IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
城塞都市フォルトゥナでの戦いやネロとの出会いを経由し、舞台は遂に魔界の反逆者にして魔王ユリゼンとの戦いに移る。……しかしそのユリゼンの正体は死んだと思っていたダンテの兄であり、完全な魔となる事を選んだバージルであったという事実に一夏や簪達は驚愕する。
いつ終わるかもしれない兄弟の戦い。……しかしVとの再びの融合や息子であるネロの言葉を聞いたバージルの心からは嘗ての様な悪意や殺意は薄れていた。そんなバージルとダンテの魔界でも続く兄弟喧嘩。ふたりの姿に一夏達は呆れながらも火影と海之の姿に被った様に思えた…。
※次回は13日(土)の予定。次回から新章です。
後書きにおまけがあります。
ダンテとバージルの長い戦いの記録。それは何度も道を別ち、誤りの道を選んだ事もあったが最後は一夏達が知る様なふたりに戻っていた。そこで一旦の幕は閉じる事になる。
本音
「…ね~、ふたりはこの後どうなるの?」
箒
「そ、そうだな…。無事戻れるのか?」
ルシア
「…安心して、少し時間はかかったけど無事に戻ってきたわ」
シャル
「ほ、本当に?…良かった」
セシリア
「その後はどうされたんでしょう?」
クロエ
「火影兄さんは何も変わらず、自らの家業を続けたそうです」
千冬
「バージルは帰還後、修行の旅に出たそうだ。己の弱さと向かい合い、戦士としてダンテに勝つために」
簪
「…バージルさん…」
刀奈
「まぁ結局生涯決着つかなかったらしいけどね~」
一夏
「…やっぱそうなるんだな」
鈴
「ほんでもって火影と海之になっても決着つかないままなのね」
ラウラ
「しょうがない奴らだ…」
皆はふたりのそんな所にやや呆れながらも安心した。
マティエ
「…さぁ、そろそろ戻ろうかね。少々話疲れたよ」
…………
一夏達は再びトリッシュやネロ達と再会していた。
トリッシュ
「…どうだったかしら?ふたりの前世は」
レディ
「それなりに刺激的だったんじゃないかしら?」
鈴
「刺激的とかそんなレベルじゃないですよ…」
箒
「ああ…。まさかあのふたりにあの様な過去があったなんてな…。普段のあいつらからしたら信じられない事だらけだ」
ネロ
「まぁ悪魔の子供なんて普通は信じねぇよな」
簪
「は、はい…。あの‥ネロさんは…」
ラウラ
「お前は…バージルの、海之の息子だったんだな…」
ネロ
「……まぁな。あんま話したこともねぇろくでもねぇ親父だったけど」
グリフォン
「ケケケケ!正直じゃねぇな~!孫が生まれた時のアイツのかオゴゴゴゴ!」
再び口に本を挟まれるグリフォン。
V
「余計な事を言うな」
本音
「ブイブイ照れてるもしかして~?」
V
「…下らん」
ルシア
「そろそろ話を戻しましょう。……貴方達、ふたりの過去を知った上でこれからもふたりの良き支えであってくれる?」
マティエ
「あいつらはオーガス、嘗てのアルゴサクスと戦うつもりじゃ。彼等の戦いに付き合うと…死ぬかもしれんぞ?」
マティエの警告に対し、
一夏
「…言っただろ?火影と海之は俺達の仲間で友達だ。仲間は助け合うものさ。きっと俺にこの力をくれた人達もそれを望んでる筈だ」
箒
「ああそうだな。それに私には守りたい奴が、そして取り戻したいものがあるんだ」
セシリア
「おふたりや一夏さん、皆さんと一緒ならきっと大丈夫ですわ」
鈴
「頼まれなくても無理やりにでも付き合ってやるわよ」
シャル
「火影や海之は僕達を沢山守ってくれた。僕達もふたりを守りたいし支えたいんです」
ラウラ
「生きるも死ぬも一緒、というやつだ」
簪
「ふたりが、海之くんがいてくれたから私はここまで来れたんです。絶対に無くしたくないんです」
本音
「私は皆と違って戦えないけど…その分沢山ふたりを、火影を支えるよ!」
刀奈
「この世界では一応可愛い後輩くんだからね。先輩として任せきりにはできないわ」
クロエ
「…何も迷いはありません」
千冬
「……ああ」
迷いが一切ない返事。そんな彼等に、
レディ
「……ダンテが言ってたわ。貴方達は強いって。…本当ね」
鈴
「ふたりからしたらまだまだだけどね」
トリッシュ
「ふたりの友達が貴方達で本当に良かったわ…。じゃあ、貴方達にちょっとしたプレゼントあげる。手を出してくれるかしら?」
シャル
「プレゼント?」
カッ!
そう言うと皆の手に…不思議な輝きの小さい何かが現れた。
本音
「キレイ~」
セシリア
「ええ。それに不思議な色ですわね」
トリッシュ
「ちょっとしたアイテムよ。貴方達の…ISだったわね。それに合わせているわ。一度だけしか使えないから本当に困った時に使ってね」
簪
「あ、ありがとうございます」
レディ
「さて、じゃあそろそろ貴方達を現実に帰還させないとね」
ガチャン!
すると後ろにあった一夏達が通ってきた扉が開いた。扉からは光が漏れている。
トリッシュ
「その扉をくぐれば戻れるわ。……ふたりを頼むわね。無理だろうけど無茶し過ぎない様言っといて」
レディ
「あとお金にも気を付けなさいとね」
ネロ
「じゃあな」
V
「精々頑張る事だ」
グリフォン
「あばよおチビちゃん達~」
ルシア
「ふたりを…彼をお願いね」
マティエ
「長生きするんだよ」
箒達
「「「ありがとうございました!」」」
千冬
「世話になりました」
トリッシュ達の別れの挨拶に一夏達も全員挨拶を返す。そして皆が扉をくぐり、戻ろうとしていると、ネロが最後にいる一夏を呼び止めた。
ネロ
「……おい」
一夏
「ん?」
ネロ
「一夏といったな。…これも持っていけ」
するとネロは一夏に何かを渡す。
一夏
「…!これ…!」
ネロ
「一度きりのとっておきだ。ま、使わない事にこした事はねぇけどな」
箒
「一夏、どうした?」
一夏
「ああ悪い、…サンキュー。…じゃ、皆元気で!」
笑いながらそう言って一夏は最後に扉をくぐって行った…
トリッシュ
「ふふ、いい子達ねほんと」
レディ
「元気でな、って私達一応もう死んでるんだけど…まぁいいか」
V
「…ネロ、あれは何だ?」
ネロ
「…ずっと埃被ってた忘れモン、ってとこさ」
グリフォン
「優しいな~ネロちゃん♪」
ルシア
「…あの子達まで悲しませたりしたら許さないわよ…ダンテ」
マティエ
「…やれやれ」
…………
地下指令室
一夏
「…………ん、…う~ん…」
一夏は目を覚ました。そして立て続けに他の皆も。
箒
「ここは……指令室?」
虚
「皆!大丈夫!?」
本音
「…ほえ?あ、お姉ちゃん…おはよ~」
真耶
「みみみ皆さん!目が覚めたんですね!?」
セシリア
「…山田先生?」
…………
電脳世界から戻ってきた一夏達はその間の自分達の事を聞いた。ふたりの話によるとあの扉を開けて中に入った途端、全員の反応か突如消えてしまったらしい。通信はおろか強制ログアウトも出来ず、流石に慌てたが火影や海之は余り驚かなかった。中にトリッシュやネロ達がいるなら何かしら起こした可能性が高いと思っていた。そして彼らも事情は知っている筈だから一夏達に危険は無いと判断した。まぁそう言われても反応が消えたから心配は当然かもしれない。そんな真耶は千冬に抱きついて大泣きしている。
真耶
「ふぇぇぇぇん本当に良かったですぅぅぅ!びぇぇぇぇぇぇ!!」パコーン!!「いた!」
千冬
「いい加減落ち着け。そんなのは束だけで十分だ暑苦しい」
真耶
「す、すいません先輩…」
虚
「でもご無理ないですよ。本当に皆さん無事で良かった…」
刀奈
「…心配かけてゴメンね。虚」
虚
「……」
一夏達
「「「……」」」
その場にいる皆が凍り付いた。千冬や真耶さえも。
刀奈
「……ど、どうしたのよ皆?」
虚
「い、いえ…、お嬢様が素直に謝られたのが驚きで」
刀奈
「そこまで驚く!?」
箒
「明日は雹が降りますね」
一夏
「ほんでもって竜巻もな」
刀奈
「箒ちゃん!一夏くん!」
簪
「何か悪いもの食べたお姉ちゃん?」
刀奈
「簪ちゃんまで!?」
~~~~~~
皆で笑った。千冬も。
刀奈
「……もうやめてよ皆~。私もう火影くん海之くんの件でメンタルくたくたなのよ~」
クロエ
「私も疲れました…。本当に驚きの連続でしたものね」
するとその場に当のふたりがいない。
一夏
「……あれ?そういえばふたりは?」
虚
「おふたりなら少し前に出て行かれましたよ」
真耶
「色々考える事があるのでしょう。今回の事でおふたりも過去の事を思い出したのでしょうし…」
…………
IS学園屋上
火影・海之
「「……」」
ふたりは屋上に来ていた。時間は夕方にさしかかり、空はオレンジになりつつある。火影は腕を組んで壁にもたれ、海之はベンチに座っている。そんなふたりは来てからずっと無言を貫いている。
ガチャッ
と、その時屋上の扉が開いた。
鈴
「あ、いたいた」
シャル
「やっぱりここだった」
本音
「ただいま。ひかりん、みうみう」
火影
「……おおお前ら。戻ってきたのか」
来たのは鈴、シャル、本音、簪、ラウラであった。
火影
「…他の皆はどうした?」
シャル
「あ、うん。なんか箒やセシリアや先生が気を利かせてくれてさ。私達は後で良いから僕達だけで行けって」
火影
「そうか。……大丈夫だったか?反応が消えたが」
鈴
「うん…まぁ」
そして鈴達は簡単にあった事を話した……。
…………
火影
「……そんな事があったのか。…ハァ、全くあいつらやりたい放題しやがって…」
本音
「ひかりんやみうみうにあんな友達がいたなんて思わなかったよ~」
火影
「驚いたか?」
鈴
「驚いたなんてもんじゃないわよ。どんだけ大声上げたことか…。刀奈さんの言葉借りるけど大げさじゃなくメンタルクタクタよほんと…」
シャル
「ふたりに秘密があるのは予想できたけど…予想のずーーっと上行ってたよ」
本音
「まさかまさかだったよ~。悪魔とか魔界とか、ひかりんとみうみうが生まれ変わりで、しかも…前世は人と悪魔の間に生まれた子供だったなんて」
簪・ラウラ
「「……」」
火影
「…それを聞いてどう思った?」
鈴
「最初はとても信じられなかったわよ。正直今でもあれは夢だったんじゃないかっていう気持ちも若干あるわ…。でも…」
シャル
「うん…。でも真実なんだよね…」
本音
「ひかりんとみうみうのね…」
火影
「………もう一緒にいたくなくなったか?」
火影はやや覚悟しながら訪ねる。だがそんな彼に…鈴達は言った。
鈴
「もしそうなら…わざわざここに来たりしないでしょ?…火影、貴方が例え一度死んだ人でも、前世が悪魔の血を引いてた様な存在だとしても、例え兄弟で殺し合いなんてしていたとしても、それは全部前世の話よ。今の貴方は火影でしょ?ならなんの問題もないわよ。私は、私達はこれまで通り貴方の傍にいるわ」
シャル
「そうだよ火影。僕が好きなのは今目の前にいて、いつも僕達を助けてくれる君だよ。一緒にいたくなくなるなんて思う筈無い」
本音
「ダンテの頃もカッコ良かったけど今の方がカッコいいよ火影♪」
火影
「…お前ら…」
鈴達の迷いなき答え。そして立て続けに、
鈴
「それに火影。もし、貴方の正体が今も実は悪魔だったとしてもよ。それでも私は…貴方が好きでいる自信があるわ」
シャル
「僕もだよ火影。エヴァさんは悪魔と知りながらスパーダさんを愛したんでしょ?なら僕達も同じ事ができる筈だよ」
本音
「そうだよ。エヴァさんだけじゃない、キリエさんやアンジェリナさんっていう人だっているじゃない」
火影
「……」
顔にこそ出さないが火影はかなり驚いていた。鈴達は例えもし自分が悪魔だったとしても傍にいると言ってくれた。そして思った。
火影
(親父もこんな気持ちだったのかねぇ…)
嘗ての父スパーダと母エヴァの馴れ初めについては火影は詳しくは知らない。しかし母は父が悪魔であることを知りつつも愛していたのだから似たような感情を持ったかもしれない。
火影
「……全く、あいつらに負けない位大した女だよお前らは」
鈴
「当然よ。それ位じゃないとアンタの保護者兼、彼女候補は務まらないわ♪」
シャル
「女は強いんだよ火影♪」
本音
「そ~そ~♪」
火影
「………ま、いいか」
少し気になるフレーズがあったが気にしない事にした火影。……一方、
海之
「……」
ベンチに座って何も言わない海之と、
簪・ラウラ
「「……」」
そんな彼を黙って見つめる簪とラウラ。するとやっと海之が話し出す。
海之
「……簪、ラウラ。大丈夫か?」
簪
「……うん」
ラウラ
「ああ…」
海之
「そうか。………見たか?」
簪・ラウラ
「「……」」
ふたりは無言で頷く。
海之
「あれが以前、お前達に話した…俺が犯した罪だ」
簪・ラウラ
「「……」」
海之
「俺は母を守る事ができなかった…。俺も殺されかけた。そして嫌というほど思い知った。人間の無力さや貧弱さを…。同時に…弟と違って自分は助けてもらえなかったという無念さも…。真実を知らないまま、な…」
鈴
「アンタだけを見捨てる様な事なんてエヴァさんがする訳ないじゃないの…」
シャル
「…海之。なんであの後、ひとりで行っちゃったの?火影に直ぐ会っていれば…」
火影
「いやシャル。それは多分無理だったと思うぜ。あん時の俺とこいつはケンカばっかしてたからな。周りから見たらそんなに仲いい兄弟とは言えなかったし」
苦笑いしながらそう言う火影。
海之
「そして俺は吹っ切った。人として生きる事を捨て、悪魔として生きると。力を得て、自分をこんな目に合わせた悪魔達を皆殺しにすると。……それから俺はこれまでの自分を捨てて強さのみを追求し続けた。そのためならどれだけの人を巻き込んでも、命を犠牲にしても気にしなかった。逃げる者に追い打ちをかける様な事はしなかったが、向かってくる者は人悪魔問わず全て敵と思ってな」
本音
「みうみう…」
海之
「……だが実際は見たとおりだ。何もかも捨てれば強くなれると思っていた俺は…弟に敗れ、母の仇にも…。操り人形にされ、滅びゆく身体を無様にさらし、挙句の果てにはあんな醜いものにまでなり下がった。更に己の目的のために…自分の血を引いた者まで…!」
簪・ラウラ
「「……」」
ふたりは何も言わない。
海之
「俺のこの罪は…例え生まれ変わったとしても償いきれるものではない。そもそも生まれ変わる資格も今の様な人生を送る資格もないのだ。俺には…」
とその時、
海之
「…!」
簪・ラウラ
「「……」」
海之は驚いた。自分の身体が簪とラウラに包み込まれるように抱きしめられていた。海之の背中で簪の右手とラウラの左手が結ばれている。
簪
「…もういい海之くん。もういいから…」
ラウラ
「それ以上言うな…海之」
海之
「………ふたり共…」
簪
「ありがとう海之くん。本当にありがとう…話してくれて…。そしてごめんね。こんな辛い記憶を思い出させてしまって…」
ラウラ
「海之…すまなかった。お前にこの様な過去があったなんて…想像もしていなかった。正直今でも信じがたい事ばかりだ。お前と火影が嘗て悪魔と人間の子だった事、そしてお前が…嘗てあの様な悪魔であった事も」
海之
「…当然だ。…だから」
海之はそう言って暗にふたりを遠ざけようとする。…しかし、
簪
「でもね海之くん。それでも私は海之くんから離れたりしない」
海之
「……!」
ラウラ
「私も同じだ。先ほど鈴も言っていたがあれは全て前世のお前の、バージルの話だ。私が好きなのは今目の前にいる海之・藤原・エヴァンスという人間だ。今のお前はあの頃の様な悪魔でも罪人でもない。そうだろう火影?」
火影
「…ああ。こいつは変わったよ。それに今のこいつは罪を償う必要もない。お前の言う通り今のこいつは海之であってバージルじゃ無ぇからな」
海之
「……だが…」
簪
「…海之くん。こんな事を話すのはちょっと不謹慎かもしれないけど…私、ふたりの話を聞いて…ちょっと感動しているところもあるんだ」
海之
「…感動、だと?」
思いもよらない言葉に海之は不思議がる。
簪
「うん。だって…悪魔と人が愛し合えたんだよ?忌み嫌われる悪魔が正義の心に目覚めて、全てを捨ててまで守りたいという人に出会えて…そして生まれたのがバージルさんとダンテさん。いわばふたりは奇跡の象徴なんだよ」
火影
「よしてくれ。奇跡なんて大層なもんじゃねぇ。寧ろ世界一の変わりもんだ」
簪
「ううんそんな事ない。…だから私はスパーダさんとエヴァさんに感謝してるんだ。バージルさんやダンテさんを生んでくれた事に。そのおかげで…私達はふたりに会えたんだから…」
ラウラ
「それにお前は先ほど自分が生まれ変わる資格も第二の人生を送る資格も無いと言ったが…それもお前が決める事ではない。以前私と簪が告白した時言った様に私達が決める事だ。そして私達は…これからもお前にいてほしい。言った筈だぞ?離れる事は許さんとな」
海之
「……」
海之もまた何もかなり驚いていた。彼女達の気持ちに。そして言葉に。
鈴
「…あれ~もしかして海之泣いてる~?」
海之
「泣くか。ただ…ありがとう簪、ラウラ」
簪
「…うん」
ラウラ
「構わん。私は嫁だからな」
本音
「そう言えばラウラン~。何時からお嫁さんって訂正したの?」
ラウラ
「あ、ああ。友人に教えて貰ったのだ」
火影
「しかしまさかお前がそんな風に言われる時がくるとはな。ふたりに感謝しなよ」
海之
「お前に言われたくはない」
火影
「何言ってんだ?俺は親父よりよっぽどいい男だぜ」
鈴
「子供っぽい所もあるけどね~♪」
火影
「うっせー。…あとそういえば海之。聞きたかったんだけどよ?お前俺との戦いの後に魔界に落ちて行った時、なんで親父の剣じゃなく母さんのアミュレットを選んだ?ふたつ揃わなけりゃ意味がないとはいえ一応力には違いない。あの時のお前が言った親父の真の後継者っつう意味では剣の方が意味が通っていると思うんだが?」
海之
「……さぁな。……たまたま目の前にそれがあった。それだけかもしれん」
ラウラ
「………いや海之。私は違うと思う。お前はあの時、剣よりもアミュレットを離したくなかった。…私はそう思う」
簪
「…うん。私もそう思うな。あれはスパーダさんがエヴァさんに託したもので、そしてふたりへのプレゼントとしてあげたものでしょう?だから…海之くんはきっとあの時それを選んだんだと思う…。ふたりの事を忘れたくなかったから…」
海之
「……どうかな。もう遠い…遠い昔の話だ…」
海之は空を見ながらそう呟いた。
…その後、一夏や箒、セシリアもふたりと話したが彼らもまた、火影と海之との変わらない絆を固く誓い合った。兄弟を支える者の絆は、嘗ての者達から今の者達へと受け継がれた。
…………
???
一方その頃…、オーガスの方もある動きを見せていた。
オーガス
「………クククク、漸くここまで来たな。オータムの奴がDNSの強化をしつこく言ってきたせいでそれに時間を割いていたために多少予定よりも時間がかかったが、まぁいい。…残るアレも篠ノ之束がもう間もなく完成させるだろう…」
そしてオーガスは何かを前にして呟く。
オーガス
「もうすぐだぞダンテ、そしてバージル…。ふっふっふっふ……」
不気味な笑みがその場に響いた…。
…………
オーガスの部屋
スコール
「……」
そしてそれとほぼ同時刻。スコールはオーガスの部屋にいた。見ると……彼のコンピュータから何かをUSBにダウンロードしている。
スコール
「……」
やがてそれが終わると、スコールはそれを手に取り、何も言わず出て行った…。
おまけ
火影や海之と鈴達が話している時、最後にこんな会話があった。
ラウラ
「……そう言えば海之。お前にひとつ聞きたいのだが?」
海之
「なんだ?」
するとラウラはこんな事を聞いた。
ラウラ
「…その、…こ、子供を持つとは…どんな感じなのだ?さ、参考までに聞きたいんだが…」
簪
「ちょ、ちょっとラウラ何聞いてるの!?」
ラウラ
「い、いやすまん。だが…お前達も気にならないか?私達の周りには…そういう人がいないのでな…」
鈴
「そ、それはそうだけどわ、私は別に…」
本音
「むむむ難しいな~」
シャル
「う、うーん…それは…」
簪
「……」
何も言わないがはっきり否定はしない鈴達。
海之
「……覚えていない」
火影
「おいおい相変わらずノリ悪いなぁ。生涯独り身だった俺と違って死ぬ時仍孫までいたんだぞ?お前」
鈴
「じ、仍孫ですって~!?玄孫のひ孫じゃないの!」
シャル
「子供、孫、ひ孫、玄孫で…その玄孫のひ孫!?」
本音
「じゃあみうみうはお爺ちゃんのお爺ちゃんのそのまた」
海之
「そこまで老いぼれではない。…あと火影、余計な事を言うな」