IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
そんな中、悲しみがいまだ癒えない一夏や鈴達に驚愕の連絡が入る。それはあの黒いアリギエルとウェルギエルが復活した、というものだった。それを知った鈴や簪達は静止する千冬や真耶を振り切り、一夏を置いて出撃してしまうのだった。現場に到着するやいなや、鈴達は黒いそれを引き連れたオーガスを問い詰めるがオーガスは虫けらと話すことはないと相手せず、火影と海之が死んだという現実を突きつけると笑いながら立ち去ってしまう。
残されたのは黒いアリギエルとウェルギエルのみ。鈴達は火影と海之の装備を笑いながら粉々に打ち砕いた二体に怒りを放つのであった…。
バキィィィィィィィィン!!
黒いアリギエルとウェルギエルは笑いながら「イフリート」の片腕と折れた「閻魔刀」を握りつぶし、打ち砕いた。
Dアリギエル
「アイツラシンダ!ケケケケケ!」
Dウェルギエル
「バラバラナッタ!カカカカカ!」
鈴
「…アンタ達ぃぃぃぃぃ!」
簪
「絶対に許さない!」
クロエ
「兄さん達の仇!」
心に怒りの火を灯し、皆は其々武器を構える。
楯無
「皆!攻撃を集中させて!」
セシリア
「はい!」
ラウラ
「おぉぉぉぉぉぉぉ!」
ズギュ――――ンッ!
ズドドドドドドドッ!
ビュビュビュビュン!
それぞれが一斉に自分の射撃兵装を最大出力で二体のISに向けて撃った。
ドガガガァァァァァァァァァン!!
それらは互いにぶつかり、凄まじい爆発と衝撃波を引き起こす。
箒
「やったか!?」
楯無
「……!皆、上よ!」
楯無の指示で一斉に上に目をやる。
Dアリギエル
「ケケケケケケ!」
Dウェルギエル
「カカカカカカ!」
すると笑いながらこちらを見下している様に宙で佇む二体がいた。
セシリア
「あ、あんな一瞬であんなところまで…!」
楯無
「なんてスピードなの…。火影くんや海之くんと互角ね」
Dアリギエル
「ケケケ!アタリマエダ!ダンテハオレナンダカラナ!」
Dウェルギエル
「アイツラシンダ!イマハオレガバージルダ!」
クロエ
「お黙りなさい!おふたりには火影と海之という立派な名前があります!」
ラウラ
「貴様らが海之と火影など、私達は断じて認めん!」
Dアリギエル
「カカカカ!ビビッテタクセ二!」
Dウェルギエル
「オビエテナニモデキナカッタクセニ!」
鈴
「……確かにひと月前、私達はアンタ達の事が怖かった。アンタ達の殺気におびえて向かっていく事もできなかった。でも今は違う!」
シャル
「お前達への怒りが、そして僕達のふたりへの想いがお前達への恐怖を吹き飛ばした!」
箒
「もう私達はお前達を怖くはない!あの時と同じと思うなよ!」
皆もそれに続いて同意する。しかしそんな彼女達に敵は更に挑発をかける。
Dアリギエル
「オコッテル!オコッテルヨコイツラ!」
Dウェルギエル
「キナ!ツギハヨケナイデヤルカラヨ!」
ラウラ
「その言葉!後悔するなよ!」ドンッ!
鈴
「そのうすら笑いを出来ないようにしてやるわ!」ドンッ!
楯無
「ふたり共待ちなさい!」
だが楯無の静止を振り切って鈴とラウラが怒りのままに双天牙月とビーム手刀で斬りかかる。相手は言った通り動こうとしない。
鈴・ラウラ
「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」スカッ「「!?」」
そして斬った瞬間、ふたりは目を大きく見張った。目の前の敵は間違いなく斬った筈だ。しかし手ごたえが全く無かった。まるで空を斬ったかの様に。だがその無の手ごたえにふたりは覚えがあった。
ラウラ
「これは…海之の残影!?」ジャキッ!!「「!!」」
ふたりのすぐ後ろに銃を構える敵がいた。やはりこれもコヨーテ、そしてブルーローズを模したものである。その動きの速さに咄嗟に応戦できないふたり。
鈴
「嘘でしょ!火影のエアトリック!?」
Dアリギエル・ウェルギエル
「「マズニヒキ」」ズドドドドドドド!!「「!」」
しかしその時他の皆からの援護射撃が入った。それによって鈴とラウラから二体を遠ざける。
シャル
「鈴!ラウラ!」
簪
「ふたり共大丈夫?」
鈴
「え、ええ。ありがとう皆」
クロエ
「ご無事でよかったです」
楯無
「ふたり共!怒りに任せて無暗やたらに突っ込むのはやめなさい!相手の思うつぼよ!」
ラウラ
「す、すいません…」
箒
「しかしまさか火影と海之の技まで使えるとはな!」
セシリア
「それにしても惜しかったですわ!もう少しでしたのに!」
皆は今の攻撃が当たらなかったのを悔しがるが、
Dアリギエル
「オ~シ~イ~?カカカ!ワラワセルゼコイツラ!」
Dウェルギエル
「アンナマメデッポウデテゴタエヲカンジルトハナ!」
箒
「なんだと!」
Dアリギエル
「ナラモウイチドウッテミナ!コンドモヨケネェカラヨ!」
Dウェルギエル
「ホラホラホラホラホ~ラ~!」
敵はふざけた調子を崩さずに挑発する。
ラウラ
「…調子に乗るなよ貴様ら!」
シャル
「皆!もう一度行くよ!」
鈴
「言われなくても!」
そして皆はもう一度攻撃を仕掛けた。荷電粒子砲や機関砲、レール砲にデビルブレイカーも使い、先程以上の攻撃で。
ドガガガガガァァァァァァァン!!
攻撃を集中させ、それによって起こる先程よりも大きい爆発と衝撃、そして煙。今度は先程以上にあたるかどうか凝視していたから間違いなく当たった筈ように見受けられる。
簪
「今度はどう?当たった?」
クロエ
「レーダーに異常はありません。当たったと思いますが…」
セシリア
「……!み、皆さん!」
何かに気付くセシリア。すると、
…バシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!
目の前の煙がまるで突風の様な風で払われた。
全員
「「「!!」」」
Dアリギエル・ウェルギエル
「「………」」
そして払われた煙の中にいたのはシールドを展開し、無傷のままのDアリギエルとウェルギエルだった。
箒
「! む、無傷だと!」
Dアリギエル
「イッタトオリ、ヨケナイデヤッタゾ!カカカカ!」
簪
「そんな…、あれだけの攻撃を真面に受けたのに…」
鈴
「シールドがあるなんて聞いてないわよ!てかどんだけ強力なシールドなのよ!」
Dウェルギエル
「キカレナカッタカラナァ~、ケケケ!」
楯無
「あの頑丈さ…クリア・パッションでも無理かもしれないわ。余計に厄介ね…」
皆呆然として言葉が無い。
Dアリギエル
「カカカ!イバッテルワリニャクチホドモネェ!」
Dウェルギエル
「オレタチガヤルマデモナイナ!」
……ヴゥヴゥヴゥヴゥン!!
すると突如、敵の身体から浮かび上がるように何かが飛び出してきた。
簪
「な、何!?影が飛び出してきた!」
楯無
「…いいえ影じゃないわ。あれは…!」
よく見るとそれは…敵の姿にそっくりな姿のものであった。漆黒の姿に顔も同じ。Dアリギエルとウェルギエルから其々二体ずつ出現し、合計6機に増える。
分身体
「「「ケケケケケ!」」」
ラウラ
「か、数が増えた!?…いや分身体か!」
セシリア
「以前海之さんの分身体と戦った事がありますが…まさか同じ事ができるんですの!」
シャル
「で、でも火影は分身は使えない筈じゃ…!」
楯無
「多分強化されているんでしょうね。あれはオーガスが造ったものだから十分考えられるわ」
Dアリギエル
「カカカ!サァイキナ!」
Dウェルギエル
「セイゼイアソデンヤレ!ケケケ!」
ドドドドン!!
その命令と共に笑い声を上げながら分身体と思われるものが4体一気に向かってくる。
分身体
「「「カカカカカ!」」」
楯無
「考えてる暇はないわ!来るわよ!皆連携を組んで必ず二人以上で対応して!絶対にバラバラになっちゃ駄目よ!」
クロエ
「了解です!」
箒
「アリギエルとウェルギエルの分身、だが分身ごときに負ける訳にはいかん!」
鈴
「アンタ達には用はないのよ!」
…………
???
その頃、戻ってきたオーガスはDアリギエル達から送信される映像で状況を把握していた。
オーガス
「クククク…、奴等め遊んでいるな」
スコール
「熱量も質量もある分身機能だなんてね…。あれが貴方が付けた能力?」
オーガス
「馬鹿な。あんなものはバージルの能力の粗悪品に過ぎん。ダンテに付けてやったのはついでだ」
どうやらオーガスはDアリギエルとウェルギエルに何かを追加した様である。
スコール
「……ねぇ、前にも言ってたけどそのダンテとバージルって一体何者?あの子達は火影と海之じゃないの?」
オーガス
「お前の知る事ではない。……まぁひとつだけ教えてやるか。……次元を超えた因縁、とでも言っておこうか…」
スコール
「……因縁?」
オーガス
「気にするな。もう過去の事だ」
スコール
「…そ。……そういえばあの織斑一夏はいないわね。絶対来ると思ったけど」
オーガス
「戦いに恐怖したか、あるいはDNSが組み込まれたIS等もう使いたくない、のか。…まぁ私にとっては奴等どうでもいい。所詮奴は実験台に過ぎん。馬鹿共のな」
スコール
「……?」
そう言いながらオーガスは目の前のモニターに目を再び向ける。
オーガス
「しかし分身ごときにここまで翻弄されるとは……買い被り過ぎたか。もう少し楽しませてもらえると思っていたのだが…、これでは試す必要すらないかもしれんな…」
…………
場所は再び戻り、箒達は敵との戦闘を続けていた。相手は4体、自分達は8人。ふたり一組となって互いの背中を守りながら戦っていた。しかし、
分身体
「「「ケケケケ(カカカカ)!」」」
ラウラ
「くそっ、強い!数では倍なのに全く余裕が持てん!」
シャル
「分身体だからなのか武器は剣と銃だけと簡単だけど…それでもなんてパワーやスピードなんだ!」
分身体とはいえアリギエルとウェルギエルのそれの力は伊達でなく、箒達は決定的なダメージを与えられず苦戦を強いられていた。そして今8人は4体の敵に包囲される形で陣を敷いている。そこから少し離れた所で本体である敵はその様子を余裕ある笑みを浮かべながら眺めていた。
Dアリギエル
「ケケケケ!セイゼイアソンデヤッテクレヤ!」
鈴
「随分高みの見物してくれんじゃないの!」
Dウェルギエル
「ソイツラハオレラノ3ワリテイドダ。カンタンニコロサレテヤルナヨ?」
箒
「これで3割だと!?」
セシリア
「以前海之さんの分身と一対一で戦いましたが…その時ですらやっと勝てた程ですのに…」
クロエ
「やはり…これは兄さん達のコピー、という事でしょうか…」
簪
「どうしよう…、このままじゃ例えこいつらを倒してもあいつらと戦うだけの力が…」
簪の言う通りまだ敵の本体が残っている。それと戦うためのSEと体力を温存させなければならないが目の前の分身体でさえ油断すればこちらがやられる可能性が高かった。かと言ってこいつらを無視して本体に向かう事は難しいし両方を相手にすればますます勝ち目は無くなるだろう。
Dアリギエル
「ホラホラ~、ハヤクソイツラヤッツケテカカッテコイヨ~」
Dウェルギエル
「タイクツデシニソウナンダヨ~」
どうしようか迷っているとここで楯無が小声で声をかける。
楯無
(……皆いい?よく聞きなさい。このままじゃ消耗するばかりだわ。…こいつらは私が引き受ける。その間に皆は奴らを撃ちなさい!)
箒
(な、なんですって!?)
簪
(そんな…!無茶だよお姉ちゃん!)
楯無
(奴らの目的は私達の力を消耗させる事よ。そしてクタクタになったところをいたぶる様にして倒す。そういう奴らだわ)
シャル
(! そんなの…そんな卑怯な戦い、火影や海之はしない!やっぱりアレはふたりじゃない!)
楯無
(だからそうなる前に、余力がある内に奴等を倒さなきゃならない。でもこいつらを無視してあいつらに挑むのは無理だわ。だからこいつらは私に任せて!)
セシリア
(で、でも幾ら楯無さんとはいえ無茶ですわ!)
楯無
(あら、現役ロシア代表を舐めんじゃないわよ♪何より奴らを一番倒したいのは皆の方じゃない、違う?)
楯無は皆の気持ちを読み取っていた。それを汲んでの行動だった。
楯無
(それにもうすぐ織斑先生も来てくださるわ。だから…皆は迷い無く挑みなさい!)
鈴
(…はい!)
クロエ
(楯無さん、私もお手伝いします)
楯無
(大丈夫よクロエちゃん、貴女も)
クロエ
(いえ、誰かが楯無さんの背中を守らなければなりませんし、それに私の蝸牛があれば助けになる筈です)
ラウラ
(クロエさん!)
クロエ
(ラウラ…任せますよ?)
ラウラ
(!…はい!承知しました!)
楯無
(…ありがとうクロエちゃん)
簪
(クロエさん…お姉ちゃんをお願いします)
クロエ
(もちろんです。皆さん…兄さん達の仇を撃ってください!)
箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・簪
(((ええ(ああ)!))
楯無
「じゃあ行くわよ!」
クロエ
「はい!」
ドンッ!!
楯無とクロエは瞬時加速で分身体の一体に向かっていく。そして
楯無
「クロエちゃん!」
クロエ
「蝸牛…起動!」…ヴゥン!!
目掛けたその一体に向けてクロエは自らの単一特殊能力「蝸牛」を起動させた。
分身体1
「…!?!?」
対象となった分身体は何が起こったのかわからない感じがしている。
ガシンッ!
蝸牛の影響で動きが鈍くなったそれを楯無のバスターアームが捕獲する。
分身体1
「ガッ!?」
楯無
「バスターアームのパワーを受けて見なさい!」
楯無は敵の一体をバスターアームで掴みながら振り回し、
楯無
「吹っ飛べぇぇぇぇ!」ブゥンッ!!
それを楯無は近くの別の分身体目掛けて投擲した。
ドガァンッ!
分身体1・2
「「グゥゥゥゥ!」」
楯無
「今よ皆!!」
箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・簪
「「「はい!!」」」
ドンッ!!!
楯無のその合図で彼女とクロエ以外の全員が包囲網の隙間からDアリギエルとウェルギエルに最大加速の瞬時加速で向かっていく。それに気付いた敵も追いかけようとするがその前にふたりが立ちはだかる。
クロエ
「ここから先は絶対に行かせません!」
楯無
「女の覚悟を邪魔すんじゃないわよ!通りたきゃ私達を倒してからにしなさい!」
楯無とクロエはそう言い放ち、分身体達に向かっていくのだった…。
※次回は29日(土)の予定です。
今回は短めですいません。前哨戦という感じですね。次回より本戦です。
最近本当に暑いですね…。先月まで雨続きでしたから余計に感じます。重ねて皆様、熱中症には十分お気をつけください。