IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
先程迄の戦いのダメージが残る一夏や箒達、更に楯無や千冬でさえその圧倒的な力に歯がたたない。ルーヴァの能力である「血吸いの根・データドレイン」の力で彼女達のISの機体データまで奪われてしまい、正に絶体絶命。一夏の新たな単一特殊能力「黄金の盾「Aegis」」で一度は攻撃を防ぐものの最早それまで。ルーヴァの魔手が遂に一夏にとどめを刺そうとしていた。
………しかし。
ルーヴァ
「…愚かな人間よ、己の力の無さを嘆きながら……死ね!!」
千冬
「!!」
箒
「一夏ぁぁぁぁ!!」
一夏
「ぐっ…くっ!…ぐあああああああああ!!」
……………ズドンッ!!!
ルーヴァ
「!!」
全員
「「「!!!」」」
一瞬の出来事だった。ルーヴァの魔手が一夏の息の根を止めようとしたその時、何かが一夏と敵の間に高速で割って入り、それが一夏を掴んでいる敵の腕を断ち切った。それによって一夏はその腕から解放される。一方のルーヴァの腕は再生されるがほんの少し後ずさる。同時に皆は身体の異変から解放される。
一夏
「がは!」
クロエ
「! う、動ける様になりました!」
楯無
「な、何が起こったの今!?」
セシリア
「一夏さん!大丈夫ですか!?」
一夏
「ハァ、ハァ、ハァ…な…何が……!!」
突然の事態に状況を理解できない一夏達だったが唯一はっきり見えるものがあった。一夏達はそれを見て目を見張る。
赤い光
「……」
それはとてつもなく激しい…赤い光。それが一夏を助けたものであろう。そんな赤い光が宙に浮いていた。
鈴
「な、なに…アレ…?」
シャル
「……赤い光…?」
ルーヴァ
「……」シュバァァァァァッ!
誰もが驚いている中、ルーヴァの血吸いの根がその赤き光に迫る
ドォォォォォォンッ!!
ルーヴァ
「!?」
全員
「「「!!」」」
その時今度はルーヴァの後方から高出力のビームが敵に襲い掛かった。シールドで弾かれてしまうが予想外の攻撃にルーヴァは思わず根を引っ込める。
箒
「! い、今の攻撃は!?」
クロエ
「…あれは…!」
青い光
「……」
皆は再度目を見張った。いたのは赤い光に負けない位激しい青い光…。
ラウラ
「今度は…青い光だと…!」
簪
「………?」
そしてゆっくりと光が弱まり、やがて中に見えるものが視認できる様になる。
全員
「「「!!」」」
ルーヴァ
「…!」
一夏
「…あ、あれ…は……?」
誰しもが現れたソレに言葉を失うのだった…。
…………
その少し前、とある場所にて…。
ア…ア…アアア…アアアアアァァァァァァァァァァァ!!!
「!!」
突然一瞬感じたゾワッとする気配。それによってある者が目覚めた。
?
「…………」
その者は身体をゆっくり起こし、周囲を見渡す。……周りは数メートル先も見えない白い空間。そこに自分が今まで寝転がっていた事を理解した。余程長く眠っていたのか頭がぼんやりする。男である事はわかるが自分が何者なのかもはっきり思い出せない。なんらかの服を着ているがなんの服なのかもわからない。
?
「…くっ、頭がふらふらしやがる…。ここは…どこだ?それに…俺は……」
するとその時、
?
「漸く気が付いたみたいね」
?
「!!」
後ろから声がしたので振り向くと…そこにはふたつの影がいた。その内のひとりが先ほどの声の主だろう。声色からして女性である。そしてもうひとりが口を開く。こちらも女性の様だ。
女①
「ったく何時まで寝てんだか。遅いのよ」
女②
「まぁあんな酷い怪我を負っていたんだから無理もないわよ。とは言ったものの本当によく助かったわ。本当に人間になったの?…ダンテ」
?
「…!!」
その名前を聞いた瞬間、急速に男の頭に記憶が思い出される。自分が何者なのか、そして彼女達が何者なのか。
女①
「おはようダンテ。…それとも火影、の方がいいかしら?」
…………
?
「………」
一方、こちらも時を同じくして同じ様な場所で目覚めた者がいた。こちらの者もまた頭がぼんやりとしていてはっきり思い出せない。わかることと言えばこちらもまた自分が男であること位…。
?
「…俺は…一体…?」
?
「…遅いお目覚めだ」
?
「!!」
後ろから声をかけられ、男は身構える。見るとこちらもふたつの影、ひとりは男の様。そしてもうひとりは、
男②
「…子どもたちの声が野原に響き、笑い声が丘にこだまするとき、私の心はくつろぎを覚え、何もかも安心に包まれる…」
男①
「おい、それは子守の詩じゃねぇか。また寝させてどうすんだよ」
男②
「…ほぉ、よく覚えていたな。こういうのは疎いと思っていたぞ」
男①
「誰かさんの影響で一時期読書にはまってたんでね」
男②
「お前、いや、俺達の子は中々秀才だな。…バージル?」
?
「…!!」
男もまた、その名前を聞いたことで頭の中がどんどん晴れてくる。
男①
「誰がお前の子だ!……久しぶりだな、親…それとも海之か?」
海之(バージル)
「……呼びやすい方でいい」
…………
女①
「おはようダンテ。それとも火影の方がいいかしら?」
火影(ダンテ)
「……どっちでもいい」
双子の似ている返事。そう言いながら火影はゆっくり立ち上がる。因みに着ている服はIS学園の制服だった。
火影
「…今何日だ?」
女①
「外の世界では12月25日ってところかしら?ちょうどキリスト降誕祭ね」
火影
「……ひと月も昼寝?どおりで頭がふらつく訳だ。……あ~、身体中がバキバキ……?って思ったけどそんなじゃねぇな?」
不思議に思った。ひと月も眠っていた割には筋肉などが全く固くなっていない。
女②
「そりゃそうでしょうよ。アンタの身体と私達、正確にはISだけど。このひと月の間ずっと治療と改修をし続けていたんだから」
火影
「……あ?」
女性の声に火影は疑問の声を上げる。
女①
「覚えていないダンテ?ひと月前の出来事、貴方とバージルがどうなったのか」
その問いかけに火影は少し思い出し、喋り出す。
火影
「………ああ。あのストーカー野郎の事か。忘れる訳ねぇだろ。俺もバージルの奴も戦って…何とか致命傷を負わすことはできたもんの、ぎりっぎりで倒すことができねぇかもしれねぇと思った。道連れにしようと思ったがそれもかなわず、そして最後は……海へドボン、だ」
女②
「そうよ。全くあん時のアンタもバージルも酷いもんだったわ。私達までボロボロになっちゃったんだから。人間ならたっぷり慰謝料請求してるとこだわ」
女①
「まぁ幸い心臓とコアが無事だったからなんとかなったわ」
火影
「らしいな。こうして俺もお前らも生きてんだから。俺もバージルもつくづく死というもんに嫌われてる様だ」
そう言いながら自傷笑いをする火影。するとここで火影にひとつの疑問が浮かぶ。
火影
「……おい、思い出したんだが、ここは確か時間が外とは違うんだろ?なのになんでひと月も経ってんだ?」
女②
「へ~、よく覚えてたじゃない。ほんと記憶力良くなったわね。以前みたいにピザのトッピング位しか覚えてない時とは大違い、とまぁ冗談は置いといて、…確かにここは本来なら時間がゆっくりよ。でもそれどころじゃなくなってしまったのよ。アンタのおかげでね」
火影
「…?」
女①
「ダンテ。貴方とバージルはひと月前、大きな傷を負ったわ。それこそ死んでもおかしくない位の。そして私達もね。おまけにそのまま海に落ちてしまった。普通ならとても助からない。でも…貴方達を死なせる訳にはいかなかった」
その理由は火影にもわかっていた。
火影
「…オーガス、…いやアルゴなんたらか」
女①
「…そう。よりにもよってまさかアルゴサクスだったなんてね、私も驚いたわ。でも奴がいるとわかった以上なんとしても止めなければならない。そして奴を倒せるのは貴方とバージルだけ。貴方達には絶対に死んでもらう訳にはいかない。だから私達は貴方達を助けるために方法を取った…。ある種賭けをね」
…………
海之
「……賭け?」
男②
「お前達と俺達の傷は既に限界を超えていた…。再生の力も殆ど役に立たずじまいだ…。だがそれが働かなければお前達の傷はおろか、俺達も直すことは出来ない…」
男①
「だから俺達の力の全てを再生能力の回復に回したんだ。それこそマジ全てな。他の修復は全部一切無視だ。時間の関係とか他のところに弊害がでるかもしれなかったがそんなもん気にしちゃいられなかった。アンタやダンテの命が尽きる前に修復が完了しなかったらどっちにしろおしまいだからな。正に賭けさ。だがやるしかなかったんだよ」
男②
「…まぁ結果は賭けに勝ち、お前達の身体は無事に再生され、俺達自身も直った…。だが問題が無かったわけではない」
海之
「…それがひと月も経過している理由か。俄かには信じられんが…俺の身体の傷が無くなっているのがいい証拠か」
ひと月前に散々つけられたその傷は全てがまるで何も無かったかのように綺麗になっていた。
海之
「…奴らは、あの下らん傀儡共はどうなった?」
男①
「……ああ生きてるよ。まぁあんだけの傷を受けておいて半殺しまで行ったんだ。上出来だろ。向こうもえらく修理に時間かかった様だし」
海之
「…そうか。………待て、今「時間がかかった」と言ったな?という事は…!」
男②
「…ああ。もう終わっている。そして今まさに…お前の仲間が戦っている」
海之
「!」
それを聞いた海之はすぐに行こうとするが、
男①
「待ちなって!俺らの修理も終わったし時間に関する問題も元通りだ。急ごうが急がまいが殆ど関係ねぇ」
男②
「その通りだ…。だから今は情報を整理しようじゃないか…。新しい情報も増えてきたしな。…違うか?」
海之
「……」
…………
その話は火影達も終わっていた。火影の顔に倒せなかった悔しさと不安が滲む。
女①
「貴方の大事なお友達たちは今まさに戦ってるわ。そう感じるの」
火影
「…くそ、あいつら無茶しやがって。…教えろ、俺とバージルって今どうなってんだ?ここが現実じゃねぇなら向こうで俺らの身体はどこにある?」
火影が質問すると彼女達は驚きの回答をした。
女①
「信じられないかもしれないけど…貴方もバージルも動いていないわ」
女②
「アンタもあいつも沈んだ場所から動いていない。ひと月前と同じ場所にいるのよ。つまり海の底」
火影
「……は?冗談だろ?そんな状態で修復なんてできるのか?息切れでどっちにしろ死んじまうだろうが」
女①
「ええ…普通ならね」
火影
「…なんだ?」
女①
「ダンテ。貴方が昔、バージルと戦って敗れた時、ひと月ほど行方不明になっていた時があったでしょう?そしてその間、貴方は存在を隠されていた。「魔剣スパーダ」の力でね」
火影
「……ああ」
火影の頭に昔の記憶が蘇る。まだダンテだった頃に自分はバージルが変異したとある存在に挑んだが逆に返り討ちにあってしまった。そして次に発見されたのは一か月後だった。ダンテはその間、彼の父親の形見である「魔剣スパーダ」によって気配を隠されていたのである。
女①
「貴方達が海に沈んだあの後、あれと似たような事があったのよ。貴方の「リベリオン」が突然起動してISを纏ったままの貴方とバージルの気配と姿を隠していたの。貴方達の言葉で言う…シールドみたいなものを張って。多分他からしたらいなくなった様に見えてると思うわ」
女②
「しかもあらゆる環境下でも生きられるっていうもんよ。水中どころか宇宙でも生きられるんじゃないかしら?」
それを聞いた火影の目に驚きの様子が浮かぶ。
火影
「…そんな事が…。そんな便利なもんあんならもっと早く言えよ」
女①
「……教えたらもっと無茶するでしょう?いいダンテ?貴方もバージルも今はただの人間なの。幾ら強くても。今回助かったのはあくまでも奇跡が重なっただけ。覚えておきなさい」
火影
「…へいへい」
火影も重々それは承知しているのでそれ以上は言わない様にした。
火影
「ところで話は戻るが…リベリオンが俺達を助けたって事は…リベリオンは…」
女①
「ええ。貴方の想像通り、貴方のリベリオンとバージルの閻魔刀は嘗ての貴方達が使っていたものよ。それと貴方の銃も。最初から装備されている物だけだけど」
火影
「やっぱそうか…。魔力を感じ取れるからもしかしたらとは思ったが…。しかしそれにしてもよく見つからなかったもんだな?アルゴサクスは魔力も使えんのに」
女①
「…そうね。運が良かったと言うしかない」
火影
「……」
(…にしては妙だな。本当に運だけか…?)
だが今は答えが出そうになかった気がした火影は考えるのをやめる。
女②
「そういえばアルゴサクスってどういう悪魔なの?私はその時別の仕事で国を離れてたんだけど…名前だけは知っているわ」
女①
「……覇王アルゴサクス。嘗て魔帝ムンドゥスや悪魔アビゲイルと共に魔界の三分の一を支配していたといわれる大悪魔。だけどある時ダンテとバージルの父である魔剣士スパーダによってそれらが封印された後、敵無しになった魔界のほとんどを掌握した。その後は人間界をも侵略しようとしたけど…スパーダと彼に味方する人間達によって自らも封印された。それから永い時が経って馬鹿な人間によって目覚めたけど…」
火影
「最後は俺がぶっ殺した」
女②
「ふ~ん。で、それが人間に生まれ変わってアンタ達の世界にいると。全く腐れ縁ね」
火影
「腐りきった因縁だ…。勘弁してほしいぜ、なんで魔界と関係ない世界でまた会わなきゃならねぇんだ。俺達をこの世界に送ったあの娘はこの事知ってたのか聞きたいぜ全く…」
火影は頭を掻きながら文句たれる。
女①
「…ねぇダンテ、ちょっといいかしら?アルゴサクス、いえ正確にはその人間、オーガスについてなんだけど…」
火影
「…奴が魔力を持っていた事か…」
女①
「その通りよ。貴方も、そしてバージルも嘗てはアルゴサクスを超えるほどの魔力を持っていたわ。でも転生した今の貴方達には魔力は無い。なのに同じ様に死んで転生したらしい奴は魔力を持っている。…何故かしら?」
火影
「…確かにな…。それにもうひとつ気になる事がある。あの時奴はこう言った。「我らの大願を果たす」ってな」
女②
「「我ら」って…なんか気持ち悪い言葉ね。まるで他にも何かいるみたい。あるいはそのアルゴサクスが生まれ変わったオーガスがいる組織の事なのか…」
女①
「でもオーガスとしてでなくアルゴサクスとして話した言葉。…気になるわね…」
火影
「……」
暫しの沈黙が流れる。
火影
「…ま、それに関しちゃ奴を抑えてはかせりゃいい。それに……俺にはそれ以上に気になる事がある」
すると火影の顔がやや険しくなり、ある事を尋ねる。
火影
「あん時のアレ……アレは何だ…?」
…………
それはひと月前、オーガスと対峙していた時にDアリギエル達を召喚した時にまで遡る…。オーガスがそれらを召喚する際、突然黒き穴、暗黒洞が開いた。そしてその時リベリオンと閻魔刀がその影に反応した。これまでのよりも遥かに大きな反応を。
火影
(あの影に反応している!)
海之
(これは…今までよりも遥かに強い反応だと…!)
其々の剣の反応を黙って感じ取るふたり………とその時、
…ピッ!キュイィィィン…
突然、アリギエルとウェルギエルの何かが起動した。そしてそれは彼らのインターフェースに文字として浮かび上がる。
火影
「え?……!!」
海之
「何!?」
「―「アクマガエリ」 ガ シヨウデキマス ドウシマスカ?―」
火影
(「アクマガエリ」……「悪魔還り」!?)
海之
(…使用できる、だと?まさかこれが!)
ラウラ
「何か出てくるぞ!」
ふたりは一瞬目の前に出てきた黒い存在につい注意が行ってしまった。そして、
……キュゥゥゥゥン
火影・海之
「「…!!」」
何故かその機能は再び封印状態になってしまった…。
…………
火影
「あの暗黒洞が開いた時…一瞬だけ解除された…。どういう意味なんだ「悪魔還り」って?」
女①
「……」
火影
「あれが何なのかだけはわかる。多分、いやきっとアレがアリギエルの
女②
「……それなんだけど…」
…………
一方こちらも同じ話題が上がっていた。海之は目の前にいる人物に問いただす。
………だが、
海之
「……わからないだと?」
答えは彼のそれを裏切るものであった。
男②
「…ああ。あれについては俺達もわからない…。わかっているのは「悪魔還り」という名、それだけだ…」
海之
「どういう意味だ?お前達はコア、そしてあれはウェルギエルやアリギエルの機能なのだろう?なのに何故お前達が知らないのだ?」
海之の疑問について答えが出る。
男①
「……壊れてんだよ」
海之
「…何?」
男①
「アンタの言う通りアレは確かにウェルギエルの機能には変わりねぇし本来なら俺達が知らねぇ筈はねぇ。……だがデータってのか?その一部が壊れてんだ。あれがどういったもんなのか、使ったらどうなんのか、そう言った部分の詳細データがな。しかもご丁寧に封印までされてやがる。だから俺達にもわからねぇんだよ」
海之
「……何故壊れている?戦いによってか?」
男②
「それは無いだろう。あれはお前達が初めて使った時には既にあの状態だった筈だ…」
海之
「……」
確かにあれは9年前、初めて自分達がISを使った時から今の今まで封印された状態だった。最近の戦闘での故障によるものとは考えにくい。
男②
「だがあれが動く前、お前達の剣が、閻魔刀とリベリオンが強く反応した…、今までよりもな…。そしてそれに応える様に突然動きだした。これが何を意味するか、わかるだろう?」
答えはひとつだった。あの機能には…魔力が関わっている。
海之
「…だが今まで数える程度とはいえ、魔力に接触する事はあった。それでも今まで起動する事はなかったがな…」
男①
「それだけ強力な魔力だったって事じゃねぇのか?」
海之
「……」
(…確かにあの時の閻魔刀の反応はこれまで以上だった。…あれほどの強大な力…、一体……)
度重なる新たな謎の出現に海之は珍しく頭を押さえた…。
…………
火影
「直す事は出来なかったのかよ?」
女①
「当然やってみようと思ったわ。…でも最初からまるで意図的みたいに壊れているのよ?その上封印まで。なんの意味もないとは思えない…」
火影
「……ちっ、どんなもんか漸くわかったと思ったら全然わかってねぇのかよ」
女②
「でもあれに魔力が関わってるのは間違いなさそうね。そして再び封印されてしまった。残念だけどもう一度見れる様にならないと調べようがないわね」
火影
「……」
(一回解除されたのがまた引っ込んじまった…。…なんか条件が必要なのか?もしそうなら何時もは封印されてる意味もわかるが…。…にしても「悪魔還り」ねぇ…。なんか嫌な予感しかしねぇな…)
女②
「まぁ仮に使えたとしても安全性は保証できないけどね~。なんかやばそうだし♪」
火影
「…なんか楽しそうだな?悪魔よりもおっかねぇな相変わらず」
女①
「ふふふ…でも貴方の再生とアリギエルの修復は凄く頑張ってくれたのよ彼女」
女②
「余計な事言わない!こいつのためじゃないわ、あの子達のためよ!」
その一言を聞いた時、火影の考えが変わった。
火影
「……さっきのは取り消す。悪かったな」
女②
「…だーかーら!別にアンタのためじゃないってば!礼なんていいわよアンタらしくない」
女①
「ふふふ…」
一瞬懐かしい雰囲気が流れた…。
火影
「…で、アリギエルはどうなんだ?もう使えんのか?」
女①
「ええちゃんと直ったわよ。パワーアップも施してね。何しろアルゴサクスと戦うんだもの」
女②
「ほんっとアンタ達が手荒な使い方したせいで大変だったわ。冗談抜きで請求してやりたいわよ。何度も警告したのにアンタもあいつも全然気にしないんだから」
火影
「警告?」
女②
「アンタ達に何度か起こった激痛みたいのあったでしょ?あれは私達が起こしたのよ。これ以上無理をするな!ってね」
火影
「……アレはお前らの仕業だったのかよ…。死なせる訳にいかねぇって言っときながら死ぬかと思ったぜ…」
女①
「…でもそんなになっても戦うほど、今の貴方には守るものができたって事でしょう?」
そう言われた火影の脳裏に仲間達やスメリアの人々、そして愛する者達が浮かぶ。
火影
「……約束しちまったからな…守るって。そして…真実を伝えるって」
女②
「あ~あ、ホントあんないい子達が気の毒だわ~。アンタ女運悪かったんじゃなかったの~?」
火影
「…それおめぇが言うのか?」
女①
「ふふ、じゃあそんな姫を守る騎士様にお知らせよ。あの子達は今まさにこの上で戦っているわ。早く行ってあげなさい。ただもう一度しつこく言っておくけど貴方達本来の、悪魔の力は使えない。武器と機能だけで勝負する事になるわよ」
火影
「わーってるよ。それは仕方ねぇ。本当なら俺の剣が欲しいとこだがな」
女①
「無理ね。あれは「ダンテだった頃」の貴方から生まれたものだから」
火影
「…って事は親父の剣も…」
女①
「その通り。あれもあの時の貴方が取り込んじゃったでしょう?」
火影
「……」
(…じゃあ何でリベリオンが使えたんだよ…ったく…)
女①
「ああそれからダンテ、もうひとつ大切な事を教えとかないと。貴方のリベリオンなんだけど……暫く使えないわ」
火影
「……は?どういう事だ?」
その内容に火影も流石に驚く。
女②
「アンタ達を守って力が弱まっているのかなんなのかわからないんだけどリベリオンが使えなくなってんのよ…。暫く武器としては使えないみたい。持つ位や魔力を感じ取る事位はできそうだけどね」
火影
「……ちっ、こんな時に…」
女②
「だから戦力補強も兼ねて一応また追加しといたわ。ちょ~っとやかましいけどね~♪」
火影
「………マジか」
その言葉を聞いて意味を察したのか火影が更に苦い顔をする。かなり嫌そうだ。
女②
「まぁ我慢しなさい。役に立つのは間違いないし。それにふとした時にまたアンタの剣もまた使えるかもしれないわよ」
火影
「…心の底からそう願うぜ…」
女①
「…さ、これで本当に終わりよ。気をつけてねダンテ。…いいえ火影」
女②
「精々頑張りなさい。……あと前の約束守りなさいよ。守り抜くっていう」
火影
「へいへい、任せな」
そう言って火影は背を向けて去り際、最後に、
火影
「……ありがとよ相棒達。これでまた戦える……」
そう言うと火影は走って行った……。
女②
「……」
女①
「あんな素直にお礼言うなんて…ほんと変わったわね彼。…良かったの?名前で呼ばれなくて?」
女②
「…メアリという名前はとっくに捨てたわ。あっちの方は…まぁコードネームみたいなものだし。仕事上相棒組んでた時もあったし、あれで結構よ。…貴女も同じじゃないの?」
女①
「……確かに名前だけど…あれは奴に付けられた名前だしね。相棒の方が嬉しいわね…」
そんな事を話ながらふたりは火影の去って行くのを眺めていた…。
…………
その少し前、こちらも、
男①
「…あとクソ親父。アンタの閻魔刀だが」
海之
「知っている。直せないのだろう?」
男②
「気付いていたか…」
海之
「あれは嘗ての俺が使っていたもの。ただの人間となった俺に直せるものではない…」
男①
「だから俺の剣持っときゃ良かったんだよ。ま、あんな美人に持たれる方がアイツも喜ぶだろうけどな」
男②
「…だが閻魔刀を失ったのは大きな痛手だ。次元斬も本来の力を発揮できなくなるだろう」
男①
「まぁでも心配すんな。おまけ付けてあっから」
海之
「…?」
男②
「今にわかるさ。利用できるものは利用する、勝つために…。それより…お前は彼らに真実を知らせるのか?」
海之
「………ああ。例えその結果どうなろうと伝えなければならん。今の俺には守るものがある。信じてくれているものもいる…」
男①
「……しっかしハッキリ言って信じてもらえんのか?御伽話にもほどがあるぜ?」
男②
「…大丈夫だ。俺達を見ればいやがおうでも信じるさ」
海之
「……どういう意味だ?」
男②
「後は自分で考えろ。…さぁ、もう行け。俺は読書で忙しい」
男①
「もう無茶すんなよ?あんな忙しいのは御免だぜ」
少々乱暴だがその言葉の意味を海之は理解したらしく、
海之
「…わかっている。…世話になった。嘗ての俺、そして……」
それだけ言ってひとりの方を暫し見た後、海之は去って行った…。
男①
「……久々にまともに見やがったな」
男②
「素直じゃない奴だ…。名前を呼んでほしかったか?」
男①
「いいよ別に。今更だ。それにアイツはもうバージルであってバージルじゃない」
男②
「そうか?俺は嘗てのあいつだ。あいつの考えはわかるぞ。目は口ほどに、というやつだ…。ククク、「愛してさえいればそれは無限を意味する」」
男①
「気色悪い事言うなっての!」
(………生きろよ…………親父)
…………
火影
「………ん?」
ふたりと別れて少し走っている時、火影は止まった。自分の先にもうひとり別に影が立っている。別れたからあのふたりとは違うだろうが……。だがここはアリギエルのコアの中、危険なものはないだろうと火影は気にせず近づく。そして近くに行くとその影は話しかけてきた。
女
「久しぶりだねぇ…」
火影
「!!……ハァ、誰かと思えば…アンタか…」
声からして女性だ。その言葉その声を聞いた火影は驚き、ため息をついた。誰かわかった様だった。
火影
「なんでアンタがここにいんだ?口うるさくて天国から追い出されたか?」
女
「冷たい言い方だねぇ。久しぶりに出てきてやったのにさ。それにアタシが天国なんて馬鹿いっちゃいけないよ。ゴロツキどもがうろつく地獄がお似合いさね」
火影
「はは、ちげぇねぇや」
やれやれという表情だが…どこか嬉しそうだ。
女
「それにしても随分可愛くなったじゃないか」
火影
「うっせー。俺は可愛いんじゃなくてイカシてんだよ。あのお嬢ちゃん、いやあいつももう婆さんか。あんま似てねぇアンタの孫もそっちにいんのか?」
女
「ああいるよ。ただアタシから見りゃあれも息子もまだまだひよっこだね。まぁあの奇妙な籠手はちょっと面白いけどさ。……ってこんな話してる場合じゃないね。坊やに渡すもんがあって来たんだ」
するとその人物はあるものを差し出す。それは白と黒、そして金色に輝く3つのハンドガンだった。
火影
「!…なんでアンタがこれを?」
女
「金髪の姉ちゃんに渡されたのさ。自分はもう使えないから返してやってってね。ああ坊やが使ってるアレなんだっけ?アイエス…だっけか?それでも使えるようにしてあるよ」
火影
「俺にはもう銃は」
女
「知ってるよ。坊やのためじゃない。あの子達に渡してやりな」
火影
「あの子達って……鈴達の事か?なんであんたが知ってんだ?」
女
「黒い髪の姉ちゃんから聞いたのさ。坊やに心底惚れてしまった気の毒な子達がいるってね。ちょっと興味あってペンダント越しに見せてもらったのさ。青春を謳歌してるねぇ~」
火影
「…あいつ余計な事を…」
女
「そう言うんじゃないよ。……いい子達じゃないかい。坊やの事あそこまで想ってくれるなんてさ。もったいなすぎる位だねぇ」
火影
「………ああそうだな。話は戻るがなんでもうひとつある?」
女
「三人だから3つ無いと不公平だろう?だから私が用意したのさ。名前はアルバ。夜明けって意味だよ」
火影
「…だが本音は」
女
「お守りとして持たせてやりな。それだけでも勇気が湧くもんさ。あと坊やの銃は寝てる間に全部メンテしてやったよ。子供のメンテじゃ不安でしょうがなかったからね。特にあのショットガンなんて中が滅茶苦茶だったよほんと」
火影
「……流石は」
女
「おっと!よしとくれ。そのあだ名はもう封印したんだからさ」
火影
「……」
女
「さ、アタシの用はこれで終わりだ。早く行きな。……もうあの子達を悲しませんじゃないよ」
火影
「…わかってる。…ありがとう」
女
「ハッ!気持ち悪い事言うんじゃないよ。…ま、久々に話せて少しは嬉しかったよ」
火影
「俺もだ。……また会えるか?」
女
「どうかねぇ……。昔ならともかく今のアンタは間違いなく死んだら天国行きだろうね。全く想像できないけど。ハハハハハ!」
火影
「ちげぇねぇ、ハハハハハ!」
ふたりは笑った。まるで別れを惜しむかのように。
火影
「ハァ……んじゃ行くか。世話になったな……婆さん」
そう言って火影は走って行った。それを見送る白い女性。
女
「…全く、最後まで婆さん呼ばわりかい。まぁ坊やらしくて良いか。…頑張りなよトニー、いや…今は火影、だったね……」
…………
そしてこちらの方にもこんな事があった。
海之
「………?」
自分の目指す先にひとり白い影が立っている事に海之はふと気づいた。……そしてやがて影の近くまでたどり着く。
女
「……」
その影は何も言わずにずっと佇んでいる。ただ輪郭からして女性であることは予想できた。
海之
「…………」
海之は何も言わなかったが暫くして、
スッ…
海之はその影の肩に手を置いた。実態が無いため触れた感覚は無い。置いたように見せているだけだ。海之には影が誰なのか想像できた様だった。
海之
「…………もう遠い昔だ。…何時だったか」
女
「……」
海之
「あの時の俺には何もわからなかった…。知る価値も興味も無かった…。あいつ曰く、確かに若気の至りというやつだった。……だが、お前があいつを生み、殺さずにいてくれたおかげで俺は気づくことができた。大切なものに。そして……もう一度得る事ができた」
女
「……」
海之
「……ありがとう」
女
「……!」
そして海之は再び歩き出す。すると今まで黙っていた女性が口を開いた。
女
「……最後に教えて。……貴方の名前は?」
すると海之は立ち止まり、振り返らずに答えた。
海之
「昔はバージル…。今は海之だ。……お前は?」
女
「……~~」
海之
「……覚えておく」
それだけ言い、海之は歩いて行った……。
その後ろ姿を見ながら女性は胸の前で手を組み、呟いた。
女
「…バージル……海之…」
…………
火影が去った後…まだこんなやりとりがあった。
女②
「…ねぇ、そういえばよかったの?本当の事、別に伝えてやっても良かったんじゃない?却って喜ぶんじゃ…」
女①
「…野暮、という奴よ。それに何れどうせ知る事になるわ。…その時が来るまでは…彼らの意志を汲んであげましょう…」
女②
「…まぁね。にしても貴女も随分人間臭くなったわね~」
女①
「あらそう?…悪い気はしないわね。ふふ」
※次回は24日(土)の予定です。
UAが160000に到達しました!ありがとうございます。
海之の最後に会った女性はDMC4バージル編からの出演です。彼女が……の母親だったらと想像してます。