IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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「お前達だけで来い」という千冬の指示で指定された場所に向かった一夏達。真耶の案内で着いた先では千冬達、そして火影と海之がいた。ふたりは電脳ダイブ装置を用いて自分達の秘密を見せるという。驚く一夏達だったが迷いは無いと答え、揃って電脳世界へとダイブした。
そんな一夏達を待っていたのは彼ら、そして想像もしていない話であった…。


Mission171 真実への電脳ダイブ② 英雄達の試練

トリッシュ

「死んだ者が新たな命として生まれ変わるのを転生と呼ぶわ。そして貴方達のお友達の火影と海之という兄弟。彼らこそ転生者、貴方達の世界に生まれ変わってきた者達なのよ」

一夏

「…!!」

箒

「なっ!」

鈴

「ひ、火影と海之が…!」

シャル

「死んで生まれ変わった…転生者だって!?」

セシリア

「…ちょっと待って下さい!…それじゃあ、ダンテとバージルという名前は…!」

ネロ

「…ああそうさ。「ダンテ」と「バージル」っつうのは…前世のあいつらの名前なのさ。ダンテが火影、バージルが海之のな」

レディ

「ふたりは前世でダンテとバージルという人生を終え、火影と海之という人間として生まれ直した。前世の頃の記憶を持ってね」

簪

「ふたりの…前世の名前が…」

ラウラ

「ダンテとバージル…」

一夏

(あん時の火影の「前の俺達の名前」ってのはそういう訳だったのか…)

千冬・刀奈・クロエ

「「「……」」」

 

衝撃の話に事情を知っている千冬達を除き、慌てる一夏達。

 

グリフォン

「おいおい、さっきはただのカカシみてぇにボーッと突っ立ってたのに今度はバルムンクの雄叫びみてぇなすっとんきょうな声上げやがって。そんなに驚く事かよ?自分らで言ってたろうが、生まれ変わりのお話を聞いた事あるってよ~」

鈴

「…そんな事言われたって…そんな事いきなり言われて…信じきれる訳ないでしょう!」

シャル

「火影と海之が…一度死んだ人間なんて…信じられないよ…そんな事…」

箒

「そ、それに火影と海之がそんな存在なんて…どうして貴方達にわかる!」

 

箒の問いにグリフォンが答える。

 

グリフォン

「あーもーわかんねぇかなぁ?んな事決まってるじゃねぇか。俺らはあいつらとおんなじ世界の人間なんだよ。いや正確には一部人間じゃねぇ奴も混じってっけど」

刀奈

「ふたりがダンテとバージルだった頃の仲間って訳ね?」

トリッシュ

「…そう。私達はダンテとバージルと同じ世界で生きていたの。そして今度はISのコアとして、貴方達の世界にやってきた」

セシリア

「…あ、ISの…コアとは?」

千冬

「…聞いた事がある。ISのコアには何かしらの、人格に近いものがあると…。貴方達を見た時、もしやと思ったが…」

クロエ

「その人格というのが貴方達なのですね…」

V

「そういう事だ…」

本音

「だからこの人達…ひかりんとみうみうの前の事知ってたんだ…」

一夏

「……」

 

すると今度は簪からこの疑問が出る。

 

簪

「じゃ、じゃあ…アリギエルとウェルギエルは…?」

ラウラ

「そ、そうだ、ふたりのISは誰が造ったのだ!お前達の話が本当だとするならそれも知っているのではないのか?」

シャル

「確か火影と海之は自分達が覚えて無い時から持ってて…誰かから貰ったって言ってたけど…」

 

するとこれに刀奈は答えた。

 

刀奈

「…いいえ、あれは手に入れたんじゃない。ふたりが始めから持っていたものよ」

一夏

「…え?」

箒

「は、始めから?」

V

「言葉の通りさ…。あれはお前達の世界で生み出されたものではない。ダンテとバージルと一緒にやってきたのさ…」

一夏

「…!!」

箒

「な、何だと!?それはどういう意味だ!」

 

ネロが答える。

 

ネロ

「あんたらには信じられねぇかもしれねぇが…あいつらは前の世界じゃもっと強かったんだ。あんなの使わなくてもな。…だが今のあいつらはちと訳ありで前みたいな力が出せねぇのさ。だからISってやつで補ってるんだよ」

V

「あいつらをお前達の世界に送った奴が…一緒に持たせたのさ…」

シャル

「そんな…」

セシリア

「おふたりのISにそんな秘密があったなんて…」

ラウラ

「じゃ、じゃあ…まさか魔具も…」

レディ

「そ。あれもダンテとバージルが嘗て使っていた物。それがIS用の装備として作り替えられたのね」

一夏達

「「「……」」」

 

一夏達は完全に言葉を失っている。すると千冬が、

 

千冬

「私からもひとつ質問したい。……オーガスもなのか?」

一夏

「…え?」

鈴

「そ、そう言えばあいつ、ふたりを火影と海之じゃなくダンテとバージルって言ってた…」

シャル

「なんであの人が火影と海之の前世の名前を…」

 

トリッシュが答える。

 

トリッシュ

「…その答えは簡単よ。あの男もふたりと同じく転生してきた者だから。しかも私達と同じ世界からね」

箒

「お、オーガスもだと!それも火影達と同じ世界から!?」

レディ

「ダンテとバージルもその事は知っているわ。そして前世で誰だったのかも…」

簪

「そう言えば…確か海之くん達、あの人を「アルゴサクス」って呼んでた…。多分それが…あの人の前世の」

グリフォン

「まさかまさかの懐かしのごたーいめーんだよな~!よりにもよってあの魔かアガガガガ!」

V

「……」

 

グリフォンの口にVが本を突っ込んで止める。

 

本音

「じゃあそのアルなんとかって人も仲間なの?」

ラウラ

「…いや違う。奴は火影と海之にあからさまに敵意を抱いていた…。殺したい位のな」

セシリア

「ええ。あの態度はとても仲間とは言えませんわ…。一体あの方と火影さん達に何が…?」

 

するとVが答えた。

 

V

「…理由等無い。ダンテとバージル、その存在こそが…アルゴサクスの殺したい理由なのさ…」

鈴

「…! そ、それどういう意味よ!」

トリッシュ

「……」

 

何故かトリッシュ達は答えない。すると、

 

ネロ

「…どうしても知りたいというなら教えてやってもいい。…しかしあんた達、本当にその覚悟あるのか?」

シャル

「…え?」

ネロ

「今話した事はあいつらの秘密の一部に過ぎない。生まれ変わった事なんて大した話じゃあない。本当に重要なのは…あいつらの前世の事なんだよ」

簪

「ふたりの前世…つまりダンテさんとバージルさんの人生?」

グリフォン

「そ!それを聞かねぇんじゃレースに例えりゃまだまだスタートもしちゃいねぇ!飯食うのに例えりゃまだ席に着いたばかり、いただきま~すも言っちゃいねぇのさ!」

レディ

「ダンテ、バージル、アルゴサクス。……いいえ、アルゴサクスよりダンテとバージルよ。その秘密を知らなければ…」

一夏

「ダンテとバージルの秘密…」

クロエ

「…貴方達はそれを知っているんですか?」

トリッシュ

「……ええ。あのふたりの暗く悲しく、辛さと戦いに満ちた人生をね…」

セシリア

「…く、暗く悲しくて」

ラウラ

「辛さと…戦いに満ちた人生?」

V

「そうだ…。特にバージルのそれはダンテより深い…」

千冬

「海之の事か…」

ネロ

「……」

 

 

(嘗て俺は大罪を犯した。とてつもなく重い大罪を…)

 

 

簪

(前に海之くんが言ってた大罪って言葉…。海之くんの前世と関係してるのかな…?)

レディ

「貴方達、あいつらの真実に耐えられる?それを知った時、これまでと同じ様に一緒にいられる自信ある?今の話だけでも驚いて声も出せてないのに」

鈴

「あ、あるわ!私達は決めてるの!どんな真実だったとしても火影達から離れないって!」

シャル

「鈴の言うとおりです!そのために僕達はここにきたんです!」

本音

「そうだよ!」

 

他の皆もそれに同意した。

 

トリッシュ

「……」

 

ギュンッ!

 

するとトリッシュは無言で掌を上に翳す。すると光の球体が出現した。

 

セシリア

「な、なんですのあれは…?」

トリッシュ

「…貴方達、前にふたりが急激に苦しみだした時の事、覚えているかしら?……あれは私達が起こしたものなのよ。これ以上下手な事すると本当に危ないから止めとけっていう意味を兼ねた、いわば警告みたいなものだったの。まぁそんな事見向きもせずに相変わらず無茶したけどね」

箒達

「「「!」」」

レディ

「誰か経験してみたい人はいるかしら?あの時のあのふたりが受けた痛みを。これを経験すれば…あいつらの強さを少しは理解できるとおもうわ」

 

箒達の頭にあの時の、白騎士となった一夏を救った後の、火影と海之の姿が思い出される。それまで膝を着いた事も全く無かったふたりがダメージもあったとはいえ、あそこまで苦しむなど相当のものだと思った。どうしようか悩んでいると、

 

一夏

「…なら俺がやるぜ」

箒

「一夏!?」

千冬

「…一夏、無理するな。これは私の役目だ」

鈴

「千冬さん!」

一夏

「大丈夫だよ、無理なんてしてねぇ。知りたいんだ。あいつらの事を」

セシリア

「一夏さん…」

千冬

「…やれやれ好きにしろ。まぁお前がやるもやらなくも私はやるつもりだがな」

箒

「千冬さん…」

 

そして一夏と千冬が前に出る。

 

V

「言っておくが…死ぬほど痛いぞ?」

一夏

「…上等だぜ」

トリッシュ

「…じゃあ」

 

そう言ってトリッシュは掌の光を一夏と千冬に向ける。すると、

 

…ギュン!!

 

千冬

「…!!ぐっ!!」

一夏

「ぐっ…ああああああ!!」

箒達

「「「!!」」」

 

突然襲いかかる激しい痛み。どの様な痛みか、刺された様なとか撃たれた様なとかそんな単純なものではない。全身の痛覚が一気に反応していた。心臓を押さえる一夏、自らの身体を抱く千冬。しかし一向に痛みはましにならない。

 

一夏・千冬

「「ああああああああああああ!!」」

箒

「一夏!千冬さん!」

刀奈

「ふたり共!」

 

箒達は目の前でもがき苦しむふたりを見てただただどうすれば良いか分からず必死で身体をさすり、声をかけるしかなかった。

 

トリッシュ

「……」パチン

 

トリッシュは指を鳴らした。すると、

 

一夏・千冬

「「!」」

 

ふたりは驚いた。全身の痛みがまるで何事も無かったかの様に消えたのだ。息の乱れを抑えるふたり。

 

一夏

「はぁ、はぁ……」

セシリア

「大丈夫ですかおふたり共!?」

ラウラ

「教官!」

千冬

「あ、ああ。心配するな…。もうなんともない…。しかし…今の苦しみは…」

鈴

「何すんのよあんた達!」

 

鈴は怒りの声を上げる。それに対してV達は冷静に答える。

 

V

「…今のがあいつらがあの時受けた苦しみだ。少しは実感できたか?」

シャル

「できただろう、じゃないよ!なんでこんな事!」

ネロ

「言ったろ?それ位しねぇとあいつらは止まらねぇんだよ。…まぁ、それでも止まらなかったがな。あんたらのために」

クロエ

「…え、私達のため?」

レディ

「あいつらがこんな痛みを無視してまで無茶し続けるのはなんでだと思う?答えは簡単、それだけ貴方達があいつらにとって大切だからよ」

V

「文字通りあいつらはお前達のために命をはっているのさ…」

本音

「ひかりん…」

簪

「海之くん…」

 

だがそれを聞いた今の本音達には感謝や嬉しさよりも別の感情があった。火影と海之はこんな目にあっても自分達のために戦ってくれたのか…。自分達が弱いから…。そんな申し訳ないという感情で一杯だった。

 

グリフォン

「まぁでも驚くなって。今みたいな苦しみなんざダンテとバージルにとっちゃ日常茶飯事だったんだからよ。刺されたり撃たれたりなんか山ほどあったさ」

鈴

「そ、そんな…」

セシリア

「火影さんと海之さん…。おふたりの前世に一体何が…」

 

ふたりの前世の断片を聞いた彼女達は言葉が無い。

 

トリッシュ

「今なら引き返す事もできるわ。多少困惑するだろうけどこれまでと変わらずにいられるでしょう。……けど、あのふたりのこれからの戦いにはもう関わらない方が良い」

簪

「…え?」

レディ

「生半可な覚悟ではあいつらを支える事なんてできないわ。はっきり言って邪魔になるだけよ。覚えあるでしょう?あの黒い存在に貴方達は手も足も出なかったのをあいつらはたったふたりで倒したのよ?」

ラウラ

「そ、それは…」

ネロ

「本気であいつらの力になりたいっていうなら…全部知る必要があるってこった。だがそれを知った時、果たしてあいつらとあんたらは今まで通りいられるかどうか…」

V

「知らない方が良かったと後悔するかもしれんぞ…」

 

 

(本当の事を話したら…もう一緒にいられねぇかもな…)

 

 

本音

(火影…。貴方の過去に…何があったの…?)

グリフォン

「まさに進むも引くもハイリスクロウリターンってやつさ!悪いこと言わねぇ、止めとけ止めとけ!」

箒達

「「「……」」」

 

箒達は直ぐに言い返せなかった。ここに来るまでは何もかも知りたいと思った。覚悟もできていた。しかし火影と海之が転生者、そしてオーガスも。その事実だけでも驚愕なのにそんな事はまだまだ序章に過ぎないという。更に隠されているらしいふたりの秘密。今の様な苦しみを受けてまで戦うふたりの覚悟。知りたい気持ちは嘘じゃない。でもそれを知ればふたりとは本当に一緒にいられなくなるかもしれない。しかし見てみぬふりをすればふたりと共に戦う事はできない。前に進むか後ろに下がるか…。

 

トリッシュ

「ごめんなさい…貴方達にはきつい言葉よね。でも私達は貴方達に感謝しているのよ?今のあのふたりの力になっているのは間違いなく貴方達だから…。多分ふたりも凄く感謝している筈。だからこそ大事に決めてほしいの」

ネロ

「俺もある時、自分の出生と親の秘密を急に知ってどうすりゃいいのかわからなかった。まぁ幸いある人の言葉で救われたがな。……どうする?どっち選んでも多分あいつらは気にはしねぇよ。あんたら次第だ」

千冬

「…私は最初から変わらない」

クロエ

「私も束様をお救いするためなら…迷いはありません」

刀奈

「私も問題ないわ」

箒達

「「「……」」」

 

すると、

 

一夏

「……はぁ」

 

痛みの影響からやっと解放された一夏が立ち上がる。

 

箒

「一夏!」

セシリア

「無茶しないでください!」

一夏

「大丈夫だよ。…なぁあんたら、火影と海之の昔の仲間っつったな?あんたらあいつらに…最後まで付き合ったのか?」

トリッシュ

「…ええ。死ぬまでね」

ネロ

「ま、色々あったしな。全くの他人って訳でもなかったし」

 

トリッシュやネロ。そして答えていないがレディ。Vやグリフォンは形は違うが自身の最後までダンテやバージルに付き添っていた。それを聞いた一夏は、

 

一夏

「……へへ。だったら尚更、俺も引くわけにいかねぇな」

千冬

「…一夏?」

一夏

「俺は頭が悪いから難しい事はわかんねぇけど…、これだけは確かだぜ。火影と海之は…俺の友達で、今の仲間だ。仲間が戦おうとしてんなら…助けるのは当たり前だぜ。そこには前世とか関係ねぇ」

箒達

「「「…!」」」

一夏

「俺が弱くてあいつらに迷惑かけてんなら…俺はもっと強くなってみせる。あいつらの背中を、それが無理でもあいつらの道を切り開ける位にはな」

刀奈

「一夏くん…」

一夏

「だから…教えてくれ。火影と海之の、ダンテとバージルの事を!」

ネロ

「……知らない方が良かった真実だとしてもか?」

一夏

「ああ!」

 

一夏の力強い懇願。……すると、

 

鈴

「…………はは、一夏にしてはカッコいいじゃん。…ほんと情けないわ。あんだけ決心して来たのに簡単に揺らいじゃってる自分がね」

簪

「…悩む必要なんて無かったね」

 

一夏の言葉で皆の目に力が戻った。

 

鈴

「私も知りたい…火影の全てを。どんな真実でも受け止めて見せるわ。そして私も強くなる。あいつを、ふたりを助けられる様にね」

シャル

「…僕も知りたい…。僕は火影に救われたんだ。生まれ変わりとか関係ない、助けてあげたいんだ」

本音

「私は皆みたいに戦えないけどふたりを支えてあげられる事はできる筈だよ!私は火影を支えるって決めたの!」

簪

「ふたりは、海之くんは私にとってかけがえの無い人、失いたくない人なんです。あの人の前世の苦しみを…少しでも一緒に持ってあげたいんです」

ラウラ

「夫と、弟のためなら…命を懸ける覚悟はある。知る覚悟もできている!」

箒

「あいつらは私を、姉さんを変えてくれた、支えてくれた。今度は私達の番だ!」

セシリア

「そのためならもう迷いはしません!どうか教えて下さい!」

 

鈴や簪達も一夏に続く。一瞬の迷いはあった。でもふたりに何があっても付いていく。そう決めたのだ。

 

トリッシュ

「…貴方達…」

クロエ

「皆さん…」

千冬

「先ほど更識が言っただろう?こいつらの想いは本物だと」

刀奈

「女ってのは好きな人のためなら強くなれるのよ♪」

扇子

(女は強し!)

グリフォン

「イーヒッヒッヒ!モテモテだなぁ~ダンテちゃんもバージルも!こりゃ祝言を作っとくかぁ~?ダンテちゃんは向こうじゃ経験無かったし~。まぁバージルはムグググ!」

ネロ

「余計な事は言わなくていい…」

 

グリフォンの口を閉ざすネロ。

 

トリッシュ

「……貴方達の覚悟と意志はわかったわ」

鈴

「じゃあ…!」

 

すると、

 

トリッシュ

「……それだけの気持ちがあるなら…試練に打ち勝ってみせて」パチン

 

そう言ってトリッシュは再び指を鳴らした。

 

一夏

「…!な、なんだ!?」

 

 

…………

 

鈴

「な、なんなのこれ…?」

 

気づいた時、鈴は皆と別れてある場所にいた。しかしひとりでではない。鈴の前にある存在がいた。

 

 

黒い鈴

「……」

 

 

それは真っ赤な目をしている真っ黒な甲龍を纏った鈴であった。そしてそれは鈴だけでなく、

 

黒い箒達

「「「……」」」

箒

「な、なんだこいつは!?」

セシリア

「黒いティアーズを纏った…私!?」

シャル

「真っ黒な僕!?」

簪

「…私、なの…?」

ラウラ

「あれは…ヴォーダン・オージェの輝き!」

刀奈

「全く冗談じゃないわよ…」

クロエ

「皆さんと通信もできない…。どうやらこの場には私と目の前の存在とだけの様ですね…」

千冬

「……」

 

箒達もまた、鈴と同じくそれぞれの空間でひとりずつ、真っ黒な自分達と対峙しているのだった。そんな彼女達に言葉が聞こえる。

 

トリッシュ

「驚かせたかしら?」

千冬

「! その声、トリッシュだったな?」

箒

「トリッシュか!私達に何をしたんだ!それになんだこいつは!?」

トリッシュ

「落ち着かないかもしれないけど落ち着いて。貴方達、前に真っ黒なダンテとバージルと戦った事があるでしょう?それと同じ事よ」

鈴

「…!」

簪

「それって…まさか…!」

 

その言葉で皆は理解した。

 

トリッシュ

「そう。貴方達の前にいるのは…貴方達の影、力も技も全く同じな闇の部分。云わばもうひとりの貴方達よ」

シャル

「僕達の、影…!」

ラウラ

「だからヴォーダン・オージェもそのままなのか…」

クロエ

「あの黒いアリギエル達は兄さん達と同じ力も装備も持っていた…。間違いなさそうですね…」

刀奈

「それでどうすれば良いのかしら?……まぁなんとなくわかるけど」

 

するとトリッシュは言った。

 

トリッシュ

「これは試練よ。今の自分に打ち勝ってみせて。遠慮なんて無用よ。油断すれば…」

セシリア

「……倒されるのは私達、という事ですのね?」

トリッシュ

「そういう事よ。そしてこの試練をクリアできれば、ダンテとバージルの事を教えてあげるわ。…よくて?」

 

トリッシュの言葉に鈴達は、

 

鈴

「……上等よ。自分の影なんかに負けるもんですか!」

シャル

「僕は止まる訳にはいかないんだ!」

簪

「乗り越えてみせる…自分の壁を!」

ラウラ

「私の事は私が一番わかっている!」

箒

「自分との勝負、か…。面白い!」

セシリア

「必ず勝ってみせますわ!」

刀奈

「最高のトレーニングね!」

クロエ

「いきます!」

千冬

「…私の影、か。まさかこんな形で対面するとはな」

 

鈴達の其々の試練が始まった…。

 

 

…………

 

その頃、ひとり別れた一夏は、

 

一夏

「……駄目だ、通信もログアウトもできねぇ。くそっ、一体どうなってんだ!?」

?

「落ち着け」

一夏

「…!」

 

突然後ろから声が聞こえた一夏は振り替える。

 

ネロ

「あいつらなら大丈夫だよ」

V

「騒々しい奴だ…」

 

そこにいたのはネロとV(グリフォンも)だった。

 

一夏

「お、お前らは…ネロとVって奴か、びっくりさせんなよ。……ってそうじゃなかった!一体どうなってんだ!千冬姉や箒達はどこに行ったんだ!」

ネロ

「だから落ち着けって。あいつらは…」

 

ネロは一夏に彼女達の状況を説明した。

 

ネロ

「…って訳だ」

一夏

「そんな事が…。自分との戦い、か…」

V

「心配か?」

一夏

「……いや、大丈夫さ。あいつらは強ぇからな。…てか俺にはねぇのか?試練ての」

 

一夏は何故自分には影がいないのか疑問をぶつけた。するとネロが意外な言葉で返した。

 

ネロ

「ああ、あんたにはねぇ。てかもう必要ねぇだろうしな…。代わりに…俺と戦え」

一夏

「…は?」

V

「こいつ是非ともお前と戦ってみたいのだとさ…」

一夏

「た、戦ってみたいって…あんたIS持ってんのか?」

 

見たところ丸腰のネロを見て一夏はそう言うがグリフォンが笑う。

 

グリフォン

「イーヒッヒッヒ!必要ねぇ必要ねぇ!坊やはダンテちゃんやバージルとおんなじ位強えからよ~!そんなん使わなくても問題ナッシング~!寧ろ坊やが全力で来ねぇと怪我するぜ~?いや怪我どころじゃすまねぇかもな~?」

一夏

「…!」

ネロ

「そういうこった。ああでも空飛ぶのだけは無しな。それ以外は持ってる力全部出して来な」

一夏

「……」

V

「どうだ?怖くなったか?」

 

ネロ達の言葉に一夏は、

 

一夏

「……いんや、おもしれぇ!」カッ!

 

一夏は白式・駆黎弩を纏った。

 

ネロ

「……」

グリフォン

「これはこれは面白い変身じゃねぇの~」

一夏

「そういう事ならこっちからもお願いするぜ!前の火影や海之が認めたあんたの強さ、是非見せてくれ!」

 

一夏は何故か嬉しそうだ。

 

V

「単純な奴だ。…どうも俺はこういう奴に縁があるらしい」

ネロ

「うっせーての」

 

ネロは前に出て一夏と対峙した。

 

ネロ

「今のあいつらが、そしてアイツ(クレド)が認めたらしいあんたの力、見せてもらおう。だが生憎俺の獲物はどっちもくれてやったんでな。久々にアレでいかせてもらうぜ!」

 

カッ!!

 

するとネロの両腕が光り、あるものが出現した。

 

一夏

「あれは…デビルブレイカー?しかも両手に!?」

 

ガシッ!

 

ネロは右手と左手を胸の前で組んで笑って言った。

 

ネロ

「…ご機嫌だ!」




※次回は30日(水)の予定です。

こんばんは。storybladeです。
皆さんにお知らせがあります。今週戻ってくる予定だったパソコンが業者の仕事の遅れで来週に持ち越しになってしまいました。そのため編集が思う様に進んでいないため、間に合いました一話だけ本日に投稿して26(土)はお休みに変更させていただきます。
予定変更が多くて本当にすいません…。30日には投稿できる予定です。
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