IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
他にも一夏の幼馴染であり、束の妹と思われる箒という少女。
話していると思わずこちらも気が緩んでしまうのほほんさんこと本音。
イギリスの代表候補生であるやや高飛車な少女、セシリア。
転校一日目からいきなり波乱の予感を感じる火影と海之であった。
学校一日目。授業は4限目が終わる頃に差し掛かっていた。
初日かつ1限目から失敗してしまった一夏は3限4限目も山田から質問を当てられたが、火影と海之から次の時間のポイントを先に教わっていたため、たどたどしくも何とか返答する事もでき、授業は問題なく進んでいた。
キーンコーンカーンコーン
そして4限目の授業が終了した。この日は入学一日目と言う事もあり、授業は4限目で終わる予定だ。すると…、
千冬
「…では本日の授業はここまで!明日からはこの程度ではすまないからそのつもりでいるように!それと本日は最後にこのクラスの代表を決めようと思う。自薦推薦は問わん。誰かいるか?」
クラス代表とは今後のクラス対抗戦等に出場する、文字通りクラスの代表者である。
女子1
「織斑先生!私は織斑君を推薦します!」
一夏
「げっ!俺!?」
女子2
「私は火影くんが良いです!
火影
「おいおいマジかよ…」
女子3
「海之くんならクラスを冷静に引っ張ってくれると思います!」
海之
「…ハア」
他の生徒も立て続けに一夏、火影、海之を推薦していく。
千
「今のところ織斑とエヴァンス兄弟か…。他に誰もいないなら…」
そんな時、
セシリア
「それは納得できませんわ!!」
「「!?」」
突然セシリアが声を出して否定しだした。
セシリア
「この誇り高きイギリス代表候補生の私を差し置いて男が代表なんてふざけるにも程がありますわ!この様な文化レベルも低い後進国で3年も過ごさなければならない事にさえ耐えがたい屈辱ですのに、更に私に屈辱を味わえというのですか?そんな事納得できる訳ありませんわ!」
一夏はその言葉に少し腹がたった思いがした。一方火影と海之は相手にしていない感じだ。
千冬
「しかしオルコット。これはクラスの全員で決めることだ。お前ひとりの意思で決める事ではない」
セシリア
「ならば私は自分を自薦しますわ!この私に勝る代表なんてこのクラスにいるわけ無いのですから!ましてや男性になどこの国のどこにも!」
一夏は我慢できなくなった表情でセシリアにもの申そうとしたが、その前に火影と海之が冷静に意見する。
火影
「…そういうイギリスには何か誇れるものがあるか?いっちゃ悪いが食べ物に関して言えばイギリスよりこの日本の食い物の方が比べ様にならない位ウマいものが多いけどな」
セシリア
「なっ!?あなた私の祖国を侮辱致しますの!?」
海之
「それに関してはこちらもそのまま返させてもらう。今あんたは自分の祖国を馬鹿にされて怒っている。それは先ほどあんたに日本を馬鹿にされたこの場にいる日本人全員も同じ気持ちだ。自分だけが被害者面するのは違う。こちらに謝罪を求めるなら先に日本を侮辱したあんたがこの場にいる日本人全員に謝罪すべきだ」
セシリア
「!…だ、誰が日本人なんかに…!」
海之
「では聞くが、ISの生みの親である篠ノ之束。そしてブリュンヒルデである織斑先生。そして男でありながら世界で初めてISを動かしたこの一夏。これらはあんたからして低俗な日本人か?俺たちからしたら彼らの気持ちを考えずにそんな風に罵詈雑言を浴びせるあんたの方がよほど低俗だと思うがな」
セシリア
「!!」
火影
「それにこれに関しては俺(本気)もかなり怒っている。俺達の母さんは日本人だ。本当の親ではないけどな。その母さんが愛した日本を、そして日本人である母さんをあんたは今馬鹿にしている。それだけは許せない」
ふたりの言葉に他のクラスメートは何も言えなくなっていた。
そしてやがてセシリアが、
セシリア
「け、決闘ですわ!!そこまで言うなら私より優れていることを証明していただきたいですわ!!もし私に勝てば身を引いてさしあげますし、皆さんに謝罪も致しましょう!でも私が勝てばあなた達には私の召使いになってもらいます!それで文句はございませんでしょう!?」
雰囲気に耐えられなくなったのか、セシリアは三人に決闘を申し出た。
するとこれに対して一夏が、
一夏
「…いいぜ。わかりやすいやり方でちょうど良い!受けて立つぜ!」
火影と海之はどうするか考えているとそこに千冬が入ってきた。
千冬
「織斑、オルコットの相手はお前がしろ。エヴァンス兄弟は出なくて良い。今のオルコットにはお前達と戦う意味も無いからな」
セシリア
「な、織斑先生!それはどういう意味ですの?」
セシリアは千冬に訪ねた。自分を責めた張本人と戦うことができないとは。
千冬
「この際だからはっきり言っておこう。お前達、2ヶ月前にあった旅客機墜落未遂事故は覚えているか?」
セシリア
「もちろんですわ。あれには私の祖国の議員も乗っておりましたから」
一夏
「ああ俺も覚えてるよ。赤色と青色の光に助けられたってゆう。でも千冬姉、それがどうかしたのか?」
他の生徒も同意見なようだ。
千冬
「織斑先生だ!…まあいい。旅客機墜落を阻止したのは赤色と青色の光となっているが、その光とはISの事。そしてそのISとは……ここにいるエヴァンス兄弟だ」
…………っえ?
千冬・火影・海之以外の全員
「えーーーーーーーーーーーーーー!!」
一夏
「そ、それは本当なのか!?ち、いや織斑先生!!」
箒
「ま、まさかこのふたりが!?」
セシリア
「あの飛行機を救った光、いやIS…!?」
千冬
「ああ。確かな情報だ」
クラス全員驚きを隠せない様だ。それはそうだろう。あの墜落を防いだ英雄がまさかこんな少年で、しかもこんな近くくにいたとは。
千冬
「これでわかっただろう、オルコット。今のお前にはこの兄弟と戦う意味も資格もない。お前にできるか?自分の命が危ないとわかっていながらも全く関係ない人間を救うために、自分の身を盾にして旅客機を救ったこいつらと同じような事が」
セシリア
「…」
セシリアは何も言えなかった。火影と海之は自分よりも何もかもが違いすぎる。はるかに強い。心も身体も。それを如実に感じ取ったからだ。
千冬
「よって今回は織斑とオルコットの一騎打ちとする。ああそれからエヴァンス兄弟。お前達には織斑とオルコットの試合の後、悪いが兄弟同士で試合をしてもらう。
火影・海之
「「え?」」
千冬
「お前たちは確かに優れた操縦者なのかもしれんが、我々はまだお前達のISも能力も見ていない。ここらで一度ちゃんと確認しておきたいからな」
火影
「まあそう言う事なら大丈夫ですよ」
海之
「…俺も問題ありません」
千冬
「決まったな。では一週間後、織斑とオルコットでクラス代表の決定試合。その後エヴァンス兄弟で模擬戦を行う。では解散!」
そしてHRは終了した。随分時間はかかったが一週間後、
織斑一夏VSセシリア・オルコット
火影VS海之
試合を行う事が決定した。
決闘を行う事になった一夏とセシリア。
はたしてどうなるか!?