IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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マドカを助けるため、一夏と千冬は黒騎士が変貌したアビゲイルに立ち向かう。アビゲイルの繰り出す凄まじい怪力や黒騎士の能力である零落闇夜を持つ腕、強力なレーザーに決定打を中々出せないふたりだったがスコールの助けやボルヴェルクの槍でアビゲイルの攻撃を封印し、一夏が最後に止めを刺した。デビルトリガーから解放されたマドカを待っていたのは自分を家族として迎えるという一夏と千冬の優しさだった。マドカは涙し、スコールの過去の真実を聞いた後、一夏達は皆と合流して火影と海之の所へ向かおうとした。
……しかしその時、一夏達はおろか世界中のSEが急速に失われていくという異常事態が起こった。一夏達に何が起こったのか。そして火影と海之は…?


Mission206 この世界に隠された秘密

???

 

 

……………ヴゥゥゥン!

 

火影

「…っと!くっ…海之!」

 

一夏達を侵入させるために戦っていた火影と海之は自分達も侵入しようとしていた矢先、転移の闇に飲み込まれた。……そしてその出口だろう転移の闇から出てきた火影は何とか着地したが…その場に同じく飲み込まれた海之の姿はなかった。

 

火影

「…ちっ。………なんだここは。そう狭い場所じゃあねぇ様だが…」

 

海之とはぐれた事を悟った火影は自分の状況を把握しようと周りを見渡すが…暗くて何も見えない。とりあえず火影は灯り代わりにアリギエルを展開しようとすると、

 

 

バンッ!!!

 

 

火影

「!」

 

突然自分のいる場所が光り始め、周囲の様子がある程度明らかになった。しかし壁がいまだ見えない事からこの空間がとても広い場所というのはわかった。加えて、

 

火影

「…広ぇな。それに…なんだこの床の溝は…?」

 

自分が立っている場所の床部分に人工的な亀裂が入っている。それもまた大きいのか壁と同じく端部分が見えない。火影はとりあえず壁を探そうとして動こうとした…その時、

 

「ようこそ」

火影

「!……」

 

突然後方から声。火影はハッとするも誰かわかっているのか慌てずにゆっくりと振り返る。照らされている箇所の外、暗闇の中から現れたのは…

 

オーガス

「直に相対するのは久しぶりだな…」

 

やはりオーガスであった。

 

オーガス

「待っていたぞ…ダンテ」

火影

「待ってただと?へっ、強引に誘った癖に良く言うぜ。過度なアプローチは嫌われるってママから教わらなかったのか?」

オーガス

「ククク…それは申し訳ない。気が急いて迎えの準備もままならなかった…。それにこの世界の我が母だった者は早くに亡くした故な…」

火影

「…ここはどこだ?パーティー会場にしては随分きな臭せぇ場所だな」

 

するとオーガスはこう答えた。

 

オーガス

「いやいや、これ程の会場はないぞダンテ。…ここは「火焔天」」

火影

「…火焔…天…?」

オーガス

「ああ。そしてラ・ディヴィナ・コメディアの最下層だ。……今はな」

火影

「…?」

 

火影はその言葉が気になったが今はそれ以上に気になる事を聞いた。

 

火影

「海之はどうした?」

オーガス

「バージルの事か…。奴ならこの丁度真上の部屋にいる。奴を自身の手で殺したいと言う者がいてな。リクエストに応えてやった」

火影

(海之を?………あの野郎か…)

 

火影の頭にはある存在が浮かんでいた。

 

火影

「一夏や鈴達は?」

オーガス

「ククク…安心しろ。大切なお友達も歓迎を受けておるわ。最も少々過激な歓迎だがな」

 

その言葉で彼らも戦っている事を火影は悟った。

 

オーガス

「無事でいるかは奴らの頑張り次第だ。ククク…お友達が心配か?」

火影

「……いんや、あいつ等ならきっと大丈夫さ。それより…」ジャキッ!「俺達は俺達の戦いをさっさと始めようじゃねぇか…」

 

そう言って火影はエボニーを向けた。だがオーガスは不気味な笑みを崩さない。

 

オーガス

「ふっふっふ…そう急かす必要もあるまい。漸くここまで来たのだ。我らの因果の終焉にして…新たな世界の始まりとなる場所にな」

火影

(…新たな世界だと?)

 

オーガスの狙いはDNSやDISを利用してこの世を魔界の様な争いの絶えない世界に変える事。このラ・ディヴィナ・コメディアはその始まりの場所とも言っていたが…。

 

オーガス

「それに貴様らは我の真の目的を知りたいのではないのか?」

火影

「……」

 

火影はエボニーを下げる。

 

火影

「…けっ、んじゃ聞かせてもらいたいもんだね。元・覇王様のありがた~いお話ってやつを。だが手短にしてもらいてぇもんだな。こっちにゃ時間がねぇんだ」

オーガス

「ククク…その減らず口は相も変わらんな」

 

オーガスはそれでも余裕の笑みを崩さない。するとオーガスは火影に問いかけた。

 

オーガス

「その前にひとつ尋ねよう。…ダンテ、貴様はこの世界についてどう考える?」

ダンテ

「…あ?」

オーガス

「嘗て我らがいた世界は常に人界と魔界で成り立っていた世界…。魔界の人界への侵攻があった世界…。大きい小さいはあったが人と魔の戦いが絶え間なく続いた世界。……だが今、この世界にはその全てが無い。そんな世界を…嘗て悪魔を刈る者として生きていた貴様はどう考える?」

 

火影は顎に手を当て、暫し考えた後にこう答えた。

 

火影

「……そうだな、この世界に生まれて数年後に記憶が戻ってきたが…正直に言やぁ刺激は弱ぇな。あの頃みてぇに悪魔共を潰す機会もねぇし。それに魔界が無ぇってのもほんの少し寂しい気もすんな。入りたかった訳じゃねぇが入る機会はあったし、数年潜り続けてた時もあったし、あんな場所でも親父の故郷でもあったし」

オーガス

「……」

 

オーガスは黙って聞いている。

 

火影

「だがもうそれも昔の話だ。過ぎ去った事言ってもしょうがねぇ。この世界は悪魔も魔界も無縁だ。無いなら無いで別に構わねぇ。悪魔退治も生意気な後輩達(あいつの子孫)に譲ったし、それにあいつらのおかげでそれなりに毎日楽しいしな。刺激は弱ぇが退屈はしてねぇよ」

 

火影は思ったまま話した。

 

オーガス

「成程…それが貴様の答えか…。ククク、では貴様にとって面白い話が聞けるかもな」

火影

「…どういう意味だ?てかてめぇも少しはそう思った事はねぇのか?昔はえらく真面目な科学者だったそうじゃねぇか?」

オーガス

「……そう。我もこの世に生誕して約30年の間、人間として生きてきた。嘗ての我の事も…魔界の事も悪魔の事も全て忘れてな。このまま何もなくば普通の人間として生を全うしていただろう…」

火影

「そのまま忘れてたら良かったんだがな。…なんで30年も経って突然思い出したんだ?」

 

火影の問いにオーガスは笑って答えた。

 

オーガス

「ククク…、人間で言えば…奇跡、というものだ」

火影

「……」

オーガス

「さて、貴様達は自然に記憶を取り戻したと言っていたが…どう思った?」

火影

「…まぁ勿論最初は混乱したがな。だがそれだけだ。もう俺もあいつも昔みてぇな事する気無かったし。…テメェはどうだ?奇跡的にアルゴん時の事思い出して喜んだか?」

オーガス

「そう思うか?……違う、絶望だよ。全てを失い、汚らわしく愚かな人間として生まれ直してこれまで生きてきたのだという自身に対するな。あれほどの絶望は嘗ても、そして今も味わった事はない。スパーダに封印された時、そして貴様に殺された時以上だった」

火影

「そいつは結構」

オーガス

「…そして次に得たのが喜びだった。神のお導き、というものであろうな」

火影

(…お導き、ね…)

「それで昔の栄光を忘れられずに魔とは関係ねぇこの世界を魔界の様に、か…?俺や海之の倍以上生きてるくせに一番成長してねぇな」

 

火影はそう皮肉ったが、

 

オーガス

「ククク…本当にそう思うか?」

火影

「…?」

オーガス

「貴様は我が目的を知りたがっていたな。では教えてやろう。……記憶と魔力を取り戻してからの我は必死にあるものを探し始めた。………そして遂に見つけたのだ」

火影

「見つけた?」

 

火影は目を細めた。

 

オーガス

「クククククク…そうだ、見つけたのだ。我らの新たな……故郷に繋がる場所を」

火影

「…!!」

 

その言葉に火影は目を見開く。オーガス、アルゴサクスが故郷という場所など…ひとつしかないからだ。

 

オーガス

「フハハハハハハ!やっと顔を崩したな。そうだそれこそ我が見たかった顔だ!」

 

そしてオーガスが次に言った言葉は…火影も思いもしないものだった。

 

 

オーガス

「……そう、あるのだよこの世界にも!裏側に存在していたのだ。……魔界が!そしてこの小島、このラ・ディヴィナ・コメディアがある場所こそが魔界に繋がる数少ない聖域!マレット島やデュマ―リ島と同じよ!人界と魔界の隔ての最も薄い場所!最も近い場所なのだ!!」

 

 

火影

「…!!!」

 

この言葉に火影はかなり驚いた。今までこの世界は魔界や魔力とは無縁であると信じていた。DNSやリベリオンの脈動を感じ、17年間生きて来て初めて魔力と接触した。しかしそれでも魔界があるとは想像もしていなかった。その魔界が…この世界にも存在しているという真実に言葉が出ない。

 

オーガス

「最初にそれを知った時は我としても流石に半信半疑であった。しかし記憶と力を取り戻し、啓示を受けてから全ては本当だったのだと確信に変わった。……だがいくつか問題もあった」

火影

「…?」

オーガス

「嘗ての我の記憶を取り戻しはしたが…力は完全に取り戻すことは出来なかった。それ故魔界への扉を開く事ができなかった。この世界は魔力が限りなく薄い。それこそ貴様やバージルの剣が感じ取れぬ程にな。故に暫し力を蓄える必要があった…」

火影

(記憶は取り戻したが力は中途半端…)

オーガス

「そしてふたつ目は結界だ。嘗て我らの世界で人界と魔界を隔てていたそれは屑の悪魔は通せどそれ以上の悪魔は通せなかった。いわば「網」の様なもの。人界を満たしていた魔力もその網の目を潜り抜けて魔界から流れて来ていた。……が、この世界は違う。「網」等ではなく「壁」。屑の様な悪魔さえ、そして魔力も殆ど通すことはない」

火影

(この世界に魔力が無かったのはそういう事だったのか…)

オーガス

「嘗て我々がいた様な世界と違い古の賢者達が造り上げた邪教の塔も魔界から人界へ侵攻した過去も無い。…だがどんなものにも完全なものが無い様にこの「壁」も完全なものではない。極僅かな穴、ヒビがあったのだ。最もその大きさは我らがいた世界のどれよりも小さく頼りないものだがね。だが確かなものであった」

 

それを聞いて火影は確信した。

 

火影

「……成程。その隙間とやらがあるのがこの下って訳か。……にしては微塵も感じねぇな」

オーガス

「ククク…当然だ。今は「門」を閉じているからな」

火影

「門だと?…!」

 

火影は足元を見た。

 

オーガス

「気付いた様だな。…そう、今我々が立っているこれこそが門。聖域へと続くペテロの門だ。これを閉じている限り魔力を感じる事も流れてくる事も無い。この隙間を見つけてから我が密かに造り上げたものだ。我が力を蓄えるまでの間人間共の目に触れぬ様に」

火影

「その隠れ蓑として造ったのがこのふざけた塔って事か…」

(……だがそのために何故わざわざこんなバカでかいもんを造る必要があるんだ…?)

 

火影はこのラ・ディヴィナ・コメディアには何か別の秘密があるのではないかと思った。

 

火影

「…アインヘリアル計画を起こした理由は?」

オーガス

「ククク…言っただろう?暇潰しだと。愚かな人間共の血を流す姿が見たかった。それだけだ」

火影

「……」

 

この答えを火影は信じていなかったがこのまま聞いてもはぐらかされると思い、話を変えた。

 

火影

「……で、もう扉は開いてんのか?」

オーガス

「いや、まだ開いてはいない。扉を開く力はもう十分だが…この門を開くには膨大なエネルギーが必要なのだ。世界中のエネルギーをかき集める程にな。本来ならばもう開いてもよかったのだが…貴様らの存在を知って今日まで開かずにいておいてやったのだ。有難く思うがいい」

火影

「成程…開くのは邪魔な俺と海之を倒してからって訳か」

 

オーガスは火影と海之を確実に倒してから扉と門を開く様だと火影は悟った。

 

オーガス

「ククク…そう決めつけるな。その気になればさっさとやっている。」

火影

「…?」

 

するとオーガスは火影にこんな事を言った。

 

オーガス

「正直に言おう。…ダンテ、人界と魔界を繋げる気はないか?」

火影

「…あ?」

オーガス

「さすれば魔界から魔力が流れ、この世界は嘗て我らがいた様な世界になる。実際見た訳では無いがきっと悪魔もおるだろう。人間共の間にDNSが蔓延り、DISや悪魔達で溢れかえる。そうすれば永遠とまた戦いと血にまみれた人生を過ごせるぞ。悪い話ではあるまい?」

火影

「……」

オーガス

「悪魔を刈る事に全てを捧げた者よ。お互い魔の力を持つ者として、我が右腕として新たな世界を創らぬか?」

 

オーガスは火影にそう問いかけた。……すると火影は俯きながら、

 

火影

「………成程な。また昔の様に悪魔をぶっ殺すスタイリッシュな戦いの人生か。確かに興味ねぇ事ねぇ」

オーガス

「……」

火影

「あの悪魔もどきの…なんてったか、それを目の前にした時も妙に…懐かしいもんを感じた。あと高揚感か、血が沸き上がる様な…そんな感じも。その時ちょいわかったぜ。俺の中にまだあん時の記憶が残ってんのかってな…」

オーガス

「ククク…」

火影

「オマケにこの世界には無かったと思っていた魔界があって…しかも悪魔もいるとは…中々に面白れぇじゃねぇか…」

オーガス

「そう、それが貴様の本来の姿だ。如何に生まれ変わろうとも」

 

火影の言葉に笑うオーガス。…とその時、

 

 

ドォンッ!!

キィィィンッ!!

 

 

オーガスの前に突如張られた結界。弾いたのは…エボニーの弾丸だった。

 

オーガス

「……」

火影

「…なんて言うと思ったのか?人間のオーガスさんよ。さっきの俺の話聞いていなかったのか?言った筈だぜ?今の人生も楽しいってな。うっす汚ねぇ悪魔や魔界を忘れて俺もバージルも新しい人生を始めたって時に、なんでまた逆戻りみてぇな事しなくちゃならねぇんだ?」

 

ドォンッ!!

キィィィンッ!!

 

火影

「今の俺やバージルには守るものがある。なのに魔界や悪魔共を呼び寄せてそいつらを危険に晒すような事できると思ってんのか?昔の事をうじうじ引きずってるテメェとは違うんだよ」

 

ドォンッ!!

キィィィンッ!!

 

答えを言う度にオーガスに向け、発砲する火影。それは拒絶の言葉の意味。

 

火影

「悪魔…魔界…魔力。そろそろウンザリしてるところだ。何年も裏でちょこまかと小細工しやがって…。まだ数回だがいい加減見飽きたぜ、テメェの面はよ!」

 

火影はオーガスの言葉をはっきりと断った。するとオーガスもそれを分っていたのか、

 

オーガス

「……ククク、分かっているさ。貴様等スパーダの血族と我々が相容れぬ事など決してありえんという事位な。少々ふざけてみただけだ」

火影

「ふざけた、か…。生意気言う割にゃテメェも随分人間臭くなったじゃねぇか」

 

火影は皮肉の笑みを浮かべた。

 

オーガス

「だが分かっているだろうな。今の我が力は嘗ての比では無い。前に言った筈だ。貴様こそただの人間。精々攻撃を押し返すのがやっと。如何に強い力を得ようとも勝てると思っているのか?」

火影

「俺も言った筈だ。人間は諦めが悪い。そして人間には悪魔には無い力があるってな」

 

 

…ヴゥンッ!!

 

 

するとオーガスは宙に浮かび上がる。火影はエボニー、そしてアイボリーも向ける。

 

 

オーガス

「最早もう何も言わぬ。ダンテ、そしてバージルを倒してこの世界はひとつとなる!そこに貴様らの居場所は無い!そして今度こそ、あの時成し遂げられなった我らの望みを叶え、この世界は我々の手とするのだ!!」

火影

「……面も見飽きたがテメェのその戯言もいい加減聞き飽きたぜ!!」

 

 

ふたつの影が黒き光に包まれた…。

 

 

…………

 

ラ・ディヴィナ・コメディア「煉獄」

 

 

海之

「……」

 

…その頃、オーガスの言う通り海之はある者と対峙していた。最も周囲が闇のせいで姿は見えないし、その上向こうは何も喋らない。しかし闇の向こうに必ずいる。それが海之には分かった。

 

海之

「呼んでおいて無言を貫くとは…、客に対する礼儀では無いな」

 

事態を進めるために海之から言葉を発した。……その時、

 

ヴゥンッ!!

 

海之

「!」

 

 

キィィンッ!ガキキキキキキッ!バシュゥゥゥゥッ!!

 

 

突然真空波の様なものが海之に飛んできた。ISを出す暇もなかった海之は直接素手で瑠璃月を持ち、受け止め弾き飛ばす。

 

海之

「しかもいきなり斬りかかってくるとは…」ビリビリ…

 

冷静さを崩さず返事をする海之だったが…その腕は僅かに振るえている。今の一撃の威力は海之にさえ単なるものでは無かったのだった。

 

海之

(ウェルギエルを出す暇も無かった…。そして今の剣閃は…)

 

バシュゥゥッ!!

 

更に後方から剣閃が飛んできた。海之はそれも弾くが、

 

海之

ビリッ(ちっ…)

 

またも腕に負担となった。すると海之は刀を収め、

 

海之

「………貴様の正体は見当がついている。さっさと姿を見せたらどうだ」

 

海之はその剣に心当たりがあった。何故ならそれは誰よりも近く、誰よりも見慣れた剣技故に…。

 

海之

「今の剣は…俺や火影と同じ技。それを使え、そして俺を狙う者がいるとすれば……ひとりしかいない…」

 

見えない敵にそう言い放つ海之。……すると、

 

 

…ヴゥゥゥゥゥゥン…

 

 

周囲の暗闇がゆっくりと薄れていく。その部屋は一夏達が戦っていた部屋とよく似ていた。海之はその部屋の真ん中に立っていた事を知った。……ある存在と一緒に。

 

海之

「…!」

 

それを見た海之は目をひそめる。そこにいたのは、

 

 

黒いSin・ウェルギエル

「……」

 

 

全身真っ黒の…Sin・ウェルギエルだった。そこから感じる凄まじい迄の殺気を含む闘気。そしてその顔はバイザーではなく、禍々しい悪魔の顔…。その顔の赤き目が開かれた。

 

黒いSin・ウェルギエル

「……バージル」

 

それはバージルの名を呼んだ。それを聞いて海之は、

 

海之

「……やはり貴様か。…随分小さく、黒くなったものだ」

黒いSin・ウェルギエル

「あの男から与えられた力だ…」

海之

「無駄と思うが何と呼べば良い?ジョン・ドゥか?それとも権平衡か?」

 

海之の問いかけにそれはゆっくり答えた。

 

 

ルーヴァ

「……ルーヴァ。……あの男はそう呼んでいた」

 

 

それはあのドッペルゲンガー…D・ウェルギエルが変化したルーヴァであった。

 

海之

「ルーヴァ…」ジャキッ!

 

それだけを聞いた海之はアミュレットを持ち、瑠璃月を構える態勢に入った。

 

ルーヴァ

「言葉は要らぬか」

海之

「俺は敵とぺらぺら喋る趣味は無い。目の前に現れた敵は斬るのみだ」

ルーヴァ

「……ふっ、そうだ。それでいい」ジャキッ!

 

ルーヴァもまた黒き刀を構えた。そして、

 

 

ゴォォォォォォォォォォォッ!!!

 

 

部屋中、自分達の周囲が凄まじい炎に包まれた。

 

 

ルーヴァ

「俺の力を思い知らせてやる…。そして、人という無力な存在に生まれた事を恨むがいい。…バージル!!」

海之

「……来い!!」

 

 

銀と黒の刃がぶつかる瞬間であった。




※次回は9日(土)に投稿します。そしてその翌日10日(日)に後編を投稿予定です。一話分を二話に分けた感じですが頑張ります。

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