IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
しかしそんな彼等の元に再び転移が発生し、ひとりの男が現れた。男は自らをオーガスと名乗り、更に火影と海之を嘗てのふたりの名で呼ぶのであった。
驚くふたりを他所にオーガスは自らがアンジェロやファントム達を造った事。そしてDNSを造った事を明かす。オーガスは欲望や欺瞞が渦巻く今の世界を否定し、強者が生きて弱者が蹂躙される弱肉強食の世界こそ最もバランスが取れた世界であり、自然の摂理、平和な世界だと言い放つ。動揺し、否定したい箒や鈴達だったが自分達が予想だにしていなかった過去の真実を聞かされ、彼女達はおろか千冬も言い返すことができない…。
そんな中、火影と海之は世界がどうだろうと自分達には守るものがあり、それを壊す事は絶対に許さないと宣言。ふたりの言葉に勇気付けられた形で皆も自分達の意見をぶつける。正体を明かせと迫る火影と海之に対し、オーガスは自らの真の名を明かすのであった。その名は…。
オーガス
「我の名はオーガス・アクス。そして嘗てはこう呼ばれていた。………アルゴサクス…」
火影
「!! なん、だと!?」
海之
「!!」
その名を聞いた途端、火影と海之の顔に驚愕の表情が浮かんだ。
千冬
(アルゴサクス…だと!?確か前に火影が言っていた…!)
…………
それは以前、火影と海之が自分達の事について千冬達に打ち明けた時の事。ふたりが以前どのような人生を送ってきたのかを千冬や束達が揃って聞いていた間にこんな会話があった。
千冬
「デュマ―リの戦い?」
火影
「俺がある人から依頼されて解決した事件のひとつです。「自分達が住む土地を悪魔の巣窟に変えた人間がいる。その者を倒してくれないか?」ってね」
真耶
「あ、悪魔の巣窟って…人がですか!なんでそんな事を!?」
そう驚く真耶に対し、
束
「決まってるじゃん。悪魔の力を自分のもんにするためだよ。そういうバカの目的ってったらたいてい同じだよ」
束は軽い感じで返答した。自分も似たような人間を見たことがあるのだろう。
火影
「ええ。その人間は自身の財力で得た高度な科学力。そして悪魔の力を利用して世界の覇者になろうとしました。そのためにある強大な悪魔を呼び起こし、その力を自らに取り込もうとしたんです」
刀奈
「どこの世界にもそういう奴っていんのね」
火影
「更にその延長で人造の悪魔なんかの作成にも取り組んでましたからね」
クロエ
「!……人造の悪魔…」
その言葉を聞いてクロエは一瞬表情が強張る。人造と聞いておそらく自分やラウラがされた事を思い出したのだろう。すると海之が、
海之
「…クロエ、お前は人間だ。悪魔ではない」
クロエ
「…!…ありがとうございます。大丈夫です」
火影
「まぁ結果的にそいつの思惑は失敗。悪魔の力は人間にどうこうできるものじゃないですからね。最終的は俺と仲間でその悪魔もろとも処理しましたよ」
束
「流石ひーくん♪そういう奴の末路もたいてい同じだもんね~」
千冬
「で、そのある強大な悪魔とは…?」
すると火影はその名を呼んだ。
火影
「……「アルゴサクス」。魔界の覇王と恐れられ、俺とこいつの親父が封印した悪魔です…」
…………
千冬
(…確かにあの時に聞いた名前…。しかしアルゴサクスは火影がその手で殺したと言っていた。そして…ふたりの様にこの世界に転生してきたというのか!?)
オーガス
「……久しぶりだな。…ダンテ」
火影
「知ってる奴とは思ったが…まさかてめぇだったとはな…」
オーガス
「…そしてダンテの兄、バージル」
海之
「俺は貴様とは会ってはいないがな…」
オーガス
「そう言えば貴様はダンテとの戦いで敗れたのだったな…。しかもその後は…クククク」
海之
「………」…グッ
火影
「人の黒歴史に口出すのは悪趣味だぜ?もっとましな趣味持つのを勧めるね」
オーガス
「クククク…、ご忠告感謝しよう」
ダンテとバージル、そしてアルゴサクスの次元を超えた会話が展開される。
オーガス
「しかし…敵ながら貴様等と再会できたことは素直に嬉しいぞダンテ、そしてバージルよ」
鈴
「だからふたりは火影と海之って言ってるでしょ!」
シャル
「なんであの人、ふたりをダンテとバージルって呼ぶの…?」
ラウラ
「それも気になるが…奴は先ほど再会と言った。やはり海之達は過去に奴に会った事があるのか?」
簪
「…でもそれにしてはなんだか変な気がする…」
セシリア
「ええ。あの男がオーガスと名乗った時はそれほどでは……。ただ、アルゴサクス?そう名乗ってからおふたりの様子が…」
箒
(火影、海之…お前達は一体…?)
一夏
(ま、間違いねぇ。やっぱあん時火影と海之が言ってたのと同じだ…。ってことはふたりも知ってんのか…?)
千冬
「………」
皆が其々予想する中、火影達の会話が続く。
火影
「…てめぇにも「嬉しい」なんて感情あったんだな。あん時は全然喋らなかったからわからなかったぜ。一応聞くが…なんでてめぇがいやがる?」
オーガス
「…何故?それは貴様達が一番よくわかっている筈ではないのか?」
火影
「……」
海之
「……ではやはり貴様も」
その答えでふたりはオーガスが自分達と同じように死後、この世界に転生してきたのだと確信した様だ。
オーガス
「その通りだ…。嘗て我らがいた世界より千年以上も昔、奴と奴に味方した忌々しき人間共によって封じ込められ力を失った我は、長い時を経て愚かな人間の手によって復活を遂げたが……奴の息子であるダンテ、貴様に滅ぼされた…」
鈴
「…千年前?復活?…あいつ何言ってんの…?」
簪
「…わからない。まるでゲームやアニメみたいな台詞だけど…」
火影
「……ふっ、ああそうだったな。あん時のてめぇの醜い面は今でも覚えてるぜ?」
オーガス
「そして封印どころか肉体も力も何もかも消滅し、全てを失った我は人の子として別の世界であるこの世に生まれ落ちてきた。あれ程忌嫌っていた薄汚い人間等に。……ふっふっふっふ」
オーガスは笑っているがその口元は明らかに屈辱に歪んでいた。
箒
「…別の世界…だと?」
火影
「こっちにゃ何時生まれたんだ?」
オーガス
「この世界ではもう50年になる。最も我が我としての記憶を取り戻したのはまだほんの18年前だがね」
火影
「!…18年だと…?」
海之
(俺達がこの世に来た一年前に記憶を取り戻したという事か…?…何故…)
火影
「んじゃそれまでは自分の事も全部忘れてたってことか?」
オーガス
「そうだ…。この世に生を受けてから幼年期少年期青年期とひとりの人間としての生を送ってきた。その後、我が父であった人間の影響を受けて科学者となった。父は嘗てとある国お抱えの兵器開発者でね」
ラウラ
「それが貴様があのようなものが造れる理由か…!」
オーガス
「貴様達は知る由もないかもしれんが…篠ノ之束の学会にも出席していた…。暇つぶし程度と思っていたがなかなか面白かったのを覚えているぞ。…まさかこれ程までに世界を席巻する程まで成長するとは思わなかったがな。人間とは本当にわからないものよ。クククク…」
海之
「!」
火影
「あの場にいただと…!?」
ふたりは驚いた。幼かった自分達と両親がいたあの場所にオーガスがいた事に。
オーガス
「そして白騎士事件が起こり、世界がISを追い求めると父は歳と古い考えが災いして国から見捨てられた。順応が早い我と違ってな。父は我に救いを求めたが…目障りだった故始末してやったよ」
シャル
「な!?」
鈴
「アンタ、自分の父親を殺したっていうの!?」
セシリア
「…そんな…、実のお父様を…。どうしてそんな事…」
オーガス
「邪魔者はいかなる者であろうと消すだけだ。例え家族でもな。おかしくは無かろう?…なぁ、バージルよ」
海之
「!……」
オーガスは海之に問いかける。一瞬過去の自分を思い出す海之。
簪
「海之くんを貴方と一緒にしないで!!」
ラウラ
「その通りだ!海之は貴様とは違う!」
すると簪とラウラが海之に並んで庇う。
海之
「ふたり共…」
千冬
「海之、ふたりの言う通りだ。安心しろ」
海之
「先生…」
火影
「…俺達の事は何時知ったんだ?」
オーガス
「今年の夏の初め頃、傀儡共の強化につかえるかもしれんとハワイ沖で実験中だった新型のISを奪った時だ」
シャル
「…!それってシルバリオ・ゴスペルの事…?」
千冬
「では…ナターシャが聞いたという男の声というのも貴様の事か…!」
オーガス
「調査が完了すればどうでもよいと手放したのだが、ゴスペルの飛行経路のすぐ近くにあの篠ノ之束がいるという事を知った。捕獲のためアンジェロ達を向かわせたのだが…瞬く間に貴様等に全滅させられた。最初に気になりだしたのはその時だ」
鈴
「あ、あん時のもアンタの仕業だったのね!皆どんだけ焦ったかわかってんの!?」
オーガス
「だが当然俄かには信じられなかったがな。そこでより確実性を増すためにMやオータムにIS学園を襲撃させた。織斑一夏の打倒と白式に使われている白騎士のコアの入手という名目でな」
一夏
「!!」
箒
「い、一夏の白式に使われているコアが!」
セシリア
「白騎士のコアですって!?」
千冬
(白式がDNSで白騎士に変わったのはそのためだったのか…)
オーガス
「白騎士事件から数年後、解体された白騎士のコアを日本政府が篠ノ之束から買い上げたのだ。そしてそれを織斑一夏の白式に搭載した」
セシリア
「!? で、でも一夏さんがISを動かせる事がわかったのは今年の初めですわ!それまでずっと白騎士のコアを使わずにいたというんですの!?」
セシリアの言う通りISのコアは数が少ないこともあって世界中が追い求め、喉から手が出るほど欲しがる代物。そして国々はそれを手に入れると早速それをもとにISを設計・開発するのが常例である。いかに白騎士のコアとはいえ数年間も手を出さずに、まるで一夏の白式に合わせたかの様にしたのは不自然に見えるところである。
オーガス
「……話を戻そう。そして結果は知っての通り、貴様等はMやオータム、ファントムまでも簡単に退けた。疑念はますます高まった。そしてその後の同じく学園襲撃やキャノンボール・ファースト会場での一件。貴様達のまるで戦い方がわかっていたかの様な戦いを見て確信したのだ。貴様等が…嘗てのダンテとバージルであるとな。実に見事な戦いぶりだったぞ。IS学園への襲撃も、キャノンボール・ファーストの時も、そして先程の京都でも。オータムの行動は予想外だったがそんな事は大した問題ではない」
海之
「……!」
火影
「アレが…大した問題じゃねぇだと…!」
オーガス
「何を怒っている。貴様こそ目の前に蠅が飛んでいたらはたき落とすだろう?それと同じ事だ」
声こそ低いが火影と海之はオーガスに対して激しい怒りをぶつける。対してオーガスは本当になんとも思っていないという顔をしている。
海之
「……貴様…!」
火影
「…人間を経験した事でほんの少しは変わってるかと思ったが…とんだ期待外れだぜ。何も変わっちゃいねぇな…!」
オーガス
「ふっふっふ…、そうだな。時代を超え、世代を超え、更に次元を超えても我ら、そして我らの因縁は変わりはしない様だ。貴様等の父であり、憎き反逆者スパーダの因縁はな…!」
ラウラ
「…スパーダ…?」
鈴
「火影達の父親って…アンタ火影達の生まれの事知ってるの!?」
シャル
「それに…反逆者って、…どういう事なの火影…?」
簪
「………」
千冬
「その話は後だお前達。今はこいつを捕まえる事こそ先決だ!」
千冬がそういうと一夏以外の他の皆もISを展開する。
オーガス
「クククク…以前とは違って随分お仲間も増えたようだな?あの時の貴様ら、特にバージルからすれば考えられない事だ」
海之
「………」
火影
「こいつも成長したって事さ。てめぇも見習ったらどうだ?「魔界の覇王アルゴサクス」じゃなく「単なる人間のオーガスさん」よ?」
箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・簪
「「「…!?」」」
一夏
(…マカイ…!?)
オーガス
「単なる人間、か…。それは我の父だった様な人間か?それとも…先ほど言った貴様等の母親の様な者か?」
火影・海之
「「…!」」
ふたりは目を大きく開いた。
オーガス
「…エヴァ、という名だったな…貴様等の母は。知っているぞ?貴様達を守るために殺されたんだとな?…馬鹿な女だ。悪魔等愛し、貴様達を産みさえしなければ、その様な無残な死に方等せずに済んだろうにな。ハッハッハッハ…!」
火影・海之
「「…!!」」
(バージル、ダンテ。誕生日おめでとう!)
(私が戻らなかったら…逃げて。新しい人生を…始めるの…)
ドゥンッ!!
その時、海之がオーガスに向かって瞬時加速で斬りかかった。激しい怒りを含んだ目をして。
千冬
「海之!」
火影
「バージル!」
そして一気に閻魔刀がオーガスに振り降ろされた。……しかし、
ガキィィィィィィィンッ!
海之
「!…何!?」
海之の攻撃は通らなかった。オーガスの前に結界の様な、バリアの様なものが張られ、攻撃を遮っていたからだ。
箒
「! シールドだと!?」
シャル
「で、でもISも何も使ってないのに!」
ドクンッ!
更にその結界らしきものに反応する閻魔刀。
オーガス
「…ふん」…ドンッ!!
海之
「!ぐっ!」
オーガスが手をかざした瞬間、手のひらから目に見えない衝撃が飛び出し、それが海之に直撃した。身体が吹き飛ばされ、地面に激しく打ち付けられた。
ドゴォォォォォッ!
海之
「ぐあっ!」
簪
「海之くん!」
海之
「くっ…バカな…!今のは魔力の障壁…!」
簪
「大丈夫!?しっかりして!」
オーガス
「バージル…反逆者スパーダの長兄。人間とはいえ無様なものだな?完全な悪魔として生まれ直していればそれなりの骨を持つ者になれただろうに」
海之
「黙れ…!」
簪
「悪、魔…?」
千冬
「うおおおおおおおおっ!」ドンッ!
すると今度は千冬がレッド・クイーンで斬りかかるが、
ガキィィィィィィンッ!
オーガス
「邪魔だ…」ドンッ!
千冬
「ぐっ!」
やはりこれも結果は同じく食い止められ、、海之と同じ様に千冬の身体も衝撃波で飛ばされてしまう。
ドゴォォォォォォンッ!
千冬
「がはっ!!」
ラウラ
「教官!」
オーガス
「世界最強のブリュンヒルデか…。だが所詮はただの人間、脆弱な存在よ…」
千冬
「くっ…おの、れ…!」
一夏
「千冬…姉!…くっ!」
箒
「一夏無茶するな!」
ラウラ
「貴様ぁ!よくもぉ!」ジャキッ!ズドンッ!
ラウラは激高してレール砲を撃つ。
オーガス
「喚くな、虫が」
ヴゥゥゥゥンッ!……ボガァァァンッ!
オーガスの撃った目に見えない一撃がラウラのレール砲の砲弾を簡単に破壊した。
ラウラ
「な!?」
鈴
「砲弾が破壊された!?銃も持ってないのに!」
そしてそのままそれはラウラに迫る。
セシリア
「ラウラさん危ない!」
ヴゥン!!ドガァァァァァァンッ!!
オーガス
「…?」
海之
「くっ…」
オーガスの攻撃は海之の次元斬によってかき消された。だが今の傷だらけの海之にはその一撃も簡単では無かったらしく、息も乱れている。
ラウラ
「海之!」
海之
「ゼィ、ゼィ…」
簪
「海之くんお願い!無茶しないで!」
オーガス
「ほぉ…、そんな身体でも我が一撃をかき消すか」
火影
「ちっ!」ジャキッ!ドンッ!
今度は火影がすかさずエボニー&アイボリーを構え、至近距離で撃とうと接近する。
鈴・シャル
「「火影!」」
オーガス
「……」ドンッ!
火影
「!」
オーガスの手から再び衝撃波が放たれる。それをかわす火影。
ズドドドドドドドドドッ!
そして近くまで来て一気に連射する。しかし、
キキキキキキキキキンッ!
これも一発も当たらず、全て弾かれてしまう。
火影
「くっ!」ドォォォォォォンッ!「ぐあああ!」
その時火影の背中に襲いかかる衝撃があった。先程火影がかわした衝撃波が軌道を変え、再び襲いかかってきたのだ。
ドォォォォォンッ!
火影
「ぐぅあ!!」
不意打ちを受ける形となったため、ダメージも大きい。苦しむ火影に鈴とシャルロットが駆け寄る。
鈴
「火影!」
シャル
「しっかりして火影!」
火影
「ぐっ!くく…」
セシリア
「銃弾まで!ISを使ったわけでもないのに…どういう事ですの!?」
消耗しているとはいえ火影、海之、千冬の3強を簡単に払ってしまうオーガスに皆驚きを隠せない。
オーガス
「前世では苦汁を舐めさせられたが…魔力を失なった貴様等もはや大した意味は無いダンテ。この力の前にはな」
火影
「…く!」
鈴
「…前世…?」
シャル
「魔力…?」
オーガス
「ふむ…、貴様にも試してみようか」
ギュオォォォォォ……!
そう言うとオーガスはこれまでより大きいエネルギーを自らの真上に集め出す。
箒
「な、なんだあれは…!?」
火影
「くっ!!」ジャキッ!……ズドォォンッ!
すると火影はふらつきながらもカリーナに持ち替え、チャージしたビームをオーガスが生み出したエネルギーに向けて撃った。火影とオーガスのエネルギーがぶつかり、
ギュオォォォ………ドォォォォンッ!
少し拮抗した後に相殺された。だがその攻撃にもオーガスは無傷のままだった。
火影
「ハァ、ハァ…第2ラウンドだ…!」
オーガス
「ほぉ…、貴様もそんな状態でこれ程のエネルギーをかき消すか。ダンテ、そしてバージル。嘗ての様な力を失ったとはいえDISを圧倒する程の、更にこの力か。流石はスパーダの息子。…やはり貴様達だけは何としても排除する。憎きスパーダとの因縁を断ち切り、我らの大願を果たすためにな…」
海之
(…「我ら」だと…?)
オーガス
「…とはいえ、我も今は人の身。いろいろやらなければならない事もある故。感動の再会の挨拶も済ませた事だし、貴様達の排除は…新しい傀儡に任すとしよう」
火影
「…新しい傀儡だと…?また何か造りやがったのか?…今までもてめぇが造ったっつぅ奴らは、どいつもこいつも肩透かしだったぜ?てめぇが直接来いよ。かかってこい!」
火影は再び立ち上がり、戦おうとする。
鈴
「何を言ってんの火影!そんな身体で戦える訳ないでしょう!?」
シャル
「お願いだからやめてよ火影!」
するとオーガスの口元が大きく上向きに歪んだ。
オーガス
「今回は…………どうかな?」
ブゥゥゥゥゥゥゥンッ!!
オーガスはそう言って手をかざすと彼の前方足元に影の様な真っ暗闇の穴がふたつ出現した。
鈴
「な、何!?」
箒
「…影の…穴…?」
簪
「…なに…凄く寒気がする…」
…ドクンッ!!…ドクンッ!!
火影・海之
「「!」」
リベリオンと閻魔刀がその影に反応した。しかもこれまでのよりも大きな反応であった。
火影
(!…あの影に反応している!)
海之
(これは…今までよりも遥かに強い…!)
其々の剣の反応を黙って感じ取るふたり………とその時、
…ピッ!キュイィィィン…
火影
「え?……!!」
海之
「何!?」
ふたりは何かに気付いたらしく、酷く驚いていた。
ラウラ
「何か出てくるぞ!」
…グバァッ!
シャル
「!!な、何アレ…腕!?」
……グバァッ!
セシリア
「も、もうひとつの方からも出てきましたわ!」
ふたりの言う通り、それは腕であった。最初に片腕、次にもう片腕。そして両腕を支えにして影の穴から這い上がる様に何か出てくる。
箒
「…IS?……!!なに!?」
セシリア
「な!?」
鈴
「嘘でしょ!?」
シャル
「そ、そんな!?」
ラウラ
「ば、バカな!」
簪
「そんな…アレは…!」
一夏
「……!!」
千冬
「……なんだと!?」
火影・海之
「「!!」」
彼らの前に現れたもの、それは……、
黒いアリギエル・ウェルギエル
「「………」」
オーガス
「ククク、驚いてくれたかな…?」
火影と海之のIS、アリギエルとウェルギエルだった。しかしふたりのISと全く同じではない。ふたつの点が違っていた。ひとつは真っ黒。頭の先から脚の先まで一点の光も色も無い、漆黒のアリギエルとウェルギエルであった。そしてもうひとつは、
…ニヤァ…
それにはバイザーは無く顔があった。血の様に真っ赤に光る大きな目と、上向きの口角で笑うように裂けた大きな口があった。それはまさに狂気の表情であり、見る者をゾッとさせるものだった。やがてそれは怨念のごとき咆哮を上げた。
黒いアリギエル・ウェルギエル
「「オォォォォォォォォォォォォォォォ!!」」
シャル
「な…なんなの、…あのISは…!?」
簪
「…凄く…怖い…」
千冬
「なんて存在だ…いるだけで凄まじい黒い気を感じる…!」
セシリア
「で、でも…何故火影さん達のISとここまで…」
鈴
「…火影…?」
火影・海之
「「……」」
火影と海之は黙ってそれを見る。そして向こうもふたりを見ている様に思える。
オーガス
「さぁDIS・ドッペルゲンガーよ…。その身に宿した我らが積年の怨みを晴らしてくれ。奴らを倒し、そして貴様らが晴れて新たなダンテとバージルになるのだ…」
するとオーガスは転移を起動させる。
火影
「待て!」
オーガス
「昔の自分同士存分に戦うが良い。クククク…、ハッハッハッハッハッハ!!」
高笑いと共にオーガスは転移し、消えた。残ったのは黒いアリギエルとウェルギエル…、
黒いアリギエル・ウェルギエル
「「オォォォォォォォォォォォォォッ!!」」ドゥンッ!!
そしていきなりそれは襲いかかってきた!
※全国的に大雨による被害の、そしてコロナが多発しております。皆様くれぐれもお気をつけください。私も気を付けながら頑張ります。
※次回は18日(土)の予定です。
更にひとつお知らせがあります。次回の翌日19日(日)、以前アンケートさせていただいた今後のストーリー予告を1話分使って投稿します。あくまでもこのような台詞を使ってストーリー展開していくというものですが多少のネタバレを含んでいますので、アンケートでご希望された方のみ、よろしければご覧くださいませ。