IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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オータムのコア爆弾による飛行機への攻撃。安全な着陸が不可能と判断した火影と海之は自分達が比較的安全に不時着できる湖まで運ぶと提案。刀奈やクロエ、真耶は当然止めるがふたりは聞かず、救助作戦を実行する。
様々な要因があって手こずる火影と海之だったがふたりの諦めない思いと刀奈達の加勢もあり、飛行機は何とか湖への不時着に成功する。

これで一安心…、と思いきや彼らの前に突然スコールが現れ、衝撃の事実を打ち明ける。束が自分達のところにいる事。そしてMがIS学園を襲撃している事。それを聞いた火影と海之は自分達の謎の異変に苦しみながらも大切なものを救うため、飛ぶのであった。


Mission140 復讐のM

とある場所の上空…

 

刀奈

「簪ちゃん、皆。…無事でいて…!」

 

スコールから真相を聞かされた火影・海之・刀奈・クロエの四人はIS学園に戻るため、飛行を続けていた。

 

クロエ

「兄さん達大丈夫ですか!?」

火影

「ああ心配すんなクロエ。もうさっきの様な痛みはねぇよ…」

刀奈

「それでも無茶するんじゃないわよ?」

海之

「ありがとうございます。大丈夫です」

火影

「今は俺達より学園ですよ」

海之

(…だがあの様な事は今まで一度も起きたことが無い。あれも異常のひとつとすると…本当に限界が近いのかもしれんな…。くっ、せめて以前の様にあいつ等と話せれば…)

 

 

ヴゥゥゥンッ!

 

 

全員

「「「!!」」」

 

そんな会話や思考をしていると突然目の前、そして周辺に空間の歪みが発生した。明らかに転移。そして、

 

 

ドォンッ!ドンッ!ドンッ!ドォォォンッ!

 

 

グリフォン

「「「グアァァァッ!」」」

白いIS

「「「……」」」

 

無数のグリフォンと謎の白いIS達が姿を表した。

 

クロエ

「グリフォンに…見たことないIS!?しかもこんなに!」

海之

「時間稼ぎのつもりか…、ふざけた真似をする」

火影

「大方これも俺達を消耗させるためだろうな…。にしてもこの白い奴は鎧野郎の亜種か」

刀奈

「くっ!私達は急いでるの!力づくでも通らせてもらうわよ!」

クロエ

「押し通らせて頂きます!」

火影

「パーティ会場はここじゃねぇぜ!」

海之

「…邪魔だ!」

 

四人は武器を構えた。

 

 

…………

 

IS学園 食堂

 

時は火影達による飛行機の救助が始まった頃、一夏がふたりに連絡してみた直後にまで遡る。一夏がすぐもう一度電話しようとしたその時、食堂にひとりの女子生徒が慌てて走ってきた。

 

生徒

「ねぇ!ニュース見てニュース!」

「え?ニュース?」

 

言われたひとりの生徒が慌てて食堂に備え付けの大型テレビの電源を付ける。

 

 

「……繰り返し速報をお伝えします。今日未明京都府の有名観光スポット、京都タワーにおきまして、展望台の窓ガラスが爆発、損傷するという事態がありました。更にこの時できた穴から外へと飛び出す影が確認されており、目撃者の話によりますとインフィニット・ストラトス、ISではないかとの事です」

 

 

全員

「「「!!」」」

 

「……尚、これとは別に京都の遥か上空にて複数の爆発が確認されており、警察は京都タワーでの爆発との関連を…」

 

生徒

「京都タワーで爆発!?マジで!?」

「京都って…確か今度の修学旅行先よね?」

「なんだか怖いわ…。なにがあったのかしら…」

 

多くの生徒達がそんな感想を言っている中、

 

「京都…、IS…、爆発……!!」

「ま…まさか!」

セシリア

「まさか…火影さん達でしょうか!?」

 

何があったか分かったらしい箒達。

 

ガタンッ!

 

すると一夏が立ち上がって歩きだす。

 

「一夏!どこへ!」

一夏

「京都に決まってんだろ!助けに行かねぇと!」

シャル

「でも今から行っても数時間は掛かっちゃうよ!」

一夏

「ならISで直接行けば良い!全速で飛ばせばそんなに掛からねぇ!」

「…そうね。行きましょう!」

ラウラ

「しかし教官が許可して下さるだろうか…」

一夏

「そこは頼み込むしかねぇだろ!急がねぇとあいつらが危」

 

 

ドガァァァァァァァァンッ!

 

 

その時外の方から爆発音が聞こえた。その音で食堂は騒ぎとなる。

 

生徒

「!!」

「きゃあ!」

「な、何!?何!?」

「アリーナの方から聞こえたわ!」

 

~~~~~~~

その時一夏の携帯に電話があった。千冬からだ。

 

千冬

(一夏!聞こえるか!)

一夏

「千冬姉!なんださっきのは!」

千冬

(わからん!だがISの反応だ!)

一夏

「ISだって!?」

ラウラ

「…ファントム・タスクか!?くっ、まさかこんな時に!」

千冬

(直ぐに教師陣を確認に向かわせる!お前達は避難していろ!どうせ全員そこにいるだろう!)

 

避難しろという千冬に対し、一夏は、

 

一夏

「…いや千冬姉、俺達が行く!」

千冬

(! 馬鹿を言うな!お前達だけでは危険すぎる!海之や火影、楯無もいないんだぞ!)

一夏

「これがファントム・タスクの仕業なら先生達より俺達の方があいつらに慣れてる!」

「…そうだな、一夏の言う通りだ。私達が行こう!」

「ええ当然よ!」

 

他の皆もふたりの意見に同意した。

 

千冬

(……わかった。ISの使用も許可しよう。但し決して無茶はするな!私も直ぐ合流する!)

一夏

「ああ任せてくれ!」

セシリア

「では行きましょう!」

「本音は危ないからここにいてね!」

本音

「う、うん。気を付けてね皆!」

シャル

「じゃあ行こう!」

 

 

…………

 

IS学園 アリーナ

 

一夏達は爆発音が聞こえたアリーナに来た。アリーナは観客席がやや破壊されているが誰も使っていなかったので幸い怪我人はいなかった。

 

シャル

「!…なに?あのISは…!」

「黒いIS?…でもアンジェロとかじゃない」

 

するとアリーナ中央で待ち構えていたように佇んでいたのは今まで見たことが無い黒いIS。

 

セシリア

「……ゼフィルス?」

ラウラ

「! それは確かイギリスから盗まれたというサイレント・ゼフィルスというISで、あのMという奴が使っている機体だな」

「ああそうだ。…言われれば確かに似ているが…だが微妙に違うな」

 

箒達がそんな会話をしていると目の前のISが声を出す。そしてこちらも聞き覚えがあるものだった。

 

「…来たか、…織斑一夏」

一夏

「…その声!やっぱお前は!」

「気付いてくれた様だな。物覚えする程度の脳みそはあるようだ」

「私もわかったぞ。…M!」

「でもなんでISが違うのよ!?よく似ているけど」

「似ているのは当然だ。これはかつてサイレント・ゼフィルスだったものだ。最ももうあんなガラクタでは無いがな」

セシリア

「! 我が祖国が生み出したISを…ガラクタ呼ばわりするんですの!?」

 

セシリアは自分の国が精魂込めて造り上げたゼフィルスを馬鹿にされて憤慨する。しかしMは言葉を続ける。

 

「何を怒っている?貴様らみたいなひよっこに敗北する様なIS等、ガラクタ以外何者でもないだろう?もともと盗品だから期待もそれほどしていなかったがな」

「何を言うか!貴様、自らの敗北をISのせいにするか!」

シャル

「そうだよ!学園祭の時も火影に簡単に負けたくせに!」

「あの負けっぷりを自分は悪くないと思うなんてあんた結構頭悪いのね」

「………」

 

その言葉を聞いたMの心にオーガスから言われた言葉が浮かぶ。

 

オーガス

(…Mよ。あの赤と青の二体には決して手を出すな。お前には勝てん。絶対にな…)

 

(……私は、私は勝つ!織斑一夏にも織斑千冬にも!そして奴らにも!……そうでなければ…)

「…聞け!このISの名は…黒騎士。量産機でも訓練機でもゼフィルスの様な盗品でもない、真の私の専用機よ!」

ラウラ

「! 黒騎士だと!」

「あの白騎士と対比的な名前だね…」

一夏

「へっ!そんな名前に怯む俺だと思ってんのか!今度こそは逃がさねぇぜ!」

「ほざけ。今回はあの妙な兄弟もいない。助けは期待できんぞ。奴らは今大変らしいからな」

「…えっ、なんでアンタがそれを……まさか!」

「そうだ。奴らも見事に誘いに乗ったものだ。…いや、あえて乗ったのかもしれんな」

セシリア

「やはりあの京都での件は!」

シャル

「誘いって…どういう事!?」

「そのままの意味だ。奴らは京都まで来いというこちらの誘いに乗って京都まで行ったのだ。自分達だけで。まぁ教師や更識の人間というおまけも一緒だがな」

「…そんな、…火影」

「お姉ちゃん、…海之くん…」

「ああ他にもうひとり妙な白い奴もいたらしいな」

ラウラ

「白いISだと?……まさか、クロエさんか!?」

「織斑千冬が離れてくれれば更に都合が良かったが…まぁいい。おかげで私の手で直接、織斑一夏とまとめて排除できる」

一夏

「千冬姉もだと!?お前千冬姉も狙ってんのか!?」

「あの人を甘く見ると痛い目見るわよ!アンタもあの人がどんな人か位知ってるでしょう!」

「…ああ…、よく知っているとも…。何故なら、あいつは…」

「……?どうした?」

「……語るには飽いた。織斑一夏!私と戦え!」

一夏

「いいぜ!お前は俺が倒す!千冬姉に手出しはさせねぇ!」ドンッ!

 

そう言うと一夏は加速してMに近づく。他の皆も追おうとしたが、

 

「貴様らは邪魔だ」バッ!

 

 

ヴゥゥゥゥゥンッ!

 

 

一夏・全員

「「「!!」」」

 

Mが何かを起動させると突然彼女とそれに近づいていた一夏を覆う様にドーム状の幕が発生した。箒達はそれを突破しようとするが、

 

キィィィンッ!

 

「な、なんだ!通り抜けられない!」

「もしかしてバリア?いや結界なの!?」

シャル

「これじゃ助けに行けないよ!」

 

 

ヴゥゥゥゥゥンッ!

 

 

すると今度はアリーナ上空に複数の空間の歪み、転移が発生した。

 

「…な、なに!?」

セシリア

「あれは…あの時のグリフォンの出現と同じですわ!」

ラウラ

「だとしたら…!」

 

 

ドォォンッ!ドォン!ドドドドンッ!

 

 

全員

「「「!!」」」

 

転移があった場所がいきなり爆発し、中から複数の影が出現した。

 

グリフォン

「「グオォォォォォォッ!」」

謎のIS群

「「「……」」」

 

出てきたのは2体のグリフォン。そして見た事が無い2タイプのIS。ひとつは前面全てを隠すほどの巨大な盾を構えた白いIS。もうひとつは背丈ほどもある巨大な大剣を持った白いISだった。

 

「貴様らはこいつら相手に遊んでいろ」

シャル

「グリフォン!2機も!」

セシリア

「それだけじゃありません!見た事が無いISもいますわ!」

「アンジェロの完全近接型、デュエル・アンジェロ。そして重装甲型のスクード・アンジェロだ。今までのアンジェロとは少し違うぞ」

 

そしてグリフォンやIS群はアリーナの屋根から外に出て行こうとする。

 

「え?出ていく!?」

「のんびりしていていいのか?早く奴らを何とかしないと街を襲い始めるぞ?」

ラウラ

「なっ!卑怯な!」

 

それを見て一夏が言う。

 

一夏

「皆!こいつは俺に任せて、奴らを食い止めろ!」

「一夏!?」

一夏

「このバリアは簡単には破れねぇ!考えてる間にも街が危ねぇんだ!」

セシリア

「しかし一夏さんだけでは!」

一夏

「俺なら大丈夫だ!いいから行ってくれ!」

ラウラ

「………わかった。行こう皆」

「しかし!」

「一夏の言う事も最もでしょ!それにもうすぐ千冬さんも来てくれるわ!私達は街を守らないと!」

「……そうだね。お姉ちゃんや海之くんや火影くんもいない。私達全員必死でかからないとあの数相手では防げない!」

シャル

「うん!のんびり考えてる暇はないよ!」

「…………わかった。一夏!私達が戻るまで持ちこたえろよ!」

一夏

「心配すんな!お前らよりも早く倒して見せるぜ」

セシリア

「一夏さん!ご武運を!」

 

箒達はそう言うとアリーナ天井から出て行った。一夏はその後ろ姿を見る。

 

一夏

「……」

「さて、邪魔者はアンジェロ共に任せて、始めるとしようか」

一夏

「…やっぱり街を襲わせる気は無かったんだな?」

「…ほう、気付いていたか。そうだ、アンジェロやグリフォンは貴様のとりまきの遊び相手として呼び出しただけにすぎん。街の奴ら等興味はない。私の目的は織斑一夏、貴様と織斑千冬だけだ」

 

あくまでも自分の狙いは一夏と千冬というMに一夏はやや冷静になって尋ねる。

 

一夏

「戦う前にひとつだけ教えろ。……お前やたら俺を恨んでいる様だがなんでだ?はっきり言ってお前なんて学園祭の時まで会ったことも無いぞ?」

 

一夏の率直な質問にMはやや考えた後、こう答えた。

 

「…………貴様は私を、私の存在を傷つけた。…それだけだ」

一夏

「…存在…だって?どういう事だ…!?」

 

だがそれに答えることなくMは自らの剣を抜く。

 

「語るには飽いたと言った筈だ。覚悟しろ!織斑一夏!」

一夏

「ちっ!答える気は無いか、…なら俺が勝ったら喋ってもらうぞ!」

 

一夏も雪片を展開する。

 

「お前は私が倒す!この黒騎士でな!」

一夏

「それはこっちの台詞だ!俺の白式と雪片の力を見せてやる!」

 

一夏とMは互いの剣を向け、向かっていった。

 

 

…………

 

その頃、白いアンジェロ群とグリフォンを追いかけていた箒達は相手の異常に気付いた。

 

「……奴らの動きが先程からおかしい」

シャル

「…そうだね、街を狙うには方向が違う…。それに本気で狙うんだったらもっと本気で飛ぶだろうし、まるで誘いをかけているみたい」

 

シャルロットの言う通りグリフォンもアンジェロ達も街とは違う方向、そしてスピードも比較的ゆっくりで飛行していた。

 

「…もしかして本当に誘いをかけてるんじゃないかな。本当の狙いは街じゃなく、私達を一夏から離す事なのかも」

セシリア

「そうまでしてあの方は一夏さんと戦いたいというのですか…!」

ラウラ

「しかしそうだとしてもあんな奴らを放っておくわけにはいかん」

「そうね。できるだけ迅速に何とかして一夏を助けに行きましょう!」

「しかしこちらも手を抜いて勝てる相手じゃない。パワーアップしているらしいアンジェロが数えるだけでも約20機近くはいる。そしてなんといってもグリフォンが2機もいる」

シャル

「そうだね…。しかもあの白いアンジェロは初見だし…。こんな時に火影や海之がいてくれたら…」

「…うん。お姉ちゃんもクロエさんもいないし…私達だけで勝てるのかな…」

セシリア

「そうですわね…。私達はおふたりは愚か、楯無さんにもかないませんし…」

 

自分達しかいないこの状況にシャルや簪やセシリアは弱気になっている様だ。

 

「しっかりしなさい!こんな事位で弱気になってどうするの!あいつらの力になれる位強くなるんでしょ!」

ラウラ

「そうだぞ!それにあいつらは…今もきっと戦っている。私達や多くの人のために。そんな気がするんだ」

シャル

「鈴、ラウラ…」

「これ位の事何とかできないであいつに、火影に付いていく事なんてできない!あいつや海之ならやれる。だから私もやる!絶対諦めない!火影が何時も諦めない様に!」

「…諦めない…」

ラウラ

「海之の力になりたいんだろう、簪?」

「……うん!」

シャル

「ごめんふたり共!」

「セシリア、お前も同じ気持ちでは無いのか?お前も一夏の力になりたいのではないのか?お前の一夏を助けたいという気持ちはこれ位で揺らぐものなのか?」

セシリア

「!…いいえ、それは違いますわ!私の気持ちを、一夏さんに受け止めていただくまで死ねませんわ!」

「…ふっ、それでこそ私のライバルだ♪」

 

皆はやる気を取り戻したようだ。

 

「さて、戦い方と割り当てだがどうする?のんびり考える時間は無いが」

ラウラ

「時間をかけずにせん滅するためにはやはり一度に全て相手にしなければならんだろうな」

シャル

「じゃあグリフォンは僕が何とかする。皆はパンドラをお願い!」

セシリア

「シャルロットさんだけなんて無茶ですわ!」

シャル

「ううん。僕のパンドラはどっちかと言えばあいつやファントムみたいな大型の相手向きだよ。グリフォンとは前も戦った事あるし。大丈夫。いざとなったらアーギュメントも使うから」

ラウラ

「気をつけろよ?あれは精々3分が限界だ。使い時を間違えてはならんぞ」

「気をつけてねシャル」

シャル

「ありがとうふたり共」

「じゃあ私達はあの白いアンジェロを何とかしましょう!」

「承知した!…行くぞ!」

 

箒達六人もまた、敵の群れに向かっていくのであった…。

 

 

…………

 

その頃、学園のとある場所にて千冬は、

 

千冬

「漸く蕾が開く…」

 

そう言う千冬の前には一体のIS。そしてその隣には海之から託されたレッド・クイーン。自分の髪を後ろに縛りながら千冬は言った。

 

千冬

「…この髪型にするのも久しぶりだな。…もうすぐだ。直ぐに助けに行くぞ、一夏、お前達!」




※UAが130000に到達しました。ありがとうございます!
次回ですが私事で来週はお休みさせていただきたく思います。次回は再来週、来月の5月2日(土)です。
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