IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
再び嘗ての仲間達と再会した彼等はこれまでの事を整理しつつ、新たに浮き出た謎を確認する。
何故オーガス(アルゴサクス)は魔力を持っているのか?
「リベリオン」そして「閻魔刀」は果たしてもとに戻るのか?
そして一瞬だけ見えたふたりの単一特殊能力「悪魔還り」とは何か?
謎は残るがふたりは救ってくれた仲間達や懐かしい者達に改めて感謝し、再び戻って行った。守るため、戦うために…。
火影と本音の部屋
一夏達やルーヴァの元に赤い光と青い光が現れたのとほぼ同時刻、
本音
「…皆…きっと、きっと大丈夫だよね…」
本音は皆の無事を強く願っていた……その時、
カッ!!
本音
「きゃっ!な、なになに!?」
突然火影の机の上に置いている箱が強く光った。
本音
「!? ひ、ひかりんの銃が入ってる箱が!」
………暫くすると光は収まった。本音は気になって箱を開けてみた。
本音
「…!!」
ガチャッ!
虚
「本音ちゃん!」
その時扉を開けて虚が入ってきた。彼女の姿を見て本音が慌てて話し出す。
本音
「お姉ちゃんどうしよう!ひかりんの、ひかりんの銃が無くなっちゃったの!急にピカッって光った途端に!」
箱に入れられていた「エボニー&アイボリー」は忽然と消えてしまった。
虚
「!…こっちもなの…」
本音
「こっちもって…どういう事!?」
虚
「消えたのよ…こっちも。出発前に簪様から渡されていた海之さんの刀が…。凄い光と一緒に」
折れた「閻魔刀」もまた、同じ様に光と共に消えてしまったのだった。
本音
「みうみうのも!?どうして……」
虚
「……本音ちゃん!」
本音
「………も、もしかして!!」
…………
そしてその謎のISの出現は彼らも見ていた。
スコール
「…また未知のIS…ね…。赤色と…青色の…」
オーガス
「……!!」
オーガスの顔が強張る。
オーガス
(……まさ、か……そんな馬鹿な……)
スコール
(……赤色と青色の…あの子達を助けたIS、か。………ふふっ)
表には出さなかったがスコールは心で一瞬笑った。そんな彼女とは対称に、
オーガス
(何故…奴らの反応は……、ひと月前に……!)
オーガスの心は怒りで支配されていた…。
…………
突如現れたルーヴァに対峙する赤と青の光。それは…見た事も無い二体のISだった。
二体とも黒い機体だが身体中の至る所から光が溢れ出、走っている。まるで身体を駆け巡る血液の様に。
最初に現れた機体は上に伸びる二本の角の間から紅蓮の赤い光が。次の機体は腕の後ろ側から深い青い光がそれぞれ一際強く出ていた。
鋭い爪が付いている手足。
かぎ爪がある4枚の翼。その内側にも光が走っている。
異形な形をした長い尻尾。
顔面部は漆黒のバイザー。
細かい部分は違いがあるものの大まかにみれば似通っている、そんな感じの二体だった。
ルーヴァ
「…貴様ら…何者だ…?」
?
「「……」」
一夏
「あ、あの…IS、は…?」
楯無
「また見たことが無いISね…」
箒
「…敵なのか?…それとも味方?」
セシリア
「一夏さんを助けてくれましたから…敵ではないと思いますが…」
鈴・シャル・簪・ラウラ
「「「………」」」
クロエ
「………え」
千冬
「赤と青の光を放つIS………!!」
…カッ!!
全員
「「「!!」」」
するとその時、突然の光と共に前の二体の手にあるものが現れた。
ジャキッ!
赤いISの両手には白と黒に輝く拳銃が。
チンッ!
青いISの右手には折れた刀が。それを左手にある鞘に納めた。そしてそれを見た一夏達の心にあのふたりの名前が浮かぶ。
一夏
「…ま……まさか!!」
鈴
「……火…影。……火影なの…?」
シャル
「あ……あああ…!」
簪
「………海之くん、……海之くんでしょ?…そうでしょ?」
ラウラ
「生きてたのか…生きていて、くれたのか…!」
クロエ
「…兄さん!!」
千冬
「…火影、…海之」
箒
「ふたり共…!」
セシリア
「本当に、本当におふたりですの!?」
楯無
「……ハァ、本当にうちの学園の男子は驚かせる子ばっかりね…♪」
扇子
(吃驚仰天)
一夏
「…火影、…海之。……お前らなんだな…!たく遅せぇんだよ…へへ…。お前らが来てくれたんなら…仕方ねぇ。後は…任せる…ぜ……」…キュイィィン…
嬉しそうに悪態をつきながそう言った一夏はその言葉を最後に力を使い切ったらしく、気絶してISが解除されてしまう。それを慌てて箒達が受け止める。
箒
「一夏!」
楯無
「…大丈夫よ。気を失っているだけだわ。それより…」
赤いIS
「……」コク
赤い光を放つISがこちらを横目に見て頷いた。「任せろ」と言っている様に。
千冬
「!…下がるぞお前達!ここにいては彼らの戦いの邪魔だ!」
箒
「は、はい!」
ルーヴァ
「…逃げられると思っているのか」…ドォォォォォンッ!!
そんな箒達に対してルーヴァは火球を撃つ。
シュン!シュン!
すると彼女達を守るように赤いISと青いISが立ちはだかり、
カッ!!ゴォォォォォォォォォッ!!
赤いISの足元が光った途端、続いて凄まじい炎に包まれる。
ドゴォォォォォォッ!ボガァァァァァンッ!
赤いISは炎を纏ったその脚で火球に回転蹴りを当てた。その衝撃で火球はあさっての方向に弾き飛ばされ、爆発霧散した。
楯無
「あ、あの火の玉を一蹴りで弾き返した!?」
ルーヴァ
「!……」ズドドドドドドドドド!!
すると今度は粒子ミサイルの山嵐が襲い掛かる。
ヴゥヴゥヴゥヴゥン!ズババババババババッ!!
しかし青いISの周囲に無数の光輝く剣が現れ、それらを縦横無尽に斬りさき破壊した。それは幻影剣だった。
セシリア
「い、今のは海之さんの幻影剣!」
クロエ
「という事はやはり!」
するとそんな二体から声が聞こえた。
赤いIS(火影)
「お前らの分までちゃんとお仕置きしといてやるぜ」
青いIS(海之)
「…行け」
それはまさしくあのふたりの声だった。
全員
「「「!!」」」
千冬
……コク「お前達、行くぞ!」
鈴
「はい!…火影海之!言いたい事も文句も山ほどあるけど全部後回しにしてあげるわ!だから勝ちなさい!!」
簪
「私達ふたりに言いたい事一杯あるの!負けないで!!」
ラウラ
「勝て!ふたり共!!」
シャル
「絶対だよ!負けたら絶対許さないからね!!」
箒
「火影!海之!頼む!」
セシリア
「ご武運をお祈りしますわ!」
楯無
「貴方達の力!見せてやりなさい!」
クロエ
「兄さん!勝って下さい!!」
そして気絶した一夏を連れて再びその場を離れる千冬達。その場にいるのは火影と海之、そしてルーヴァのみ。
火影
「暫く見ねぇ内に随分変わっちまったじゃねぇか。…まさかてめぇとまで会うとはな…」
海之
「……」グッ!
海之の拳が強く握りしめられる。
ルーヴァ
「…貴様ら…まさか!」
火影
「てめぇはどっちだ?…まぁどっちでもいいか。…借りは返すぜ、あいつらの分までな!」
海之
「…貴様の存在は許されない!」
ルーヴァ
「…ダンテ!…バージル!」
…ズドドドドドドドドドドドドドンッ!!
怒りの唸り声をあげるや否や、ルーヴァは再び山嵐を撃ってきた。
火影
「景気良く行ってみるか!」ジャキッ!…シュン「!」
火影はリベリオンを展開し、振るおうとした。…しかしその瞬間、リベリオンは消えてしまった。
火影
(…ちっ、マジで使えなくなってんのか…)
「…仕方ねぇ。ちょいハンデをくれてやるぜ!」ジャキッ!
海之
(…リベリオンが消えただと…?)
「調子に乗ってへまをするなよ」ババッ!
火影はエボニー&アイボリーを、海之は両手に幻影剣を持ち、構える。
ズドドドドドドドドド!!
ババババババババババ!!
最初と同じく火影はミサイルを撃ち落とし海之は斬る。
ルーヴァ
「一度は負けた者が…絶対の力、破壊の化身たるこの俺に…歯向かうとは!」
ヴゥヴゥヴゥヴゥンッ!ドドドドドドドドドンッ!!
怒りの声でルーヴァはそう言うと今度は複数の転移レーザーを撃ってきた。火影と海之は離れてそれを縦横無尽に避ける。しかしレーザーは細かくふたりの後を追う。
海之
「偏光射撃によるレーザーか。…あんなものは無かったな」
ヴゥンッ!ズドンッ!
すると前方に同じく転移レーザーが現れ、射出された。
火影
「ハメ業か。ならこっちも」シュンッ!!
すると火影はあたるギリギリでエアトリックで逃げ、レーザーの同士討ちを誘った。
ギュンッ!
が、当たる直前でレーザーは再び軌道を変えて火影に向かう。
火影
「ほぉ~当たると思ったのに残念だ。流石に今までのザコ共とは違うな」
海之
「遊んどらんとさっさと撃ち落とせ!」
バババババババァン!!
ズガガガガガガガガンッ!!
火影と海之はコヨーテとブルーローズで飛んできたレーザーを撃ち落とす。
火影
(反動が大分小さくなってやがる。流石婆さん、しっかり整備してくれやがった様だな…)
「今度はこっちからいくぜ!」ドンッ!
海之
「はっ!」ドンッ!
火影はキャバリエーレ、海之はベオウルフを展開、高速でルーヴァに突撃する。
ルーヴァ
「無駄だ…」
ガキキキキキキンッ!!
ドゴオォォォッ!!
…しかしその攻撃はルーヴァの言う通り弾かれてしまった。そのシールドの強度は今までの敵よりも遥かに強力だった。
火影
「ちっ!」
海之
「…!」
ズドドドンッ!!
近づいていた火影と海之にルーヴァの衝撃砲が襲い掛かった。
火影
「ぐっ!衝撃波か!」
海之
「だが!」
火影・海之
「「おおおおおおお!」」
…バシュゥゥゥゥゥゥゥッ!!
火影と海之は衝撃砲の直撃を受けたものの気合で消し飛ばす。ダメージはそれほど大きくはなさそうで直ぐに態勢を立てなおす。
海之
「あんなものまで備えているか。まともに喰らったが…こちらも以前より装甲の強度が上がっている様だ」
火影
「けどあいつのシールドも今までにねぇ位強力みてぇだな。まぁ閻魔刀の力を使ってたそれには及ばねぇけど。だが俺らも魔力が無ぇためにあん時程の力が出せてねぇためか簡単にゃ貫けねぇ様だぜ」
海之
「…ああ」
火影
「お前か俺の剣がありゃ難無く開けられそうだがどっちも使い物にならねぇし…。どうするか、無理しても開けられねぇ事はねぇがよ」
海之
「無いものを言っても仕方がない。……俺にひとつ手がある。その間、お前ひとりで奴と戦って注意を引き付けろ」
火影
「…へっ、簡単に言ってくれるねぇ」
海之
「なんだできんのか?」
すると火影は悪態をつきながらも笑って言った。
火影
「…いいや簡単さ!」
海之
「タイミングが重要だ。一瞬でも動きを止めろ」
火影
「あいよ!」ドンッ!
そう言うと火影はひとりルーヴァに向かっていく。
ルーヴァ
「…わざわざ死にに来たか…」
火影
「違うな!ぶったおしに来たのさ!」
ルーヴァと戦いを始める火影のその後ろで海之は何考えていた。
海之
(閻魔刀が使えなくてもシールド位は…)
ヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥン!!
スクードアンジェロ・デュエルアンジェロ
「「「……」」」
その時、海之の周辺にいくつもの転移が出現した。そこから多くの
海之
「…さしずめ俺達の力を測るために寄越したか。…貴様らの相手をするほど暇ではない。死にたくなければ去れ」
…だがそんな言葉が通じる相手でもなく向かってくる。海之は動かないまま。
海之
「……」
カッ!…ドォォォォォォン!!
Sアンジェロ・Dアンジェロ
「「「!!」」」
すると突然、ウェルギエル後方にアリギエルやウェルギエルの展開時と同じ様な黒い光が現れ、それが爆発を起こした。突然の事態にアンジェロ達は一瞬たじろぐ。……そして暫しして驚いた。
ひとつ目の巨人
「……」
そこにはまたもや異形の存在がいた。ウェルギエルの倍ほどはあるだろう紫色に鈍く輝く巨大な人型の物体。顔と呼べる部分が無く、身体に当たる部分から手足が伸び、頂点らしき部分にひとつ目と思われるものが不気味に光っている。両手は無数の棘が付いた球体、星球の様になっている。
海之
「…我は嘆き悲しみ、自らの星を呪う」
ギロリッ!…ピッ!!
巨人の目から細い光が高速で放たれ、周囲のアンジェロ達に襲い掛かった。
Sアンジェロ・Dアンジェロ
「「「!!」」」
ドガガガガガガガガガガガンッ!!
その光を受けたアンジェロ達は揃って爆発を上げ、立て続けに破壊された。
ドンッ!
するとそれから間一髪逃れたらしい一体のSアンジェロがその巨人に襲い掛かってきた。剣を振り下ろす。
海之
「我が愛しき人を高め、卑しめたあの星を…」
ガキンッ!!
Sアンジェロ
「!」
しかし、その剣は巨人の装甲に食い込まず、受け止められた。
海之
「迷い子よ、家へと帰れ…」
……ヴゥン!!
今度はその巨人が星球の拳を振り上げてSアンジェロを狙う。空かさず盾で防御しようとする。しかし、
ドゴォォォォ!バキィィィィィン!!
Sアンジェロ
「!!」
ドガァァァンッ!!
しかし盾ごとその拳でへし折られ、Sアンジェロは大破した。
「ナイトメア
ウェルギエルに新たに追加された機能兼支援機。
元々は海之(バージル)のコアに宿る人物が使役していたものだが、閻魔刀が折れて戦力ダウンした海之に託された。破壊光線と雷弾、手足による格闘という比較的単純な戦法しかできないがその破壊力は非常に強力でSアンジェロを盾もろとも粉々に打ち砕くほど。更に鈍重な見た目とは裏腹にスピードもあり、頑強さもある。但し嘗ての名残か時間制限があり、約一度の戦闘で3分間しか使えない。
ナイトメア
「……」
ヴゥヴゥヴゥヴゥン!
するとまた新たなアンジェロ達が更に出現してきた。
海之
「…遊んでやれ。俺は忙しい」
…………
一方、火影はルーヴァと一対一での戦いを繰り広げていた。
ズドドドドドドドド!!
ルーヴァが転移レーザーや山嵐を撃てば、
バババババババババッ!!
火影がエボニー&アイボリーやコヨーテで撃ち落とす。
ドガガガガガガガガンッ!!
衝撃砲や荷電粒子砲を撃ってくれば、
ドゥルルルンッ!!ヴゥンヴゥンッ!!
キャバリエーレで高速回避したり叩き切る。
火影
「手品の数は前より多くなりやがったじゃねぇか!」
ルーヴァ
「…何を言っている。貴様との戦いは…ここが最初で最後だ」
火影
「そうかい!なら願ったり叶ったりだ!」ドンッ!!
そう言って今度は火影が攻撃をよけながらルーヴァに接近する。
…ズギュ――ンッ!!
ルーヴァは目の前に迫ってきた火影に向かって荷電粒子砲を撃つ。
シュンッ!
火影はぎりぎりまで引き付けてエアトリックで避ける。そして、
ジャキッ!
ルーヴァ
「!」
ルーヴァの真上にコヨーテをほぼゼロ距離で展開する火影。
火影
「でかくなった分鈍くなったな。ダイエットをおススメするぜ?」
ズドズドズドズドズド!!
…ボガァァァァァァァァンッ!!
連射能力が上がったコヨーテの怒涛のゼロ距離連射がルーヴァに襲い掛かった。凄まじい爆発が起こる。
火影
「……!」
だが…それでも傷は付けられなかった。
ルーヴァ
「無駄だと言った筈だ」…ブンッ!
ドゴォッ!
ルーヴァの拳が正面から火影に当たる。
火影
「ぐっ!…なめんなぁ!!」
ドゴォ!!メキメキッ!!
ルーヴァ
「!」
ルーヴァの腕に火影の両の拳が左右から挟み込む様に喰らわされる。メキメキと音を立てる。
ルーヴァ
「ぬぅっ!」ヴゥン!
ルーヴァは一瞬転位し、そこから逃げる。
ルーヴァ
「…貴様…!」
火影
「いつつ…やっと顔を顰めやがったな?そんじゃ次の手行くぜぇぇ!」
ドゥルルルルルルルン!!
火影はバイクモードでキャバリエ―レを展開し、そのまま突っ込む。体当りを仕掛ける様だ。
ルーヴァ
「…自爆でもするつもりか」
火影
「何を言ってやがんだ?完勝する気満々だぜ!」ピピピ!
ギュゥゥゥン…ドンッ!!!
キャバリエーレのRモードを起動、前面に雷のエネルギーをチャージする。更にスピードが上がったまま…、
ドォォォォォォォォォォォォン!!
火影はルーヴァに突っ込んだ。キャバリエーレとシールドのエネルギーが激しくぶつかる。だがそのまま押し込もうとする火影。
火影
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ガガガガガガガガガガガガ…!!……ビキッ!!
ルーヴァ
「…!!」
その時、ルーヴァのシールドにヒビができた。衝突によるエネルギーがダメージを与えている様だ。
火影
「おぉぉぉぉぉぉ!!」
ルーヴァ
「…ちぃ!」カッ!!
ズン!!
その時、火影の身体に異変があった。キャバリエーレ含め、自由にうまく動かせない。それは先ほど千冬や箒達が受けたものと同じ力だった。
火影
「くっ…なんだこりゃ?金縛りの類か?」
ルーヴァ
「…砕けちれ!」ヴゥンッ!!
ルーヴァは再度拳を振り上げる。
シュンッ!!
しかし間一髪、火影はエアトリックで避ける。
ルーヴァ
「……」
火影
「…ふぅ~危ねぇ危……!」
しかし火影の身体の異変は直っていなかった。離れはしたが未だに身体が重い。
火影
「ぐっ!一旦かかったらどんなに逃げても最後まで効果が続くって訳かよ!」
シュバァァァ!ガシ!
動けなくなっている火影に血吸の根が襲い掛かり、動きを封じられる。
火影
「く…!」
ルーヴァ
「……言った筈だ。俺には勝てん。例えダンテ、貴様にも、な…」
火影
「力も今までの雑魚より桁違いか…。けっ、正直俺ひとりで十分と思ったぜ。幾ら悪魔の力が無くなった俺っつったってな」
ルーヴァ
「ほざけ。人間如きが…俺にかなうものか!」
ゴォォォォォォォォォォォッ!!
火影が動けずにいるとルーヴァの周辺に無数の炎が展開される。
火影
「あのスコールって奴の攻撃に似てんな。成程…、さっきのミサイルや衝撃砲といい…あいつらからぶんどったのか」
ルーヴァ
「俺は力そのもの…、造作もない事だ…」
火影
「にしては他人の攻撃方法ばっかじゃねぇか。パクりの力で固まったパクりの王様ってとこか」
ルーヴァ
「…貴様ぁぁぁ!!」
ドォォォォォォォォォォンッ!!
無数の火球が一斉に火影に向かう。動けない火影。
火影
「……たく、仕方ねぇ。本当なら使いたくねぇが出す以上少しは役に立ちやがれ!」
カッ!!
ルーヴァ
「!」
そう言った火影の周りにあるふたつの物体が出現した。見た所剣の様である。ひとつは赤い剣、もうひとつは青い剣だ。
ゴォォォォォォォォォォォッ!
ビュオォォォォォォォォォッ!
そして出た瞬間、赤い剣からは業火が、青い剣からは暴風が巻き起こり、
……ゴォォォォォォォォォォッ!!
それらは融合して巨大な炎の竜巻を生み出した。
ババババババババシュゥゥゥゥ…
その炎の竜巻は火影の全身を覆って守護壁の様になり、襲ってきた炎の嵐を燃やし尽くす。縛っていた血吸いの枝も焼き尽くされた。
ルーヴァ
「!」
火影
「やれやれ…まぁ少しは役に立ちやがったか」
すると火影の身が解放され、動きが楽になる。
火影
「お?動けるようになったぜ。どうやらてめぇの金縛りの術も永遠に続く訳じゃねぇようだな?」
ルーヴァ
「…ダンテェェ!!」シュバァァァァァァッ!!
激高したルーヴァの根が更に火影に迫る。だが火影は逃げずに言い放った。
火影
「……忠告しといてやるぜ」
ガシィィィィッ!
火影は飛んできた根を受け止めて掴む。
火影
「てめぇはテメェの強さに自信があり過ぎんだ。そのせいで逆にてぇした事ねぇんだよ」
ルーヴァ
「…貴様!」
火影
「ほんでもってやり返されると一々ビビってやがる。さっきから動揺し過ぎだぜ。…海之!」
ルーヴァ
「…!」
海之
「「「………」」」
ルーヴァは目を見張った。海之と、残影によって生み出された複数の分身がルーヴァを狙っていた。
海之
「……汝の手の内に無限を抱き…その一瞬の内に永遠を見よ……」
ジャキッ!
「「「次元斬………滅!!」」」
ズガガガガガガガガガガガガガガッ!!
海之と残影によって繰り出された次元斬の嵐がルーヴァのシールドのある一点に集中的にぶつかった。
ガガガガガガガ………ビキビキビキビキ!!……バリイィィィィィィィィン!!
そしてやがてダメージに耐え切れなくなったのか、遂にシールドが破壊された。
「次元斬・滅」
次元斬の新たな奥義。
一定の範囲の中で集中的に次元斬を放つ「次元斬・絶」に対し、コンマ二桁まで狂いが無い全く同じポイントに刹那の瞬間の如く次元斬を連続で放つ。これによって抵抗をほぼゼロにし、ダメージを完全に伝えるだけでなくいかなる装甲やシールドも貫く。いわばブルーローズの次元斬版ともいえるもの。ただし最大効果を狙うには相手が動いていない状態でなければならない。また閻魔刀でなければ真の威力は発揮できない。
海之
「ちっ、やはり幻影剣ではシールドを破る程度か…」
ルーヴァ
「俺の盾を…砕いただと!?」
酷く動揺しているルーヴァ。
ジャキッ!!
火影
「余所見すんなってママから教わらなかったか?」
ルーヴァ
「!!」
その一瞬の隙をつき、手に新たなカリーナを持った火影が後ろから狙いを付けていた。
「カリーナ・アン・ランチャーⅢ」
カリーナ・アン・ランチャーをベースにアリギエルのコアに宿る人物が新たに改修・改造したもの。見た目は原作のカリーナとカリーナⅡが連結したもの。「繋げて威力上がんなら最初から繋げときゃいいだろ」と合体させたため、分離不可になっている。
砲身がほぼ倍の長さになって取り回しは更に悪くなったものの威力は更に上昇している。ミサイルモードや強度・牽引力が強化されたワイヤーユニットも従来のまま残している。
火影
「ビンゴ」
ズドォォォォォォォォォォォッ!!
ルーヴァ
「グオォォォォォォォ!!」
カリーナの砲口から凄まじいビームが撃たれる。その威力と出力は以前のカリーナよりも遥かに高かった。後ろからの直撃を受けたルーヴァはその攻撃に身体が吹き飛ぶ。
ルーヴァ
「グッ!グゥゥゥアァァァァ…!」
…だが倒しきるには至らず、暫くするとその傷も再生された。だがダメージは大きいのか唸り声をあげている。
火影
「しぶといヤロウだぜ」
海之
「だが効いているのは間違いない。次で仕留める!」
ドンッ!!ドンッ!!
そしてふたりは突撃した。
ルーヴァ
「…貴様らぁぁ!!」
ズドドドドドドドドッ!!
ビュビュビュビュンッ!!
ズギューン!!ズギューン!!
火球、レーザー、粒子ミサイルと一気に撃ってくるルーヴァ。
火影
「銃ってのは撃った数じゃねぇんだよ!」
海之
「品の無い戦い方だ」
それらの攻撃は火影と海之の武器と連携によって食い止められ、その隙間を縫うようにふたりは接近する。
海之
「俺が行く!援護しろ!」
火影
「へっ!しくじんなよ!」ジャキッ!ズドドドドドドドドド!!
火影はカリーナⅢから多弾頭ミサイルを発射した。
ルーヴァ
「…無駄だ!」ズドドドドドドド!!
ドガガガガガガガガガガンッ!!
互いのミサイルがぶつかり、激突し、相殺される。そこに、
ガシィィィィィン!!
ルーヴァ
「!」
見るとルーヴァの身体が海之の腕に捕まっていた。腕から出ていた青き光に包まれたベオウルフに。
海之
「もう一度言う。貴様の存在は決して許されない!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
海之の凄まじい青きベオウルフのラッシュがシールドを失ったルーヴァに直撃する。
海之
「おおおおおおおおおお!!」
ルーヴァ
「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
ヴゥンッ!!
そして暫く打った後にルーヴァの身体が海之の腕によって猛烈な勢いで放り投げられる。
ルーヴァ
「!!」
海之
「合わせろ火影!」
ルーヴァが飛ばされた先には…片足が炎に包まれた火影がいた。
ゴォォォォォォ!!
火影
「へっ!そらよ!!」ドゴォォォォッ!!
火影が炎纏いし足で遥か斜め上に蹴り上げる。
シュンッ!
その先に瞬間移動してきた海之がいた。パワーアップしたことでウェルギエルにもアリギエルと同じエアトリックが追加されたらしかった。
海之
「おおおおおおお!!」ドゴォォォォォッ!!
更にそこまで移動していた海之の月輪脚が火影の攻撃で上がってきたルーヴァに直撃した。それによって更に上昇する。その先には、
火影
ガシッ!「うぉらあぁぁぁぁ!!」ドゴォォォォォォォッ!!
更に更にエアトリックで移動していた火影が炎に包まれた拳を合わせ、ルーヴァの身体を下方に思い切り殴りつけた。そのコンビネーションの速さとダメージにリーヴァは転移する暇もない。
ルーヴァ
「グアアアアアアアアアア!!」
暫く下降してルーヴァは態勢を立て直す。そして直ぐ上を見上げるが…そこにふたりの姿は無かった。
ルーヴァ
「…どこだ!!」ジャキジャキッ!!「!!」
ルーヴァは気付いた。火影と海之は既に自分の真後ろにいた事に。火影はしゃがみ、海之はその後ろに立っている。そしてふたりはあの言葉を言って、
火影・海之
「「…Jackpot」」
ズギュ―――ンッ!!ズギュ―――ンッ!!
ルーヴァ
「!!」
ガガガガガァァァァァァァァァン!!
手に持つエボニー&アイボリーとブルーローズのチャージビームを発射したのだった。
…………
……一方、戦闘の邪魔にならない所まで下がっていた箒達はその様子がギリギリ見えるところにあるとある島に降りていたのだが、
箒
「……凄い」
セシリア
「私達全員でかかっても傷ひとつ付けられなかったあの敵を…」
鈴
「…二次移行?したのもあるんだろうけど…ほんっとこんだけレベルが違うとぐぅの音も出ないわ…」
シャル
「あはは…。…それにしても流石ふたりだよね、双子らしいコンビネーションだよ」
簪
「うん。…それにさっき海之くんを守る様に現れたあの巨人…?あれも凄いパワーだったね」
ラウラ
「ああ…。あの強化されたアンジェロ達を一瞬で全滅してしまったのだからな…」
多くの者は素直な感想を述べる中、こちらの三人は箒達に聞かれない様に別の事を話していた。
千冬
「……実に見事な連携だ」
楯無
「はい…本当に凄い。だけど…まるであの敵の戦い方をある程度知っている様な感じで動いている。…という事は…あれもふたりが知っている存在なのかしら?」
クロエ
「…そうかもしれませんね。それに何より兄さん達のIS…一体どうされたんでしょう?簡単に考えれば二次移行とは思いますが…それにしても違いすぎます。例え二次移行したとしてもある程度は以前の姿形の面影はある筈なんですが…」
楯無
「…確かにね。…でもまぁ今はいいじゃない。多分、いいえ絶対ふたりは私達だけじゃなく…今度は皆に全てを話してくれると思うわ」
クロエ
「…そうですね」
千冬
(……海之、火影。更識の言う通り、どうやらその時が来たのかもしれんな……)
千冬・楯無・クロエはそんなことを考えていたのだった。……その時、
箒
「…!見ろ!」
…………
火影と海之の激烈な攻撃を受け、沈黙したかの様に思えたルーヴァだったが、
ルーヴァ
「…ハァァ…ハァァ…」
しかしそれでもまだ倒しきるのは至っていなかった。だがシールドを破壊されてダメージが大きいのか苦しんでいる様子が見て取れる。
ルーヴァ
「まだ…、まだ…、足りん…という、のか…!」
火影
「…ほんっとしつけぇヤロウだな。そこまで似せる必要ねぇのによ」
右手のエボニーで肩をトントン叩きながら言う火影。
海之
「ある程度予測できた事だ。何故ならあいつは」
火影
「おっとそれ以上言うなよ。あいつはおめぇとは違うんだからよ」
海之
「……」
ルーヴァ
「…負けん!!俺は…絶対に…!!」
火影
「んじゃさっさと終わらせ」
とその時、
ヴゥンッ!!
火影・海之
「「!」」
ルーヴァの直前に何者かが転移していた。現れたのは、
オーガス
「……」
オーガスだった。そのオーガスはルーヴァと向かい合う様に浮かんで佇んでいる。
海之
「オーガス、いや…アルゴサクス…!」
火影
「野郎…!」
ルーヴァ
「……人間が、…何者だ…?」
オーガス
「…親の顔も忘れたのか。…まぁいい。それより…貴様に話がある。……「力」が欲しくないか?」
ルーヴァ
「力、…だと?」
オーガス
「そうだ。貴様をより上へと向かわせる力だ。どうだ?」
だがルーヴァはそんなオーガスの言葉を一蹴し、言い返した。
ルーヴァ
「ふざけるな…!人間如きが気安く俺に話しかけただけでなく…力を与えよう等…!破壊の化身たる俺が…人間に救いを求めると思うか!!」
そう言いながらルーヴァはオーガスに殴りかかろうと拳を振り上げる。
火影・海之
「「!」」
ルーヴァ
「死ね!」
カッ!!
ルーヴァ
「!」
オーガス
「……」
その時ルーヴァの拳が止まった。…ルーヴァはオーガスに何かを感じた様だ。
火影
(…なんだ?)
海之
(…?)
…ドクンッ!!ドクンッ!!
火影・海之
「「!!」」
リベリオンと閻魔刀の破片に一瞬感じる強烈な反応。そして…あの文字が一瞬浮かぶ。
「「アクマガエリ」ガシヨ……」」
だがそれは以前よりも早く閉じてしまう。
火影
(ちっ、駄目だ短すぎる!)
海之
(……!)
オーガス
「私に、我らに従えば…貴様は更なる力を手に入れられる」
ルーヴァ
「…………本当に…力が手に入るのか…?」
オーガス
「……ああ、破壊の化身に相応しい力をな」
ルーヴァ
「…………良いだろう。俺は…負けられんのだ。ダンテに!バージルに!……力が欲しい!もっと力を!!」
ルーヴァはオーガスにそう言った。
オーガス
「…ふっ、良い子だ。先に戻っていろ」
ヴゥゥゥゥンッ!!
そしてオーガスはルーヴァを転移させた。
火影
「ちっ…」
海之
「……」
オーガス
「さて……」
するとオーガスは振り向く。ひと月ぶりに相対する転生者同士。
オーガス
「……始めてみる者だが…貴様らの正体はわかっているぞ。……生きていたとはな、…ダンテ、…バージル」
火影
「死に損なったのさ。おせっかいのおかげでな」
海之
「……」
オーガス
「このひと月の間、世界中を探した…。しかし欠片の一片も見つからなかった…。どうやって隠れていた?その姿はどういう事だ?」
冷静に話すがその声には多少の怒りが含まれている様に思える。
火影
「へ~、てめぇでもわからねぇ事があるんだな?」
海之
「貴様も所詮その程度か」
オーガス
「質問に答えろ!!」
ドンッ!!
火影・海之
「「!」」
オーガスから魔力による一種の覇気の様なものが発された。火影と海之はそれをビリビリ感じつつも調子は崩さない。
火影
「お~お~怒ったな?ガキの言葉で切れるなんて随分人間臭くなったんじゃねぇか?」
海之
「…知りたいなら力づくで吐かせてみたらどうだ?老いぼれ」
オーガス
「!…いいだろう。ならば何も聞かん」
…ギュオォォォォォォォォォォォ!!
そういうとオーガスの頭上に以前火影がカリーナでかき消した様な球体が出現した。但し今回のはその時より遥かに大きい。そして、
オーガス
「ただ…死ね!」
…ドォォォォォォンッ!!
それを火影と海之に向かって放つオーガス。
火影・海之
「「……」」
カッ!!…ゴォォォォォォォォォッ!!
すると火影の右手が激しい炎に包まれた。
…ギュンッ!!
一方の海之の左手にはベオウルフが現れ、それが先ほど腕の後ろから出ていた青き輝きに包まれる。
火影
「…おらぁぁぁぁぁ!!」
海之
「…おぉぉぉぉぉぉ!!」
ドゴォォォォォォッ!…ギュンッ!!
オーガス
「! 何!」
火影は炎燃え盛る右手で、海之は光輝く左手で同時にその球体を殴りつけた。その力に球体は押し返される。
オーガス
「ちっ!」サッ!
ドガァァァァァァァァンッ!……パラパラ…
寸でのところで自らに結界を張り、阻止するオーガス。
火影
「そういやこいつはてめぇの右腕だったな。最もこいつは敵わねぇとわかった瞬間自ら魔具になっちまった。てめぇより利口なんじゃねぇか?」ゴオォォォォ…
良く見ると…火影の腕にはイフリートではない新たな籠手と具足が展開していた。それが今までの炎を生み出していたのであろう。
「バルログ」
イフリートに変わる火影(ダンテ)の新たな籠手。更に具足も加わっている。ドラゴンの鱗の、皮膚を思わせる様なごつごつした見た目をしている。
その正体は嘗てアルゴサクスの片腕だった悪魔が魔具として変化したもの。イフリート以上の炎を操る武人の如き性格の持ち主で強者との闘いを好む。何れはアルゴサクスも倒し、自分が最強になると企んでいたがダンテの力に感服して自ら魔具となった。
海之
「…やはり品の無い戦い方だ。…が、今は良しとするか」ゴキッ!ゴキッ!
「ネロ」
海之(バージル)がナイトメアVと同じくコアの人物から譲り受けた新たな力。
腕から出ている青い光が腕全体を覆う事で自身の攻撃力・パワー共に大幅に上げる事が出来る。ベオウルフと相性が良い。しかし本来の力はこの光そのものが魔力で形成される魔手・腕であり、魔力が無い今の海之では本来の力を発揮しきれていない。
オーガス
「………ク…ククククク、ハッハッハッハッハ!…いいぞそうでなくては面白くない!それでこそダンテとバージル!それでこそ我が怨敵スパーダの血族よ!…やはり貴様等は我が直接この手で仕留めなければならんようだな!」
オーガスは悔しさと嬉しさが交じり合ったような笑いをした。
オーガス
「…だが忘れるな。どんなに強くなろうが今の貴様達は所詮ただの人間。奴の力も魔力も失った抜け殻よ。ましてやバージル、貴様に至っては閻魔刀も使えん。それでも我に敵うと本気で思っているのか?」
そんなオーガスにふたりは言い返す。
海之
「俺達が屈しない限り、貴様が勝ったわけではない」
火影
「この程度の事なんざもうとうに慣れっこなんでね。てめぇも無駄口ばっか叩いてねぇでぶん殴られる準備でもしてたらどうだ?」
オーガス
「…クククク、そのふざけた口を永久に閉ざす時が楽しみだ。…今回は貴様らの帰還を祝って引いてやるとしよう。収穫もゼロでは無かったことだしな」
火影
「逃がすと思ってんのか!」
火影はそう言って飛び掛かるが、
カッ!!!
火影・海之
「「!!」」
再び同じく、……いやそれ以上の魔力の覇気に襲われる。それはまるで先ほどのルーヴァの沈黙の時の如きもの。その魔力に思わず怯んでしまう火影と海之。先ほどと同じく「悪魔還り」も一瞬動く。
火影
「くっ…!」
海之
「なっ…?」
オーガス
「……言った筈だ。勝てると思っているのか?とな。慌てるな。どうせ貴様らを倒さねば我らの大願は果たされん。時が来ればこちらから招待してやる。それまで束の間の…いや、最後の安らぎを味わうがいい。フハハハハハハハハ!!」ヴゥゥンッ!
そう言い残し、オーガスは転移し去った…。その場に残った火影と海之。
火影
(…ちっ、言いたい放題言いやがって!…だがさっきの力は…)
海之
(……)
何か思う事があるのか、バイザーの下で苦虫を潰す様な表情を見せるふたりであった…。
…………
オーガスの部屋
火影と海之のふたりと対峙していたオーガスは既に戻っていた。
オーガス
(…しかし奴らが生きていたとは…。魔力こそ使えぬ身とはいえ、はっきり言って想定外だ…。本来なら時間をかけても真のアレを完成させたかったが…時間をかけ過ぎれば完成前に奴らにこちらの居場所を知られてしまう可能性もある…。例え本体だけが完成していても我らの勝利を確実なものにするにはアレは不可欠だろう…。やむを得んが多少計画を変えねばならんか………)
苦い顔をしながら何かの思案をしている様子をしているオーガス。すると、
?
(…生きていた様だな…)
オーガス
「…ええ。今の今まで調べつくしたにも関わらず…何故…。貴方にも感じ取れなかったのでしょう?」
?
(………その通りだ。…だが構わん。完全に人間となり下がった奴ら等…我らの敵ではない…)
オーガス
「……ク、ククク。まぁその通りですがね」
?
(……頼むぞ…。オーガス、…いや、アルゴサクス)
オーガス
「仰せのままに。…ふっふっふっふ…」
?
(………)
…………
一晩の戦いが終わり、ふたりは一夏達が降りているらしい島に降り立つ。空はうっすら闇が薄くなり、東の空はやや明るさが見え始めていた。
アリギエル・ウェルギエル
「「……」」
キュウゥゥゥゥン…
火影・海之
「「……」」
ISが解除されたそこにいたのは首に其々銀と金のアミュレット、そしてひと月前と同じ格好のふたり。
火影
「あ~~腹減った~~」
海之
「…最初の言葉がそれか」
火影
「しゃあねぇだろ?あいつらの話だとひと月眠ってたんだしよ。ところで…」
海之
「…?」
火影
「…お前と一緒に戦うのは何度目だ?」
海之
「……覚えていない。今更だからな」
火影
「…ほんと今更だな。はははは!」
海之
「……ふ」
ふたりは笑っていた…。事態は好転とはいかないがとりあえず守れただけで今は良いと安堵するふたり。そんなふたりの目にはうっすら自分達に駆け寄ってくる多くの影が見えていた。
次回は31日(土)の予定です。
次回から数回は平和な話が続きそうです。
またアンケートを書いておりますのでそちらもご意見頂けたら幸いです。