IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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一夏の告白以来、彼と箒達の交流は強くなっていた。そんな中、嘗て一夏に恋していた鈴は自分の中に残っているかもしれない心残りを終わらせるために、敢えて一夏に好きだったことを打ち明けようと決心する。

事後、全て終わらせられたと喜ぶ鈴の目からは涙がこぼれた。火影は鈴を慰め、鈴はその涙をもって今度こそ吹っ切ったらしく、笑顔で火影に寄り添っていた。こうして思わぬ一騒動も終わり、今日も賑やかな一日が始まろうとしていた。違う意味での賑やかな一日が……。


Mission188 滅んでいた組織

千冬

(急いでテレビをつけろ!!)

 

千冬からの突然の連絡で自分のデスクのテレビをつける海之。火影や一夏達もその画面を覗き込む。

 

火影・海之

「「!!」」

一夏

「お、おい!これって!!」

 

一夏達は驚愕した。そこに映ったのは先日見たアインヘリアル計画の計画書だったのだ。いわば世界の闇の歴史を証明するもの。全ての内容では無いがそれがテレビやスマホを通して公に流れている。

 

生徒

「な、何よコレ?」

「…アインヘリアル計画…って何?なんかのイベント?」

「どの画面も流れるよ!もうなんなのよ一体?」

 

……すると最初の生徒の声から約三分後位だろうか。その画面は終わり、何事も無かった様に元に戻った。

 

生徒

「あ、元に戻ったわ」

「なんかの宣伝だったのかしら?それともドッキリ?全くいい所だったのに~」

 

突然の事態に何も知らない生徒達は文句を言う程度。しかし彼等はそうはいかない。

 

箒

「ど、どういう事だ今のは!?何故あのファイルがテレビに!?」

海之

「先生、先程のは一体…?」

千冬

(私にもわからん…。しかしつい先ほどこのファイルが全ての電子媒体を通じて流れていた。テレビも携帯もな。まるで乗っ取られたかの様に画面も切り替わらなかった)

クロエ

「…まさか電波ジャック!?」

簪

「で、でも一体誰がこんな事…!?」

 

その疑問に火影と海之は直ぐに結論が出る。

 

火影

「アインヘリアル計画を知ってて…且つこんな陰険な事する様な奴と言えば…、ひとりしかいねぇ…」

シャル

「……ま、まさか!」

 

火影の言葉に全員がある人物を思い浮かべる。

 

千冬

(海之、火影。ふたり共急いで来い。早急に検討を行う)

 

 

…………

 

IS学園 指令室

 

 

ウィィィン

 

 

ふたりが扉を開くと既に千冬と刀奈が待っていた。動揺を防ぐために学園は問題なく行う形となり、火影達のクラスは真耶が残っている。

 

火影

「先生」

海之

「刀奈さん」

千冬

「来たか…」

 

ふたりの他に一夏や皆も一緒に来ていた。

 

千冬

「お前達は呼んでいないぞ!?」

一夏

「もうふたりだけの問題じゃねぇ!俺も参加させてもらう!」

鈴

「私達もです!」

シャル

「罰なら幾らでも受けます!」

刀奈

「貴方達…」

火影

「本音には残ってもらいました。あいつにはこれ以上関わってほしくねぇ。それにあいつがいた方が皆が和むからな」

刀奈

「…ありがとう火影くん」

海之

「先生それよりも」

 

海之の提言で千冬は話し始める。

 

千冬

「そうだな。もう一度言うが先程、約数分間にわたって例の資料が公に流れていた。正確にはその一部だけだがな。テレビや携帯などの端末、パソコンなどあらゆる画面を通してだ」

刀奈

「しかもここだけじゃない。さっき確認してみたけど世界中で同じ事が起こったそうよ」

セシリア

「世界中で!?」

千冬

「そうだ。世界中の端末という端末に先ほどの画像が流れた。各地のテレビ局や情報局等にも原因は全く不明。だがこんな事は偶然で起こる筈もない。間違いなく何者かの意図によるものだ」

刀奈

「そしてふたりの事だから…既に結論は出ているでしょう?」

 

その通りだった。火影と海之、そして千冬も答えは決まっていた。

 

火影

「…ええ。間違いなく奴の、オーガスの仕業でしょうね。世界的な電波ジャックを行い、流したに違いねぇ」

海之

「……」

ラウラ

「もしそうだとしたらあの男は一体何を考えている!こんな事が突然公になれば…」

クロエ

「…関わった者達は動揺するでしょうね」

箒

「無関係な者からすれば単なる悪戯と思われるかもしれんが…それでも疑問は残るだろう。「あれは何か」と」

簪

「それにさっきのは一部だったけどもし名簿なんか出てしまったら…」

セシリア

「とんでもない事になりますわね…」

鈴

「悪戯に広がる前に何とか止めないと!」

ジャル

「でもどうすれば…。発信源がわからないと…」

 

火影がそれに答えを出す。

 

火影

「答えはひとつだ。計画の全資料が明るみになる前に奴の居場所を見つけ出し、倒す」

一夏達

「「「!!」」」

海之

「それしかあるまい。だが…」

刀奈

「シャルちゃんの言う通り問題はどうやって見つけるかね…」

千冬

「軍や警察等は既に探っているだろうが…奴の仕業だとすると期待は薄いな」

 

 

~~~~~~~~

するとその時指令室の端末が何かを受信した。

 

 

千冬

「…映像通信だと?」

 

そして突然指令室の画面に何かが浮かび上がる。

 

一夏達

「「「!!」」」

火影・海之

「「!!」」

 

それを見て一夏達は勿論、火影や海之の顔にも驚きの表情が浮かんだ。映ったのは、

 

 

オーガス

(……ごきげんよう)

 

 

オーガスであった。何時もの様に不気味な笑みを浮かべながら火影と海之に挨拶をした。

 

オーガス

(久し振り、というべきかな?ダンテ、バージル)

火影

「てめぇ…」

海之

「オーガス、いや、アルゴサクスか」

オーガス

(懐かしい名前だ…。オーガスよりは聞こえがいい)

千冬

「オーガス!貴様、何故ここに通信を!?」

オーガス

(これは失礼。人間でいうご挨拶に伺ったまでだ。ちょっとした手土産も添えてね。折角の久々の対面、手ぶらなのは失礼だろう?)

刀奈

「手土産ですって…?」

オーガス

(古臭いカビたものだが中々インパクトはあっただろう?クククク)

 

それは先ほどの騒ぎの事だと誰もがわかった。

 

鈴

「やっぱりさっきのアレはアンタの仕業だったのね!どうしてあんな事したの!?」

オーガス

(大した意味等無い。面白そうだからだ、そして暇潰し)

 

オーガスはそう言い放った。何の罪の意識も無いように。

 

クロエ

「お、面白い!?」

セシリア

「暇潰しって、そんな事のためにあんな事したんですの!?」

オーガス

(平和という幻想に隠された世界の闇。それを知った時世界はどうなるか?面白そうとは思わんか?)

シャル

「面白いわけないよ!」

箒

「アインへリアル計画なんてものが突然広がれば世界中がパニックになりかねないんだぞ!」

 

箒の口からアインへリアル計画の名前が出た事にオーガスは、

 

オーガス

(…そうか、やはり貴様らもアレを手に入れていたか。……スコールの奴め)

 

それを聞いて火影が返す。

 

火影

「やっぱてめぇの指示じゃなかったんだな」

オーガス

(ふん、まぁいい。直にアレは世界中に発散される。遅いか早いか、それだけだ)

刀奈

「! どういう事それは!?」

オーガス

(少し面白い悪戯を考えてね。あの資料は少しずつ世に出る様になっている。ゆっくりゆっくりと明らかになっていき、四日もすれば全てが映し出されるだろう)

ラウラ

「!」

簪

「そ、そんな!」

 

ラウラ達は驚愕の表情を浮かべる。オーガスの言葉を信じるのならば…残り三日であの計画の名簿も含めて全てが世に知られる事になる。知らない者にとっては驚天動地の真実。誰もが疑心暗鬼になり、世界中であらゆるタガが外れる可能性もある。そうなると大混乱は避けられない。

 

オーガス

(ああ因みに名簿は最後にしておいてやったぞ)

千冬

「貴様、こんな事をして一体何を考えている!?」

オーガス

(言った筈だ。暇潰しだとな。人間の世界が如何に混乱しようが我にとってはどうでも良い事。死んだ筈の存在が姿を変えて蘇り、ひとつの計画で大勢の人間が死ぬ。重い重いとほざく割になんとも命が軽い世よ)

鈴

「! 何て事言うのよ!命より重いものなんて無いわ!」

オーガス

(ならば再び問おう。何故戦争は無くならん?何故兵器は無くならん?平和平和と閑古鳥の様にほざいておきながら、何故貴様ら人間の争いは終わらんのだ?)

簪

「そ、それは…」

 

一瞬答えに詰まる。それに対してオーガスは口を歪ませて、

 

オーガス

(ククク、何も難しくはない。戦いを楽しんでいるのだよ人間は、誰もがな)

シャル

「! ち、違う!そんな事ない!」

オーガス

(違わんな。それは歴史が証明している。例え一時戦いは終わっても、再び直ぐに次の敵を探す。そして直ぐに火種を起こそうとする。戦いという火種をな。戦いはあらゆる技術を飛躍的に成長させる。故に争いも敵も無くならないのだ。故にアインヘリアル計画も受け入れられた)

セシリア

「! やはりあれは貴方が考えたんですのね!貴方の計画のせいでどれだけ多くの人々が!」

オーガス

(我が?フハハハハハハハ!我は単に提言したに過ぎん。計画実行を決定したのは愚かな人間共だ)

ラウラ

「ふざけるな!!」

 

オーガスは最早嘗ての様な人間では無い。肉体は人間だがその心は紛れもなく悪魔そのものだとこの時改めて誰もが理解した。

 

オーガス

(…しかしあの様な事をほざいておきながら貴様らもやはり自分が可愛いか。…クククク)

刀奈

「…?何を言っているの!?」

 

するとオーガスは驚く事を言った。

 

オーガス

(いやいや…、実は我は貴様達を多少なりとも賞賛しているのだよ)

箒

「しょ、賞賛だと!?」

オーガス

(以前貴様らは言ったな?人間の可能性を、そして決して醜いものではないと。それに少々我も感銘を受けてね。望まぬとはいえ、我も以前普通の人間として生きていた時もある故な。だからきっと貴様らはあの計画を知った時、さぞ許せず怒ると思った。そこで少々協力してやろうと思ったのだ。あの出来事を世界に知らしめる手伝いをな、クククク。…しかし貴様らは今言った、アレを世に広めてはならないと、世界を混乱に巻き込むだけ、と。それを聞いて思ったよ。やはり貴様らも自らの保身の事しか考えぬ、この世に蔓延るクズ共と同じだとな)

ラウラ

「な、何だと!?」

オーガス

(違うとでも言うのか?その気でないのならさっさと公表してやればいい。間違っているか?)

シャル

「か、隠すだなんて…!」

セシリア

「そ、そんな事は思っていません!ですがすべき時というものが!」

オーガス

(関係ない。やるのかやらないのか、それだけだ)

箒

「貴様!こちらの事情も知らずに!」

 

箒達は反論する。そんな中一夏が、

 

一夏

「……確かにあれは公表するべきかもしれねぇ」

箒

「い、一夏?」

千冬

「…ああ。確かにな」

鈴

「千冬さん…」

 

箒達は心配した。あの資料にはふたりの両親の名も記されている。全員がふたりの両親かどうか気付くかはわからないが中には勘付く者もいるかもしれない。あの資料を公にできないのはそういう意味もひとつにあった。

 

オーガス

(織斑秋斗と織斑春恵の子か)

一夏

「…!!」

千冬

「貴様…父と母の事を!」

オーガス

(無論知っている。ふたり共実に研究熱心だったよ。自身の研究のためにどんなに卑劣な研究にも参加してくれたな。クククク)

箒

「…貴様!ふたりの前でよくそんな!!」

 

だが箒の怒りを一夏が止める。

 

一夏

「いいんだ箒!」

箒

「しかし!」

一夏

「俺らの両親のやった事は決して許されねぇ事だ。そしてそれは……何れ皆に伝えなきゃいけねぇ。こんな事があったって事を…」

セシリア

「一夏さん…」

一夏

「だがそれは全てが終わった後、こいつをぶっ倒してからだ!今じゃねぇ!」

千冬

「…ああそうだな。何れ明らかにはするさ。だが今はやる事がある。その時は私自身の罪も含め、全てを償う覚悟だ」

一夏

「答えろオーガス!てめぇは、束さんはどこにいるんだ!?」

 

一夏と千冬はオーガスに迫るがオーガスは面倒そうな態度を崩さない。すると刀奈から質問が出る。

 

刀奈

「ひとつ聞いていいかしら?貴方はファントム・タスクの幹部なのでしょう?他のメンバーは今回の貴方の行動をどう思っているのかしら?」

クロエ

「……確かに。貴方の他にも幹部、ましてや他の上層部もいる筈。了解を得ているのですか?」

 

するとオーガスはこう返す。

 

オーガス

(ファントム・タスクは関係ない。そもそもあの様なもの等、最早何の意味も無い)

一夏

「…!?」

簪

「そ、それどういう事!?」

オーガス

(文字通りの意味だ。ファントム・タスク等、文字通りファントム(亡霊)、愚かな先人共の過去のものに過ぎんのだ)

千冬

「どういう意味だ!?」

 

するとオーガスはそれに答えず、逆に質問を返す。

 

オーガス

(ファントム・タスク…。そもそも貴様らはその由来を知っているか?)

シャル

「…ファントム・タスクの由来?」

 

聞かれて皆は口をつぐむ。「ファントム・タスク」、一部の者ではその名前だけは知られているが実体の多くは謎に包まれている。刀奈の更識家でも多くは把握できていない。

 

セシリア

「貴方は知っているのですか?」

 

するとオーガスは答えた。

 

オーガス

(当然だ。我のこの世界の祖父だった人間がその創設に関わっていたのだからな)

火影・海之

「「…!」」

箒

「な、なんだと!?」

ラウラ

「貴様の祖父が…ファントム・タスクの創設者のひとりだと!?」

オーガス

(教えてやろう…。最早隠しておく必要もあるまいて…)

 

するとオーガスはその由来について話し始めた。

 

 

…………

 

繰り返された世界全体を巻き込む戦争終結後、世界は戦勝国と国際連合の元、まだまだ多くの問題を抱えてはいるものの一応の平和への道を歩み始めた。……しかしその裏である者達が暗躍する事態を引き起こしてきた。戦争という場所で評価された者達。戦場でしか生きられない兵士や傭兵達である。争いが消えていく事で世界から見放され、自分達の生きる場所が少しずつ削られていく。自分達の才能を生かす場所が無くなり、世界から必要とされなくなる事に彼らは恐怖した。それに耐えかねた者達は遂に行動を起こした。この世界を以前の様な混沌の世界へと再び巻き戻す事を。そしてそんな彼らに密かに手を差し伸べる者達がいた。戦争をビジネスと考える武器商人や闇の権力者である。オーガスの祖父もここにいた。中には他の国の過激な科学者も。大きな戦争が無くなり、以前程武器が売れなくなった者達にとって彼らの行動や思想は自分達の意志にも適っていた。こうして「国を捨てた者、捨てられた者」と武器商人達が手を結び、生まれたのが「ファントム・タスク(亡国機業)」であった。彼らはその腕や金を使い、冷戦を始めとする後の戦争やテロに加担していった。

 

………しかしある時、そんな彼らに異変が起こった。組織の中で「戦争を生きがいとしてただ戦いを楽しむ者」と「戦争をビジネスと考え、裏で世界を支配しようとする者」とに二分し始めたのである。組織内で相容れない争いが続く中遂に両者は激突し、やがて互いに消滅した。自分達が生み出す兵器を使う者達を思わぬ形で失い、どうするか悩んでいた支援者達。すると彼らの前にある者達が突如現れた。スコールやオータムはじめ、アインヘリアル計画を生き残った者達にしてオーガスが逃がした者達であった。

世界最強の兵士を生み出す計画の中で勝ち上がってきた者達。そんな彼らは戦争をビジネスととらえる者達が放っておく訳はなかった。一方のオータム達も自分達をこの様な目に合わせた世界への復讐心に満ちていた事もあり、彼らの誘いを飲んだのである。こうして新生ファントム・タスク(亡国機業)が誕生した。

 

………が、事態は更に変化した。ファントム・タスクを裏で支援していた者達が次々と変死や謎の死を遂げた。実行したのはオータム達。彼らにとっては支援者達もまた自分達の憎むべき敵であった。故に活動資金をむしり取った後、暗殺したのである。一方のスコール達にも異変があった。生き残った兵士達もジーン・セラピーや人体実験の影響で後遺症が出て次々と息絶えた。残ったのはスコールとオータムのみという事態に陥り、事実上ファントム・タスクは壊滅した。そこに協力者として入ってきたのがオーガスであった。最初は当然信じられなかったが彼の類まれない技術と資金力、そして転移を利用して奪ったIS達を手土産にした彼をスコールとオータムは仲間として迎え入れたのであった。奇しくもそれが自分達を苦しめた計画の発案者だったと知るには時間がかかったが…。

 

 

…………

 

火影・海之

「「……」」

オーガス

(そういう事だ…)

ラウラ

「ファントム・タスクが、何年も前に壊滅していた…!自分達で滅ぼし合って…!」

刀奈

「最早殆ど実態を成してない組織に皆が踊らされていたわけね…」

千冬

「マドカはどうしたのだ!?」

オーガス

(織斑計画の失敗で廃棄され、捨てられた奴を我が拾ってやったのだ。あとファントム・タスクの名は引き続き利用させてもらったよ。資金集めに色々利用できるからな。五年前の織斑計画プランBの時の様に)

箒

「貴様、プランBの事も!?」

オーガス

(当然だろう?織斑一夏、貴様に織斑千冬の遺伝子を埋め込む遺伝子療法を行ったのも他でもない、この我だからな)

一夏・千冬

「「!!」」

鈴

「な、なんですって!」

シャル

「お前が一夏にジーン・セラピーを!?」

オーガス

(恨むのならそれを仕組んだ世界を恨むのだな?我はその頼みに応えただけだ。ククク、しかし全く馬鹿な者共だ。よりにもよって我に頼むとはな)

箒

「貴様…絶対に許さん!!」

 

……そんな中これまで黙っていた火影と海之が口を開く。

 

海之

「……アルゴサクス。貴様の目的は何だ?」

クロエ

「…兄さん?」

火影

「俺も同意見だね」

鈴

「火影…?」

 

火影と海之のその言葉を聞いてから皆がふたりに注目する。

 

海之

「俺は貴様と前世で会った事は無いがどの様な事をしてきたかは知っている。貴様は嘗てムンドゥスや他の多くの悪魔達と魔界の覇権を争っていた。しかし、その争いは膠着が進み、何時終わるやもしれん戦いが続いていた。それに痺れを切らしたムンドゥスは魔界の前に人界を手中に収める事に決めた…」

火影

「だがそれを親父に食い止められた。それを知ったテメェは表舞台から暫く姿を消した。親父によって他の悪魔共も倒されるまで。そして好機と悟った貴様は事を起こし、魔界の大半を支配した。親父に倒される迄だがな。いわばテメェは戦わずして勝つ、漁夫の利を得たって訳だ」

オーガス

(……)

火影

「テメェは策士だ。ましてや悪魔の策士なんて自分にとって利になる事しかしねぇ。あのネズミ野郎が俺を利用してアビゲイルの力を手に入れようとした様にな」

海之

「だが…これまでの貴様の行動を見てると納得がいかない点が多い。アインヘリアル計画に織斑計画、それらは確かにこの世界に影響を与えた。だが…貴様個人に対する利が無い。あるとすれば金とDNSだがそれだけの事でこれ程の長ったらしい事をするとは思えない」

火影

「答えろ。…テメェの本当の狙いは何だ?」

 

火影と海之はオーガスに回答を迫る。…すると、

 

オーガス

(…フフフフ、流石は裏切者であり、嘗てあの方の右腕とも呼ばれていたスパーダの息子。中々の洞察力を持っている様だな)

火影・海之

「「…!!」」

オーガス

(だが…それを話すのは今ここではない。心配せずとも全て教えてやる。我の元まで来れば、な)

一夏

「だからどこにいるんだ!?」

 

するとオーガスは答えた。

 

オーガス

(クククク…そういきり立つな、直ぐに教えてやる。……今から出てやるからな)

 

火影

「…?どういう意味だ?」

 

オーガスがそう言うと場面は突如切り替わり、どこかの水の上、恐らく海であろうの様な場所が映し出される。

 

セシリア

「…どこかの、海でしょうか…?」

 

……するとその時、

 

 

 

……ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ

 

 

 

火影達

「「「!!!」」」

 

火影達は驚いた。何も無い水の上に突如何かがゆっくりと…今までそこに無かったある筈の無いものが表れた。

 

クロエ

「光学迷彩!?」

簪

「…………島?」

 

それは島であった。とはいえ植物等は少なく、岩や地面がむき出しになっている箇所が多い岩島である。

 

 

ドクンッ!!!

 

 

火影・海之

「「!!」」

 

するとその時、火影と海之は突然自分達の剣が何かに反応するように強い脈を打ったことを感じた。その強さはISを出していなくとも強く感じる程であった。

 

一夏

「ど、どうしたふたり共!?」

海之

「…火影」

火影

「ああ。またリベリオンが脈を打ちやがった…!一瞬だが」

鈴

「! それってアンタ達の魔力って奴を感じる力の事!?」

 

シュンッ!

 

その力に彼らも慌てて出てくる。

 

アグニ

「気付いたか弟よ?」

ルドラ

「無論だ兄者よ」

シャル

「…アグニとルドラだっけ?ふたりも感じたの?」

アグニ

「当然だ」

ルドラ

「今は違えど我らは元々悪魔故な」

火影

「勝手に…って言いてぇとこだが今回ばかりは大目に見てやる。どうやら大袈裟じゃねぇ様だな」

アグニ

「用心せよダンテ」

ルドラ

「これ程の魔力はまるで」

 

 

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

 

 

 

すると画面に再び動きがあった。画面に映る島が突然激しく揺れ出す。

 

鈴

「な、何!?地震!?」

刀奈

「……近くじゃないわね」

 

そうしている間にもそれはどんどん大きくなっていく。……そして、

 

 

ドクンッ!!

 

 

更に一際強い魔力を感じた火影と海之。そして、

 

火影

「……何か来やがる!!」

海之

「……!!」

 

 

 

……ズドォォォォォォォォォォォォォォッ!!!

 

 

 

火影達

「「「!!!」」」

 

その時、地面を抉り、激しい砂埃を上げながら島を突き抜ける様に何かが飛び出してきた!!




※次回は二週間後の14日(土)の予定です。

GW中は私用で中々編集作業ができそうにありませんので再来週にさせていただきます。申し訳ありません。
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