IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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束からの依頼を引き受け、IS学園の入学を決めた火影と海之。
日本に着いた二人を迎えたのは世界一のIS操縦者であり、ブリュンヒルデの称号を持つ織斑千冬だった。

空港や車中でのやりとりを経て、火影と海之はついにIS学園へ。
彼らが世界初のIS男性操縦者、織斑一夏と出会うのはもう間もなくであった。




Mission07 織斑一夏

場所は変わってここはIS学園、1-1の教室。

IS学園はISの学校。ISは本来女性にしか動かせないため、必然的に生徒は1-1含め全て女子である。……だがそんな女子達で埋め尽くされる教室で項垂れている不幸な男子が1人いた。

 

黒髪の男子

「…つ、つらい…」

 

彼の名は織斑一夏。彼こそ世界初の男のIS操縦者である。彼は本来全く別の学校を受けたのだが、偶然IS学園の試験会場に入ってしまい、そこに安置されていたISに触れてしまい、なぜか起動してしまったのだ。更に運悪くその瞬間を目撃されて世界中に知られる存在となってしまい、そのままIS学園への入学が決定した。今彼は教室どころか廊下にいる他のクラスの女子からも興味津津の眼で見つめられている。

 

一夏

「…はあ、なんでこんなことに…。俺は珍獣かよ…。と言っても元はと言えば千冬姉の言った通り試験会場を間違った俺のせいだからなあ。せめてあとひとり位男子が。それか知り合いでもいれば少しは気分が晴れるんだが…」

 

そういいながら俺は周りを見渡すとひとりの少女が目に入る。ポニーテールをしていてどこか気の強そうな女子。よく見ると彼女もこっちを見ている様だが俺がそっちを向くとプイッと顔を反らした。

 

一夏

「あの子は…」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

そんな時HRの開始時間を伝えるチャイムが鳴った。一夏を見に来た女子たちも教室に戻って行く。そして暫くするとひとりの女教師が入ってきた。緑色の髪で眼鏡をかけた大人しそうな女性である。

 

緑色の髪の女教師

「み、皆さん、入学おめでとう。わ、私は副担任の山田真耶です。よ、よろしくね」

 

真耶と名乗る教師は生徒全員に挨拶をした。だが…

 

「「「ジー…」」」

 

HRになっても女子生徒はみんな一夏にくぎ付けだった。

 

一夏

(…おいおい!俺を見てる暇があったら山田先生を見てやれよ!先生困ってるだろ!?)

真耶

「え、え、え~と…とにかく初日なので自己紹介から始めていきますので、よ、よろしくお願いします~」

 

そういうと生徒達は順番に前に出て自己紹介を始め出した。

 

 

…………

 

一夏

(…はあ。正直かなり辛いと思っていたがまさかここまでとは。パンダってこんな気分なのかな?)

真耶

「…斑くん?」

一夏

(さっきも言ったけどせめてもう一人男子がいればなあ。あとそう言えばさっきの女子もやっぱ見覚えある気がすんだよなあ…)

真耶

「織斑くん!」

一夏

「ハッハイ!」

真耶

「次、織斑くんの自己紹介ですよ」

一夏

「あっすすいません!」ガタッ

 

俺は呼ばれて慌てて前に出た。

 

一夏

「…」

生徒達

「「「………」」」

一夏

(やばい。俯けないからさっきより辛い!と、とりあえず何か言わないと!)

「お、織斑一夏です!!」

生徒達

「「「………」」」

 

生徒達は一夏の更なる紹介が気になっている様だ。

 

一夏

「………………以上です!!」

 

 

「「「ドガシャーン!!」」」

 

 

本当に鳴ったわけではないがほぼ全員豪快にコケた。

その時、

 

バコーン!

 

突然一夏の頭に何かが思い切り当てられた。出席簿のようだ。

 

千冬

「全くお前は…。自己紹介も碌にできんのか?」

一夏

「…げっ!ラオウ!?」

千冬

「誰が世紀末の覇者だ、バカ者」 バコーン!

 

そういうと一夏は2度目の出席簿を受けた。

 

一夏

「いってー!…千冬姉、なんでここに?」

千冬

「織斑先生だ。なぜもどうも私はお前の担任だ」

一夏

「げっ!マジか!」

千冬

「マジもなにも大マジだ。さあ早く席に戻れ。後が閊えてるんだ」

 

そういうと一夏は頭を押さえながら席に戻った。それと同時に自己紹介は再開した。

 

 

…………

 

一通り終わって最後に千冬が前に出た。

 

千冬

「諸君、改めてIS学園入学おめでとう。私は今後諸君の担任を務める織斑千冬だ。因みにそこにいる織斑一夏は私の弟でもある。諸君にひとつ言っておく。私は例え代表候補生だろうが代表だろうが世界初の男性操縦者だろうが特別扱いはしない。私の生徒となった以上、授業に付いて来れない者は容赦なく叩き落とすつもりだからそのつもりでいることだ!」

 

千冬は生徒に気を込めて言った。その一方で生徒の方は…

 

「キャーキャー!あの織斑千冬様よー!」

「まさかあの生きる伝説のブリュンヒルデに教えてもらえるなんて!」

「お母さんお父さん!私の人生に誇りとなる物ができました!」

「先生!もっと強く罵ってー!」

「ねぇねぇ織斑くんって織斑先生の弟さんなんだって!ってことは織斑くんと付き合えたら…キャー!」

 

……ほぼ全員方向違いな考えをしていた。

 

千冬

「静かにしろ!!…全く揃いも揃ってなぜ変わり者ばかりなんだ全く…」

一夏

(おいおい、俺もなんか噂に巻き込まれてるぞ…)

 

千冬も一夏もうんざりした様子だった。

 

千冬

「良いか?しつこい様だがもう一度言うぞ。私の生徒になった以上、口答え及び勝手な行動は許さん。そして付いて来れない者は容赦なく放っておく。努力しない者も同様だ。くれぐれも忘れるなよ!」

 

…しかしそれでも一部の女子の妄想は止まらなかったようで、千冬は無視して話を進めた。

 

千冬

「ああそれから、急な話だが新たにふたりの生徒がこのクラスに入ることになった。本当に急だったのでつい先ほど日本に着いたばかりだ。では紹介する。おい、入ってこい」

 

そういうと教室の扉が開いて…

 

一夏・生徒

((!!!!))

 

一夏と女子達はみんな驚きを隠せなかった。何故なら入ってきたのは…

 

一夏

(お、男!?し、しかも双子!?)




次回、双子が一夏達と出会います。

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