IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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箒達とアンジェロ群との戦いは続く。
スピードが増し、更にシールドビットを操る敵に鈴達は翻弄されるもそれでも決して諦めず、少しずつではあるが撃破に成功していく。するとその時、鈴・ラウラ・セシリアのデビルブレイカーが異様な形態に変化。それはデビルブレイカーに束が仕組んだナイトメアモードという新たな機能であった。通常よりも威力が大きくなっただけでなく、其々の戦い方に合ったもので鈴達は勢いづくのだった。
一方、シャルロットも最早これまでかと諦めかけたその時、火影の言葉を思い出す。

「お前はパンドラだ。皆の希望で、奴らの災いになれ」

その言葉に勇気づけられたシャルはパンドラの機能を最大限に生かし、グリフォンの一機を破壊。アーギュメントを展開してもう片方のグリフォンに果敢に挑んでいくのだった。

そしてその頃、箒は…。


Mission143 それが私の強さの証

鈴・ラウラ・セシリアが新たな力を得、シャルが戦う気力を取り戻した少し前。鈴から敵を引き離し、別れた箒は2機のDアンジェロと正面から激突していた。

 

箒

「おぉぉぉぉぉぉ!」

Dアンジェロ

「「……」」

 

ガキンッ!キィィンッ!ガンッ!キンッ!!

 

箒

「ちぃ!こいつら機械だからか全く衰えが感じられん!もう何十回も斬り結んでいるのに!」

 

箒の言う通り体力の有無という生身と機械の決定的な違いが災いし、徐々にではあるが圧され始めていた。箒の言う通り何回も斬り結び、

 

ガキィィンッ!!

 

もう何回も弾き飛ばされていた。

 

箒

「はぁ…はぁ…はぁ…」

D

アンジェロ

「「……」」

 

箒は既に息が上がっているが機械の敵に勿論その気配は無く、再度剣を構えてくる。

 

箒

「はぁ…くそ…!こんな事をしている場合ではない。早く一夏の元に戻らねばならんのに!」

(…一夏…無事だろうか…)

 

箒は何よりも今もひとり戦っていると思われる一夏の事が心配だった。

 

ドンッ!ドンッ!

 

するとそんな事を考えた一瞬の隙を付き、敵は同時に襲い掛かってきた。

 

箒

「!! しまった!」

 

慌てて向かってくる敵に対して構える。すると、

 

シュンッ!!

 

箒

「!」キィィィンッ!

 

箒の目の前で敵が一機消えた。一機の敵は目の前で受け止めるが、

 

箒

「くっ!もう一機はど」ザンッ!!「うわあぁぁぁ!!」

 

先ほど見失った敵が後ろから斬りつけてきた。その動きから箒は判断した。

 

箒

「今のは…ブリンク・イグニッション!?何故……まさか、私との戦いで学んだのか!」

 

それは正に自分達が使うブリンク・イグニッションだった。彼女との戦いで学習したのだろうか。

 

箒

「…という事は戦いが長引く程こいつらは強くなるという事か…。くそ…全く面倒な!」

 

この時箒は焦っていた。そんな彼女の心に海之から言われた言葉が浮かぶ。

 

 

海之

(箒、一夏の力になりたい気持ちはわかるが我慢も覚えろ。いずれ取り返しがつかない事になるぞ)

 

 

箒

(…あの時海之に言われた通りだ。一夏の力になりたいと焦れば焦るほど…)

 

ドンッ!ドンッ!

 

そんな箒の気持ちなど露知らず、敵は再び襲い掛かってきた。

 

箒

「! ブリンク・イグニッション!」ドンッ!

 

キンッ!ガキキキンッ!キィィンッ!!

 

箒もブリンク・イグニッションでなんとか応戦するがやはり疲労があるのか敵の方が勢いが強い。

 

 

一夏

(なんでお前そんな事言うんだよ!密猟者でも命だろうが!)

海之

(一夏の負傷はお前のミスだ。焦りと浮かれていたお前の。俺は言った筈だ)

 

 

箒

「…くっ、私は」ザンッ!「うわぁぁ!!」

 

不注意から生まれた箒の隙を付き、敵は更に斬りかかった。たまらず箒は離れる。

 

箒

「くそ…まただ!今も余計な事を考えたために…」

(…あの時も、あの時も、そして今でさえ。…私じゃ…一夏の力になれないのか…)

 

箒の心にこれまでの失敗が浮かぶ。だが敵はやはり何も変わらず剣を向け、再び迫ってきた。箒の剣を持つ腕の疲労はピークで直ぐに対応できない。止む無く避ける箒。

 

箒

「くっ、これ以上当たるわけにはいか…………あれは!?」

 

何とか避けた箒だったが…その時目にあるものが見えた。細い布のような物が宙を舞っている。

 

箒

(……一夏がくれたリボン!?)

 

それは以前、臨海学校時でのゴスペルとの戦いの時に一夏が箒の誕生日プレゼントとしてくれたリボンだった。戦いの中、なんらかの弾みで箒の髪から外れてしまったのか。そして…

 

Dアンジェロ

「……」シュッ!

 

目に入るのが邪魔だと思ったのか、アンジェロは箒の目の前でそれを断ち切ってしまった。

 

箒

「!!」

 

ドンッ!ドンッ!

 

箒に再度迫るアンジェロ。片方はブリンク・イグニッションで背後に迫る挟み撃ちの形。

 

箒

「……」

 

だが箒は動かない。アンジェロ達はどちらも同じタイミングで自らの剣を箒の紅椿に振るってきた。

 

 

ガキンッ!ガキンッ!

 

 

Dアンジェロ

「「!」」

箒

「……」

 

箒は俯いたまま雨月と空裂でアンジェロ達の攻撃を受け止めていた。

 

 

パァァァァァァァ……!

 

 

Dアンジェロ

「「!!」」

箒

「…一夏が…一夏がくれたリボンを……よくも…」

 

箒の紅椿がやんわりと金色に輝き始めた。それは紅椿の絢爛舞踏の光だった。

 

 

一夏

(今日誕生日だったろ?おめでとう!)

 

 

箒

「…貴様らぁぁぁぁ!よくもぉぉぉぉぉ!!」ドンッ!

Dアンジェロ

「「!?」」

 

箒の勢いにアンジェロ達は押し返された。更に、

 

箒

「許さんぞ貴様らぁぁぁぁぁ!!」

 

ガキィィンッ!キィィンッ!キンッ!

 

箒の剣がアンジェロ達の剣を払いのけた。箒の中に生まれた激しい怒り。そして同時に一夏への強い気持ち。それが箒にこれまでの疲労を吹き飛ばすほどの強い力を与えていた。

 

箒

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」

Dアンジェロ

「「…!!」」

 

ガキィィンッ!!

 

先ほどまでとは違う力強い太刀筋に敵は吹き飛びさえしていた。

 

箒

「はぁ…はぁ…。やったぞ、初めて奴らを押し切った!…………!………そうか、そうだったのか。…やはり私は…」

 

何やらわかった様な箒。そして箒は心の中で想った。

 

海之

(焦りと紅椿を得て浮かれていた…お前のミスだ)

箒

(……海之よ、お前の言う通りだ。嘗ての私は焦っていた。一夏の事ばかり考えるあまり、そして紅椿を得た事で調子付き、結果一夏や皆に迷惑をかけた。それも全て私の一夏への想いが強すぎたために起こった事。大いに反省している…)

 

 

パァァァァァ……!

 

 

すると紅椿の絢爛舞踏の輝きが強くなり始めた。箒は更に続ける。

 

箒

「…だが海之よ。忠告は受け取るが私は変わるつもりは無い。私の最も大きな力になるのは…あいつへの、一夏への想いだ!…そんな気持ちなど足手まといだと思う者もいるだろう。邪念と思う者もいるだろう。でもそれでも良い!良き意味でも悪い意味でも、一夏は私にいつも力をくれる!子供の頃からずっと!だから…私は私を捨てる気は無い!私はこれからもそれを心に刻み込んで戦い続ける!」

 

 

パアァァァァァァァァッ!!

 

 

箒の絢爛舞踏による光がますます強くなる。それはまるで箒の意志の強さを表している様だった。

 

 

箒

「あいつが火影や海之の背中を守れる様になりたいと目指すのであれば…私はあいつを守れる位になりたい!一夏への想いが、…いや一夏そのものが私の、篠ノ之箒の強さの証だぁぁ!!」

 

 

箒は力強くそう宣言した。…すると、

 

 

…シュバァァァァァァァァァッ!!

 

 

箒

「!!」

Dアンジェロ

「「!?」」

 

紅椿の金色の光が今までにない位激しい光を発した。………やがて光が収まり、箒は自分の姿を見た。

 

箒

「な、なんだ…これは…?」

 

箒の、正確には紅椿の手足に変化があった。紅椿の装甲がこれまでの様な深紅でも絢爛舞踏発動時の金色でもなく銀色。その表面に赤色の光が走っている。そして箒の顔にも同じ様な色のフェイスマスクが新たに付けられていた。

 

箒

「これは一体…?」

?

(あ~、あ~、箒ちゃん聞こえるかな~?)

 

その時箒のインターフェースに流れてくる声があった。それが誰なのか箒にはすぐわかった。

 

箒

「この声…、姉さん!?」

束

「このメッセージを聞いてるってことはより一層強くなったって事だね!流石我が妹♪」

箒

「このメッセージをって…、録音か…」

 

それは先の鈴達と同じ録音テープだった。

 

束

「この度は紅椿の「展開装甲」「絢爛舞踏」と並ぶ第三の能力「衝撃鋼化(ギルガメス)」を無事発動させてくれてありがとう~♪」

箒

「…衝撃鋼化(ギルガメス)?」

 

見た事も聞いた事も無い言葉に動揺する箒。

 

Dアンジェロ

「「!」」

 

するとその時、光に弾き飛ばされた敵が再び襲いかかってきた。

 

箒

「! 雨月!空裂!」

 

箒は二振りの刀を展開。…するとその瞬間手にある刀が腕や脚のそれと同じ状態になった。銀色で赤い光が走っている。だが箒は構わずそれで敵の剣を受け止める。

 

ガキンッ!ガキンッ!

 

Dアンジェロ

「「…!」」

箒

「はぁぁぁぁ!」

 

ガキンッ!ガキキキンッ!

 

箒は全力で剣を振るう。その威力は先ほどよりも強く、重く硬い。敵もそれを感じたのか数発打ち合った後、堪らず再び距離をとった。箒は剣を持つ手を握りしめる。

 

箒

「…力が、…力がみなぎる…!」

束

「衝撃鋼化(ギルガメス)っていうのはちょっと面白い魔具でね~。展開装甲は箒ちゃんの戦い方に応じて攻撃なり防御なり移動なりなんにでも変化してきたじゃん?それを更にパワーアップしてくれるというか~、一番わかりやすく言えば箒ちゃんと紅椿をより強化してくれるものなんだ。これを使うと紅椿の装甲はもちろん、更には箒ちゃんの手脚がより硬質化して格闘とかできたりするんだよ~しかも手を通して剣や盾にも硬質化が伝わるんだ!剣や盾の強度はもんの凄く上がるし、衝撃波も含めて武器の威力も上がるよ~」

箒

「これもやはり魔具なのか…」

束

「でもトムガールもあるのになんでこんなの仕込んだんだって思ってる?きっとそうだよね~!箒ちゃんの考えてる事はお腹が空けば腹の虫が鳴く位よくわかるからね~!衝撃鋼化(ギルガメス)の発動条件はずばり!絢爛舞踏をも超える箒ちゃんの「いっくんを想う気持ち」だよ~♪箒ちゃんの事だから将来の花婿さんであるいっくんの背中を守りたいと思ってるでしょ~?だから束さんの得意分野でそれを応援してあげようと思った訳~♪」

箒

「な、なんか凄く恥ずかしい条件…。あ、あとそんなハッキリ言わないでください!あと私の考えとお腹の虫を一緒にしないでください!」

 

箒は今周辺に誰もいない事に心底良かったと思った。

 

束

「……でもそれだけ箒ちゃんが命を掛けた戦いをしてるって事だから本当は嬉しく思っちゃいけないんだろうけどね。箒ちゃんには束さんと違って波乱無い人生を生きてほしいもん…」

箒

「…姉さん…?」

 

箒は束の声がいつもと違う気がした。

 

束

「でもあのアンジェロって奴がIS学園に現れた時、いっくんが戦っているのを箒ちゃんが見てるとしたら…って考えたら容易に想像できちゃったんだよね~。ああ、箒ちゃんはきっといっくんと一緒に戦いたいと思ってるんだろうなって…。だからあの時箒ちゃんから連絡が来る前に紅椿を準備しといたんだよね。箒ちゃんを守ってくれる様私の持つ技術を全てつぎ込んで。ああ魔具に関してはひーくんみーくん提供だけどね、テヘ♪」

 

箒

「…姉さん…」

 

束の言葉を黙って聞く箒。

束はそんな事まで考えてくれていたのか。

自分の考えを全て読んでいたのか。

それを知ったうえで紅椿を用意してくれたのか。

 

箒

「………」

束

「あ~なんかお腹の虫の話したらなんかお腹すいてきちゃったな~。クーちゃんに何か作ってもらおっと♪それじゃ説明はこの辺で!ちなみに細かい使い方は自動でダウンロードされるマニュアルを見てね~?という訳で愛するいっくんと一緒に夫婦これからも頑張ってね~!サラダバー!」

 

それだけ言うとメッセージは切れた。

 

箒

「ま、まだ夫婦じゃありません!…いやそうじゃなくて!…あーもう!全く!」

 

以前のスメリアの時と同じく、調子が崩される箒であった。

 

ドドンッ!

 

その時今まで沈黙していたアンジェロ達が突進してきた。箒は再び構える。

 

箒

「…私は負けん!この想いがある限り!」

 

 

…………

 

シャル

「はぁぁぁぁぁ!」

グリフォン

「グオォォォォッ!」

 

ズドドドドドドドドッ!

バババババババババッ!

 

アーギュメントを駆りながらシャルロットはグリフォンと真っ向対決を繰り広げる。アーギュメントのキャノンやレーザーが火を噴き、グリフォンの銀の翼や雷の嵐が雷鳴を上げる。

 

~~~~~~~~

 

すると突然パンドラの操縦席にアラームが鳴った。アーギュメントの残り使用時間が一分になると発生する警報だ。

 

シャル

「!ダメージを受けてたためかアーギュメントのリミットが近い!この後の事を考えると残り20秒ってところかな。………よし、まだテストもしてないけどこれを使おう!」

 

すると何か考えが浮かんだのか、シャルは真っすぐグリフォンに向かっていく。

 

 

…………

 

時は再び整備室。

 

シャル

「ごめんね火影。本当なら鈴が手伝ってくれる予定だったんだけど急用で来れなくなったって聞いて」

火影

「気にすんな。パンドラに関しての事なら多少わかる。……にしてもよくこんなもん付けるなんて気になったな。おまけに名前まで決めちまって」

シャル

「うん。前に火影がやったのを見て僕もやってみたいって思ってね。アーギュメントのキャノンの一部を外せばできるかなって、クロエさんにお願いして作ってもらったんだ」

火影

「成程な」

 

 

…………

 

グリフォン

「グォォォォォッ!」

 

そんなシャルの様子を見てグリフォンは攻撃を繰り出そうと一瞬止まる。シャルはその一瞬を見逃さなかった。

 

シャル

「今だ!」ガシャンッ!

 

するとシャルは右手側にあるものを起動させた。それは数日前に火影と協力して付けたもの。一見するとそれは…UFOキャッチャーにある四つ足のクレーンの様なものだった。

 

シャル

「グレイプニル、セット!」ジャキィィンッ!「いっけぇぇ!!」

 

ズドォォンッ!

 

シャルがグレイプニルと呼んだそれはクローショットのように飛び出し、真っすぐグリフォンに向かっていく。

 

ジャキィィンッ!

 

グリフォン

「!?」

 

それはグリフォンの脚をつかんだ。

 

 

「グレイプニル」

シャルロットが火影の協力を得てアーギュメントに取り付けたクレーンアーム。以前火影がカリーナのナイフを使った戦術を見て自身もやってみようと思ったシャルが火影やクロエの協力を得て作成した。先端がUFOキャッチャーのアームの様な形をしており、更に超強度ワイヤーロープによって遠く離れた相手を掴む事ができる。

 

 

シャル

「捕まえた!このまま一気に決める!」ドンッ!

 

シャルはクローを高速で回収、それと同時に近づきながらアーギュメントの攻撃を撃ち続ける。グリフォンもレーザーを撃とうとするがシャルの攻撃に防がれる。

 

ズドドドドドドドッ!

 

グリフォン

「グオォォォォォォッ!!」

シャル

「4…3…2…1…」

 

カウントしながらグリフォンとの距離を測り、

 

シャル

「…0!今だ!アーギュメント解除!」

 

接触直前にアーギュメントを解除した。そして解除の瞬間、

 

 

ドスッ!!

 

 

グリフォン

「!!」

 

シャルはグリフォンの腹部にあるものを突き刺した。それはパンドラの大型杭打機「グラトニー」であった。

 

シャル

「グラトニー!」

 

ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!……

 

連続で打ち込まれるグラトニーの杭がグリフォンの体内に徐々に侵入していく。

 

グリフォン

「グオオォォォォォ!!」

シャル

「貫けえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ズドォォォォン!!…ボガァァァァァァァァン!!

 

やがてグラトニーの杭がグリフォンの腹部を動力炉ごと貫いた。ダメージに耐え切れなくなったそれは先のグリフォンと同じように爆発、霧散するのであった。

 

シャル

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ、…や…やった。僕ひとりで倒せた!」

 

流石に疲れた様子を見せるシャル。だが彼女にとっては大きな自信に繋がった様である。

 

シャル

「……ううん違う。僕だけの力じゃない。パンドラと、そしてあの時の火影の言葉がなかったら…僕は勝てなかった……。火影が守ってくれたように、僕もこの力で皆を守る。僕の大切な人達を…!」

 

不安から一時は挫きかけたシャル。しかし今の彼女の心に迷いはなかった。

 

 

…………

 

その頃、箒とアンジェロ達との戦いも終盤に差し掛かっていた。箒の体力は更に消耗していたが自らの、そして束の言葉から伝わった気持ちが彼女を動かしていた。

 

箒

「はぁぁぁぁぁ!」

 

ギリギリ…バキィィィィンッ!!

 

Dアンジェロ

「!!」

 

激しい応酬の後、ついに箒の剣が敵の剣を斬った。いかに相手の剣が優れているといえど何れは消耗するもの。対して箒の剣は衝撃硬化の影響で無事だった。

 

箒

「刃こぼれとて己の恥と思え!覚悟ぉぉぉ!!」

Dアンジェロ

「!!」

 

ザシュッ!!……ドガァァァァン!!

 

箒の空裂が生み出した衝撃波の一閃がアンジェロの身体を断ち斬り、敵は大破した。

 

箒

「はぁ…はぁ…、よし!これであと…は!」

 

シュンッ!ガキィィンッ!……バキィィィンッ!

 

するともう片方のアンジェロが疲労していた箒の一瞬の隙を付き、箒の手元を狙って攻撃してきた。箒はそれを何とか剣で防いだがその勢いから雨月と空裂の両方を手放してしまった。

 

箒

「しまった!」

Dアンジェロ

「!」

 

一見無防備となった箒に再び襲い掛かるアンジェロ。

 

ガキィィンッ!

 

Dアンジェロ

「!」

箒

「…成程。姉さんの言う通り、確かにこのままでも戦える」

 

しかし攻撃は届かなかった。箒が硬化している両手で…真剣白刃取りをしたのである。

 

箒

「剣だけが私の戦いだと思うな!」

 

ドゴォォォッ!

 

Dアンジェロ

「!!」

 

アンジェロの脇腹に箒の蹴りが炸裂した。硬化の影響で威力が上昇しているらしく、剣から手を放して横に吹っ飛ぶ。

 

箒

「下品だがこれも戦術よ!」ドンッ!

 

箒は瞬時加速で追いかけながら右手にSEをチャージする。それと同時に銀色の手が輝く。

 

箒

「衝撃鋼化(ギルガメス)にはこういう使い方もある!」

Dアンジェロ

「!!」

箒

「砕け散れぇぇぇぇぇ!!」

 

ザンッ!!……ドガァァァァンッ!!

 

箒の力を込めた手刀がアンジェロの身体を横薙ぎに真っ二つにした。それによってアンジェロは跡形もなく大破した。

 

箒

「はぁ…はぁ…はぁ…、や…やった!」

 

同時に箒の紅椿の装甲も銀色からいつもの鮮やかな紅色に戻った。

 

箒

「以前スメリアにいた時…海之やラウラに僅かながら体術を教わっていたのが幸いだったな…。これからはそちらも訓練せねば…。……ああそういえば。……ありがとうございます。……姉さん」

 

箒は束に感謝した。…そんな箒のもとに、

 

鈴

「箒ー!」

 

鈴達がやって来た。あの後、新たな力を得た彼女達は他のアンジェロ達を全て撃破していた。

 

セシリア

「箒さん!ご無事ですか!」

箒

「あ、ああ大丈夫だ。かなり手こずったがな。そっちも何とかなったようだな」

簪

「うん。皆のデビルブレイカーがパワーアップしたの。それで何とかなったんだよ」

ラウラ

「確かに今までの敵よりも遥かに強かったな。ナイトメアが発動しなければ私達も危ないところだった」

シャル

「僕も結構危なかったんだけどね。パンドラの力を出し切って何とか全部倒せたよ」

鈴

「…けど箒のさっきの光、凄い光だったわね。あれって絢爛舞踏の光?」

箒

「!…う、うむ。まぁな…」

(いかんいかん!あんな恥ずかしい事を聞かれてたらなんと言ったらよいのかわからん!)

 

箒はきっと聞かれていないと安心している様子。すると、

 

鈴

「…あと箒、ちょっとアンタに言いたいんだけどさ?」

シャル

「あ、僕も」

ラウラ

「私もだな」

セシリア

「……」

箒

「なんだ?」

簪

「あ、あはは…」

 

その答えにセシリアは沈黙し、簪は何か答えにくそうだ。

 

鈴

「…アンタねぇ、告白するならもうちょっと小さい声でやりなさいよ」

箒

「……………………えっ!?」

 

瞬時に真っ赤になる箒。

 

箒

「き、聞こえてたのか…!?」

シャル

「聞こえてたのかどころか丸聞こえだったよ。一夏への想いが自分の強さの証だ!って。あれだけ大きな声なら聞こえるよ~♪」

ラウラ

「うむ、確かに大きな声だったな♪」

簪

「聞いてる私達も恥ずかしかったよね。あはは…」

セシリア

「ずるいですわ箒さん。一夏さんがいないとはいえ、あんなハッキリ仰るなんて…」

鈴

「まぁ必死だったんだろうけど一世一代の告白よねぇあれは♪私達より凄いわ~」

ラウラ

「あれをそのまま伝えればあの鈍感の塊みたいな一夏にも通じるんじゃないか?」

シャル

「あははは、確かに」

箒

「そそそ、そんな事できるわけないだろう!!」

セシリア

「では私が先に一夏さんにお伝え致しますわ!先ほどの様な言葉をお聞きしたらじっとしてはいられませんもの!」

箒

「そ、それはずるいぞセシリア!告白は一緒にという約束だった筈だ!」

鈴

「……こりゃ一夏大変ねぇ」

シャル

「楯無さんが聞いてなくてよかったね」

簪

「あ、あの…皆。今はそんな事話してる場合じゃないんじゃないかな?」

箒

「そ、そうだった!急いで学園に戻らねば!」

セシリア

「一夏さんが心配ですわ!」

ラウラ

「ああそうだな!」

 

皆は気を取り直して学園に急いで戻ろうとした。

……と、その時、

 

 

……ヴゥゥゥゥンッ!ドォォォォォォン!!

 

 

グリフォン

「グオォォォォォォォッ!!」ドギュ―――ンッ!!

 

 

突如発生した空間転移からグリフォンが出現した。更にそれと同時にレーザーが発射される。

 

箒

「な!?」

鈴

「グリフォン!?」

ラウラ

「簪!危ない!!」

簪

「!!」

 

レーザーは真っすぐ簪に向かっていた。全員あまりの突然の攻撃に対処できない。防御も回避も。このままでは間違いなく直撃を受ける。

 

 

……キィィィィィィィィィンッ!!

 

 

その時、簪の手の中にあるものが光始めるのだった…。




※次回は来週23日(土)の予定です。

読者の皆様、アンケートに沢山ご協力頂き、ありがとうございます。締め切りはとりあえず今月22日(金)とさせて頂こうと思います。宜しくお願い致します。
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