IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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一夏達をラ・ディヴィナ・コメディアへと侵入させるため、火影と海之はシールドを破壊するべく先陣を切る。多くの無人機の妨害を受けるがパワーアップしたふたりの前では無力だった。何とかシールドを停止させ、一夏達は塔へと急ぐがそこでもまた妨害を受ける。

……しかしそんな彼らを救ったのはこの世界で出会った者達や志を同じくする者達だった。彼女らの意志を汲んだ一夏や千冬達は無事に侵入を果たし、火影と海之も彼らの後を追おうとするが突然の転移にふたりは巻き込まれ、消えてしまうのであった…。


Mission195 待ち受ける復讐者達

一夏

「…………う」

千冬

「一夏!しっかりしろ!」

 

自分を呼ぶ千冬の声。それを聞いて一夏は意識がはっきりしてきたのを自覚した。どうやら気絶していた様である。

 

一夏

「……あ……千冬姉?」

千冬

「気が付いたか?」

一夏

「俺…どうなったんだ?…!皆は!?」

 

千冬は首を振った。

 

千冬

「私にもわからん…。気が付いた時は私とお前だけだった…。あの塔に潜入して直ぐ、私達皆、転移に巻き込まれてから…」

 

 

…………

 

少し前の事…。

 

イーリス

「行け千冬!君達!」

千冬

「わかった!行くぞお前達!!」

一夏

「うおおおおおおおおお!!」

 

ドンッ!!

 

危機に駆け付けた同士に周囲の敵を任せ、魔塔へと急ぐ一夏や千冬、箒達。そして、

 

クロエ

「頂上部が開いています!」

ラウラ

「来い、という意味か。舐めた真似をしてくれる!」

「突っ込むぞ!」

 

一夏達はラ・ディヴィナ・コメディア頂上から内部へと侵入した。そして巨大エレベーターの暗い穴をほんの100メートル程進んだところで、彼らに変化が起きた。

 

 

ヴゥゥゥゥゥン!

 

 

一夏達

「「「!!」」」

 

周囲の暗闇よりも遥かに黒い闇、それが彼らを覆った。

 

「な、何!?」

刀奈

「これは…まさか転移!?」

シャル

「な、なんだって!」

「お姉ちゃん!皆!」

千冬

「くっ!しまった!」

一夏

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

 

…………

 

こうして一夏達は全員転移に巻き込まれた。千冬の目が覚めた時には周囲に一夏しかおらず、箒達の姿は消えていたのであった。

 

一夏

「じゃあ俺達は…」

千冬

「どうやら分断された様だな。迂闊だった…。ジャミングされているのか通信もできん。無事でいる事を願うしかない…」

一夏

「そんな…くそ!………それにしても、ここは一体?」

 

一夏が周囲を見渡すと……そこは広い、ただただ広い空間。薄暗いが全く見えないことは無く遠くまで見渡せる事ができた。よく見るとその部屋は円形の巨大な空間の様であった。

 

一夏

「…すっげぇ広いな。天井も凄く高いし」

千冬

「円形の部屋で高い天井……。まるで闘技場だな」

一夏

「てかここってあの塔の中なのかな?」

 

とその時、

 

「そうよ」

一夏・千冬

「「!?」」

 

 

ヴゥゥゥゥゥン!

 

 

突然の声に驚いたふたりの前に現れたのは、

 

スコール

「ようこそ…」

マドカ

「……」

 

スコールとマドカだった。マドカはもうバイザーはしていなかった。

 

 

一夏

「マドカ…」

マドカ

「……」

スコール

「久しぶりね…」

千冬

「スコール・ミューゼル…。それともアレクシアか?」

スコール

「そのままでいいわよ。その名前はもう私にとって無意味だから」

一夏

「? 無意味ってどういう事だ?アンタの名前なんだろ?」

 

疑問符が浮かぶ一夏。

 

千冬

「…アインへリアル計画に参加したからか?」

スコール

「……そう。あの計画に参加した私達はもう死亡者リストに載せられているの。つまり生きていない人間って訳。私だけじゃない、この計画に参加した人間の大半はね。オータムも同じよ」

一夏

「そんな…」

 

改めてこの計画の残酷性を知る一夏達。

 

千冬

「……篠ノ之達はどうした?」

一夏

「そ、そうだ!お前ら皆をどこへやった!!」

 

千冬は冷静に、一夏は怒りを含んだ声で尋ねた。

 

スコール

「彼女達はこのフロアの上の方にいるわ。今頃オータムやあの子達が相手しているのではないかしら?貴方達の相手は私達よ」

一夏

「!」

千冬

「…上とはどういう事だ?やはりここはあの塔の中なのか?」

 

千冬の問いにスコールは答えた。

 

スコール

「そう、ここはラ・ディヴィナ・コメディアの内部。そして今私達がいるこの部屋は……「ジュデッカ」」

一夏

「……ジュデッカ?」

スコール

「神曲の中で最も重い罪、裏切を行った者が集う地獄の四番目。…そして、私達が殺し合った場所でもある…」

 

 

…………

 

「一体どこなのよここは…。急に転移に巻き込まれて、気がついたら私達以外皆いないし…」

ラウラ

「……通信も駄目だ。妨害電波が出ているのかもしれんな」

シャル

「皆無事だといいけど…。でも本当にどこなんだろここ…」

セシリア

「わかりませんわ…。恐らくあの塔の内部かとは思いますが…」

 

その頃、一夏や千冬と別れてしまった鈴、シャル、ラウラ、セシリアは塔内の別の空間にいた。ここも一夏達がいる場所とほぼ同じ造りの部屋になっている様で、彼女らも目が覚めた時四人だけでここに放り出されており、他の皆の姿はなかった。自分達の状況を把握しようとする鈴達。すると、

 

 

ヴゥゥゥゥゥン!

 

 

鈴・シャル・ラウラ・セシリア

「「「!!」」」

 

突然自分達の前方に転移の光が現れた。中から現れたのはオータムだった。

 

オータム

「……けっ!私の相手はオマケかよ…」

セシリア

「貴女…一夏さんを狙ったあの時の蜘蛛女!」

オータム

「蜘蛛じゃねぇオータム様だ!…オーガスのジジイ、あの兄弟でも織斑千冬でもないこんなハズレ枠を相手にさせるなんて、とことんムカつく野郎だぜ」

ラウラ

「何だと!?」

「私達がハズレですって!」

シャル

「そんな事よりここはどこ!?皆をどこへやったの!」

 

それに対しオータムはめんどくさそうに答えた。

 

オータム

「うっせーな聞きたい事は一回ずつにしな。ここはあの長ったらしい妙な塔の内部だ。んでもってこの部屋は「トロメア」なんて呼ばれてっがな」

セシリア

「「トロメア」…。神曲の中で書かれている裏切者の地獄のひとつですわね…」

オータム

「んでもって多くの人間の血を吸った場所でもある」

 

その言葉に鈴達に衝撃が走る。

 

「! 多くの血を吸った、って……それ、まさか」

セシリア

「まさかここでアインヘリアル計画が…!?」

オータム

「! へ~テメェら知ってやがったのか。……ああそうさ。16年前、ここはあのキチガイな計画による戦いが繰り広げられた場所のひとつだ…」

 

 

…………

 

また別の場所では刀奈、簪のふたりがやはり同じ様な場所に飛ばされていた。そしてここで待ち受けていたのは、

 

ダリル

「……待っていたぜ、生徒会長さん。そしてアンタは……日本代表候補の妹も一緒か」

フォルテ

「あのオーガスって人、ちゃんと私達のリクエストを聞いてくれたみたいっスね」

 

ダリル・ケイシーとフォルテ・サファイアのふたりだった。

 

刀奈

「ダリル・ケイシー…。レイン・ミューゼル」

「貴女は…元ギリシャ代表候補フォルテ・サファイアさん。前にベルベットさんが言っていた人…」

刀奈

「……他の皆はどこ?てかリクエストって何?」

ダリル

「他の連中なら今頃叔母さんやオータムさんが相手してるよ。リクエストってのは言葉の通りさ。オーガスの旦那が私達の戦いたい相手にぶつけてくれたのさ。アンタらの相手はアタシらって訳だ。この…なんてたっけ?」

フォルテ

「ダリル、「アンティノラ」っス」

 

彼女達がいる部屋の名は「アンティノラ」と言うらしかった。どうやら塔内には似たような部屋がいくつも存在しているらしかった。「ジュデッカ」「トロメア」もそのひとつだろう。

 

刀奈

「…本気で言ってるのかしら?言っちゃ悪いけど貴女達の戦術は前に把握してるのよ?」

フォルテ

「甘く見ないでほしいっスね。こっちだって何にもしていなかったわけじゃないっスよ」

ダリル

「そういう事だ。…じゃあ早速やろうか!」

 

ダリルとフォルテは戦闘態勢に入る。刀奈も反応する。

 

「ま、まって!」

刀奈

「簪ちゃん」

「ねぇケイシーさんにサファイアさん!なんでこんな事するの!?あの人が、オーガスが間違っている事、ふたり共わからないの!?学園や故郷や友達を裏切ってまで信じる人なの!?」

 

簪はふたりに問い詰める。すると、

 

ダリル

「……アタシにとってはオーガスの旦那なんて正直どうでもいいさ。アタシがここにいるのは…叔母さん達のためだ」

刀奈

「スコール・ミューゼル…。貴女の叔母ね…」

 

 

…………

 

一夏

「ここでアインヘリアル計画の殺し合いが…!?」

スコール

「ええ…。この場所はアインへリアル計画、そして織斑計画に参加した人達の血で真っ赤に染まっているわ。…あの時の出来事は、光景は今でも忘れない、いいえ忘れてはならない。生き残った私達は、ね。貴方達に想像できるかしら?生き残るために老若男女関係なく斬り捨てなければならない。目を潰したい位の死体の山、耳を削ぎたい位の断末魔を毎日毎日見て聞く苦しみを」

一夏

「……」

 

一夏は言葉を失った。

 

千冬

「何故その様な事に参加したのだ?」

スコール

「……命令だったからよ。当時私は米軍兵士だった。わかるでしょ?軍人は命令に従わなければならないから。……ま、計画の内容は詳しく聞かされなかったんだけど。なんでも条件をのむというからOKしたのよ。他に家族もいなかったから。そして来た場所は地獄だった。…それだけよ」

一夏

「そんな…」

マドカ

「……」

 

 

…………

 

そんな会話はこちらでも行われていた。

 

オータム

「私の両親は生まれて直ぐの私を僅かな金目当てで裏の組織に売っ払いやがった。そしては3歳の頃には武器の使い方を、5歳の頃には銃を握って戦争に参加してた」

ラウラ

「少年兵…」

セシリア

「話だけなら幾度か聞いた事ありますが…」

ラウラ

「……」

オータム

「そして忘れもしねぇあの日の事だ…。傭兵だった私らはある国の紛争での作戦行動中だった。…しかしある時奇襲を受け、全滅した……筈だった。だが違った。次に目が覚めた時は私ら皆纏めてここにいた」

「! そ、それってまさか…」

オータム

「作戦自体が全部嘘だったのさ。本当の目的はあの馬鹿な計画での戦える奴らを集める事だった。私らの当時の雇い主が金と引き換えに私らを売ったんだよ。来たくて来た訳じゃねぇ。拉致られたのさ」

セシリア

「そんな…」

ラウラ

「なんという奴らだ…」

「あの資料に書かれてた、傭兵や兵士を誘拐紛いみたいな事をしてたっていうのは本当だったのね…」

オータム

「ここに運ばれてからは毎日毎日が戦いの戦いだった。中には望んで無かった様なてめぇらよりも幼いガキもいた。戦う駒がいなくなったらどっかから補充してきたんだろ。そして身体中も足の先から頭の中までとにかく思いつく実験に次ぐ実験を繰り返された。多分実験で死んだ奴も戦いで死んだ数とおんなじ位いんじゃねぇか?」

シャル

「うっ…」

 

想像するだけでも恐ろしいビジョンが頭に浮かぶ。

 

オータム

「テメェらには一生わかりえねぇ事だ。よ~く覚えときな。この世界はテメェらが非常識と思ってる事こそ真の常識で真実さ。この世にいる人間全員造られたかりそめの平和な中で生きてんのさ。テメェらも思う事があんじゃねぇのか?信じていたもんの中にも偽りのもんだったものがよ?」

鈴・シャル・ラウラ・セシリア

「「「……」」」

 

鈴達は言い返せなかった。先のアインへリアルや織斑計画のファイルを見たこともそうだがそれが原因で世界や国、自分達の身内を疑う事も全く無かった訳ではなかったのだから。

 

 

…………

 

千冬

「…何故オーガスに従っている?」

一夏

「そ、そうだ!何でアイツに従ってるんだ!アンタ達の人生を狂わせた元凶じゃねぇか!」

スコール

「……」

一夏

「いやそれだけじゃねぇ!アンタもマドカもアイツがやろうとしてる事知ってんのか!?オーガスの野郎を止めなきゃ、世界がどうなるかわかんねぇんだぞ!」

 

一夏はそう打ち明けるとスコールから思いもよらない答えが出た。

 

スコール

「……私やオータムは彼に協力しているつもりはないわ。利用しているだけ」

一夏

「…え?」

スコール

「ここまで来たんだしもう隠しておくのも無意味だから教えてあげるわ。私達の目的もまた……この世界への復讐。私やオータムや多くの人達を騙し欺き、この様な僻地へと追いやり、あの様な事を許した腐りきったこの世界へのね」

一夏

「…!!」

スコール

「そしてそのためには何よりも強い力がいる。オーガスは私達に力をくれたの。私達のISもそう。だから利用させてもらったのよ」

千冬

「…それを奴は?」

スコール

「無論とっくにわかっているでしょうね。でも彼は私達のやる事にあまり関心ないみたい。自分の目的とあのふたりの事以外はね。現に今も戦ってるみたいだし」

 

その言葉に一夏達はハッとする。

 

一夏

「え!ど、どういう事だそれ!?」

スコール

「ふたりは今この真下にいるわ。オーガスが自分がやると言って自分の所に転移させたみたいよ。他の人は私達の好きにして構わないって。だから…」…カッ!

 

そう言ってスコールは自らのISを展開する。

 

スコール

「私達の目的を達成するため、一番の邪魔になりそうな貴方達は…今ここで始末させてもらうわ。悪く思わないでね。貴方達に負けられない事情がある様に、私達にも譲れないものがあるの。ここで死んだ彼らの無念を晴らすというね」

一夏

「…!」

千冬

「……それがお前の答えか」

 

 

…………

 

「トロメア」

 

 

セシリア

「でも、でもそれなら貴女は何故オーガスの様な男に協力してるんですの!?」

「そうよ!あいつを放っておいたらもっと大変な事に!」

オータム

「オーガスが何企んでるかとか、世界がどうなるとか、そんな事は私らにはどうでもいい。こんな腐りきった世界、どうせ滅んじまっても関係ねぇ。くだらねぇ事言ってねぇでさっさとかかってきな!こちとらさっさと下にいるあの兄弟の命をもらいに行ってやらねぇといけねぇんだからよ!」

ラウラ

「……え?下にいる兄弟って…!」

シャル

「ま、まさか火影と海之!?」

 

オータムはめんどくさそうに答える。

 

オータム

「あのムカつく兄弟はここの一番下にいんだよ。オーガスが自分の手で殺すっつってな。あの野郎一番の獲物をとりやがって…」

ラウラ

「!」

セシリア

「火影さん達がオーガスの所に…!」

オータム

「わかったか?だからさっさと終わらせてぇんだよこっちは。とっとと始めようじゃねぇかガキ共!」

 

そう言ってオータムは戦闘態勢に入る。そして鈴達は、

 

「……そうね。難しい話は後回しだわ。さっさと始めましょ。早くふたりのところに行かないといけないからね!」

シャル

「…うん!僕達はふたりと一緒にいると、一緒に戦うと決めたんだ!」

ラウラ

「ああ!お前達の過去ににどんな事情があろうと、私達はここで止まる訳にはいかんのだ!」

セシリア

「なんとしても押し通らせていただきますわ!」

 

今の話を聞いてやる気を取り戻した様だった。

 

オータム

「泣いて謝るなら今だぜ!つっても許してやらねぇけどなぁ!」

 

 

…………

 

「アンティノラ」

 

 

ダリル

「叔母さんの話を聞いた時…アタシは言葉を失ったよ。そしてどんな事をしても叔母さんの力になりたいと思った。だからファントム・タスクに入った」

刀奈

「……」

「気持ちは、気持ちはわかるけど……でもどうしてそこまで…」

ダリル

「……アンタには関係無いね。それに敵とそんなに悠長に話してもいいのかい?」

刀奈

「全く関係無くはないわね。この計画には日本の裏の力も関わっていた。私も同じ立場として無関係じゃないわ」

「それに敵って…。ふたりは同じ学校の」

 

ジャキッ!

 

ダリル

「知らないね!…アタシは叔母さんの力になる。そのために全てを捨ててここにいるんだ!今更戻るつもりなんて更々無い!」

刀奈

「…フォルテ・サファイア。貴女も同じ気持ち?」

フォルテ

「……無論っス。ダリルがスコールさんの力になるのなら、私はダリルの力になるっス。そのためなら他の事はどうでもいいっス!」

「そんな…」

 

ダリルとフォルテは戦う姿勢を崩さなかった。そんな彼女らを見て刀奈は簪に言った。

 

刀奈

「…やるわよ簪ちゃん」

「お姉ちゃん…」

刀奈

「私達はここで止まる訳にはいかない。もし簪ちゃんが伝えたいことがあるのならそれは彼女達に力を示してからにしなさい。その為に私達はここに来たんじゃないの。それにこうしている間にも海之くん達は戦ってるわ。この世界のために」

「…!」

 

そして簪も心を決めた。

 

「……わかったよお姉ちゃん。私達は…ここで止まる訳にはいかないんだね」

刀奈

「そうよ簪ちゃん」

ダリル

「覚悟はできたかい?なら…おっぱじめようか!」

フォルテ

「前と同じだと思ったら大間違いっスよ!」

刀奈

「そっちこそ!世界最強の姉妹の力、舐めんじゃないわよ!」

「私達は……貴女達を止めてみせる!」

 

 

…………

 

「ジュデッカ」

 

 

マドカ

「……スコール。私は勝手にやらせてもらう」

スコール

「……わかったわ。貴女の好きにしなさい」

 

スコールはそれを受諾した。そしてマドカは黙って黒騎士を展開した。

 

マドカ

「決着をつけるぞ……、織斑一夏。そして織斑千冬…!」

 

そう言いながらマドカは黒焔を向ける。その言葉には今まで以上の彼女の覚悟が感じ取れた。本当にここで最後にするつもりだと。

 

千冬

「マドカ…」

 

すると千冬に一夏が、

 

一夏

「…千冬姉。マドカは俺にやらせてくれ」

千冬

「一夏…。しかし…」

 

千冬は出来ればふたりには戦ってほしくないと思った。

 

一夏

「あいつに伝えたいことがあるんだ。この前みたいにはならねぇ。……俺を信じてくれ」

 

不安がる千冬に一夏はそう言い切った。それを聞いた千冬は、

 

千冬

「……わかった。死ぬなよ」

一夏

「当たり前だぜ。千冬姉も油断すんなよ」

 

一夏にマドカを任せ、自らはスコールの前に立った。

 

スコール

「伝説のブリュンヒルデと一対一で戦えるなんて光栄ね。でも悪いけど、あの地獄を生き残った私を簡単に行くなんて思わない方がいいわよ」

千冬

「安心しろ。そんな風に思っていないさ。ただ負けてやる気もせんだけだ。それに…私も地獄ならとうに見ているさ…」

 

マドカ

「わざわざ死にに来たか…織斑一夏…」

一夏

「…マドカ…」

 

それぞれの場所で、それぞれの想いを込めた剣と剣がぶつかろうとしていた…。

 

 

…………

 

「カイーナ」

 

 

その時、箒とクロエもまた、何かと対峙していた。

 

「……なんだコイツは…?」

クロエ

「見たことないアンジェロタイプ?でも一機で…?」

 

 

アンジェロ?

「………」




※次回は再来週17(土)になる予定です。同時進行を書くのは難しい…。

最近僕の仕事が忙しく、中々編集が進まないのが申し訳ないです。戦いが続くのでじっくり書きたいというのもあります。次回から各階ずつ書いていきます。
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