IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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DNSによって変化した一夏の新たな白式、白式・駆黎弩。それによって果敢に攻めたてる一夏とDウェルギエルと一対一で戦う千冬。しかしそれでもDIS・ドッペルゲンガー達の恐るべきパワーを倒しきるには至らない。紅椿の絢爛舞踏によって復活した箒や鈴達が一夏と千冬に代わり、怒涛の攻撃を仕掛けるがそれでも歯が立たない。
……しかしそれは敵のエアトリックや残影が使えなくなるまでSEを少なくなる事を狙ったものであり、最後に一夏と千冬による零落白夜を当てる作戦だった。丁度のタイミングでトムボーイ・トムガールのナイトメアモードも起動し、箒達が抑えている敵に一夏と千冬は零落白夜を仕掛ける。

……しかしそんな状況でもオーガスの笑みは止まらず、逆にこう言った。

「お楽しみはこれからだ。……どちらがどうなるかな?」


Mission162 火の如く力を求めし獣の誕生

箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・簪・楯無・クロエ

「「「いっけぇぇぇぇ!!」」」

千冬

「零落!」

一夏

「白夜ぁぁぁ!!」

Dアリギエル・ウェルギエル

「「!!」」

 

ズバァァ!!…カッ!!!

 

Dアリギエルに一夏の雪片が、Dウェルギエルに千冬のレッド・クイーンが突き刺さった。そしてその瞬間零落白夜の光が一際強くなった。

 

Dアリギエル・ウェルギエル

「「グオォォォォォォォォ!!」」

 

零落白夜のエネルギーは確実にDアリギエル達のSEを奪う。

 

楯無

「皆離れるわよ!」

一夏・千冬

「「おおおおおおおおお!!」」

 

…ズドォォンッ!!

 

そしてふたりの剣が敵の身体を貫いた。

 

Dアリギエル

「ガ、ガガガガガ…」

Dウェルギエル

「ギ、ギギギギギ…」

 

まだ生きてはいるものの零落白夜によるSEへのダメージは大きいものであった。

 

一夏

「くっ!まだ生きてる!SEが足りなかったのか!?」

千冬

「だがかなり弱っている!今だ!全員一斉に攻撃しろ!」

「はい!」

ラウラ

「うおおおおおお!」

 

ズドドドドドドド!!

ズギュ―ン!ズギューン!

ビュビュビュビュンッ!!

ズドン!ズドン!

 

ビームやレール砲、ビットや衝撃砲等、多くの攻撃が一斉に動けなくなっているDアリギエル・ウェルギエルに向かう。

 

 

ドガァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

 

それらの攻撃が重なり合い、凄まじい爆発と爆煙を起こした。その全ての攻撃がかわされることなく間違いなく当たった筈。相手はシールドも戦闘で故障していた。あの状態では今の攻撃でとても助からないだろう…。

 

「…やった…やったぞ!」

セシリア

「遂に、遂にやったんですのね!」

シャル

「僕達の勝ちだ!」

ラウラ

「ああ皆の勝利だ!」

クロエ

「あのアリギエルとウェルギエルを…倒したんですね!」

「海之くん、火影くん。私達で勝ったよ…!」

 

皆が喜びの声を上げる。

 

楯無

「一夏くん、先生、大丈夫ですか?」

千冬

「余計な心配は不要だ。まだ残しているさ」

一夏

「俺も大丈夫です…。ただちょっと動きが悪いですけど」

セシリア

「お怪我でもしたんですの!?」

「いやセシリア、そうじゃない。多分これは…トムボーイの影響だと思う。私も同じだからな」

「箒もという事は…トムガール?」

「ああ実はさっきトムガールの光が出た時に姉さんの録音が聞こえたんだが…」

 

 

…………

 

(トムボーイとトムガールのナイトメアモードは鈴ちゃんやラウちゃんやセっちゃんの様な新たな形態になる事は無いんだ~、ごめりんこ♪でも能力は凄いよ!これを使うと通常時の最大出力よりな~んとなんと6倍にまで跳ね上がるんだ!持続時間も66秒と、一分以上もサービスしといたよ!もってけドロボー!…最もこれだけ急激なパワーアップをするからちょっと反動もあるんだけどね~。制限時間を過ぎるとパワーが一気に急落!半分にまでダダ下がりしちゃうんだよね~。しかも30分も。美味しい話には必ず裏があるって訳じゃないんだけどいっくんと箒ちゃんを守るために無茶したらこうなってしまったのだ~。ごめんたいこ~♪)

 

 

…………

 

「…という訳です」

一夏

「洒落はともかくそんな副作用があんのか~?俺の方には聞こえなかったからわからなかったよ」

「6倍が66秒、その後半分が30分か…。使い時を間違えれば逆に危険だね」

楯無

「それにしてもよく同じタイミングで起動したものね?」

「私達と同じくふたりも同じタイミングで渡されましたから。偶然重なったんじゃないですか?」

セシリア

「そうかもしれませんわね」

「う、うん…」

 

 

…………

 

(因みになんだけどトムボーイとトムガールの(ナイトメア)モードはどっちかが起動するともうひとつの方も自動的に起動する様に設定しといたよ♪健やかなるときも病める時も力を合わせて一緒に、って感じだね~、あははは♪ああそれからこの通信は愛しき箒ちゃんの方しか聞こえない様にも設定しといたから安心してね♪)

 

 

…………

 

クロエ

「箒さん?どうしました?」

シャル

「何か顔が赤いよ?」

「へ?な、なんでもない!」

 

一大戦争が終わった事で皆がそんなやりとりをしながらほっとしていたその時、

 

~~~~~~!

 

千冬

「…!お前達!センサーに注目しろ!!」

全員

「「「!!」」」

 

千冬のその言葉で皆の全員の緊張が復活する。

 

ラウラ

「こ、これは!」

「煙の中に…反応!?」

クロエ

「しかもふたつだけじゃありません!」

一夏

「マジかよ!一体何が!」

 

全員が少しずつ晴れ行く煙…正確にはDアリギエルとウェルギエルに注目する。すると…、

 

全員

「「「!!」」」

Sアンジェロ

「「「………」」」

 

そこには傷つき、瀕死の状態のDアリギエルとウェルギエルを守るように5体のスクードアンジェロがいた。先ほどの攻撃は奴らによって受け止められていた。

 

一夏

「あ、あいつは!」

「あの時の盾のアンジェロだと!?」

セシリア

「そんな!いつの間に!」

ラウラ

「まさか…今の一瞬で転移してきたのか!」

楯無

「考えられるわね…私達も京都から戻ってくる時に敵の転移が突然現れたわ。多分オーガスは場所に関わらず転移させる事ができるのよ!」

「そんな…」

「でもあいつらは前に倒したことがあるわ!今の私達なら!」

 

ズガガガッ!!…ドガアァァァァァンッ!!!

 

全員

「「「!!」」」

 

その時、Sアンジェロ達が全て爆発した。

 

クロエ

「えっ!?」

セシリア

「い、いきなり爆発しましたわ!」

Dアリギエル

「オォォォォォ…」

Dウェルギエル

「……」

 

その後ろにはリベリオンと閻魔刀を持ったDアリギエル・ウェルギエルがいた。状況から察するにSアンジェロ達を破壊したのは彼らの様だ。

 

シャル

「なっ!」

「あいつら…自分を守った仲間を!」

Dアリギエル

「オォォメェェラァァァァァ…」

「なんて奴らだ…!あれだけの攻撃を喰らってまだ!」

Dアリギエル

「コオォロォシィィテェェヤルゥゥゥ…」

Dウェルギエル

「ハァァァ…ハァァァ…」

 

だが敵の言葉には先ほどの様な覇気はまるでない。零落白夜と砲撃によるダメージは間違いなく効いている様である。

 

楯無

「確かに驚いたけど…でも今のあいつらは戦う力は殆ど無いわ!今なら倒せるかもしれない!」

クロエ

「なら逃げられる前に倒さないと!」

一夏

「しぶとい奴らだ!今度こそ!」

千冬

「一夏!篠ノ之!お前達は無理だ!下がっていろ!」

「あとは私達でやるから!」

Dアリギエル

「ナメルナヨォォ…、テメェェラナンゾォォォォ…イマノママデジュウブンダァァァ…」

「アンタ達のその声は聞き飽きたわ!」

シャル

「今度こそ!今度こそ終わらせる!」

 

鈴達は再び前に出る。…するとその時、

 

 

Dウェルギエル

「……ソウ、サイゴダ。……キサマガ、ナ」

 

 

ドシュゥゥゥゥッ!!

 

 

Dアリギエル

「グギャアアアアアアアアアアア!!」

 

 

全員

「「「!!!」」」

 

Dその場にいる全員が言葉を目を見開き、言葉を失う。Dウェルギエルが突然、Dアリギエルの身体をその手で貫いた。絶叫を上げるDアリギエル。

 

「なっ!!」

ラウラ

「仲間を貫いただと!?」

クロエ

「何故!?どうしてそんな事!」

Dアリギエル

「ギャアアアアアアアアアア!!」

シャル

「ひっ!」

「嫌だ…聞きたくない!見たくない!」

 

その凄まじい絶叫に耳や目を塞ぐシャルや簪。そんな彼女達を横にDウェルギエルはDアリギエルを貫いた腕を更に深める。

 

ドシュゥッ!!

 

Dアリギエル

「グアアアアアアアアアアア!!」

Dウェルギエル

「シンパイ…スルナ…。モウスグ…オワル…」

セシリア

「何を…何をやっているんですの!仲間じゃありませんの!?」

 

だがそんな言葉も聞こえていないのか、Dウェルギエルは意味不明な言葉を続ける。

 

Dウェルギエル

「…イソガ、ネバ、……キエル、マエ、二…」

一夏

「テメェ!何ふざけた事言ってやが…くっ!」

 

一夏は動こうとするがNモードの影響か動きが鈍く、更に自身の消耗も激しいのか息も乱れがちだ。

 

「一夏!」

千冬

「一夏下がれ!私が」ズドォンッ!「ぐあっ!」

 

前に出ようとした千冬に次元斬が襲い掛かった。

 

楯無

「先生!」

Dウェルギエル

「ダマッ、テイロ…ザコガァァ…」

「あいつ零落白夜をまともに受けてまだあんな余力があるの!?」

ラウラ

「なんて、奴だ…!」

 

するとほんの少しして相手に動きがあった。

 

Dウェルギエル

「オマ、エハ……オレ、ノナカ、デ……イ、キル、ガイイ!」

 

ドシュゥゥゥゥゥッ!

 

Dアリギエル

「グギャアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

ひと際大きいDアリギエルの絶叫。その腹部を貫いていた腕が引き抜かれた。…するとダメージが限界に来たのかSEが尽きたのか、その身体がボロボロと崩れ去っていく。

 

楯無

「アリギエルの身体が…!」

ラウラ

「崩れ去っていく…!」

Dアリギエル

「イヤダ…イヤダ…イヤダイヤダイヤダ!!シニタクナイシニタクナイシニタクナイ!シニタクナイィィィィィィ!!」

「!」

シャル

「ひっ!」

セシリア

「くっ…!」

 

耳を塞いでも聞こえてくる凄まじい断末魔の叫びを最後に…Dアリギエルはやがて跡形もなく消え去った。後に残ったのは…引き抜いた手に何かを掴んでいる様子のDウェルギエルだけ。

 

Dウェルギエル

「ハァァァ…ハァァァ…」

「あいつ…何か手に持ってる…?」

クロエ

「……!あ、あれは…まさか!」

 

すると手に持っているものが何なのかわかったのか、気付いた者達の顔に驚きの表情が浮かぶ。

 

楯無

「千冬さん…あれは…!」

千冬

「…ああ。色も形も違うが多分あれは…コア、ISコアだ!」

 

それは間違いなくISの心臓であり核でもある、ISコアだった。ただし従来のそれとは違って不気味に黒く輝いている。

 

一夏

「あれが…ISコア?にしては随分違うぜ!?」

ラウラ

「し、しかし何故!コアは確か限られた数しかない筈では!?」

クロエ

「…ええ。確かにISコアは現時点で限られた数しかありません。そしてその所在は全て把握しています。そしてISコアはこの世でただひとり…束様しか作る事ができない筈です」

千冬

「そしてアンジェロやファントム等の無人機はコアは無い。単なるバッテリーだ」

シャル

「じゃ、じゃあなんであれがあの黒いアリギエルに!?」

「…!もしや…姉さんが!?」

クロエ

「…残念ですが…そうとしか考えられません。…ですが束様が自らの意志であれを作るとはどうしても思えません。無理やり作らされたとしか…」

千冬

「…くっ」

セシリア

「で、でも何故コアを黒いアリギエルから抜き出したのでしょうか…?」

「倒される前の回収、とか…?」

一夏

「おいお前!それをどうするつもりだ!?」

 

するとDウェルギエルはそれを頭上に掲げて見上げる。

 

Dウェルギエル

「…コレ…デ、…オレ、ハ…!」

全員

「「「!!!」」」

 

全員が目の前で起こった出来事に再び言葉を失った。

 

 

…ガブリッ!!

 

 

なんとDウェルギエルは手に持つコアを、まるで果実を喰らうように噛み砕き始めた。

 

一夏

「あいつコアを…仲間を食いやがった!」

「なんで…なんでそんな事!?」

 

全員がその目の前で繰り広げられている光景に何も言えなくなると同時に動けなくなる。……そして暫くして黒きコアはDウェルギエルの中に完全に吸収されてしまった。全員がそれを見て何が起こるのかと警戒する。

 

Dウェルギエル

「……」

 

……だが何も起こらなかった。特に動きもない。

 

「…なんだ?どうした?」

シャル

「…動かない?」

千冬

「何のつもりか知らんが動かんなら好都合だ!今の内にとどめを刺す!」

ラウラ

「了解です!」

 

千冬の指示で沈黙しているそれに攻撃をしかけようとする皆。……しかし、

 

 

…ビキッ!

 

 

Dウェルギエル

「グッ!!」

全員

「「「!!」」」

 

全員が再び動きを止めた。突然けたたましい音を立ててDウェルギエルの顔面にヒビが入った。痛むのか顔面を抑える。

 

ビキッ!ビキキキキキッ!

 

だが次第にヒビはどんどん大きくなっていく。

 

Dウェルギエル

「グッ!グアアアアアアア…!!」

一夏

「な、何だ!?」

「何が…起こっている…!?」

 

ビキキキキキキキキキキキキッ!

 

ヒビはどんどん大きくなり、やがて全身にまで広がった。

 

楯無

「ヒビが全身に広がって…その中から光が…!」

 

千冬を含めた全員がその謎の光景に息をのむ。そんな中、目の前のDウェルギエルが口角を歪ませながら呟いた。

 

Dウェルギエル

「…コレ、デ……イイ…」

クロエ

「…え?」

Dウェルギエル

「…サ、ア…サイ、タ、ン……ダ。…オレ…ヲ、…シバ……ルクサ、…リ……ガ…!」

 

 

ドスススススススッ!!

 

 

突然Dウェルギエルの背中から複数の何かが背中を突き破り、飛び出してきた。

 

Dウェルギエル

「グアァァァァァァァァァァ!!」

シャル

「な、何!?背中から何か出てきた!」

「……触手?いや、根っこ…!?」

 

 

Dウェルギエル

「ア…ア…アアア…アアアアアァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

…カッ!!バリィィィィィィィィィン!!!

 

 

Dウェルギエルが咆哮を上げると凄まじい光が漏れだし、その途端全身に発生していたヒビが砕け散った。

 

千冬

「!!」

一夏

「うわ!」

 

光はどんどん強くなり一瞬何も見えなくなった。……暫くして徐々に収まっていく……。

 

一夏

「くっ……一体、何が起こ……!!」

箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・簪・楯無・クロエ

「「「!!」」」

千冬

「…なんだ…。…これは…?」

 

全員が光の中から現れたそれに、ただただ言葉を失っていた……。

 

 

…………

 

そしてそれはこちらも同じく。

 

オーガス

「おお…」

スコール

「……なんなの……あれは……?」

 

画面越しで見ていたスコールも言葉が無い。…だがオーガスは違った。

 

オーガス

「クククク…、やはり奴の方だったか…。まぁ、ある程度予測はできていたがな」

 

それを見て実に楽しそうに笑うオーガス。

 

スコール

「…オーガス、貴方はあれの事知っているの?まぁ造ったのは貴方だから当然だろうけど」

オーガス

「私が造った?…違うな。確かにあの基礎を造ったのは私だが…今のあれは私ではない。あれは奴自らが造ったのだ」

スコール

「…奴って…あの黒いウェルギエルの事?」

オーガス

「そうだ。アリギエルの、奴のコアを飲み込み、更にウェルギエルの力への欲望があのような形を生み出した。…しかしこれ程の姿になるとはな…。クククク、やはり奴は、バージルはそういう奴という訳だ…」

スコール

「…欲望が生み出した。…じゃああれもDNSの力…?」

 

だがスコールの質問に対し、オーガスの答えは違った。

 

オーガス

「…いや、あれも確かに欲望によるものだが…正確には違う」

スコール

「…え?」

オーガス

「だがお前は知らなくても良い事だ。これは所詮人間には手に余るもの。それにDNSと違い、幾つも生み出せないもの故な」

(そう…あれはひとつだけでいい。奴に組み込んだのは所詮試作品。だが無事うまく機能した事でようやく開発に着手できるぞ。問題は完成までにかなりの時間を要する事だが…まぁそんなものは幾らかけてもどうとでもなるだろう。篠ノ之束の手が加わった事で本体の方は既に完成に近づいている。最大の壁も最早この世にいないのだからな…ふっふっふっふっふ…)

 

オーガスは心の中で歓喜の声を上げていた。

 

スコール

「…じゃあこれだけは教えて。あれはIS?それともDIS?」

オーガス

「クククク、質問が多い奴だ。心配は不要だ。無人機ではあるがあれもまたDISには違いない。……まぁ、名だけは変えておこうか…」

スコール

「…名前?」

 

 

…………

 

一夏達の目の前に現れた存在。それはDウェルギエルでは無かった。サイズはややひとまわり大きくなったが形はファントムやグリフォンの様なモンスターみたいなものでも無い。人間型である。

ただその容姿があまりにも異常だった。頭部から腕、足先まで全身が黒い植物の蔦や樹木の枝、根っこの様なものに覆われている。その一本一本はまるで意志を持っているかのようにウネウネと動いている。手足には鋭い爪があり、枝らしきものに覆われている頭部にはその隙間から赤い目と牙が覗き、頭頂部にまで登る枝は角の様にも見える。不気味という言葉を具現化した様なその姿は前述のそれらよりも遥かに、見る者を恐怖に陥れるもの。例えるなら正に悪魔か鬼か。一夏達の目の前にそれが静かに佇んでいる。

 

謎の存在

「……」

一夏

「ば、化けやがった!」

「な…なんだ…。あれは…?」

「なんなの…なんなのよ一体あいつ!」

シャル

「わからない…、わからないよ…。あんなの…」

「……怖い、…怖いよ…」

ラウラ

「…馬鹿な…この私が…怯えているだと…。あの黒いウェルギエル達の恐怖ですら克服したのに…」

セシリア

「ええ、ひと月前の時を思い出します…。ただ、あれが放つのが「殺意」なら…あれは…まさに純粋な「恐怖」という感じでしょうか…」

楯無

「なんておぞましい姿…。あれもIS、いえ、DISなの…?」

 

殆どの者が目の前にいる存在に恐怖し、萎縮していた。

 

謎の存在

「……」

 

目の前のそれは確認する様にゆっくりと顔を横に振り、目の前にいる一夏達に顔の方向を向ける。

 

一夏

「…お前、…何者だ…!!」

謎の存在

「……俺に、名前など無い」

クロエ

「…喋った…。どうやら意志の疎通はできる様ですね…」

千冬

「答えろ!貴様は…あのウェルギエルなのか!」

 

千冬の問いかけにその存在はこう答えた。

 

謎の存在

「俺は…絶対的な力、そのものだ…」

 

 

…………

 

オーガス

「…新たな名か…そうよな。果てしなき力への欲望。それに向かう火の如き情熱を持つ獣…」

 

オーガスは名付けた。

 

オーガス

「ある人の曰く、…その名を、……ルーヴァ…」




※タイトルだけ変えて二作投稿します。

Dウェルギエルが変化した姿、わかる方はわかると思います。
名前が違うのは名付けた者が違うのとアルゴサクスがその存在を知らないからと思っていただけたらと。
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