IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
其々の国で更なる縁を手に入れた火影や海之、一夏達。
そして…物語は遂にふたりの物語へと続く…。
千冬
「放課後、エレベーター前にお前達だけで来い。誰にも気づかれない様にな…」
新学期の始業式放課後、一夏達は千冬に上記の様な指示を受けた。そして皆揃った所で今指定された場所に向かっている。
一夏
「なんだろな千冬姉?俺達だけ、しかも絶対他の誰にも言うななんて…」
箒
「わからん…。指令室に行くわけでもない以上危険なことではなさそうだが…」
鈴
「でも誰にも見つからない様になんて…簡単な話じゃないわね…」
セシリア
「…そういえば火影さんと海之さんは?」
本音
「ひかりんなら先に行くって言って行っちゃったよ~」
簪
「火影くんも?海之くんもなんだ。先にやる事があるって」
ラウラ
「そういえばクロエさんと刀奈さんもいなかったな。声をかけてみたのだが留守だった」
シャル
「火影と海之だけでなくクロエさんと刀奈さんもいないって…それ…」
何となくであるが皆不安を感じている様だ。……やがて学園のエレベーター前に到着するとそこには真耶がいた。
一夏
「あっ、山田先生」
真耶
「皆さん、来られましたね」
箒
「先生が何故こちらに?」
真耶
「皆さんを案内するために来たんです。…さぁ行きましょうか」
そう言われてエレベーターに乗り込む一夏達。そして真耶はカードキーの様なものをエレベーターのスロットに差した。
真耶
「このカードキーを差せば学園の秘密の地下階層に行く事ができます」
簪
「秘密の地下階層!そんな秘密基地みたいなものがあるんですか?」
真耶
「はい。因みに一夏くんの白式を封印していたのもそのエリアです」
一夏
「だったら尚更俺が行ける訳ねぇじゃねぇか~。恨むぞ千冬姉~」
ラウラ
「済んだことを何時までもピーピー言うな一夏」
……やがてエレベーターは表示番より下の階に移動していき、更に地下の階で止まった。エレベーターから降りると通路があり、真耶達に案内された一夏達はある部屋の前で止まった。真耶は電子扉を開ける。
千冬
「…来たか」
箒
「千冬さん」
クロエ
「皆さん」
刀奈
「待ってたわよ皆」
虚
「お疲れ様です」
ラウラ
「クロエさん」
簪
「お姉ちゃん。虚もいたんだ」
そこには千冬やクロエ、刀奈や虚。そして、
火影
「よ、お前ら」
海之
「…来たか」
火影や海之もいた。
シャル
「火影、海之」
セシリア
「やはり一緒でしたのね」
鈴
「…千冬さん、何なんですかここは?」
その部屋は普通よりも大きく、様々な機器類が並んだ部屋。一番の特徴は人がスッポリ入る位のポッドの様な物が奥に沢山置かれている事だった。
千冬
「ここは本来生徒達には知られない。非常時以外には使われない特別な部屋だ。故にこの部屋を出てからは誰にも言ってはならん。良いな?」
一夏達
「「「は、はい!」」」
千冬の凄みに一夏達は直ぐに反応する。
千冬
「よし、それでは教えてやる。……ここは非常時の為の作戦指令室だ」
箒
「そんなものが…!」
真耶
「そして電脳ダイブを行うための部屋です」
一夏
「…でんのう…ダイブ…?」パコーンッ「あだ!」
千冬
「この馬鹿者、まだ授業では教えていないが教科書に書いてあるだろうが」
セシリア
「電脳ダイブ。確か…「人の意識をISの機能とナノマシンの信号伝達によって保護神経バイパスを通して電脳世界へと仮想可視化して侵入させる技術」でしたわね」
ラウラ
「ネットワーク上に仮想人物として入り込み、ネット上に存在する問題やシステム、ウイルスにも直接干渉できるともある。最もあまり行われた例はないと聞くが」
簪
「うん。ダイブしている間入り込んだ人は意識が無いままだし…万一リンクが切れてしまったら出てこれなくなる可能性もあるって。本当に万が一だけど」
刀奈
「そうよ。でも今はそっちの方も進化してるからリンク中断の可能性は殆ど無くなったわ」
箒
「でも千冬さん。そんな場所にどうして私達を?」
箒は千冬に訪ねる。すると、
火影
「…いや、お前らを呼んだのは俺達だ。先生には協力してもらったんだ」
鈴
「火影と海之が?」
本音
「じゃあふたりはこの部屋の事知ってたの~?」
海之
「ああ俺は少し事情があってな。火影には俺から伝えた」
簪
「でもふたりはどうして私達をここに?」
他の皆も同じ思いだろう。すると火影が言った。
火影
「……前に言った約束を果たすためさ」
それを聞いた皆の顔色が変わる。
一夏
「前に言った約束って……!」
箒
「もしかして!」
海之
「……ああそうだ。そのためにお前達を呼んだ。そしてお前達にはこの装置を使って俺達の秘密を見せる」
シャル
「電脳ダイブを使ってって…どうやって?」
火影
「アリギエルとウェルギエルのコアをこいつに接続し、学園のネットワークの一部にエリアとして表示させる。そこには俺達の事がデータの形で残ってる。まぁ言わば俺らの情報専用の図書室って言った感じか。それを見てもらうんだ。口伝えより映像があるほうが分かりやすいだろ?本当なら俺達自身で解説でもしたいところだが…俺達はここで待たせてもらうぜ」
鈴
「私達だけ?大丈夫かな」
海之
「心配はいらない。こちらとは連絡が取れる」
火影
「あと多分…中には案内人もいる筈だ」
セシリア
「案内人、ですか?」
火影
「ああ。ちょいクセある奴らだが……頑張れ」
一夏達
「「「……?」」」
海之
「では先生、お願いします」
そういうと火影と海之は自分達のアミュレットを真耶に預け、それを専用の機器に接続した。
真耶
「………接続完了しました。これでおふたりのコアにある情報が展開される筈です」
千冬
「では全員ポッドに横たわれ。その後電脳ダイブを行う」
簪
「横たわるだけでいいんですか?」
楯無
「そうよ。カウントダウンが始まってゼロになったら未知の世界にようこそ~って訳♪」
鈴
「な、なんかそれだけ聞くと怖いわね」
そして一夏・箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・簪・本音。そして志願した刀奈・クロエ・千冬がポッドに入った。
本音
「なんかワクワクするね~♪」
一夏
「のほほんさんはこんな時でも平常運転なんだな」
真耶
「皆さん用意できましたね」
千冬
「では真耶、頼む。虚はバックアップを」
虚
「わかりました」
火影
「ああそうだ。もし向こうでそいつらに会ったら伝えといて欲しい事がある」
シャル
「伝えといて欲しい事?」
火影
「……知ってた癖に変な気使いやがって、と」
鈴
「…?変なメッセージね」
海之
「そう言えばわかる筈だ」
クロエ
「わかりました」
真耶
「それでは……転送を開始します」
一夏
「じゃあちょっと行ってくるぜ」
(…見せてもらうぜ火影、海之。お前らの秘密を…)
……そして真耶と虚が何やら作業を行うとカウントダウンが始まった。
…5…4…3…2…1…0!
真耶
「ダイブ開始!」
……そしてポッドに入った皆の意識が離れた。
火影・海之
「「………」」
虚
「ふたり共、緊張してるんですか?」
火影
「…まぁ多少は」
真耶
「いよいよ知る事になるんですものね…あの子達もふたりの事…。でも大丈夫ですよ。皆さんもきっと…おふたりの事をわかってくれますよ」
虚
「あの子達はおふたりを信じると言いました。おふたりもあの子達を信じてあげて下さい」
火影
「…ええ。ただ…」
真耶
「…ただ?」
火影
「その前に気になることがな…」
虚
「そう言えば案内人と仰ってましたよね?」
海之
「…妙な事にならなければいいが…」
火影
「全くだ…」
真耶・虚
「「…??」」
…………
電脳世界(学園)
一方、電脳世界にダイブした一夏達は無事に潜入に成功していた。
本音
「目がチカチカする~」
箒
「ここが…電脳世界…?」
千冬
「そうだ。私達がよく知っているネットワークの世界であり、現実であって現実で無い。そんな世界だ」
シャル
「確かになんか変な感じだね~。まるでゲームの世界にいるみたい~」
簪
「うん。VRゲームの主人公になった気分だね…」
刀奈
「今の私達は意識だけの実体がない、データだけの存在なの。但しこの世界での出来事は紛れもない実の経験よ。つまりこの世界で死んでしまったら現実でも死んでしまうって訳♪」
セシリア
「ぶ、物騒な事言わないでください!」
刀奈
「あはは、ごめんごめん。大丈夫よ、ダメージが一定を超えると強制的にログアウトされるから」
ラウラ
「…しかしこの世界にはISスーツを着ないと入れないというのもちょっと不便なものだな」
鈴
「その点いいわよね火影と海之は。ISスーツを着なくてもISを纏えるんだもん」
一夏
「そうだよなぁ~これ結構恥ずかしいんだよなぁ」
一夏達は最近何時なんどき何があってもISを使える様に制服の下にISスーツを着る様にしているのだが火影と海之には不要なものであった。
刀奈
「もともとISは女子しか使えないものだからね。そういうものも全部女子向けのものしか造られなかったから」
セシリア
「ですが一夏さんや火影さん達の様な男子の方がこれから先も出てくれば変わるかもしれませんわね」
簪
「可能性あるよね。一夏の件があってから男子の適正検査も検討されてるらしいし」
千冬
「お前達、余計な話はそこまでにしておけ。…真耶、聞こえるか?何処に行けば良い?」
真耶
「はい聞こえます。皆さん無事にダイブできた様ですね。ではそのまま真っ直ぐ進んでください」
言われた通り一行がそのまま真っ直ぐ進むと……、やがて巨大な扉が現れた。
一夏
「山田先生、この扉は?」
すると、
海之
「その扉がアリギエルとウェルギエルのコアに繋がっている」
簪
「海之くん…。という事はこの扉をくぐれば…」
火影
「ああ…俺達の秘密を見る事ができる。嘗ての俺達のな…」
鈴
「火影」
シャル
「…嘗て、って?」
火影
「入ればわかるさ。…但しひとつだけはっきり言っとく。ここから先に見て気分がいいものは一切無い。それだけは保証しとくぜ…。我慢できなくなったら即ログアウトを願い出ろ」
海之
「そこにあるのは俺達の誰にも見せた事がないものだ。千冬先生や刀奈さんやクロエ、山田先生、そして束さんには話だけはしていたが…見せた事はない」
虚
「私もお嬢様からお話だけは伺っていました。皆さんご免なさい…」
本音
「気にしないでお姉ちゃん」
虚
「最も最初はとても信じられませんでした…。おふたりにそんな秘密があったなんて…」
箒
「そしてやはり千冬さんや刀奈さんも知ってたんですね。それに姉さんも…」
千冬
「ああ。但しこれについては私達からじゃなくあいつらが直接お前達に伝えるべきだと思ってな。話す事はできなかったのだ…」
刀奈
「虚ちゃんと同じで正直最初は信じられなかったわよ。でもふたりは嘘付く様な子じゃないからね。束さんやクロエちゃんは最初から信じてたけど」
クロエ
「私や束様は魔具の設計図等もありましたから。ですがこれは兄さん達が話すまで口が割けても言っては駄目だと束様が…」
一夏
(…千冬姉や束さんがそこまで言う程の火影らの秘密って…)
火影
「お前ら、それでも知りたいか?」
海之
「引き返すなら今の内だ」
ふたりの質問に一夏達は、
一夏
「くどいぜ火影、海之。とっくに心の準備できてるよ」
箒
「一夏の言う通りだ。問題無い」
セシリア
「私も大丈夫ですわ」
一夏、箒、セシリアの力強い返事。更に、
鈴
「余計な心配してないでさっさと吐き出しちゃいなさい火影。受け止めてあげるから」
シャル
「僕も同じだよ火影。無理なんてしてない、心から知りたいんだ」
本音
「なんの問題もないよひかりん~」
簪
「海之くん…怖がらないで。私達を信じて」
ラウラ
「夫として姉として共に背負うのは当たり前だぞ」
千冬
「いらぬ心配だ。海之、火影」
刀奈
「そういう事よふたり共」
扇子
(問題無)
クロエ
「大丈夫ですよ兄さん」
わかっていたことだが全員が同じ回答だった。
海之
「……」
火影
「……そうか。だったらもう何も言わねぇよ。……山田先生、後をお願いします」
真耶
「では扉を開いて…先に進んでください」
千冬
「了解した。…お前達、準備はいいな?」
一夏達
「「「はい!」」」
ガチャ…ギィィィ…
先頭の千冬が扉に手をかけ、ゆっくりと開くと…扉の向こうは霧の様なものが立ち込めているのか、真っ白な空間が見えた。
簪
「ここからじゃよく見えないね…」
鈴
「…行きましょ」
鈴の言葉に全員が頷き、扉をくぐる。そして全員が扉をくぐったその時、
ガチャンッ!
扉はひとりでに閉まった。すると、
ラウラ
「…!み、皆!扉が開かないぞ!」
まるで固まってしまったかのように扉はびくとも開かなかった。…更に、
セシリア
「! つ、通信もできませんわ!」
真耶や虚達との連絡もできなかった。それはログアウトもできない事も意味していた。
シャル
「ま、まさか…僕達閉じ込められたんじゃ!?」
本音
「えー!」
千冬
「落ち着けお前達!電脳世界には違いは無い」
クロエ
「…でも妙ですね…通信まで不可能なんて…。こんな事象は聞いた事がありません」
刀奈
「それに火影くん達がこんな事をするとは思えないわ…」
一夏
「のんきに分析してる場合じゃねぇぞ!なんとか脱出しねぇと!」
すると、
女性の声
「心配しなくても大丈夫よ」
一夏達
「「「!!」」」
突然聞こえてきたのは女性の声。更に、
男性の声
「おいおい扉が開かない位で怖がりすぎじゃねぇのか?」
今度は若い男性の声。
女性の声
「世の中貴方みたいな怖いもの知らずばかりじゃないのよ?相手は子供なんだから不安がるのも仕方ないわ」
男性の声
「…お前に言われるのもおかしいがな」
更に更に聞こえた若い女と男の声。それらはモヤの向こうから聞こえてきた。
一夏
「誰だ!?」
刀奈
「私達の他に…誰かいるの!?」
箒
「隠れてないで姿を見せろ!」
見えない人物にそう言い放つ一夏や箒達。すると白いモヤの向こうからその者達はゆっくり姿を表した。
金髪の女性
「ご免なさい。驚かせて悪かったわ」
スタイル良く、身体にぴったりと合うタイトな黒い服を着ている美しい金髪の女性。
黒髪の女性
「貴方達がダンテとバージルの同級生ね。実際見るのは初めてだわ。随分可愛らしい子達じゃない」
肩位までの髪の毛。軽装だがレッグアーマーやグローブを付けた、両目がオッドアイの女性。
銀髪の青年
「不思議な感覚だぜ。あいつらの今の仲間が俺らより小さいこんな子供なんてよ」
海之と同じく青い上着で目は碧眼。髪の毛は火影や海之と同じく銀髪の青年。
黒髪の青年
「だが所詮子供…。魔界では一分も生きられまい…」
杖を着き、片手に本を持っている黒髪の青年。首から腕まで広がる異質な刺青が目をひく。そんな四人が困惑している一夏達の前に現れた。
金髪の女性
「どうもはじめまして」
セシリア
「な、なんですの貴方達!」
ラウラ
「私達を閉じ込めたのはお前達か!?」
銀髪の青年
「慌てんなって。あいつらから聞いてねぇか?中でもしかしたら会う奴がいるかもしれねぇって」
簪
「…そう言えば海之くん達が案内人がいるって言ってた様な…」
シャル
「もしかして…この人達の事かな?」
黒髪の青年
「案内人か…。随分人任せな呼び方をする」
刀奈
「でも貴方達がそうならどうして私達を閉じ込めたの?」
黒髪の女性
「ああそれについては謝るわ。…邪魔されないためよ。ふたりに聞かれたら満足に話しにくいから。でも安心して?帰りたければ私達に言ってもらえたら何時でも帰れるわ」
本音
「ふたりってひかりんとみうみうの事~?」
銀髪の青年
「…ぶっ!はっはっは!やっぱ何度聞いても傑作だぜ!あいつらがそんな呼び方を許すなんてよ!」
黒髪の女性
「アハハハハ!」
金髪の女性
「ふふふ。今度来たら私達もそう呼んであげましょうか?」
黒髪の青年
「…止めてやれ。俺も笑われている気分だ…」
大笑いする目の前の人物達。
箒
「どうもそうらしいな。しかしふたりと随分感じが違う人達だな…」
ラウラ
「あ、ああ。…なんというかイメージが湧かない」
黒髪の女性
「ふふふ、確かに今のあいつらからしたら想像できないでしょうね。でもこれでもあいつらとは結構長い腐れ縁だったのよ」
一夏
「…だった?」
金髪の女性
「生ハム&ガーリックポテトミックススペシャルのオリーブ抜き。彼まだ食べてるのかしら?」
鈴
「! 火影が自分でよく作ってるオリジナルのピザのメニュー…」
金髪の女性
「全く相変わらずなんだから…。まさかそればかり食べてるなんて事無いわよね?キツメに言っといて、ピザは控えときなさいって」
クロエ
「は、はぁ…」
そんな中、千冬が切り出す。
千冬
「そろそろ本題に入りたい。…貴方達が火影と海之が言っていた案内人か?」
黒髪の女性
「…そうね。案内人というのはダンテとバージルの意見だけど…そう思ってもらえたらいいわ」
鈴
「……ねぇ、ダンテとバージルって…やっぱり」
セシリア
「火影さんと海之さんの事なのでしょうか…?」
金髪の女性
「それについてはまた後で言うわ。まずは自己紹介から始めましょう…」
そしてその者達は順に名乗った。
金髪の女性
「私はトリッシュ。ダンテの元相棒、とでも言っておこうかしら」
シャル
「元相棒って……それってもしかして!?」
トリッシュ
「あら?余計な心配させちゃったかしら?でも心配しなくていいわよ。彼とは貴女が想像している様な事はなかったから」
シャル
「は、はぁ…」
黒髪の女性
「次は私ね。一応名前はあるけど…私の事は…レディって呼んで」
セシリア
「れ、レディって固有名詞ですわよ?」
レディ
「まぁコードネームって考えてくれたらいいわよ」
簪
「コードネーム…かっこいい」
銀髪の青年
「次は俺か。…ネロだ。よろしくな」
一夏
「…?」
箒
「どうした一夏?」
一夏
「いやなんか…気のせいかな?雰囲気がなんとなく…海之に似てる気がする…」
簪
「…そういえば…」
鈴
「そ~?どっちかと言えば火影に近い気がするけど?」
ネロ
「…まぁ強ち違っちゃいねぇけどな。ところで…あんたのその…ISだっけか?名前聞いてもいいか?」
ネロは一夏に尋ねた。
一夏
「え?あ、ああ。白式・
ネロ
「………ありがとよ」
その名を聞いたネロはどこか嬉しい様な表情をした。
黒髪の青年
「…最後は俺か。………ミスターガリガリ」
クロエ
「が、ガリガリさん?」
V
「冗談だ。……Vと呼んでくれ」
刀奈
「ブイ…?変わった名前ね」
本音
「わかった~じゃあブイブイって呼ぶね~!すごい刺青だね~!」
箒
「ああ胸から腕まで…。何か文様の様だが…」
V
「…久々に出してやるか…」
ギュゥゥゥゥゥゥン……
するとVの刺青の一部が何やら波を打ったように動き変化した。
刀奈
「な、何!?」
クロエ
「刺青が…!」
するとVの身体を覆っていた刺青の一部がはがれる様に外れ、宙に舞い上がった。それは大きな鳥の様な形になり、
グリフォン
「ぷっはー!シャバの空気も久々だぜー!…ってあら~?もしかしてシャバじゃねぇ?まいっか!細けぇ事は気にしたら負け負け~!」
V
「……相変わらずうるさい奴だな」
グリフォン
「ひさしぶりだなぁ~Vちゃんよぉ。ってかなんで生きてんだ~、バージルの中に帰ったんじゃねぇのか~?あとそういやダンテちゃんはどうなったんだ~?最後に俺もなんでまた出せてんだ~?もしかしてこれがキ・セ・キってやつ~?」
V
「……まぁ色々だ」
一夏達
「「「……」」」
一夏達は皆口を開けて見ている。
グリフォン
「なんだなんだ人間か~?えらく千客万来だなぁ~。いつの間にVちゃんこんなに人気もんになったんだぁ~?こりゃ明日の朝刊はVちゃんのメジャーデビューってので一面トップかねぇ~。ってなんだなんだこいつら揃いも揃ってポカーンとしやがって。カカシやトーテムポールにモテても嬉しくねぇっつーの」
ネロ
「相変わらずよく喋るなお前のペットは」
グリフォン
「おー坊やじゃねぇの~。あれからバージルとは仲直りしたのか~?で、どうよ、初めてパパに会ったご感想ってやつは?」
ネロ
「…おめぇに話す事はねぇよ」
グリフォン
「相変わらず湿気た返事だねぇ~。ま~でもわかるぜ感動の対面だもんなぁ~。もしかして坊やも俺と久々の再会で感無量ってやつ~?何年位?千年位?」
一夏
「………なんか言いたい事はあるがとりあえず今は無しでいいな?」
全員がそれに強く頷く。
トリッシュ
「ご免なさいね騒がしくて。さて、貴方達の御名前もせっかくだから教えて貰えるかしら?」
一夏
「あ、ああ。俺は…」
…………
そうして全員が自己紹介を済ませた。因みにだがこの間、Vはテレパシーでグリフォンに事情を伝えていた。
グリフォン
「カッカッカ!まさか俺がお寝んねしてる間にんな面白れぇことになってるなんてなぁ♪ダンテちゃんとバージルの姿が見えねぇのはそういう訳だったのかい。んで今のダンテちゃん達のお仲間がこのおチビちゃん達って訳か!」
ラウラ
「ち、チビだと!」
グリフォン
「おっとっと。怒んなって、な?」
V
「いいからお前はしばらく黙ってろ…」
トリッシュ
「…話を戻しましょう。改めてこの世界へようこそ」
そして漸く話を進める。
シャル
「…あの、ここって一体どういう場所なんですか?アリギエルとウェルギエルのコアの中じゃないんですか?」
簪
「私達、海之くんと火影くんから自分達の秘密が隠されている場所って聞いたんですけど…?」
レディ
「…ええそうよ。あいつらが言った通り、ここにはあいつらの秘密が知れる場所があるわ」
刀奈
「…?場所があるってここじゃないの?」
V
「ここは俺達の力で作った通過点に過ぎんさ…」
トリッシュ
「私達が貴方達と話したいと思って作った場所なの。今のダンテとバージルと…深い繋がりを築いた貴方達とね。だからこの空間はあのふたりも知らないわ」
鈴
「…今の…ダンテとバージル?」
本音
「ねぇ「ダンテ」と「バージル」ってなんなの~?ふたりの名前は火影と海之じゃないの~?」
箒
「それもあるが貴方達は何者だ?何故火影達の事を知っている?」
セシリア
「おふたりは赤ん坊の時にスメリアで保護され、育てられたと伺いましたわ…。どちらで知り合ったんですの?」
一夏
「あんたらが案内役っていうなら知ってるんだろ?教えてくれ!」
一夏達から立て続けに質問が飛ぶ。するとこれまでどこかふざけた調子だったネロが真面目な表情になり、言った?
ネロ
「……聞いてどうすんだ?」
一夏
「…え?」
ネロ
「あんたら、ダンテとバージルの秘密を知ってどうする?てか信じれんのか?言っちゃ悪いがとても信じられないかもしれねぇぞ?作り話にも程がある。つっても勿論マジな話だがな」
レディ
「さっきも言った通り、私達がこの場を作ったのはあのふたりに邪魔されない様に話したかったからの。…それでどうかしら?」
すると今度は千冬が答えた。
千冬
「問題ない。ここにいる一部の者は既に話は聞いている。そして信じている。こいつらも同じ筈だ」
刀奈
「この子達のふたりへの想いは本物よ。どうか信じてほしい」
クロエ
「お願いします」
皆も続いて返事をする。すると、
V
「……あいつらが、……この世の人間じゃないとしても、か?」
一夏
「…!」
簪
「…え」
本音
「…へ?」
グリフォン
「あら~?揃いも揃ってカカシの次は鳩が豆鉄砲食らった様な顔してやがるぜ~。まぁそういうこったおチビちゃん達。ダンテとバージルは本来おチビちゃん達の世界の人間じゃねぇのさ~」
思いもよらなかったその言葉に皆は当然激しく反応する。
鈴
「火影と海之が…この世界の人間じゃ……ない?」
ラウラ
「そ、そんなバカな!ふたりは…紛れもない私達と同じ世界の人間の筈だ!」
セシリア
「そうですわ!出任せを仰有らないで下さい!」
ネロ
「……と、あんたのお仲間は言ってる様だが?」
千冬
「……」
箒
「千冬さん!?」
簪
「お、お姉ちゃん…嘘だよね?海之くんと火影くんが…」
刀奈
「…簪ちゃん…」
シャル
「クロエさん!」
クロエ
「……」
皆は事情を知っているらしい千冬や刀奈に問いかけるが答えようとしない。するとトリッシュが、
トリッシュ
「こーら!もっとちゃんと、正確に教えてあげないと駄目よ。…安心して?貴方達が知る火影と海之は間違いなく貴方達の世界で生きる人間よ。ただ…少し複雑なのよ。あのふたりはね」
その言葉に皆は一安心するが続けざまの言葉が気になった。
箒
「…複雑、とは?」
トリッシュ
「貴方達、命って終えたらどうなると思う?」
簪
「…え、命が終わったら?」
レディ
「そ、自分が死んでしまったらその後どうなるか、考えてみたことあるかしら?」
皆は思い思いに答えてみる。
鈴
「……そんなのわからないわよ。死んでしまった後の事なんて。まぁ大概は天国なり地獄なりに行くって聞くけど」
セシリア
「そうですわね…。あと死んだ命はまた生まれ変わってくるとも言われていますわ…。「転生」と言われていますが」
ラウラ
「私は…死んだらそこで終わり、土に還るだけ。…そう言い聞かされたな」
トリッシュ
「……そうね。死んだ後の事なんて誰にもわかるものじゃない。……でもね、ひとつだけ確かに言える事があるわ」
シャル
「…確かに言える事、ですか?」
するとトリッシュは切り出した。
トリッシュ
「……いるのよ。貴方達の世界、いいえ、貴方達のすぐ近くに…その「転生」を果たした者が」
千冬・刀奈・クロエ
「「「…!!」」」
それを聞いて皆は再び、
一夏
「な、何だって!?」
ラウラ
「私達のすぐ近くに…転生者だと!?」
箒
「それってつまり……一度死んで生まれ変わって来た者、という事か!?」
シャル
「そ、そんな人…どこに…」
簪
「…!!」
すると簪が何かに気付く。そして動揺する。
本音
「ど、どうしたのかんちゃん!」
簪
「………も、もしかして」
レディ
「…そちらのお嬢さんは気付いた様ね」
一夏
「簪、誰かわかったのか!誰なんだ!?」
簪
「ま、さか……そんな…」
V
「…ではヒントをやろう。…お前達の近くにいる転生者とは…ひとりではない、ふたりだ…。そしてどちらも男。…ここまで言えばわかるだろう?」
するとそのほぼ答え同然のヒントに皆がこれまで以上に反応する。
一夏
「!!」
簪
「あ…」
鈴
「わ、私達のすぐ近くにいる…転生者が…」
シャル
「…ふたりの…男の人…」
ラウラ
「そ、それって…」
本音
「もしかして…」
箒
「…そんな…」
セシリア
「で、でも…あのおふたりしか…」
千冬・刀奈・クロエ
「「……」」
一夏達の頭に浮かんだのは…同じ人物だった。
ネロ
「……」
トリッシュ
「わかった様ね。…そう。貴方達のお友達、火影と海之という双子の兄弟。彼らこそ…貴方達の世界に生まれ変わってきた転生者よ…」
※次回は26日(土)投稿予定です。
なんとか一話間に合いましたので上げる事にしました。次回に続きます。パソコンは来週戻ってきますので編集スピードを上げたいです。少し変わって今月は来週はお休みで26(二話予定)、そして30か31に年内最後の投稿予定です。