?あのIS操縦者が男、しかも双子だったんだよ!……え?どうやって見つけたのかって?そりゃ束さんの裏ワザだよ!……どうせろくな方法じゃないだろうって?いやいや其ほどでも♪まあとにかく会ってみてよ!めちゃ良い子達だから。ああ入学試験とかこの子達には無意味だからいらないよ!あと束さん推薦プラス紹介状も書くからね♪んじゃねー♪」

 

という訳だ。

その後も学校に急な転校届けを出すわ、家や会社に事情説明して引っ越し手続きをするわ(ギャリソンや会社の社長でもある叔母が旨くまとめてくれたのであまり問題ではなかったが)、国にIS学園に行く事を通達するわ(スメリア代表としてではなく個人として行くので国の問題としないためにだ)、本当に大変だったのだ。まあ何とか学期の始まりには間に合ったわけだが。ふたりは今学園からの迎えを待っている。

 

火影

「しっかし小さいとは云え島の半分以上使って学園を建てるとは。世界がISにどれだけ力を入れているかが如実にわかるな」

海之

「束も言っていたがあの事件でISが注目されたのは兵器としての部分が大きい。一般的にはISはスポーツとなっているが、裏では世界はISを力として見ている。少しでも優れたISと操縦者を持つことが世界をリードする事につながる。生徒達は見事に操られていると言っても過言ではないだろう。愚かな話だ」

火影

「力か…。しかしお前がそんな事を言うなんてな。何回聞いても不思議な感じがするぜバージル」

海之

「おい、頼むから今後は気をつけろよ。俺もお前ももはや前世の半人半魔、バージルとダンテではない。普通の人間なんだ」

火影

「わかってるよ。……とお迎えが来たようだぜ」

 

見ると入口からひとりの女性がこちらに歩み寄ってくる。黒いスーツ姿で髪は後ろで縛っている。一見すると普通のキャリアウーマンの様だがふたりはその女性が放つ気と隙の無さから只者ではない事を瞬時に感じ取った。

 

スーツの女性

「遅れてすまない。君達があのバカ…失礼、篠ノ之束の話で聞いた双子の男のIS操縦者か?」

火影

「ええ。所であなたは?」

スーツの女性

「ああ失礼した。私はIS学園で教師を務めている織斑千冬という者だ。宜しく頼む」

火影

「織斑千冬って噂のブリュンヒルデの?これは光栄ですね。まさか生きる伝説直々のお迎えとは」

千冬

「そんな大層なものではない。あと生きる伝説等、どこかのバカが言った事が大袈裟になってしまっただけに過ぎんよ。全く迷惑な話だ。気にしなくて良いぞ」

火影

「そう言ってくれるとこちらとしても助かる。固いことは苦手なんで。ああ自己紹介が遅れた。スメリアの火影・藤原・エヴァンスです。宜しくお願いします」

海之

「海之・藤原・エヴァンスです。一応俺が兄になります。宜しくお願いします」

千冬

「……」

海之

「…何か?」

千冬

「あっ失礼。しかし束から双子と聞いていたがまさかここまで瓜ふたつとは…。違うのは眼の色位か」

火影

「ええまあ。あとこいつが髪型変えてる位ですね」

千冬

「そうか。所で君達のエヴァンスという姓だが、まさかお父上は…」

海之

「そうです。父はアルティス・エヴァンス。ESC「エヴァンス・セキュリティ・コーポレーション」創始者です。まあ父と言っても俺たちは養子ですが」

千冬

「やはりそうか。スメリアでエヴァンスといえばそれが筆頭だからな。ああすまない、話込んでしまった。取り合えず学園に向かおう」

 

千冬・火影・海之の三人は車に乗り込み、IS学園に向かう事になった。

 

…………

 

その車内

 

千冬

「そういえば束から君達の学園入学に関して推薦状を書くと聞いたのだが」

海之

「預かってきています。…これです」

千冬

「…確かにあいつの字だ。えっと……ハァ」

火影

「ど、どうかしましたか?」

千冬

「読んでみろ」

 

そういうと彼女は手紙を返してくれたので僕たちは読んでみた。その内容はというと、

 

束の推薦状の中身

「ちーちゃんへ

この手紙を読んでくれているってことは無事にひーくんみーくんに会えたんだね!良かった良かった。

前にも電話で話したけどこのひーくんみーくんの入学に関してはこの束さんがしっかり推薦するよ!エッヘン!IS学園の入学試験ってたしか教師との模擬戦だったよね。まあ男子には試験と言うより力試しみたいなものかな。でもひーくんみーくんには関係ないよ。というかおそらく相手にもならないからねきっと!それにさ、飛行機を墜落から救った英雄に試験なんてありえないでしょ!あっそれはカンケイなし?まあとにかくそういう事。

因みにふたりが持っている専用機だけどわかる限りでいいのでわかったら教えてもらって良いかな?といっても無理だろうけどね。何しろそのIS、世界でも指折りのセキュリティがかかってるんだよね~。突破できるのはせいぜいこの束さん位かもね。まあ感想程度でも良いので教えてもらえたら嬉しいな♪それじゃいっくんと箒ちゃんにもよろしくね♪それじゃね~」

 

火影・海之

「…ハァ…」

 

千冬の苦労がよくわかるような気持ちの火影と海之だった。

 

千冬

「まったくあいつときたら…。ところで本当にあの旅客機墜落を防いだのは君たちなのか?しかもたったふたりで」

火影

「ええまあ…」

千冬

「…まあ束があそこまで言うのだから間違いないか。あいつはふざけるが私に対してウソはつかないからな。あと君達の専用機だが話からして束は開発に関わっていない。かといってスメリアがISを開発なんてありえない。どういう事だ?」

海之

「申し訳ない。俺たちにもわからないんです。物心ついた時には持っていたので。両親も知らなかったようなので」

千冬

「そうか…」

 

海之達は話さない事にした。あれらは本来この世に存在しないものだ。ましてや神から貰った等、とても信じてもらえる様な話ではない。

 

海之

「あと俺たちは本当に試験無しでも良いのですか?いくら束さんの推薦とはいえ」

千冬

「それに関しては問題ない。ISの生みの親であるあいつの影響は思った以上に大きい。そんなあいつの推薦とあらば聞き入れざるを得ない。どちらかといえば君達の事を聞いてからの方が大変だったよ。ISの操縦者に男がいただけでも相当、ましてやふたり目三人目が出てくるとは。あの時の仕事の量といったら今でもゾっとする位だ。しかも学期が始まるまでに間に合わせないといけなかったし。全く忙しくて堪らなかったぞ」

火影

「…すいません」

海之

「…申し訳ない」

千冬

「ああ気にするな。君達を責めるわけじゃない。寧ろ弟に…、っともうすぐ到着だな」

 

そうこうしている間にIS学園が見えてきた。

 

 

…………

 

千冬

「着いたぞふたりとも。ようこそIS学園へ」

火影

「ここが…」

 

「IS学園」

日本にあるIS操縦者を育成するために建てられた国立の高等学校。操縦者だけでなくIS専門のメカニックなどISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。また学園の土地はあらゆる国家機関に属さない、云わばこの学園そのものが一種の独立国であり、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約が認められている。最も全く干渉されないわけではないが…。

あと敷地内にはISの訓練用のアリーナや食堂、大浴場も設けられている。因みに全寮制である。

 

火影

「…ハァ」

千冬

「どうした?今になって疲れが出たか?」

火影

「いえ、ここって本当に女子ばかりなんですよね?そんな中でこれから過ごすのが気が重くて…」

千冬

「まあそれには慣れてもらうしかないな。恨むならあのバカを恨めよ。ああ、あと2人は私のクラスに転校してもらう事になっている。1-1だ。因みに私の弟もいるから良ければ仲良くしてやってくれ」

火影

「織斑先生の弟さんってことは、織斑一夏って奴ですね。あっすいません、奴なんて呼んでしまって。偶然にもISを動かしてしまったっていう」

千冬

「ああその通りだ。全く世話のやける弟だ…。ちょうど今はHR中だ。では行こうか」

 

火影と海之は千冬に連れられて自分達のクラスである1-1を目指して歩き出した。




次回よりついに本格的に本編スタートです。宜しくお願いします。

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