IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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ファントム・タスクの拠点に訪れた束。彼女を呼び出したのは火影達が自分達と同じ転生者ではないかと怪しむオーガスであった。束と相対したオーガスは自らの生み出したDNSとそれによって生み出されるDISは人々の夢を叶えるための力であると豪語し、さらに束に自らの夢を叶えるためにISのコアを造ってほしいと依頼する。それを聞いた束は怒りを爆発、ISの存在価値はそんなものじゃない!とオーガスの頼みを拒絶する。

……そんな束に暗闇と共に謎の声が話しかけてきた。声は言った。白騎士事件、9年前のエヴァンス夫妻が巻き込まれた旅客機自爆テロ事件。そして束も知らなかったある真実を。それを聞いた束は深く悲しみ、傷つき、眠りについてしまう。

そしてオーガスは次の作戦に向けて動き出すのであった……。


第十一章 Reunion beyond dimensions
Mission133 動き出した作戦


IS学園アリーナ 11月25日

 

 

ガキィィィィィィンッ!

 

「オォォォォォォォォッ!!」

火影

「ちぃ!」

海之

「くっ!」

 

その時、火影と海之は謎のISと交戦していた。

 

火影

「ぐ、ぐうぅぅぅ…!」ドゴォッ!「ぐあぁ!!」

 

 

…バキィィィンッ!

 

 

敵の攻撃によってアリギエルのバイザーが砕け散った。吹き飛ばされる火影。流血し、痛みに苦しむ。

 

火影

「がは!…ぐっ…あっ…ぐ、く!」

「ひ、火影!」

「ガアァァァァッ!!」ドンッ!

「!!」

火影

「!…おぉぉぉぉぉ!」

 

キィィィィンッ!

 

鈴に襲い掛かろうとしていた敵を間に入って受け止める火影。

 

「火影!」

火影

「下がってろお前ら!」

「海之くん!」

海之

「俺達に任せろ!」

火影

「箒!一夏を連れていけ!」

「!」

一夏

「くっ…お、俺はまだやれる…!」

 

そう言って一夏は立ち上がろうとするが力が入らないのか弱々しい。

 

海之

「まともに動けもせんのに余計な真似するな!」

火影

「一夏行け!今のお前じゃ足手まといだ!!」

一夏

「!!」

海之

「ダンテ!こいつらを外へ出すぞ!できる限り離れる!!」

火影

「わかってるよ!いいかお前ら!絶対ついてくんなよ!!」

 

ドンッ!ドンッ!

 

アリーナ天井の隙間から外へ出ていく火影と海之。それに続いて謎のISも出て行った。

 

一夏

「あ、あいつら…好き放題言いやがって…ぐ!」

「ま、待て一夏!」

一夏

「離せ箒!くっ!俺が…俺が足手まといだと!なめてんじゃねぇぞ!火影ぇぇぇ!!」

 

一夏の悔しさと怒りを含んだ声がアリーナに響いた……。

 

 

…………

 

全ての事の始まりは昨日、昼休憩の時からである。

 

一夏

「昨日は魚だったから…今日はからあげにすっか」

「私はラーメン一択ね♪」

シャル

「僕はたらこスパゲティにしようかな。火影は?」

火影

「ん~とな…」

 

食堂に昼食をとりに来た火影達。そこへ、

 

千冬

「お前達、ここにいたか」

「ちふ…織斑先生。お疲れ様です。先生もお昼ですか?」

千冬

「いや、そうではない。海之、火影。…それにシエラ(クロエ)もいたほうが都合が良いか。ちょっと来てくれ」

クロエ

「私もですか?」

千冬

「ああ昼休憩にすまんな。真耶と楯無も既に来ている。行こうか」

火影

「あ、はい。皆後でな」

海之

「すまない」

クロエ

「皆さん、また後程」

 

そう言って三人は千冬に連れられていった…。

 

セシリア

「何でしょう織斑先生…?」

「もしかして来週にある修学旅行が関係していたりするのかな?ほら、海之くんと火影くんは実行委員だし」

ラウラ

「…しかしそれなら何故シエラさんまで呼ばれたんだろう…?」

本音

「まぁそれは後でひかりん達に聞いてみて今はご飯にしようよ~」

一夏

「そうだな。行くか……」

 

 

…………

 

IS学園 会議室

 

火影・海之・クロエが千冬に連れてこられた時には既に真耶と刀奈が先に部屋で待っていた。

 

刀奈

「来たわねふたり共。あらクロエちゃんもいたのね。ちょうど良いわ」

真耶

「すみません、お昼休みなのに来てもらって」

火影

「いえ、気にしなくても良いですよ。俺達だけ呼ばれたって事は…なんかあったんですか?」

千冬

「…まぁな。真耶、あれを」

 

そういわれて真耶が出したのは…封が開けられた一通の手紙だった。

 

海之

「…手紙ですか?」

刀奈

「今朝学園の郵便受けに置かれていたらしいの」

クロエ

「…差出人は?」

千冬

「いや書かれていない。切手も貼られていない。誰かが直接入れたとしか考えられんな」

 

すると封を開けられた手紙を見た火影が、

 

火影

「中身は見たんですか?」

千冬

「ああ。不審物だったら困るから検査も行ってみたが普通の手紙だったので開けてみた。一通の手紙だけだ。…そしてそれがお前らの呼んだ理由でもある」

クロエ

「どんな事が書かれていたんですか?」

真耶

「…見てください」

 

そう言われて手紙は海之に渡され、中を見る。その横から火影とクロエも見てみる。その手紙には……

 

 

「京都へ来い トニーとギルバ」

 

 

火影・海之

「「…!!」」

クロエ

「…悪戯…とかではありませんよね…。あまりにも不自然すぎます」

真耶

「京都って来月行われる修学旅行の実施先ですね。…偶然でしょうか?」

千冬

「…いや、その可能性は低いだろう。これまでの事もある」

火影

「俺も同意見です」

刀奈

「ではこれもファントム・タスクが絡んでいる…と」

 

ファントム・タスクはこれまでIS学園が、正確には火影達が関わるほぼ全てのイベントに乱入してきた。今回修学旅行先の京都の文字が書かれていたとなるとその可能性は高い。

 

真耶

「で、でももしそうだとしてなんで旅行先がわかったんでしょう?行先は生徒達と教師陣しか知らない筈なのに…」

海之

「…しかも今回は今までとは違う傾向が見られる」

クロエ

「そうですね。今まではその可能性があったにしてもその時になってみないとわかりませんでした。…ですが今回は向こうから直接次の狙いを指定してきました…。まるで予告の様に」

火影

「……先生」

 

すると火影が次の言葉につなげる前に、

 

千冬

「言うな、わかっている。……行くつもりなのだな?」

火影

「ええ。修学旅行の下見なんて名目でね。それについてお願いがあります。行くのは俺と海之だけです」

真耶

「! 火影くんと海之くんだけなんて危険すぎます!今回は特に何があるかわからないんですよ!?さっきこれまでとは違うと話されていたじゃないですか!」

海之

「だからこそです。これははっきり言って罠。もし大人数で行けばそれだけ狙われる者も増えるし、周りへの被害も大きくなる」

刀奈

「被害を少なくする意味でも少人数で行った方が良いという事ね」

火影

「…それにもうひとつ気になる事があります」

千冬

「…名前だな?」

クロエ

「トニーとギルバ…。昔兄さん達が前世で一時期使っていたという偽名と同じですね…」

 

火影(ダンテ)と海之(バージル)は幼い頃、自宅が悪魔達によって襲撃された。奇跡的に逃げ延びたふたりは偽名を使って隠れ生きていた。ダンテはトニーと、バージルはギルバと。最もバージルの場合は真実は違っていたのだが、何故その名前が手紙に書かれているのか…。

 

海之

「そうだ。トニーはともかくギルバという名等滅多にいない。この手紙は間違いなく俺達の事を知っている奴が絡んでいる」

火影

「ああ。この手紙の差出人には聞かなきゃなんねぇ事が山ほどある。…お願いします」

刀奈

「ふたり共…」

真耶

「先輩…」

千冬

「……」

 

 

…………

 

1-1 その日の授業終了後のHRにて。

 

千冬

「それでは今日の授業はこれまで!」

生徒達

「「「ありがとうございました!」」」

千冬

「…さて、突然だが来月初めはいよいよ京都への修学旅行の予定だ。各々準備を進めている事と思う」

本音

「は~い。ばっちり進めてま~す♪」

一夏

「部屋割り決める時ものほほんさん張り切ってたもんな」

 

他の生徒達もそれに同意する声を上げる。

 

千冬

「…だが、ひとつ気になることがある。そしてもう既に何人か気にしている者もいると思う」

ラウラ

「……ファントム・タスク」

 

ラウラのその言葉に生徒の何人かが騒めく。

 

千冬

「…そうだ。タッグマッチ・トーナメントの時と同じく、今回も全くその可能性が無いと限らない」

セシリア

「で、ですが今回は限定された一施設ではなく京都という都市ですわ。範囲が広すぎませんこと?」

「…いや、相手はテロリスト同然の奴らだ。どこにいようとも、例え街でも関係ないのかもしれん。考えたくはないがな…」

シャル

「キャノンボール・ファーストの時も他所のアリーナで他の人もいるのに出てきたもんね…」

千冬

「その通りだ。だが生徒達の大半が今回のイベントを楽しみにしているのも事実。他所の場所を選定するのは時間と日時さえ変えれば可能だとしてもイベントそのものを中止にするのは難しいだろう。…そこでだ、本イベントの前に下見を行う事に決定した」

セシリア

「下見ですか?」

千冬

「どんな場所が狙われやすいか、どういった時間帯に特に多くの人がいるか、スポットや交通手段の警備状況、盲点の様な場所は無いか、それを直接確認しに行く。メンバーは特別実行委員の海之と火影。生徒会長の更識。引率の山田先生の4人だ」

ラウラ

「!たった4人ですか?」

シャル

「実行委員の火影と海之はわかるけど…それにしてもちょっと少ないような気がするね。もうちょっと一緒に行った方が良いんじゃないかな…」

クロエ

「……」

一夏

「それなら俺が行こうか?」

「…一夏、授業さぼりたい訳じゃなかろうな?」

一夏

「う…」

本音

「おりむ~ずぼし~」

千冬

「話を勝手に進めるな。事態が事態とはいえ単なる下見に多いのも不自然だ。それにこの4人は学園内でも選りすぐりだ。問題ない」

シャル

「でも…」

火影

「心配すんなシャル。先生の言う通りこれは下見なんだからなんか起こる可能性も低い。起こるとすれば修学旅行当日だろうしな」

ラウラ

「ぶ、物騒な事を言うな火影…」

海之

「そうならない様に念には念を入れるだけだ。楯無さんも了承している」

千冬

「そういう事だ。…さて、それでは今日のところはこれで終わる。織斑!号令!」

 

 

…………

 

その日の放課後、鈴と簪。そして楯無も合流して食堂に集まっていた。

 

「…そう。修学旅行の下見に京都へ行くんだね」

一夏

「仕事とはいえ良いよな~。先に見物できんだしさ」

楯無

「遊びじゃないのよ一夏くん。これも学園と生徒のためにやる生徒会の立派なお仕事よ」

「でも少数精鋭とはいえ確かにあの広い京都を4人で見るっていうのは中々大変ね。気を付けてね火影」

火影

「わかってるさ鈴。心配すんな」

「それで何時行くのだ?」

海之

「突然だが明日の朝の予定だ。そして夜に帰ってくる」

シャル

「な、なかなかのハードスケジュールだね。これは確かにゆっくり見物とかできないね」

火影

「そうだな」

(…最も奴らがどんな手段で来るかわかんねぇ以上、はっきり確約もできねぇけどな)

クロエ

「……」

ラウラ

「しかし引率は教官ではなく山田先生なのだな。てっきり教官かと思っていたが」

火影

「まぁ単に引率だからな。態々先生が行く程の事でもないって事だろう」

(…というのは嘘でちゃんと理由があるんだけどな…)

 

 

…………

 

昼休憩の会議にて火影と海之が自分達だけで行くと聞いた千冬は、

 

千冬

「……わかった。許可しよう。但しお前達だけというのは駄目だ、危険すぎる。私と更識が同行しよう。良いな更識?」

刀奈

「はい、構いません」

 

すると海之が口を開く。

 

海之

「…いえ千冬先生。先生は学園にいてください」

千冬

「…何故だ?」

 

千冬にそう言われて海之は説明する。

 

海之

「先ほども申しましたが手紙の内容を見る限り今回は明らかに罠。俺たちが無視できないのを知っていて誘いをかけています。京都に行くことで必然的に俺たちは学園を離れる」

クロエ

「…成程、兄さん達が学園を離れている間に学園が再び襲われる可能性がある、という事ですね?」

海之

「その通りだ。自惚れという訳ではないが奴らにとって最大の邪魔者は俺達だ。俺達を京都に来させて学園から遠ざけ、その隙に学園を再襲撃する事も十分考えられる。向こうには一夏を狙うMという奴もいるからな」

火影

「だからこそ先生には学園に残っていてほしいんです。学園と皆を守るという意味でも」

千冬

「……」

 

千冬は顎に手を当てて黙っている。

 

真耶

「先輩。私が代わりに引率役として行きます。私は皆さんの様な力は無いですが…私もできる事をしたいんです。それに京都で絶対何かが起こるなんてギリギリ限らないでしょう?だったら危険なのは学園の方です」

刀奈

「そうです織斑先生。京都の事は私達に任せて下さい」

 

火影達の言葉を聞いて千冬は、

 

千冬

「………ハァ、わかった。…だが約束しろ。必ず全員…無事で帰ってこい」

火影達

「「「はい」」」

 

こうして千冬は学園に残る事になったのだ。

 

火影

「さて、んじゃ」

海之

「ちょっと待て。…刀奈さん、クロエ」

刀奈

「なに?海之くん」

クロエ

「何でしょう海之兄さん?」

海之

「……頼みがある」

 

 

…………

 

??? オーガスの部屋

 

ウィィィンッ

 

スコール

「失礼するわ」

オーガス

「…どうしたスコール」

スコール

「先ほど連絡が来たわよ。あの火影と海之っていうふたりは明日の朝、京都に向かうらしいわ。同行者は更識家当主の更識楯無。そして教師が一名のみだそうよ」

オーガス

「明日か…、他の者は?」

スコール

「聞いていないけど?」

「…主」

スコール

「わかっている。M、そちらは任せる。存分にやるといい」

「ありがとうございます」

オーガス

「お前達もわかっているなスコール、オータム」

オータム

「…てめぇの考えなんざどうでもいい。あいつらをぶっ殺せるなら何でもやってやるぜ」

スコール

「無茶しちゃだめよオータム。まだ怪我が治って間がないんだから。あと私は大丈夫よ。作戦とはいえ久々の戦いだもの。楽しみだわ♪……ああそうだわオーガス。篠ノ之博士なんだけど…大丈夫?ずっと熱心に何かしてるんだけど?」

オーガス

「いらぬ心配だ。問題ない」

スコール

「……そ。じゃあ私はISの調整に行くわね」

「私も行こう。では主」

オータム

「…けっ」

 

そう言って三人は出て行った。

 

オーガス

「明日か…予定より早かったな。向こうも必死と見える。まぁ良い、準備はできているからな。………そうだ、この際もうひとつ面白い事をしてやろうか。…くくく」

 

 

…………

 

一夏の部屋

 

その夜、一夏はルームメイトの楯無がいなくなった部屋でひとり過していた。

 

一夏

「下見か…。まぁ千冬姉の言う通り確かに此れまでの事もあるし、用心しておくに越した事はねぇよな。しかし明日なんてえらく急だなぁ」

 

そう言いながら自分のベッドに寝転がる一夏。

 

一夏

「火影と海之、そして楯無さん。まぁ間違いない面子だよな。……俺も何時になったらあいつらに追い付けるんだろ…。強くなってるって皆も言ってくれてるし実感も無い事ねぇけど…あいつらは常に俺の遥か先を行ってるんだよな…。トーナメントの時も周りを守りながら戦ったあいつらと違って俺は自分の戦いで一杯一杯だったし…おまけに仕留め損ねて楯無さんは怪我しちまったし…」

 

前にふたりの戦いを見てから一夏は少しでも追い付きたい、もっと強くなりたいと益々訓練に力を入れていたが、それでも中々縮まらない自分と火影達との実力の差にどうやら焦りを感じ始めているらしかった。

 

一夏

「俺にもあいつらみたいな力がありゃ…」

 

そんな事を願う一夏であった。

 

 

…………ピッ

 

 

一夏

「…?なんか音がした気がするけど……気のせいか。ま、寝よ寝よ」

 

一夏は気にせず寝てしまった。

……だが一夏は気づいていなかった。一瞬だけガントレットの白式のクリスタルが点滅した事を。

 

そして夜は明け、時は運命の朝を迎える……。




キレイに分けるため明日に続きます。

※一夏とVの声は同じ声優さんだそうです。
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