IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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ダンテとバージルの秘密を知った一夏達。
そんな一夏達はこれからも火影や海之の仲間として共にいるとトリッシュやネロ達に固く約束。トリッシュ達も安心して贈り物を送って別れていった…。
現実に戻った鈴や簪達は火影と海之にそんな気持ちを告白。ふたりもその返事に驚きながらも感謝の気持ちを述べた。彼らの絆が一層強まったその頃、オーガスはひとり不気味な笑みを浮かべ、スコールは何やら動いていた…。


Mission178 其々の託したもの

??? オーガスの部屋

 

 

火影と海之の秘密を一夏達が知った日から数日後のある日の朝、オーガスはひとり自室でコンピュータに向き合っていた。

 

オーガス

「…完成率97%…。流石は篠ノ之束、と言っておこうか。私でさえ手の出しようも無かったコアをこうも見事に完成させてくれるとはな…。予定外の手間も増えたが問題ない。面白いものもできたからな。既に完成の目途は立っている。あとは…………?」

 

その時オーガスは何やら異変に気付いた。

 

オーガス

(………妙だ。あのデータが最近開けられた形跡がある。このデータに触れる者がいるとすれば……)

 

訝しげな目で何かを考えていた…。

 

 

…………

 

IS学園 コンピュータールーム

 

 

火影

「……」

 

その頃、火影もまたディスプレイと対峙していた。火影はここ数日の間、オーガス・アクスという人間についてずっと調査を進めていた。以前オーガスは火影達の前に現れた際、嘗て自分は某国の科学者として働いていたと言っていた。そして束の学会にも出席しているとも。何か知れる範囲で情報が無いかと思ったのだ。クロエにも極秘で調べてもらった。

……その結果いくつかわかった事があった。本当にふと見つけたとある国の科学者達が映っている写真の中に若い時のものと思われるオーガスの姿があったのだ。火影は海之と共にそこからその人物について調べた。オーガスは51年前(年越ししたので全て+1)、同国で働いていた科学者に生まれた子供であったらしい。しかし最初はオーガス・アクスという名前ではなかった。アルゴサクスという名前のアナグラムであった事から後に彼が自分で付けたものだろう。大学卒業後、男は父の影響を受けて優秀な科学者となり、国のために尽力していた事も判明した。担当は兵器開発であったがその研究内容は今の様な狂人じみたものではなく、純粋に国のためになる研究をしていたらしかった。つまり最初はごく普通の人間だったという事である。

 

火影

(…だがそんな男に異変が起こった…)

 

19年前、男は突然自分がそれまでやっていたものとは全く違う様な過激な研究に自ら進んでやるようになったらしい。化学兵器の開発や人体実験等も含まれる。この19年前というのが火影は気になった。19年前と言えばオーガスがアルゴサクスの記憶を取り戻した年と一致する。

 

火影

(…そして奴は11年前、束さんの学会に出席した。まさかあの時にいたなんて想像もしていなかったぜ…。まぁわかるわけねぇけど)

 

そして白騎士事件の後、男はオーガス・アクスと名前を変え、主にISに関する研究を数年行っていた。この頃男の父は在籍していなかった。多分この前に消されたのであろう。因みに母親は彼が大学の頃に病気で世を去っている事が確認されている。その後出世し、それなりの地位に就いていたらしいのだが、

 

火影

「…妙なのはここだ」

 

奇妙な点があった。オーガスは今から16年前、そこから束の学会があった11年前までの実に5年間、痕跡が完全に消えているのである。写真は愚か他の学会などにも名前が全く出てこない。

 

火影

「…更に8年前から今まで奴の痕跡はキレイに消えちまっている…」

 

そしてオーガスは8年前から再び姿を消した。つまり最初の5年間、そこから3年が経ってそれ以降、オーガスは煙の様に表舞台から消えてしまったのだ。先日火影達の前に現れるまで…。

 

火影

「しかもこんだけ行方不明になってんのに国はなんの捜索活動も行っていない。お抱えの科学者が原因不明の失踪を遂げてたってのに。……まぁそれについては今はいいとして問題は行方不明の間、奴が何をしていたかだが…。5年前奴は一夏の誘拐に関わっていた…ファントム・タスクとして。資金調達と言っていたが…本当にそれだけか…?」

 

調査の延長でわかったことだがもうひとつ奇妙な点があった。オーガスが最初に失踪していた5年間、世界中の色々な国で小さな失踪事件が相次いでいた。人種性別年齢問わず。オーガスが関係しているかはわからないが。

 

火影

「…俺らの調査ではこれ位が限界か…」

 

悔しさ残りつつもディスプレイを消す火影。

 

…ガラッ

 

すると部屋の扉が開いた。入ってきたのはシャルだった。

 

シャル

「あ、いた。火影」

火影

「…シャルか。どうした?」

シャル

「火影を探してたんだ。…今忙しい?」

火影

「いんや大丈夫だぜ。もう終わった」

 

それを聞いて嬉しそうなシャル。

 

シャル

「じゃあさ。今から僕らと買い物に行かない?ほら、来週にスキー合宿があるでしょ?僕ウェアを持ってきてなくて買いに行こうって思って。その…火影に選んでほしいし」

火影

「ああそういやシャルは男装して来てたんだったな。別に構わねぇよ」

シャル

「良かった♪じゃあ行こ!鈴や本音も待ってるから!」

 

 

…………

 

数刻後、火影達は買い物を終えて何時もの喫茶店でお茶をしていた。

 

本音

「かわいいものが買えてよかったね~♪」

「それはいいけど本音。アンタのスキーウェアって」

本音

「ほえ?ペンギンだよ?」

シャル

「臨海学校ではキツネみたいだったよね」

「にしても火影のウェアはやっぱり赤なのね~。ダンテの頃から変わんないのね」

火影

「トレードカラーみたいなもんだしな。…さて、まだ時間あるけどどうする?」

 

するとシャルがこんな事を言った。

 

シャル

「あ、じゃあさ!これ行かない?さっきモールで配ってたんだけど」

 

するとシャルはある広告を取り出す。それは…以前火影と鈴が行った遊園地で行われる新年ナイトパレードの予告だった。

 

「今日が最終日なのね」

本音

「面白そうだね~。行こうよ!ついでにちょっと遊ぼ!」

シャル

「僕も行きたいな。鈴だけ隠れて前に火影と行ったんでしょ?」

「うぐ…言い返せないのが辛い…」

火影

「…予約はいらないのか。明日は日曜だから別にいいぜ」

本音

「やった~!」

シャル

「じゃあ行こ♪」

 

 

…………

 

遊園地に到着した火影達。新年初日からの年越し祝いのパレードは今日が最終日でもう見てる人が多いのか幸い埋まっている席は少なく、そっちの方は大丈夫そうだった。なのでそれからは少しばかり遊ぶことにした。……そしていくらかアトラクションを味わった後、

 

本音

「ね~次アレ行こうよ」

「どれどれ……あ!!」

 

それは…前回火影と鈴達が入ったゴーストハウスであった。しかも、

 

シャル

「去年から更にパワーアップ!って書いてあるね」

火影

「定員は三人以上か」

「私はもう行かないわよ!すっごく怖かったんだから!」

 

お化けが苦手なのがはっきり分かった鈴は行くのを拒否するのだが、

 

本音

「本音は行きたいな~。ね~行こうよ~」

シャル

「本音大丈夫なのこんなの?…でもここって確か怖くて有名なお化け屋敷なんでしょ?怖いけど……ちょっと僕もちょっと興味あるかも」

 

本音とシャルは行きたそうだ。

 

火影

「仕方ねぇな。んじゃ俺と本音とシャルで行くか?」

本音・シャル

「「は~い♪」」

 

すると鈴は心でこんな事を思った。

 

(シャルも本音も火影にくっつきながら行く気かしら…?)

「しょ、しょうがないわね!ひとり残るのもなんだし行くわ私も!」

 

そう思うと焦って自分も行くと宣言する鈴だった。

 

 

…………

 

「グアアアアアアアアアアア!!」

「ギャアアアアアアアアアア!!」

「ゴアアアアアアアアアアア!!」

 

鈴・シャル

「「きゃあああああああ!!」

 

そして案の定こうなっていた。三人共火影にくっつきながら進む始末。パワーアップというのは伊達ではないらしく途中で出てくる仕掛けやゾンビの数も多くなっている。だが怖がっている鈴・シャルと違い、

 

本音

「あははははははは♪」

 

本音は楽しそうだ。

 

シャル

「ほ、本音…ずっと笑ってて怖くないの?」

本音

「え~なんで~?楽しいのに~」

「どど、どんな神経してんのよアンタ…」

火影

「つっても鈴は前も来たじゃねぇか。おまけにこの前魔界や悪魔も見たろ?」

「悪魔といってもああいう生き物でしょ!ゾンビとか幽霊とかよくわからない物の方が怖いのよ!」

シャル

「た、確かにそれはあるかもね…。あはは…」

(火影がいてくれなかったらとても入れないや…)

 

とその時、

 

 

ポンッ!

 

 

アグニ

「なんじゃ悪魔でも出たのかダンテ?儂の炎で焼き尽くしてくれ様!」

ルドラ

「いやいや燃え尽きるまで時間がかかるぞ兄者!儂の風で微塵にしてやろう!」

 

火影・鈴・シャル・本音

「「「………」」」

 

 

…ポンッ!

 

 

火影

「……しかしゾンビの数や仕掛けの数は増えてるもののそれだけだな」

 

直ぐに回収し、何事も無かった様に続ける火影。

 

「そ、そうね~、パワーアップって言っても大したことないじゃないの、アハハ…」

 

そう言いながら火影を掴む力が一番強い鈴。因みに右手に本音、左手にシャル。そして火影の背中に隠れながら進む鈴がいる。そして幾分進んでいくと、

 

本音

「…あ、ねぇねぇ、何かあるよ~?」

 

そこはどうやら出口らしい場所。しかし前回と同じく扉が開かない。

 

「やっぱり開かないのね…」

 

とすると何か仕掛けがあると考えるべきだろう。そう思って周囲を見渡すと、壁に何やら指示板が張ってある。そしてその横にはスイッチと…何故かイヤホンマイクがあり、更にその横にふたつの扉がある。

 

「…ねぇ火影、前の時ってここ扉ひとつじゃなかった?」

火影

「そうだな。前の時とは違うのかね?」

 

シャルが指示板を読む。

 

シャル

「えっと…「出口を開けるにはスイッチを一緒に押す必要があります。誰かがここに残ってふたつの扉を開け、扉を進んだ奥にあるスイッチを見つけて全員で扉を開けましょう」…だって」

「そしてやっぱり別れてしまうのね…」

火影

「だから連絡用のマイクがある訳か。…片方は俺が行くとしてもう片方は誰が行く?」

 

すると前回残って怖い目にあった鈴は嫌な予感がして、

 

「わ、私が行くわ。でもひとりは嫌よ!…本音、アンタ怖がってないから一緒に来て!」

本音

「いいよ~♪」

シャル

「ええ!じゃ、じゃあ僕がここに残るの~!?…しょ、しょうがないなぁ、でも早く戻ってきてよ!」

 

そしてシャルがスイッチを押して扉を開ける。前と同じく扉の動きと連動している様で離すと扉が塞がれる様だった…。

 

 

…………

 

そしてそれから約一分後、スイッチに手をかけながらひとり待つシャルはマイクで火影、本音に話しかける。

※シャル目線。

 

シャル

「…ねぇ火影~、本音~。どう~?」

火影

(もう少し先みてぇだな。…本音、そっちは?)

本音

(ま~だだよ~)

(れ、連絡が取れるのが幸いね…)

 

開かれた通路は大した仕掛けは無く、薄暗い通路が伸びている。足元に何かもやみたいなものが出ているのはドライアイスだろうか。……すると、

 

(ひゃあ!!あ、足元に何か触った!!)

 

何かの感触があったらしい鈴。

 

本音

(鈴~大丈夫だよ~足元が柔らかくなってるだけだから)

(…もう嫌…帰りたい)

火影

(頑張れ鈴)

シャル

「行かなくてよかった~」

 

だがそんなシャルの方も、

 

ガタタタッ!

 

シャル

「うわぁ!!」

 

突然の物音に驚くシャル。

 

火影

(シャル、大丈夫か?)

シャル

「う、うん…だ、大丈夫…。ちょっと物音しただけ」ガタ!「ひゃあ!」

(あ~、やっぱりその仕掛けあったのね~)

シャル

「鈴知ってたの!?酷いよ~!」

(ゴメンゴメン。でも私だって二回は嫌だもん~)

本音

(…あ、見て。何かあるよ?)

 

すると本音と鈴が行った先に何やらスイッチがあった。指示板にあったのは多分これであろう。そして火影の方も見つけた。

 

シャル

「よ、よかった…これで出口が開くね」

火影

(じゃあ一緒に押すぞ本音?)

本音

(はーい)

 

そして、

 

カチッ!!

 

火影と本音は一緒にスイッチを押した。

 

シャル

「……………あれ?」

 

……しかし何も起こらなかった。その旨が火影達にシャルから伝わる。

 

(う、嘘でしょ!?ちゃんと一緒に押したじゃないの!)

本音

(もう一回やってみようよ)

 

そして火影と本音は再び一緒にスイッチを押した。

……しかし何も起こらなかった。

 

シャル

「やっぱり開かない…」

(どうしてよ!故障してるんじゃないの!?)

本音

(おかしいな~?私もひかりんも一緒に押してるのに~?)

 

すると火影が、

 

火影

(………おいシャル、一旦スイッチから手を離してくれるか?)

シャル

「え?う、うん」

 

マイクからそう言われて鈴が手を離すとふたつの扉が閉まり、更に通路の中の灯りも消えた。

 

本音

(真っ暗~!)

(しゃ、シャル!早く電気付けてよ!)

火影

(落ち着け鈴。いいかシャル、本音。今度は三人で一緒に押すぞ?)

シャル

「え、僕も?う、うんわかった。行くよ?せ~の!」

 

ガチッ!!!

 

火影と本音、そしてシャルはそれまで手をかけていたスイッチを一緒に押した。すると、

 

 

ガタンッ!…ゴゴゴゴゴ!

 

 

出口の扉、そしてふたつの通路の扉も開いた。どうやら今ので全ての扉が解除された様だ。

 

シャル

「! や、やった!開いたよ!」

本音

(やった~♪)

(は、早く出ましょこんなとこ!)

シャル

「そうだね、早く」

 

とその時、

 

 

「イィィィグゥゥナァァァァ!!」

「ガァァエェェルゥゥナァァ!!」

「エェェェサァァァダァァァ!!」

 

 

お約束というかやはり今回も大量のゾンビの群れがシャルに迫ってきた。

 

シャル

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

迫力に悲鳴を上げるシャル。すると、

 

バッ!!

 

突然彼女の前に何かが守る様に立ちはだかった。

 

火影

「……」

シャル

「ひ、火影…?」

 

それは走って戻ってきた火影だった。…それと同時に下がるゾンビ達。

 

火影

「やれやれやっぱこうなったか…。おいシャル、大丈夫か?動けるか?」

シャル

「……」

 

そんな火影の姿に安心したのか、

 

シャル

「わぁぁぁん!怖かったあぁぁぁぁぁ!」

 

シャルは火影にしがみつきながら大泣きしたのだった。

 

 

…………

 

それから数分後、火影達は遊園地内のカフェで休んでいた。

 

本音

「シャルルン~大丈夫~?」

シャル

「うん、もう大丈夫。ありがとう本音」

「私もだけどシャルもめちゃ怖がりじゃないの。なんで行きたいなんて言ったのよ~?」

シャル

「ウワサには聞いてたけどまさかあそこまで怖いなんて思わなかったよ…。てか鈴酷いよも~!」

「ゴメンゴメン、今度何か奢るから許してね。…あ、そう言えば火影、なんでシャルのスイッチの事もわかったの?」

火影

「指示板に書いてあったろ?一緒に押す必要があるって」

本音

「でも一緒に押したよ~?」

火影

「「ふたつのスイッチで扉を開ける」とは書いてなかったろ?「全員で扉を開ける」って書いてあったのを思い出してな。それでシャルのスイッチも連動してるんじゃないかって」

「…ああ成程!」

シャル

「あの状況でそんな判断ができるなんて流石火影だね。普通ならパニックになるところだよ」

火影

「まぁ年の功ってやつだ。…てか本音見直したぜ。お前ああいうの全然平気だったんだな。デビルハンターに向いてるかもしれねぇぞ?」

本音

「えっへん♪」

「いやいや悪魔なんてこの世界にいないから」

火影

「はは、確かにな。…さて、そろそろ夕方か。もうパレードの席着いとくか?」

シャル

「そうだね」

 

すると、

 

「……火影。ちょっとここで待っててくれない?シャルと本音とちょっと話がしたいんだ」

本音

「私とシャルルンに?」

火影

「別に構わねぇよ」

シャル

「ここじゃ駄目なの?」

「…うん、ちょっとね。直ぐに終わるから。折角だから観覧車行きましょ」

 

 

…………

 

そして鈴とシャル、本音の三人は観覧車に乗った。空はややオレンジに近づいている。

 

本音

「高台にあるからここからだと街が良く見えるね~」

シャル

「ほんとだね。…それで鈴、僕達に話って?」

「…うん」

 

するとやや待ってから鈴は話始めた。

 

「…正直に聞くわ。…ふたり共、火影をこれからも支える気持ちに嘘は無い?」

シャル・本音

「「!」」

「マティエさんが言ってたでしょ?火影と海之はあのオーガスっていう奴と戦うって。そしてその戦いが命がけのとても危険なものだって。まぁ本音は戦う事は無いけど。それがわかっていても…本当にふたりの気持ちに変わりない?」

シャル・本音

「「……」」

 

するとふたりはやや真剣な表情をしながら、

 

シャル

「…言った筈だよ鈴。僕は誰よりも火影を想ってるって。ふたりにも負けないって。それにさっき火影が動けない僕を庇ってくれた時改めて思ったんだ。僕にはあの人しかいないって。どんなに危険な戦いでも…僕は火影を支える」

「……」

本音

「…私ね、自分が皆の様に戦えない事、前は凄く悔しかったの。でも今はそんなに悔しく思ってないんだ。今のままの私が一番好きだって火影言ってくれたから…。戦えない分私はこれからも…誰よりも好きな火影の傍にいたい」

シャル

「鈴だって同じでしょ?それがわかってて僕達に聞いてるんでしょ?」

「…ええ。あいつは優しいから私達に来るなって言うかもしれないけどね。…でもそうはいかない。もしあいつが私達を置いてくって言うなら…しがみついてでも一緒についていくわ。二度とあいつを失いたくないから」

シャル

「僕だって」

本音

「私だって~」

 

そう言うと互いにやや睨むような感じになる鈴達。………すると、

 

「………ふ」

シャル・本音

「「……ふふ」」

鈴・シャル・本音

「「「あはははははは♪」」」

 

三人揃って笑いだした。

 

「ははは……。ふぅ…やっぱりそうなのね。まぁわかってたけど」

シャル

「鈴の聞きたかった事ってそんな事だったの?決まりきった答えなのに」

本音

「もっと難しい事聞かれるのかと思ったよ~。何時結婚したい?とか~」

「流石にそこまではまだ聞かないわよ!」

 

するとシャルが、

 

シャル

「……でもさ?僕達皆がそういう答えなら…、全部終わった後はどうすればいいかな?」

本音

「そうだよね~。私達皆ひかりんを諦める気無いんだもんね~」

「……ま、なんとでもなるわよ♪」

シャル

「そうだね♪」

本音

「なる~♪」

 

そんな少女らしい会話全開の観覧車だった。

 

 

…………

 

その頃下では、

 

火影

「~~!……なんだ風邪か?それとも誰か俺のうわさでもしてんのか?人気者は辛いぜ」

 

そんな事をひとり話していた火影。………すると、

 

火影

「……まぁしてたとしても俺のすぐ近くの奴じゃねぇっていうのは確かだな。………聞き耳たてんのはあんまり良いマナーじゃねぇぜ?」

 

火影は机に目を向けたまま誰かに話しかけた。…すると直ぐ真後ろのテーブルにいる幅広の帽子を被り、紅茶を飲んでいる女性が返事をした。

 

スコール

「……あら、気付いていたの?御免なさいね」

 

女性はスコールであった。背中合わせの会話が続く。

 

火影

「…何時からいた?てかよくわかったな」

スコール

「カフェに入ってからよ。ここがわかったのは…まぁいいじゃない。でも安心して?デートの邪魔なんて無粋な事しないから」

火影

「そいつは結構」

スコール

「……生きていたのね。貴方も貴方の兄も」

火影

「天国にも地獄にも嫌われてるみたいでな。がっかりしたか?」

スコール

「………さぁ」

 

スコールは曖昧に答えた。

 

火影

「んで、何しに来た?束さんを返しに来たとかオーガスの居場所を教えるってんなら歓迎だが」

スコール

「ふふっ、ご期待に応えてあげたい所だけど流石にそこまで人は良くないわ。これでもテロリストだもの。……でも」

 

スコールはそう言うと背中越しに何やら火影に渡す。

 

スコール

「……あげるわ」

火影

「USB?」

スコール

「できれば最初は貴方達だけで見て。…その中にはあるファイルが入ってる。本来なら誰にも知られてはならない…伏魔殿に封印されたものがね…」

火影

「……」

 

火影は黙ってそのメモリを受け取る。

 

スコール

「その中にあるものを見た時…貴方達は知る事になる。悪魔よりも恐ろしい、人間の残酷さをね…」

 

そういうとスコールは去ろうとする。すると火影は背中越しに紙幣を差し出す。

 

火影

「紅茶代だ。釣りはとってきな」

スコール

「あら、優しいのね。でもいいの?あの子達が見たら怒るんじゃなくて?」

火影

「そんなやわな女じゃねぇさ。……アンタ、やっぱただ我欲に負けてテロになったんじゃねぇな。自分でテロっつってるし。………何があった?」

スコール

「………御馳走様」

 

スコールは答えず、礼だけ言ってその場を去った。

 

火影

「……」

 

 

…………

 

それから少しして鈴達が戻ってきた。

 

本音

「ひかりん~お待たせ~♪」

シャル

「…どうしたの火影?」

火影

「…ああなんでもねぇ。楽しめたか?」

「ええ。色々女同士の会話もできたしね♪」

火影

「そいつは良かったな。…んじゃそろそろお目当てのパレードに行くか」

シャル

「そうだね♪」

本音

「早く行こー♪」

「良い席とらなきゃね♪」

 

 

…………

 

??? スコールの部屋

 

 

スコール

「…ふぅ」

 

するとそこに、

 

コンコン

 

オーガス

「…スコール」

 

部屋をノックしたのはオーガスだった。

 

スコール

「オーガス?…入っていいわよ」

オーガス

「…失礼しよう。……どこに行っていた?お前の姪に聞いたがどこかに行ったと言っていたが」

スコール

「私だってたまには外をぶらつきたい事位あるわ」

 

火影の事は言わないスコール。…すると、

 

オーガス

「……あのデータを誰かに渡したのか?さしずめ……奴らか?」

スコール

「!」

 

スコールは一瞬動きを止めた。オーガスにとってそれは回答には十分だった。

 

オーガス

「…やはりな」

スコール

「…どうしてわかったのかしら?これでもしっかりバレない様にしてたんだけど?」

オーガス

「私を甘く見るな。お前程度がどんなに細工しようが無意味。何時、どうやって開いた等直ぐにわかる。更にそのデータの内容からお前と、オータム位しかいないからな。まぁ奴にそんな能力は無い。Mもそんな真似はできん。……よくも私の所有物に手を付けたな?」

スコール

「……じゃあどうする?裏切り者として処分する?」

オーガス

「……」

 

 

………

 

火影と本音の部屋

 

 

「結構大きなパレードだったわね」

本音

「迫力あったね~♪」

 

夜、火影達が遊園地から帰ってきてひと休みしていると、

 

火影

「…ああそういえば忘れてた。鈴、シャル、本音。お前らに渡したいもんがあった」

シャル

「僕達に渡したいもの?」

 

そう言いながら火影は拡張領域を開き、何かを取り出す。

 

鈴・シャル・本音

「「「…!」」」

 

火影が取り出したのはみっつの銃。火影のエボニー&アイボリーにいずれもよく似ている。鈴に白、シャルに黒、そして本音に金色に輝く拳銃を渡す。

 

「トリッシュさんが使っていたものと同じやつね…」

シャル

「…これを僕達に?」

本音

「私にも…?」

火影

「鈴に渡したのがルーチェ。シャルのがオンブラ。本音のはアルバという。俺の親父スパーダが組み立て、俺の師がメンテした最高のもんだ」

「そんな大事なもんならアンタが持っていた方が…」

火影

「お前らに持っててほしいんだ。だができれば撃つな。あくまでもお守りとして持っててくれ。特に本音、お前は絶対だぞ。お前にはそんな真似してほしくねぇ」

本音

「……わかった。約束する。ありがとうひかりん」

「女の子へのプレゼントにしては物騒ね~。…でも、ありがとね火影」

シャル

「火影の分身と思って大切に持ってるよ」

火影

「ああそれでいい。…なぁ、三人とも最後に少しだけ聞いてもらっていいか?」

シャル

「う、うん」

火影

「覚えてるかしらねぇけど…前に俺、お前らに話した事あったろ?今まで俺は恋とかそんな事したことねぇって。……けどな、俺がダンテだった頃にナンパ位は少なからずした事あったんだ。前世の話で若気のいたりだ許せ」

「別にいいわよそんな事今さら。…それで?」

火影

「……だがな、その度に俺はいつもある夢を見たんだ。…母さんが目の前で死んだあの時の、な」

本音

「あ…」

 

三人はエヴァの事を言っているのだと直ぐに分かった。

 

火影

「だから俺は特に女とは一定以上の関係になるのを止めてた。それがこっち来てもいつの間にか習慣になっちまってた。……でも最近気付いたんだ。お前らと過ごしている時、あの夢を見ていない事に。先日一緒に眠ってた時もな」

「…え?一度も?」

火影

「最初は何でかって思ったよ。でも直ぐに分かった」

 

すると火影は何時になく真剣な眼差しをして言った。

 

火影

「鈴、シャル、本音。お前らが俺にとって…母さんと同じ、若しくはそれ以上の大切で、救いになってたからだ」

 

鈴・シャル・本音

「「「!!」」」

 

火影

「…だから頼む。傍にいてほしい。俺にお前らを守らせてくれ。俺には…お前らが必要だ」

 

鈴・シャル・本音

「「「……」」」

 

火影の真っ直ぐな言葉にキョトンとしながら急速に真っ赤になる鈴達。

 

火影

「…何ボーっとつっ立ってんだよ?」

本音

「だ、だだだっていきなりそんな事言うなんて思わないもん!」

「ハンドガン渡した後で言う台詞じゃないでしょ!ムードって言葉知らないの!?」

シャル

「誰かに聞かれたらどうするのさ!も~火影ったら!」

火影

「ははは」

 

嬉しいながらも恥ずかしさが勝り、真っ赤になりながら怒る三人。そんな彼女らを見て笑う火影だったが、

 

火影

(……お前らは俺が守る。……この身を懸けても)

 

心の中でそう固く誓うのであった。

 

 

…………

 

オーガス・スコール

「「………」」

 

睨み合うふたり。……すると、

 

オーガス

「……ふ、冗談だ。あんな古いかび臭いデータ等、欲しければくれてやる。なんなら今から世界中をジャックして公表してやっても良いぞ?」

スコール

(……あのデータがかび臭い…)

「何故そんな事を?」

オーガス

「私があのデータを待っていたのは単に責任者だったからに過ぎん。今さらどうでも良い。流しても大半の人間は信じられないか責任の擦り付けだろう。…まぁそれでも多少世界はパニックになるだろうがそれもやや面白いかもな。…ククク」

スコール

「……」

 

スコールは目の前のオーガスという人間が益々わからなくなっていた。以前よりわからない事が多かったが最近は顕著である。

 

オーガス

「しかしお前がその様な真似をするとはな。ここの場所も教えたのか?」

スコール

「まさか。流石にそこまで善人じゃないわ。……いいえ、私にはもうそんな資格もない。16年前のあの時からね…」

オーガス

「よくわかっているではないか。……まぁいい。どうせ近い内にわかるからな」

スコール

「…?」

オーガス

「だがとはいえだ。お前がやったことは明らかに裏切りに近い行為。何も罰せずというのは流石にいかぬ。…そこでだ、お前にはあるものを今後然る時が来た時に使ってもらう」

スコール

「あるもの?」

(…然る時…?)

 

するとオーガスは…小さい何かを取り出した。一見…銃のグリップと引鉄の部分だけの様な妙な装置である。

 

オーガス

「オータムに急かされて試験的に作ったものだ」

スコール

「…それは?」

 

するとオーガスはそれの名前を言った。

 

オーガス

「ドレッドノートシステムの力を飛躍的に高める装置。………デビルトリガーだ」




※次回は20(土)の予定です。
漸くルーチェ&オンブラ&アルバを出せました。
次回は海之編+USBの中身が明らかになります。
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