IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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テレビやスマホなどに突如映ったアインヘリアル計画書。それを流したのは火影や海之の思惑通りオーガスであった。しかも残り三日で全てが世に晒されると言われ、千冬達は動揺する。
そんな中オーガスはファントム・タスク<亡国機業>の正体について明かした。その生まれは戦争終結で職を失った兵士達や兵器開発者達がこの世を再び混沌の世界へと誘う事を目的に作った秘密組織である事。しかし長い年月の間で意見を違えた者達が互いに滅ぼし合い、最早消滅に等しいものであったのだった。
動揺が隠せない一夏達を横に、火影と海之はオーガスに真の目的と居場所はどこか問う。するとオーガスは言った…。


Mission189 ラ・ディヴィナ・コメディア

火影

「…オーガス、てめぇの本当の狙いはなんだ?」

オーガス

(我の真の目的…。それは我が元迄来たら教えてやる。そのために……今から出てやろう)

 

火影の言葉に乗った形となったオーガスはそう言うと画面を切り替えた。すると同時に何もない水上に突如として島が現れ……そして、

 

 

 

ズドォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

 

地震と同時に何かが島の大地を抉り、凄まじい砂埃を上げながら地上に飛び出してきた。

 

火影・海之・千冬

「「「!!!」」」

一夏

「な、なんだ!?」

「何かが地面から…、いや島から生えてきただと!?」

「ななな何が起こってんの一体!?」

 

そんな事を言っている間にも出てきたそれは大地が避ける爆音を立てながら上昇を止めずに上り続ける。そして、

 

 

オオオオォォォォォォォォォ…………

 

 

……やがて上り続けていたそれはゆっくりと動きを止めた。周囲には今だに大量の砂埃が巻き起こり、詳細は見えない。出てきたそれの外側や最高点?から地面を抉る時に付いたと思われる大地や岩の欠片が落ちる音が聞こえてくるのみ。暫しの間それを見ていた皆は呆然としていたがゆっくりと言葉を発する。

 

ラウラ

「と、止まったのか…?」

セシリア

「みたい…ですわね…」

クロエ

「一体何が…何が出てきたというのでしょう?」

シャル

「樹…な訳ないよね…。あんなにでかい樹がある訳ないし…」

刀奈

「ひとつ言えるのはどうせ碌なもんじゃないわ…」

「……」

 

出現したものの正体を皆が想像する中、やがて少しずつ砂埃が消えていき、うっすらとその姿が視認できる様になってきた。

 

一夏達

「「「!!!」」」

 

それは樹等ではない、巨大な建造物であった。

階層が螺旋状に何層にも積み重なっている様に見える建物。地下にあったためなのか窓らしきものはどこにもない。金属なのかコンクリートなのか、はたまた煉瓦なのか、何でできているかも画面越しにはわからない。唯一わかるのは周囲の島の大きさから途轍もなく高いものであろう事。一見するとそれはまるで塔の様だが異質な存在性を感じさせる。その圧倒的存在感が見る者を圧倒していた。

 

「な…なんだ…。なんだあれは!?」

セシリア

「塔?でしょうか…。でもあれほどの高い塔は…」

「100とか200mどころじゃない…、倍以上はあるわよ…」

「あんなものが地面の下にあったなんて…信じられない…」

 

誰もが目の前に突如出現したそれに再び言葉を失う事になった。

……だが火影と海之の反応は違った。

 

火影・海之

「「……」」

 

ふたりはその出現したものを黙って睨み続ける。一夏達以上に信じられないもの見る様な目で。こんなふたりを見たのはあのドッペルゲンガーと初めて会った時以来である。

 

シャル

「…火影?」

「海之くん…?」

 

…ヴゥンッ!

 

すると画面は切り替わり、再びオーガスが映された。

 

オーガス

(クククク、驚いてくれたかね?)

 

場所からしてどうやら今出現したものの頂上?にいる様であった。

 

千冬

「答えろオーガス!アレは、アレは一体何だ!?」

オーガス

(貴様ら等には聞いていない。どうかね?ダンテ、バージル)

 

オーガスはふたりの回答を待っている様だ。するとふたりはオーガスを睨みつけたまま返事を返す。

 

火影

「………どういうこった」

 

そして続いてふたりは驚きの名前を出す。

 

火影

「あの時の一瞬の気配…。なんで…こんなもんがこの世界にあるんだ…?まるでアレと同じじゃねぇか…!」

海之

「…ああ。そしてジワジワと感じる魔力の断片、あれと同じだ。……「テメンニグル」とな…!」

 

その名前を聞いた一夏達は、

 

一夏

「お、おい!確かそれって!」

千冬

「…嘗てのお前達の世界にあったという…邪教徒達が生み出した魔界に繋がる塔の名だな?」

 

そう。ふたりの前世の世界にあり、魔界を崇拝していた者達が魔界の力を手に入れるために生み出した塔。そしてふたりの運命がはっきりと分かれるキッカケとなった塔。「テメンニグル」である。目の前のそれが出現したその時、いっしゅんふたりはそれと同じ何かを感じたのだった。

 

「そ、そんな馬鹿な!」

「じょ、冗談でしょ!?そんな馬鹿な事ある筈ないわ!」

セシリア

「そうですわ!そんな事あり得ませんわ!」

クロエ

「この世界に魔界は関係ない筈…。なのにそれと同じものが存在する等…!」

 

当然誰もが信じられないという表情をしている。そしてそれは火影と海之も同じ気持ちだった。だから先程あれを見た時に疑念に満ちた表情をしていたのだ。

 

オーガス

(クククク、驚いてくれた様で嬉しいよ。……だが折角の期待を裏切る様で申し訳ないが…これは「テメンニグル」ではない。そして太古の遺産の様なふざけたものでもない)

一夏

「じゃ、じゃあ一体何だってんだ!?」

 

オーガスは答えた。

 

オーガス

(これは我が造ったものだ)

 

火影・海之

「「…!」」

「な、なんだと!貴様が造った!?」

オーガス

(その通り。…そして、これこそ全ての始まりの場所。今より16年前、「アインヘリアル計画」と「織斑計画」が行われた場所だ…)

千冬

「!!」

一夏

「な、なんだって!?その巨大な塔が…!」

シャル

「アインヘリアル計画と織斑計画が行われた場所だって!?」

「…あの恐ろしい計画が、…多くの人が死んだ場所…!」

 

突如現れた巨大なそれがあの悪魔の計画が繰り広げられた場所。その事実に一夏達が驚いていると、

 

オーガス

(そうだ…。アインヘリアル計画、これはその戦いの舞台として造ったもの。まぁ姿は多少改造しているがな。世界最強という至高にして幻想の存在になりたいという、愚か者共の華々しい戦いの舞台であり聖域…。その名を)

 

オーガスはその名を呼んだ。

 

 

オーガス

(……「ラ・ディヴィナ・コメディア」…)

 

 

 

天国への階段「ラ・ディヴィナ・コメディア」

 

名もなき島に突如現れた巨大建造物。外見は何層にも積み重なっている塔の様に見える。オーガス達の拠点にして、アインヘリアル計画や織斑計画が行われた場所でもある。船や飛行機の航路から大きく外れていた事や特殊な光学迷彩によって巧に隠されていた。最深部は海中にまで到達していた巨大地下都市ともいえるものだったがオーガスの手によって改造され、地上にその姿を現す。元々は地面の下にあった事から入口部分は頂上にあり、一見一階の様に見える部分が実は最下層であり、同時に頂上である。云わば「逆に生えている塔」。

 

 

 

一夏

「ラ…何だって?」

千冬

「「ラ・ディヴィナ・コメディア」だ」

「噛みそうな名前ね。どういう意味よ?」

 

すると海之が答える。

 

海之

La Divina Commedia(ラ・ディヴィナ・コメディア)…。「神曲」…か」

ラウラ

「「神曲」?」

セシリア

「イタリアの詩人、ダンテですわね…」

オーガス

(その通り…。愛する者を喪い、世界から見捨てられ、絶望した嘗ての詩人ダンテ・アリギエーリが人の世を去り、地獄を通り、天界へと昇る物語…)

火影

「…ダンテ…」

オーガス

(世界から見捨てられた者達が地獄を生き抜き、戦い抜いた者達が最強という至高を手に入れるための天国への階段…。なんとも似合った名前ではないかね。…クククク)

「見捨てられたって…!貴方達がそうしたんでしょう!」

刀奈

「天国どころか寧ろ地獄ね…」

 

すると火影がオーガスに尋ねる。

 

火影

「……さっきてめぇは俺達が居場所を聞いたら「今から出てやる」って言った。つまり…そこがてめぇのアジトって訳か…」

一夏達

「「「!!」」」

オーガス

(クククク、その通りだ。始まりの地にして、そして…全ての終わりの場所でもある)

海之

「…終わりだと?」

 

そしてオーガスは両手を広げて言い放つ。

 

オーガス

(そう、終わりの場所だ。こここそが我らの決戦の地!ダンテ!バージル!多くの人間共の血と骨でできたこの場所こそ!貴様らの凶つ血を滅ぼすにふさわしい!)

火影・海之

「「…!!」」

千冬

「それは…文字通り最後の対決の場所という意味か!?」

オーガス

(その通りだ。我らの最終戦争!スパーダの頃から続く我々の禍々しい因果もこれで最後だ!)

 

それを聞いて一夏や箒達も反応する。

 

一夏

「て事はマドカもそこにいるんだな!?」

オーガス

(ああ。憎悪の念を更に高めてな)

「姉さんもか!?」

オーガス

(あの女もよく働いてくれたよ。返してほしければ来るがいい。但し、二度と帰れぬ覚悟でな)

セシリア

「に、二度と帰らない…覚悟…?」

オーガス

(ん~?よもや貴様ら、まだ自分達が死なない殺されないという下らん考えを持っているのではなかろうな?これよりは我らの最終戦争。生きるか死か、それだけだ)

「し、死ぬ…」

 

「死ぬ」という言葉を聞いて一瞬怯む箒達。思い出されるドッペルゲンガーとの戦いで経験した死の瞬間の恐怖…。しかし火影と海之が返す。

 

火影

「て事は今回はてめぇも出てくるって事か?」

オーガス

(ああ。他の奴らには手を出させん。貴様らは我らの手で殺してやる。今度は生まれ変わりもしない様にな)

 

オーガスは狂気に満ちた笑みでそう言い放つが火影と海之もまた言い返す。

 

火影

「なら俺らが勝てばてめぇもそこで終わりって訳だ。んじゃ願ったりかなったりって奴だ。俺らもさっさと決着つけて、普通の人生を満喫してぇ」

海之

「だが残念ながら貴様も今は人間。俺達も今更人殺しにはなりたくない。安心しろ、精々再起不能の半殺し程度に収めておいてやる」

 

ここでも余裕を崩さないふたり。それはふたりの作戦でもあった。動揺や恐怖は相手の思う壺。ましてや悪魔にとって人間のそれは蜜の味に等しい事もふたりは知っている。故にふたりはオーガスの手には乗らない様にしていた。勿論ふたり共元々そういう性格もあるのだが。

……そしてそれはオーガスも、正確にはアルゴサクスも同じだった。彼も余裕の表情を崩さない。

 

オーガス

(クククク…、その父親に負けぬ闘争心、これ程のものを見せられても変わらぬその精神力。それでこそだ。やはり生まれ変わっても貴様らも悪魔。嘗ての自分は拭えぬか)

 

これに反論したのは一夏達だった。

 

一夏

「違う!!」

「前にも言った筈よ!ふたりは火影と海之だって!」

シャル

「そうだよ!もうダンテとバージルじゃない!」

オーガス

(……ほう。貴様ら真実を知ったのか。だがそれを知って尚奴らといると?)

ラウラ

「愚問だな!」

「前世とか関係ない!ふたりはふたりだよ!」

「その通りだ!そして貴様の様な奴とは違う!」

セシリア

「おふたりは必要な方ですわ!」

クロエ

「おふたりは人間です!悪魔ではありません!」

オーガス

(愚かな。勝ち目のない者に己の命を懸けるか…)

刀奈

「時々いい意味でも理解できない愚かな事するのが人間なのよ。貴方も少しでも人間だったなら覚えがないかしら?」

千冬

「例え死すとしても、貴様に一泡吹かせてからだ」

 

それぞれの想いを改めてぶつける一夏達。それを聞いてオーガスは満足そうに言う。

 

オーガス

(…貴様達もまたいい闘争心だ。それもまたDNSの力の源よ。貴様らがそれを持てばさぞそれなりの悪魔となれるだろう…。以前の貴様の様にな?織斑一夏)

一夏

「……ああ。けど今は感謝してるぜ。お前らを倒すために使えるんだからな!」

 

するとオーガスの顔が真面目になる。

 

オーガス

(……確かに、貴様のあの変化は正直に驚愕した)

海之

「貴様や嘗ての俺が蔑んだ人間の可能性というものだ」

 

だが次の瞬間また不気味な笑みを浮かべて言った。

 

オーガス

(だがそのおかげで新たなものを生み出すこともできた)

千冬

「…新たなものだと!?」

オーガス

(それも来れば見せてやろう…クククク)

 

すると勿体ぶりな態度ばかり繰り返すオーガスに火影は少しイラつきながら、

 

火影

「けっ!勿体ぶりやがって。てめぇも随分人間に染まっちまったじゃねぇか。隠し事が多いのは人間の本質だぜ。どうせいつか見せんなら今さっさと見せたらどうだ?」

 

火影はオーガスにそう言い放つ。するとオーガスは顎に手を当てながら少々考えると、

 

オーガス

(………良いだろう。折角だ、もうひとつだけ見せてやる)

「随分大盤振る舞いね」

 

そう言った後オーガスは皆に、いや正確には火影と海之に言った。まるでドッペルゲンガーを召喚した時の様に口元を歪ませて。

 

オーガス

(だが貴様ら、コレを見てもそのふざけた態度がまだ続けられるかな?)

火影

「……何?」

海之

「……?」

 

火影と海之はその言葉に目をひそめた。ラ・ディヴィナ・コメディアを見て多少驚きと動揺はしたもののオーガスの手に乗りはしなかった。しかしそれを知ってこれ以上のものがあるというのか……。

 

 

ヴン…ジャキッ!

 

 

するとオーガスは拡張領域を展開し、何かを取り出した。

 

クロエ

「……ペンダント?」

 

オーガスが手に持っているのは大きいペンダントらしきもの。

 

火影・海之

「「!!」」

 

それを見て火影と海之の目が一層大きく開かれた。ラ・ディヴィナ・コメディアを見た時以上に。

 

一夏

「ど、どうしたふたり共!?」

オーガス

(気付いた様だな。そうだ、それだ。それが我の見たかった顔だ。ククク…)

 

そしてオーガスは手に持ったペンダントを掲げると、

 

 

カッ!!

 

 

それから黒き光が溢れ出た。

 

刀奈

「くっ!」

シャル

「黒い光…まるでアリギエルとウェルギエルの光みたいだ!」

 

そして一瞬の光が晴れると、

 

一夏達

「「「!!」」」

アンジェロ?(オーガス)

(クククク…)

 

 

そこにはアンジェロらしきものを纏った…オーガスがいた。

 

 

一夏

「アンジェロ!?」

セシリア

「で、ですがアンジェロは無人機の筈…!まさか…IS!?」

「嘘でしょ!?アンタもIS使えんの!?」

アンジェロ?を纏いしオーガス

(無人機のアンジェロを有人機に造り上げたものだ。当然DNSも搭載してある。だが…これ位で驚いてもらっては困るな)

 

するとオーガスはペンダントを持つ右手と反対の左手にも何かを持っている。その手には…謎の装置が握られていた。

 

クロエ

「あれは…何かのスイッチ?」

ラウラ

「今度は何をするつもりだ!?」

オーガス

(今から貴様らにいいものを見せてやる。この世を新たな世界に導く、新たな英雄の生誕の瞬間を…)

 

 

ギュンッ!!

 

 

するとオーガスが纏うアンジェロの目が一瞬赤く光った。

 

オーガス

(この世界最高の科学者、篠ノ之束が生み出した「インフィニット・ストラトス」の力と)

 

 

ガチッ!!……カッ!!!

 

 

オーガスは手に持ったスイッチらしきそれを押し込んだ。すると再び彼の姿が激しい黒き光に包まれる。先程以上に強く黒い光にモニターの画面越しでも直視できない。

 

一夏

「うわっ!」

「い、一体何が!?」

オーガス

(DNSの可能性を極限まで高める宝具、「デビルトリガー」を使ってなぁ!!)

 

 

ドクンッ!!

 

 

火影・海之

「「!!」」

オーガス

(そして喜ぶがいいダンテ!バージル!感動の再会の時だ!!)

 

 

シュバァァァァァァァァァァ!!!

 

 

黒き光が爆散し、飛び散った。……そして光が晴れてくると……そこには、

 

火影達

「「「!!!」」」

 

 

 

鎧と大剣のIS?

(………)

 

 

 

オーガスが纏うアンジェロが今までのそれではない、別の姿に変わっていた。赤い鎧、そして奇妙な形の大剣を持った存在に。

 

一夏

「な、何だアレは!?」

「赤いアンジェロ…!?」

刀奈

「DNS…?それにしては今までと違うわね…」

シャル

「は、はい。前に一夏がなったのは黒い炎に包まれていたみたいでした…。でも」

「…うん。あんな変化じゃなかった…」

千冬

「あれもDISなのか…?」

 

今まで見たことが無い未知のそれに驚く様子の一夏達はそれぞれの反応を見せる。

……だが火影と海之の感想は違った。色を始め僅かに違う箇所もあるが…ふたりはその姿に見覚えがあった。何故ならそれは、

 

 

 

 

 

 

 

火影・海之

「「…………………親父!!??」」




※次回は15日(土)の予定です。

こんばんわ。storybladeです。
何とか今週も間に合いましたので投稿しました。前編と後編で題が違うので短めです。

追伸
最近予定が変わってばかりで本当にすみません。少しでも皆さんに先を読んでいただきたいと思いまして…。ただ次回は大丈夫ですがひょっとすると次々回は飛ばしになるかもしれません。
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