IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
IS学園 アリーナ
束の最新型でありクロエの専用機「ベアトリス」の紹介が終わり、次にその能力のお披露目も兼ねて一夏との試合が行われようとしていた。既に一夏とクロエもISを纏い、向かい合っている。
一夏
「束さんの最新型か~、聞くだけでワクワクするぜ!宜しくなクロエ!」
クロエ
「………」
クロエは先程からずっと黙っている。バイザーに隠れた瞳も閉じたまま。
箒
「…なにかクロエの様子おかしく無いか?」
本音
「え、そ~?」
簪
「…そう言えばさっきから一言も喋って無い気がするね。…緊張してるのかな?」
楯無
「…いえ、あれは緊張というより集中してるんだわ。ISは操縦者の感覚が伝わる物。それをしっかり意識しようとしてるんだと思うわ。指先からつま先までね。様はISを感じない様にしているって訳」
セシリア
「ISを感じない…?」
火影
「俺達と同じって訳か…」
鈴
「火影達と同じ?」
シャル
「…そうか、火影と海之はISを纏っていながら攻撃もそのまま通る。つまり生身でいるのと大差ないから…」
海之
「そう。一度の被弾が大きい傷に繋がる。故に感覚を研ぎ澄ませる必要があるのだ。多分クロエは今それを行っているに違いない。最もあいつのアレは俺達のと違いシールドがあるらしいが」
千冬
「…だがシールドの有無に関わらず良い心掛けだ。全員覚えておけ」
皆が其々感想を述べる中、束が一夏に無線で話しかける。
束
「それじゃあ始めるよ~♪いっくん!手加減なんて一切いらないからね~。さっきも言ったけどクーちゃんの技術は束さんが保証するし、装備も十分な物を積んであるし、これまでひーくんみーくんの戦闘を基にしたカリキュラムで猛特訓してきたからね~♪」
一夏
「火影と海之の戦闘を基にした?」
束
「そ!ふたりがこれまで戦ってきた相手やふたりのデータから造った模擬戦闘訓練だよ」
千冬
「分かりやすく言えば架空の相手としてアンジェロやファントム達、そしてふたりを相手に訓練してきたという意味だ」
海之
「…あと束さん。もしかしてベアトリスには魔具を?」
束
「そのとーり♪ベアトリスの武装は全てアリちゃんやウェルちゃん、そしてシャルちゃんのパンドラの様に魔具で固めてるよ!」
真耶
「……これは強敵そうですね」
一夏
「そうとわかれば加減してる場合じゃねぇな、……よし!」
クロエ
「……」
束
「では……スタート!」
束から模擬戦開始の合図が入った。
一夏
「行くぜ!」ドンッ!
一夏は雪片を構えて突進した。
クロエ
「…行きます」ドンッ!
簪
「! 速い!」
一方のクロエも突進したが武器は持っていない。
セシリア
「武器も無しに!?」
一夏
「おぉぉぉぉぉ!」
一夏は雪片を向かって来るクロエに向かって振り下ろす。
カッ!
ガキイィィィィィンッ!
一夏
「くっ!何!?」
クロエ
「……」
突然光輝いたと思った瞬間、何かが一夏の雪片と斬り結んだ。クロエが持っていたのは……白銀に輝き、背丈ほどもある巨大な鎌だった。
火影
「…あれは…」
鈴
「な、何アレ!鎌!?」
シャル
「ま、まるで死神が持ってる様な鎌だね…!」
束
「あれがベアトリスの近接武装、オシリスっていう天使の大鎌だよ~♪」
クロエ
「はぁぁぁぁぁぁ!」
ガキィィンッ!キイィィィンッ!ガキンッ!
一夏
「くっ!」
激しく斬り出すクロエ。一夏も何とか応戦する。
束
「大鎌だから剣とかよりもずっと広範囲に攻撃できるから一対一はもちろん、対大人数の武器としても使えるよ~♪おまけにあんな大きさで質量ゼロっていうんだからほんと魔具って凄いよね~」
簪
「だからクロエさんあんな軽々と振り回しているんですね…」
…………
ガキンッ!ガキキキンッ!
クロエのオシリスに対し一夏は雪片とアラストルの二刀流でなんとか応戦していた。剣の腕は間違いなく一夏の方に分がある筈だが、訓練を積み重ねたクロエも大型武器のパワーが重なって負けていなかった。
一夏
「くっ!二刀流でも両手持ちの大型武器相手じゃパワーが不利か!」ドンッ!
そう言うと一夏は一旦離れる。しかし、
クロエ
「逃がしません!」カッ!
するとクロエが持つオシリスが再び強い光を放った。そして、
一夏
「何だ!?…!」
一夏は驚いた。クロエが今まで持っていたオシリスが無くなった途端、彼女の周囲に複数の大きな刃が出現した。一見それは忍者が使う手裏剣の様な物だった。
クロエ
「行って…アキュラ!」
ギュイィィィィィィィンッ!
クロエがアキュラと呼んだそれは高速回転しながら一夏に襲いかかって来た。
一夏
「!くっ!」
…………
箒
「一夏!」
楯無
「あれは…手裏剣?鎌が手裏剣に変形したの?」
束
「アキュラっていうビット兵器だよ♪元々両手持ちの武器なんだけどビットに改造したんだ。近接ならオシリス、遠距離ならアキュラとして使い分けられるよ♪」
セシリア
「変形して使い分ける…私のローハイドや簪さんのケルベロスとも似ていますわね。でもビットという事は…クロエさんBT適性があるのですか?」
束
「ううん無いよ」
千冬
「…どう言う事だ?何故BT適正が無いのに操れる?」
束
「だってアキュラはBT適正なんて必要無いビットだもん♪入力次第で自由自在に操れるんだ~。起動を直角に曲げたりサークルロンドしたりね」
ラウラ
「そんな事が…」
火影
「………」
鈴
「どうしたのよ火影?さっきから黙って」
火影
「……いや、あのふたつの魔具だが……なんでだろうな?使った事ねぇ筈なのに…凄え見た事ある気がする…」
海之
「…不思議だ。俺も同じだ…」
火影と海之は妙な感覚になっていた…。
…………
その頃、一夏は追跡していたアキュラをなんとか振りほどこうと考えていた。
一夏
「くっ!どうなってんだあの手裏剣みたいの!?アラストルの雷弾で撃ち落とそうとしたら急に曲がったり止まったりして!まるでセシリアの偏光射撃みてぇだ!……まてよ?今クロエにはあの鎌が無い、あの手裏剣は俺を追いかけ続けてる…、ここは最大級の瞬時加速で一気に接近して斬りかかるぜ!」
そう決断した一夏は、
一夏
「トムボーイ!アラストル!」
キュイィィンッ!ドンッ!!
トムボーイとアラストルの加速を加えた瞬時加速で一気に接近した。真向から向かっていく。
クロエ
「…かかりましたね」カッ!
突然ベアトリスの両手が光る。
一夏
「何!」
クロエ
「撃ちます…カリギュラ!」
ズドドドドドドドドドドドッ!
光が止むと同時にベアトリスの両手から凄まじい勢いで雨の如く銃弾が襲いかかって来た。
一夏
「くっ!」
一夏は両手に持つ剣でそれを防ぐが瞬時加速の途中だった事もあって完全に避ける事ができず、幾らか被弾してしまう。
一夏
「くそ!油断した!まさか手そのものが銃になるなんて!だが射程は短い様だな!一旦広く距離を取る!」ドンッ!
そして一夏はカリギュラという銃の射程外にでた。
クロエ
「この距離…アキュラでもカリギュラでも届きませんね」
そう言うとクロエはカリギュラをしまい、アキュラをオシリスの状態に戻して持ちかえる。
クロエ
「…では、これならどうです!」
カッ!キュイィィィン……
すると今度はベアトリスの天使の翼が光輝き始め、
一夏
「…!なんだ!?」
クロエ
「舞いなさい…セラフィックソアー!」
バサッ…ズドドドドドドドッ!
ベアトリスの翼から幾つもの羽の様な光が舞い落ちた瞬間、それが一夏に向かってきた。
一夏
「!…あれって…あのゴスペルの持ってたやつか!?」
そう言って一夏はそれを避ける。しかし光の羽は一夏を追尾し続ける。
一夏
「くそ!そう来ると思ってたけどやっぱり追いかけてくんのかよ!」
一夏は再び逃げながら対応策を考えるのであった…。
…………
本音
「ほわ~、綺麗な羽だね~!」
真耶
「ももも、もしかしてあれって!」
シャル
「もしかしなくてそうですよ!ゴスペルの光の翼です!」
箒
「あんな物までいれたんですか!?」
火影
「…いや、あれはゴスペルのアレじゃねぇ。よく似ちゃいるがな」
簪
「良く似ているけど違う?…じゃああれも魔具なの?」
束
「ピンポーン♪無尽翼「セラフィックソアー」っていう魔具だよ。違いとしてはあのゴスペルやブサイクな鳥が飛ばすのは光弾で、セラフィックソアーは光の羽って感じかな。優雅さではこっちの方が断然勝ってるでしょ~?」
鈴
「そ、それだけの違いなんですね…」
千冬
「…それに先程ベアトリスの両腕が機関砲の様に変形したな。使い道からして恐らく…オシリスが手元に無い時のための保険用か?」
束
「ちーちゃんしどっ!束さんの台詞とったー!ワ―ン!」
思い切り嘘泣きを始める束。
千冬
「………泣き止んだらアポロやる」
束
「ピタ」
全員
(((はやい)))
束
「さっきクーちゃんが出したのはカリギュラっていうガトリング銃だよ♪牽制としても使えるし、ちーちゃんが言った様に手にオシリスが無い時の護身としても使えるね。ライフルとかだと照準合わせないといけないけどあれなら多少外しても当たるでしょ~?下手な鉄砲も数撃てば当たるっていうし~♪」
楯無
「それ褒め言葉じゃない様な…。でもそう考えると全く隙が無いわね…あのベアトリスってISは」
扇子
(隙無!)
真耶
「流石博士の最新型というだけの事はあります」
束
「えへへ~それ程でも~♪…でも驚くのはまだ早いよ!」
ラウラ
「まだ何かあるんですか?」
束
「ふっふ~!ベアトリスにはまだとっておきがあるのだよ♪そしてそれが決まりさえすれば多分ひーくんみーくんも参っちゃうと思うよ!」
シャル
「火影や海之でも!?」
セシリア
「一体どんな能力ですの!?」
束
「それはクーちゃんが使う時のお楽しみだよ~♪」
束は実に楽しそうだ。
…………
その頃一夏はなんとか突破口を開こうとしていたが近づこうとすればカリギュラ、遠くであればセラフィックソラ―が襲いかかるため、チャンスが見いだせないでいた。しかしやがて思い付く。
一夏
「こうなったらブリンク・イグニッションの連続で後ろに回りこむしかねぇ!あの羽もジグザグの動きには完璧に付いて来れにくいだろうし!後ろに最接近して零落白夜を当てる!」
そして一夏はまず単純な瞬時加速で避ける真似をし、そして真正面から向かって行くかの様に動く。
一夏
「うおぉぉぉぉ!」
クロエ
「単純な動きですよ!」ジャキッ!
そしてクロエが再びカリギュラを向け、撃ち始めようとしたその時、
一夏
「今だ!」ドンッ!
クロエ
「!」
クロエの前方から一夏の姿が消えた。
クロエ
「この動き…」シュンッ!「!」
一夏はブリンク・イグニッションでクロエの後ろに移動していた。零落白夜は既に起動状態になっていた。
一夏
「もらったあぁ!」
そして雪片が振り下ろされようとした……その時、
ヴゥンッ!……
一夏
「………え?」ズガアァァァンッ!「うわあああ!!」
一夏は雪片が振り下ろされる前にクロエのオシリスの一撃を受け、吹き飛ばされた。
クロエ
「今のは危なかったですね」
一夏
「いててて…。な、何だ!今何が起こった!?一瞬…急に身体の動きがめちゃくちゃ悪くなった様な感じがして…零落白夜が当たる前に斬られた!?あとほんの数センチだった筈なのに!」
そしてもうひとつおかしな感覚を一夏は感じていた。
一夏
「……それに、今斬られた時もおかしかった気がする。斬られて……少し遅れて吹っ飛ばされた…!?」
一夏は自身の身に起こった不思議な感覚の正体が分からずただただ困惑するのだった…。
…………
一方、今の瞬間を見ていた皆も違和感を感じていた。
シャル
「………ねぇ、今一夏おかしくなかった?なんか…急に攻撃を躊躇った様に見えたんだけど…気のせいかな?」
セシリア
「い、いえ、多分気のせいでは無いと思いますわ…。私もそう見えましたから」
千冬
「…いや躊躇したのではない。直前の一夏の表情は間違いなく本気で攻撃しようとしていた。だから隙を作ろうとブリンク・イグニッションをしたのだ」
箒
「わ、私もそう思います。……でもだとしたら…あのほんの一瞬は一体?」
鈴
「それもあるけどなんか一夏が攻撃された時も変だったわね…」
楯無
「ええ。まるであの時だけ時間がゆっくりだったみたい…」
火影
「時間がゆっくり………まさか」
海之
「…お前もそう思うか火影」
簪
「ふたり共、何が起こったかわかったの?」
束
「ふっふ~ん♪まぁ説明はふたりが戻ってきてからするよ!オッケーふたり共!もう十分だよ、戻って来てー!」
…………
真耶
「はいふたり共、お疲れ様です」
一夏
「あ、ありがとうございます」
クロエ
「ありがとうございます」
箒
「大丈夫か一夏?」
セシリア
「お怪我などしておりません?」
一夏
「ああ大丈夫だって。しっかし強いなぁクロエ。俺まともに攻撃当てる事も出来なかったよ」
クロエ
「いえ、私も最後の攻撃しか決定打になりませんでしたからまだまだです。それに一夏さんの最後の攻撃は危なかったですから」
一夏
「そうなんだよな~、あれさえ決まってたら…」
ラウラ
「あの瞬間何かあったのか一夏?」
一夏
「いやそれが変なんだよ。よく分からねぇんだけど…なんか急に白式の動きが鈍くなった気がしたんだ。そのせいで攻撃する前に斬られてしまったんだ」
千冬
「…白式の動きが鈍くなっただと…?」
シャル
「やっぱりあれ見間違いじゃなかったんだ…。僕達からも見えたよ。一夏の動きが急に止まった様に見えたんだ」
本音
「そーそー。しかもおりむ~変だったよー?クーちゃんの攻撃当たってほんのちょっとした後にドーン!って飛ばされちゃったんだもん」
一夏
「やっぱそうだったのか!?気のせいじゃなかったのか…」
多くの者が悩む中、束は満足そうな表情をしていた。
束
「どうやら上手く起動したみたいだね~♪良かった良かった!」
一夏
「…起動って…?」
海之
「…一夏、白式の動きが鈍くなる前に何か違和感が無かったか?お前自身では無い。あの時のあの場所にだ」
一夏
「場所?…………そういや…上手く言えねぇけど…なんと言うか…空気が変わったというか、雰囲気が変わったというか」
鈴
「何よそれ?」
一夏
「いやわかんねぇんだって。そして気がついたら…」
簪
「白式の動きが悪くなったって事?」
火影
「…そういう事か」
海之
「どうやら間違いない様だな」
火影と海之はわかった様だった。
箒
「ふたり共どういう事だ?」
火影
「一夏、お前があの時受けたのはおそらく…あるデビルブレイカーの力だ」
鈴
「デビルブレイカー?ガーベラやパンチラインみたいな?」
海之
「そうだ。最もそれはラウラやセシリアの様な攻撃型でも、鈴や一夏、箒の様な能力を高めるものでも無いが」
千冬
「一体どういう」
束
「はいはーいそこんとこの説明は束さんとクーちゃんにお任せあれ~♪確かにあれはひーくんみーくんご想像の通り、デビルブレイカ―「ラグタイム」を参考にしたものだよ!」
一夏
「……ラグタイム?」
火影
「やっぱそうなんですね。…でもさっき腕に無かったですけど?それに参考って?」
束
「うん、カリギュラを付けたために付けられなかったんだ!だから仕組みだけもらったんだよ♪だから参考ってわけ」
海之
「…しかし良く再現できましたね」
束
「結構考えたけどね~♪最初見た時に是非これはやってみたいって思ってさ!丁度クーちゃんの件もあったから試験的に入れてみたんだ~!」
千冬
「…そろそろ説明してくれると助かるんだが?」
束
「あ~そうだったメンゴメンゴ♪で、さっきクーちゃんが使ったものこそ!ベアトリスの単一特殊能力「蝸牛」だよ!」
本音
「…カタツムリ~?」
楯無
「ラグタイム…そして蝸牛。タイムラグって言葉は聞いたことあるけど……ってまさか!?」
簪
「ど、どうしたのお姉ちゃん?」
束
「かっちゃんは気付いた様だね!じゃあまずラグタイムから説明すると、簡単に言えば時間を遅らせる事ができるデビルブレイカ―だよ~ん♪」
火影・海之・クロエ以外
「「「…………」」」
その正体を知っている三人以外はその言葉に暫し沈黙していたが、
千冬以外
「「「え――――――――!!」」」
千冬
「時間を…遅らせるだと…!?」
本音
「びっくり~!!」
セシリア
「そ、そんな事が本当に可能なのですか!?」
束
「だってたった今見たじゃん皆♪」
シャル
「た、確かにそうですけど…」
ラウラ
「そんな兵器が存在するとは…」
火影
「俺もこれは再現できねぇかと思ってたんだが…どうやったんですか束さん」
海之
「それは俺も聞きたいですね」
火影と海之は束に訪ねる。
束
「りょ~か~い♪…まぁといってもラグタイムを完全に再現する事は束さんにも不可能だったんだ。だって設計図によるとあれは本来生き物にも対応するものだからね~」
簪
「生き物って…人や動物にって事ですか!?」
束
「そ。特殊な力を使って人や動物の動作や時間の感覚を超スローモーションにさせるんだ♪長かったら10秒位スローにさせられるんだよ~」
鈴
「そ、そんな事ができるなんて…とても信じられない…」
束
「わかるよ~!束さんもひーくん達から魔力の事」ゴンッ!「!!~~~」
束は千冬の拳骨を受けていた。
一夏
「ど、どうしたんすか?」
千冬
「なんでもない。なぁ束?」
束
「う、うんそうだね~……。とまぁそこの部分は流石の束さんにもできなかったんだよね~。でもそこんとこなんとかして造れないかなぁって思って~。だってこんな面白そうな物絶対造ってみたいじゃん♪そしてやがて生き物相手じゃなくてもIS相手ならなんとかなるんじゃないか?っていう結論に達した訳なのだよ♪」
楯無
「それでちゃんとできてしまったんですね…」
束
「あったりー!ISやメカの動きを遅くさせるっていう束さん特製ウィルスプログラムを造ったんだ♪ほんでこのプログラムを仕込んだ特殊な波をベアトリスの半径数メートルの範囲で放出・拡散するってワケ♪で範囲内に入ったら」
セシリア
「先程の一夏さんみたいになると…」
束
「そゆこと~♪システムにウィルスが浸食すると通常の約1/180程度の激ノロになっちゃうんだ♪180キロのスピードで走ってたのがたったの1キロ程度にまで落っこちちゃったり、3分位のペースで時計の針が1秒だけしか動かなかったりするよ♪」
千冬
「1/180だと…!?」
一夏
「どおりでこっちが攻撃する前にされるわけだ…」
簪
「…あの…ひとつ聞きたいんですけど、そのウィルスの効果はどれ位続くんですか?」
クロエ
「はい。ISなら約5秒程。機械の場合はどれだけ複雑かにもよりますが単純なものなら5分位、スーパーコンピュータでも約3分は可能と思います」
箒
「5分も!?」
ラウラ
「ISなら5秒…。短い様だが戦いでは決して油断できんな…」
真耶
「あ、あの~もうひとつ聞いて良いですか?仮にウイルスに感染したとして…直す方法はあるんでしょうか…?」
クロエ
「それでしたら大丈夫です。このウィルスは一定時間を超えると自然消滅する様にできています。自身の痕跡を消すために発生した異常も全て修正して」
束
「即行で仕事をこなして、迷惑をかけない様後始末もしっかりして最後はクールに去るってわけさ!良い子だね~♪」
火影・海之・千冬以外
「「「どこが(ですか)!?」」」
束
「あははは♪まぁ唯一の難点としては連発できないとこだけどね~」
千冬
「勘弁してくれ、そんなものを絶え間なくされたら対処できるものがいなくなる」
シャル
「蝸牛を避ける方法はあるんですか?」
火影
「あるさ。一夏が感じた違和感を感じたら素早く範囲外に出りゃいいんだよ。効き目が出るまで0.4秒位の差があるからな」
鈴
「か、簡単に言ってくれちゃって…」
束
「あちゃーそこを知ってたか~。流石元持ち主…って何でも無いからね!ちーちゃんグー解除!」
千冬
「…残念」
束
「シド!」
~~~~~~
久々に全員で笑った。
海之
「…まぁシステムについては良くわかりました。流石ですね、束さん」
束
「いやいや~!束さんも楽しかったし、お礼はギャリくんのご飯で良いよ♪」
火影
「はは、知らせておきます」
すると一夏がクロエに質問した。
一夏
「…なぁクロエ、ひとつ聞いて良いか?お前さっきVR訓練で火影達とも戦ってみてたんだろ?結果どうだった?」
クロエ
「はい。兄さん達の仮想戦闘データは現時点での強さを大凡に測ってみたものですが…これまで全戦全敗、つい先日やっと一撃を入れられた感じです。30%に抑えたデータですが」
鈴
「30%でも一撃だけ…」
箒
「それでも入れられたのか。凄いな」
一夏
「……」
(…じゃあクロエに一撃入れるのがやっと、まぁ結果的には失敗したから無効か。俺はまだまだ、って事か……)
千冬
「やれやれ、またとんでもないものを造りおって…。そもそもクロエはお前といるのだから頻繁に戦う事も無かろうに…」
すると千冬の言葉を聞いた束は妙な事を言い出した。
束
「ああそれだったら問題ないよ。クーちゃんこれから暫く皆と一緒だから~♪」
クロエ
「……」
一夏
「……へ?」
火影
「…それどういう事ですか?」
束
「ハイこれー」
そう言って束はひとつの封筒を千冬に渡す。
千冬
「何だこれは?」
束
「見てくれたらわかる!」
そう言って千冬は封を開け、中身を取り出して見てみる。
千冬
「…………何?」
千冬はそれを見て静かに驚いた。火影や海之達も千冬から受け取って見てみる。それにはこう書かれていた。
「IS学園 転入学願書」 入学希望者名:シエラ・シュヴァイツァー
海之
「…このシエラ・シュヴァイツァーという名前…まさか」
クロエ
「はい。クロエ・クロニクル改め、シエラ・シュヴァイツァー。宜しくお願いします。皆さん」
束
「てな訳で宜しく~♪」
千冬
「……ハァ」
火影
「…色々ありすぎだな」
本音
「わ~い♪宜しくねクーちゃん…じゃなかった、シーちゃん!」
それ以外の全員
「「「え―――――――――――!!」」」
まだ昼過ぎだというのに今日だけで何回目かのため息と絶叫がアリーナに響いた…。
※クロエ専用機「ベアトリス」
名前はダンテの元ネタ、ダンテ・アリギエーリの初恋の相手、ベアトリーチェ・ポルティナーリからもらいました。
次回は2月9日(日)の予定です。