IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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箒、ラウラ、シャル、刀奈に続き、鈴にセシリア、簪もやはり国の言葉よりも大切な者、信じる者と共に行くという決断を下した。

信じて待っていると約束した本音。
全て終わった後、自らの罪を償う覚悟をした千冬。
其々の決意と覚悟を受け止めた火影と海之。

残された時間は僅か…。
世界を覆いつくそうとする闇に、伝説の兄弟と新たな仲間達の戦いが始まる…。


第十六章 Devil May Cry
Mission193 遥かなる飛翔


学園がある島のとある場所

 

 

まだ陽も完全に昇りきらない時間帯。そこに数人の男女がいた。勿論彼らである。

 

一夏

「わかってはいたけどやっぱり皆も来んだな」

「当たり前よ。アンタ達だけじゃ心配だからね」

セシリア

「皆さんだけ戦わせはしませんわ」

真耶

「ですがもし…」

 

真耶の心配も無理ない。情報が明るみになるまでもはや丸一日。更に彼女らの未来が決まるまでは既に20時間を切っているのだから。

 

シャル

「それ以上は言わないで下さい先生。これは自分で決めた事です」

「シャルの言う通りですよ」

ラウラ

「これが一番正しい選択だと、私達は信じています」

刀奈

「一番の可能性に全力を傾けるのは当然ですから」

扇子

(勝利の鉄則)

「必ず戻ってきます。皆で」

クロエ

「束様も」

千冬

「明日の夜にはいつも通りだ真耶」

真耶

「先輩…」

 

真耶は千冬を見つめる。彼女の真意を知っているから。

 

千冬

「……後を頼むぞ」

真耶

「……はい」

 

そしてそこに遅れてやって来た者がいた。

 

火影

「……お?俺らが最後か」

海之

「すまない、支度に手間どってしまった」

 

火影と海之、そして、

 

本音

「…やっぱり皆も行くんだね」

「! 本音…」

火影

「見送りしたいって聞かなくてな」

刀奈

「…ありがと本音」

本音

「……必ず、必ず皆で帰ってきてね?」

一夏

「当たり前だ。全部綺麗さっぱり終わらせてくるぜ」

 

他の皆も頷いた。

 

「ところで火影、あと海之もその服って…私服?」

 

火影は黒い服の上に赤いコート。海之は黒い服の上に青いコート。其々手袋とハーフフィンガーグローブ、ブーツを付けている。

 

火影

「俺にとってこいつは私服でもあり、仕事着だからな。これだけは譲れねぇ」

シャル

「仕事着?」

海之

「亡霊の相手には丁度いいだろう」

 

それは全く同じでは無いが、嘗てふたりが悪魔を狩っていた頃に着ていたものに似ていた。

 

火影

「そういう事だ。それよりお前ら、……いやもう言わねぇよ」

「残念~。「しつこいわね!」って怒鳴ろうと思ったのに~」

 

~~~~

皆で笑った。本音も真耶も。

 

千冬

「……さぁ行くぞ。時間もあまりない」

一夏達

「「「はい!」」」

真耶

「本当に気を付けて下さいね皆」

海之

「ありがとうございます」

本音

「早く帰ってきてね?」

火影

「じゃ、ちょっくら行ってくるぜ」

 

……そして皆を乗せた束のロケットはゆっくりと地上から上がり、高速で飛びさって行くのだった。

 

 

真耶

(……皆、先輩。……どうかご無事で)

本音

(……)

 

 

…………

 

ラ・ディヴィナ・コメディア 最下層

 

 

その頃、オーガスはラ・ディヴィナ・コメディアの最下層と思われる場所にひとり佇んでいた。

 

オーガス

「……」

 

 

コツ、コツ、コツ、コツ……

 

 

するとそこにスコールとオータムが歩いてきた。誰かわかっているのかオーガスは振り向かないまま答える。

 

オーガス

「………何故貴様らがここにいる?ここには入ってくるなと言った筈だが?」

オータム

「うっせぇ。俺は来たくて来たんじゃねぇ。スコールの付き添いだ」

スコール

「あの子達ももう準備に入ってるわ。Mはまだ部屋にいるけど…」

オータム

「…そういやあいつはISてめぇに取られたままじゃねぇのか?」

オーガス

「問題ない。既に準備は出来ている。それより何の用だ?」

 

するとスコールが前に出て、圧をかける様な表情で問いかけた。

 

スコール

「……オーガス、何故あんな事したの?報復とはいえよりにもよってファントムやグリフォンを基地に放すなんて…」

オーガス

「…その様な事を話しにわざわざ来たのか。…死人は出ていない事は知っている筈だが?」

スコール

「知っているわ。でもアンジェロならまだともかくあんなものが大量に出たら」

オーガス

「関係ない。何れこの世はあんな物以上に危険と混沌、そして戦いに満ちた世界になるのだ。それに恐れおののいたのか静かになっただろう?」

スコール

「……」

オータム

「は!流石はあのふざけた計画を考えそうな奴だ。頭ぶっとんでやがるぜ。まぁ戦いになったらなったらで俺は歓迎だけどな」

オーガス

「…ククク、誉め言葉として受け取っておくぞ?隠れて生き残った臆病者」

 

これにオータムが怒りを露わにする。

 

オータム

「何だと!」

スコール

「止めなさいオータム!今はそれどころではないわ。…オーガス、オータムは臆病者なんかじゃないわ。あの計画を生き残ったのだから」

オーガス

「フン、貴様の陰に隠れて運よく生き残っただけだろう。強者とはとても呼べんな」

オータム

「……てめぇ、てめぇだってあの妙なISを作る迄戦おうとしなかった臆病者だろうが!!」ダッ!

 

オータムはすかさず殴りかかろうとする。…しかし、

 

 

ギュンッ!!!

 

 

スコール

「!!」

オータム

「…な!?」

 

オーガスが殴り掛かろうとしたオータムを睨んだ途端、凄まじい恐怖に襲われた。怯んでしまうオータムと、彼女ほどでは無いがスコールもである。

 

オーガス

「しなかった?……違う。その必要もなかっただけだ」

オータム

「……くっ…」

スコール

「……」

 

ふたりは一瞬感じたオーガスのそれに恐怖を覚えた。

 

オーガス

「まぁ安心しろ。あの兄弟の相手は私とあれがしてやる。貴様らは他の取り巻き共の相手をしてやれ。奴ら等我は眼中にない」

スコール

「……わかっているわ。……でも以外ね、そんなにあのふたりが厄介ならIS学園や彼らの故郷に襲撃をかけたりしないの?あのふたりもきっと動揺するんじゃない?」

オーガス

「フン、敵の虚をつく等、敵よりも自らが弱いと認める愚か者の愚策。勝つとわかりきっている戦で何故その様な事をする必要がある?」

スコール

「……そ。ところで篠ノ之博士はどうするの?」

オーガス

「あの女にもう用はない。だが折角だ。最後まで役立ってもらうとしよう」

スコール

「……」

オーガス

「さぁ、もう出て行け。…もう一度言うがここには二度と入ってくるな。ここは聖域だからな」

オータム

「…言われなくても出て行ってやるよ!こんな偏屈な場所。行こうぜスコール!」

 

そう言われてオータムは出て行った。スコールも後を追おうとすると、

 

スコール

「…ねぇオーガス。聖域って………いえ、答えてくれないわね…」

 

最後にそう言ってからスコールも出て行った。

 

オーガス

「……クククク……」

 

誰もいなくなったその空間に、オーガスの不気味な笑いが響いた。

 

 

…………

 

火影達のロケット

 

 

その頃、火影達が乗ったクロエのロケット(自動操縦)の内部では作戦会議を行っていた。

 

火影・海之

「「……」」

クロエ

「あと3,4時間で作戦空域に到着します」

千冬

「そうか。…お前達、問題は無いか?」

一夏

「当たり前だぜ千冬姉。眠気も無いしバッチリだ」

「こんな状況でも眠れるお前が羨ましいよ。…まぁそれ位リラックスした方が良いかもしれんが」

一夏

「無理に緊張して戦いに支障が出たら元も子もねぇだろ?だったら少しでもコンディションを良くしたといた方がいいしな」

刀奈

「まぁそれは確かに一理あるわね。いい心がけよ一夏くん」

「…しかし鈴達は」

 

箒は鈴達に残されたタイムリミットを心配していた。この時既に出発から10時間が経過していた。既に残り10時間を切っている。現地に到着したらもう数時間程である。

 

「いいのよ箒。それこそ気にしないで」

「そうだよ。今はそんな事よりも戦いでしょ?」

セシリア

「私達に失敗は許されないのですから」

シャル

「まだ時間はあるよ。決して焦っちゃいけない」

ラウラ

「ああその通りだ」

 

しかし鈴達は箒に強気の言葉で返した。

 

一夏

「そう言えばやっぱり今日も流れたなアレ…。しかも随分核心に迫った内容だったけど…」

「そうだな…。そしてオーガスの話だと次が最後…、しかも名簿が一斉に公開されてしまう…。そうなったら…」

 

最悪の事態に危機感を抱く箒。

 

刀奈

「箒ちゃん。貴女やクロエちゃんは篠ノ之博士を救出する事に集中しなさい」

「!…はい!」

クロエ

「勿論です」

刀奈

「うん宜しい♪」

 

そんな会話をしながら作戦会議に入る。

 

海之

「…クロエ。島の様子と現時点でわかっている事を報告してくれ」

 

海之の指示でクロエは撮影した島とラ・ディヴィナ・コメディアを部屋のスクリーンに映し出す。

 

クロエ

「これは一昨日、束様のスパイ衛星から撮った島の全画像です」

千冬

「改めて見ると意外と小さい島だな。…いや、あの塔が大きすぎるのか」

クロエ

「塔の大きさは約500メートル以上。そしてこの島ですが現在あるどの地図にも確認できませんでした。恐らく密かに抹消されていたものかと」

火影

「だろうな。大方あの計画を進める時に消しちまったんだろ」

「飛行機や船とかは気付かなかったのかしら?」

クロエ

「ここはあらゆる交通機関の航路からかなり離れています。加えて何かしらのジャミングの様なものもあったのかもしれません。これまで世界中を移動していた私も気付きませんでしたから」

刀奈

「まぁ寧ろそういう場所でないとあんな計画無理でしょうね。…島自体はほとんど岩、崖とかはあまり無しね」

火影

「今の映像は出せるか?」

クロエ

「はい。小型の偵察機に先行させていますからもうすぐ送られてくるかと…」…ピピ「! 来ました。…映像出します」

 

クロエは偵察機から送られてきた現在の現地の映像を画面に写す。

 

一夏達

「「…!!」」

 

そしてそれを見て一夏達は驚愕した。確かに写しだされたそれにはラ・ディヴィナ・コメディアがあったが…」

 

セシリア

「な、なんですのアレは…!?」

「……嘘、でしょう…」

 

 

そこには無数の……黒い存在がいた。アンジェロやグリフォンが周辺を飛び回り、ファントムは塔にへばりつく様に歩いている。まるで魔塔を守護するかの様に。以前臨海学校の時に100以上のアンジェロを火影と海之が相手にした事があったが…今回はそれを遥かに上回る規模。

 

 

火影・海之・千冬

「「「……」」」

「あ、あんなに沢山…」

刀奈

「パッと見ても数百はいるわね…。あんなにいるなんてぶっちゃけ反則だわ全く…」

一夏

「あんなに大勢いちゃ塔に入り込む前にかなり消耗しちまう…」

ラウラ

「あの島には弾道ミサイルですら破れないシールドがあった筈…。あの距離からすると奴らがいるのはシールドの内部。もし奴らが立てこもっているとすれば倒すには内部に入り込まなければならんという訳か…」

「だが…そのシールドを打ち破る手段が現時点で判明していない。私達の武器を当てても大型ミサイルには及ばないだろう。多分火影や海之でも」

海之

「…確かにナイトメアをぶつけても不可能だろう」

一夏

「いきなり足止めかよ…」

 

部屋内に重い空気が流れる。

 

クロエ

「……その事なのですが、可能性は無くは無いかもしれません」

「本当?クロエ」

シャル

「……?ねぇ、この島の端にあるものなんだろ?」

 

するとその時シャルが島の北端にあるものを見つけた。他の皆もそれを何なのか確認してみる。

 

ラウラ

「………塔…いや灯台か?」

セシリア

「! 南の端にもありますわ」

 

大きさはかなり小さいが…よく見るとそれは塔か灯台らしきもの。それが島の北端と南端に一本ずつ立っている。

 

一夏

「なんでこんな場所に灯台なんてあんだろ?」

クロエ

「大きさはあの塔の十分の一もありません。そして…この塔がこの島を覆っているシールドに関係している可能性があるのです」

千冬

「…どういう事だ?」

 

するとクロエはミサイルがシールドによって阻止された瞬間の画像に切り替える。すると、

 

「……!見て皆!」

 

鈴の言葉で皆がふたつの塔の頂上に注目すると……ミサイルがシールドに防がれた瞬間、うっすらと頂上に赤い光が見えた。

 

「頂上が光っている…?」

 

それを見た海之と火影が結論に至った。

 

海之

「…成程な。あの灯台は島を覆う結界の力の源。つまりあれを破壊すれば、結界を消すことが可能という訳だな」

一夏達

「「!!」」

火影

「だがあれは結界の内側。しかしあれは兵器は通さない…。つまり何とかして結界の内側からぶっ壊すしかねぇって事か」

「……だがあんな中に入れば灯台を破壊する前に奴らの集中砲火を浴びるな」

「兵器を通さないって事は多分ISも無理って事でしょう?…一体どうすれば」

セシリア

「そもそもあのシールドを突破する方法もわかりませんのに…」

 

場に再び重い空気が流れる。……すると、

 

千冬

「………クロニクル、先ほどの映像に戻して巻き戻し、ある場所をズームしてくれ」

 

クロエは千冬の指示に従う。

 

千冬

「ここだ」

「…………鳥?……皆!」

 

皆は写し出された映像を見て再び驚愕した。そこには一羽の鳥が写っていたのだが……その鳥はシールドがあると思われる場所を何事もなく通過し、飛び去って行ったのである……。

 

ラウラ

「鳥が普通に…シールドを通った?」

千冬

「思ったとおりだ。どうやら生き物は問題なく通過できる様だな。通り抜けられんのは無機物、機械のみという事だろう」

 

千冬からその言葉が出た途端、火影が嬉しそうに口を開く。

 

火影

「なら話は簡単だな。……俺にいい手がある」

 

 

…………

 

マドカの部屋

 

 

マドカ

「……」

 

その頃、マドカはひとり自室で待機していた。

 

マドカ

(ラ・ディヴィナ・コメディアが起動した。という事は……時が来た、という事なのか。……だが今の私には力が無い…。あの兄弟も、織斑一夏も織斑千冬も倒せない…。私は……無力だ……)

 

己の無力さを残念に思うマドカ。

 

 

(失ったから強いのではない。失いたくないから強いのだ)

 

 

マドカ

(…失いたくないから強い…だと?馬鹿な…守るもの等枷にしかならん筈だ…。…………だが、もしそうだとするならば…全て失ってしまった者は……どうすればいいのだ……)

 

 

(運命は変えられるんだぜ?これから次第でな)

 

 

マドカ

(……私の運命だと?……私の運命は…もう決まっている。……姉妹をこの手で討ったあの時から……)

 

思い悩むマドカ。……するとそこに、

 

オーガス

「M、いるか?」

マドカ

「! は、はい!」

 

オーガスの言葉に直ぐ返事を返すマドカ。

 

オーガス

「Mよ…。ラ・ディヴィナ・コメディアが起動した。わかっているな?」

「は、はい!」

 

するとオーガスは黒騎士のクリスタルを渡す。

 

オーガス

「お前にも働いてもらう。存分に戦うがいい」

マドカ

「! 私を…許して下さるというのですか?」

オーガス

「当然だろう?お前は私の部下だ。お前の力を理解する唯一の存在だぞ?」

マドカ

「! あ、ありがとうございます!必ずお気持ちに応えてみせます!」

 

マドカは嬉しそうに答えた。……しかし次の言葉で一変した。

 

オーガス

「そうか。では自らのオリジナル相手に存分に戦うがいい。思い残す事のない様にな」

マドカ

「……え?」

 

そう言ってオーガスは出て行った。後にひとり残されたマドカは、

 

マドカ

(…………思い残す事無い様……か…)

 

 

…………

 

そしてそれから数時間後、火影達を乗せたロケットはとあるポイントに近づいていた…。

 

 

クロエ

(……おふたり共、あと三分で指定ポイントです)

火影

「わかった」

海之

「……」

 

後部ハッチには火影と海之だけがいた。通信で皆と話す。

 

(…ねぇふたり共。やっぱり危険すぎるよこんなの…)

シャル

(そうだよ、他にもっと方法が…)

 

何やらひどく心配する様な声を上げる簪やシャル。

 

火影

「これが一番手っ取り早くて確実だ。いいから任せとけ」

(しかし…!)

海之

「下手な方法を取れば時間も被害も増える。最も手短で且つ成功率が高い方法でいくべきだ」

火影

「お前らは出るべき時に備えてしっかり準備しとけよ?」

 

何やら火影と海之には考えがあるらしく、そのためにふたりだけで何か動く様だ。

 

千冬

(お前達、その辺にしておけ)

刀奈

(ふたりの集中を乱してはいけないわ)

セシリア

(……わかりました)

一夏

(ふたり共……絶対に死ぬなよ!)

(アンタ達が死んだら何もかもおしまいなんだからね!)

ラウラ

(信じてるぞ!)

 

そして通信を切り、火影と海之は立ち上がる。……すると海之が口を開いた。

 

海之

「………この世界に来て、暫し考えてきた事がある」

火影

「…あ?」

海之

「何故俺達が生まれ変わったのか…。何故新たな命を得たのか…。そして何故、俺はお前と共に同じ世界に来たのか…」

火影

「……んで?答えは出たのか?」

海之

「……暫くはわからなかった。奴の存在を知って止めるためとも思ったが…」

火影

「あの娘が奴の事を知ってたんならそれも理由のひとつだろけどな。……だが「が」って事は違うんだろ?」

 

すると海之は答えた。

 

海之

「………少し違う答えが浮かんだ。…この世界を…より確実に守るため、とな」

火影

「…より確実に?」

海之

「俺とお前。どちらかが例え死んでも……もうひとりいる。どちらかが倒れても……もうひとりが成し遂げる」

火影

「……」

海之

「俺も、そしてお前も、互いの保険だったのかもしれん。馬鹿やってもしくたばった時のためのな」

火影

「……成程。……でもよ、今はそんなのどうでもいいじゃねぇか」

海之

「…?」

 

火影の言葉に目をひそめる海之。

 

火影

「前に魔界に落ちた時、お前言ってたろ?俺が「今の俺ら見たら母さんたちはどう思うか?」って聞いたら「死んだ後で考えろ」「死んだ後で本人に会って聞いてみろ」ってよ。それと同じさ。んな事今難しく考える必要なんてねぇんじゃねぇか?」

海之

「……」

火影

「理由なんて死んだ後でゆっくり考えたらいいんだよ。もしくはまたあの娘に会って聞いてみたらいいじゃねぇか?会えるかはわからねぇけどな」

 

海之は火影の言葉を黙って聞き、少し笑ってそれに答えた。

 

海之

「…………ふ、確かにそうだな。生きている理由など、命尽きる時に己の生涯を振り返って初めてわかるものだというのに。俺ともあろう者が、お前に諭されるとは」

火影

「最後だけ余計だっつの」

 

……そして、

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

 

ロケットの後部ハッチが開いた。指定ポイントに到着した様だった。

 

クロエ

(目的地上空です。行けます!)

火影

「オーケーだクロエ。…さてと、んじゃあ行くか」

海之

「そうだな」

 

ふたりは揃って開いたハッチに近づき、

 

海之

「いいか?足を引っ張るなよ」

火影

「は!その台詞、そっくりそのまま返すぜ」

 

…グッ!!

 

顔は真っ直ぐ向きながら横に伸ばした火影の右手と海之の左手の拳が互いに合わさった。そして、

 

 

火影

「折角ご招待にあやかってわざわざ来たんだ。精々もてなしてくれんだろな!」

海之

「今度こそ終わりにさせてもらう。親父の代から続く、貴様らとの腐った因果を」

 

 

その言葉と共に、ふたりはロケットから飛び降りた!

 

 

…………

 

 

オーガス

「クククク……ようこそダンテ、バージル。歓迎するぞ……」

 

 

 

 

 

 

(…………来るがいい。…………ダンテ……)




※次回は26日(土)の予定です。
戦いばかりになりまして、書くのが大変ですががんばります。
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