IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
初めて見る二人のISの異常さに戸惑う一夏達。
アリーナにいる者達や遠くから見守る束等、多くの者が2人の試合に注目する中、とうとう火影と海之の試合(ケンカ?)が始まった!
管制塔
「それでは試合を開始してください」
~~~~~~~
火影
「おらぁぁぁ!!」
海之
「でやぁぁぁ!!」
キィィィィィィンッ!!
アラームが鳴ると同時に火影と海之は互いに突進し、剣と刀が激しい音でぶつかった!
…………
観客席
「……………」
火影と海之の試合が始まって数分、観客達は静まりかえっていた。というのも……
キンッ!キンッ!ガキンッ!!キンッ!ガキンッ!!………
激しく鳴り響く剣と刀がぶつかる金属音。
火影の剣が繰り出されれば海之は刀でそれを受け流し、逆に海之が切りつければ火影はそれを受け止める。しかも高速で地面を走ったり空を縦横無尽に飛んだりしながら。そんな応酬がもう数分以上続いていたからだ。しかも未だにどちらも全くダメージも受けていない様だ。
…………
ピット
一夏・箒・セシリア・千冬・真耶
「「「「「………」」」」」
何も言えなくなっていたのは彼らの戦いをスクリーンで見ていた一夏達も同じだった。
一夏
「……なあ、……見えるか?あいつらの剣の動き」
箒
「……いや……」
セシリア
「……全く……」
真耶
「二人共、なんて動きなんですか……」
千冬
「……」
(……あの動き、そして剣捌き。とても数ヶ月とかそんなレベルではない。…才能か?…それとももっと早くから動かしていたのか?……)
…………
観客席
本音
「……ね~、かんちゃん。ひかりんもみうみうもすごいね~。私全然見えないよ~。かんちゃんは?」
簪
「……ううん、私も全然……」
…………
ある教室
簪に似た少女
「…あの動き…そして攻撃の正確性。さっきの織斑くんとオルコットっていう子には悪いけど格が違うわ。あんな子達がいたなんて…、そして今の今までこの私が知らなかったなんて…」
…………
???
束
「♪♪♪」
(いや~すごいね!ひーくんとみーくん!あの動き、そしてあの剣も刀も!普通ならあんだけ切り結んだら折れたりしちゃうんだけどね~!あの剣たちも異常クラスだね♪)
…………
アリーナ
空で火影と海之の近接戦闘が続いていたがやがて二人が距離を置いた。そして火影はリべリオンを背中に戻し、代わりに彼の両手には二丁の拳銃が表れ、それを海之に向かって打つ。
ズダダダダダダダダダダダッ!!
ふたつの銃口から無数の弾丸が向かっていくが海之は冷静にそれを閻魔刀で切り払う。
キキキキキキキキキキキキンッ!!
全て切り払うと今度は海之がお返しという様に、何も無かった空間から自分の周囲に光り輝く剣を数本出現させ、それを火影に放つ。
ビュビュビュビュビュン!!
すると火影は手に持っていた拳銃を戻し、今度はショットガンを出現させた。それを飛んでくる光の剣に向かって打つ。
バンッ!!バンッ!!
バリン!バリン!バリン!
放たれたショットガンの強烈な散弾は光の剣を全て破壊した。因みに当たらなかった弾は先と同じ様に海之が切り払っていた。
二人は飛び道具が無駄だとわかると、再度剣と刀に持ち替え、再び近接戦に突入した。
…………
ピット
一夏
「マジかよ…」
箒
「あれだけの銃弾を…全て刀で切り払った…」
セシリア
「あの拳銃、そして散弾銃。あれだけの連射なら凄まじい反動の筈ですのに、それを軽々に…しかも散弾銃は片手で…」
一夏と箒は海之の剣術に、セシリアは火影の銃の扱いに特に驚いている様だ。
真耶
「織斑先生…あの二人は一体…」
千冬
「…」
…………
再びアリーナ
やがて二人の戦いに変化があった。海之が火影の一瞬の隙をつき、閻魔刀を火影の腕に刺したのだ。貫通こそしなかったが傷からはわずかに出血が見られた。
火影
「くっ!この!」
すると今度は火影がリべリオンを海之に振り下ろした。刀が火影に刺さったままの海之はそれをもう片方の手で直接受け止める。こちらもその為に出血した。
海之
「ちぃっ!」
アリーナ内の全ての者達
「「「「!?」」」」
ISを纏っている二人の出血を見て一部の観客が驚いている様だ。無理もないだろう。やがて二人は互いの剣を抜いて距離を取る。するとその瞬間互いの傷は無かったかの様に消え、再び戦いを再開した。
…………
ピット
一夏
「な!…、傷が…治った!?」
箒
「い、いや、それ以前になぜ身体に刃が届くんだ!?」
セシリア
「しかも出血してらっしゃいましたわよ!?」
真耶
「おおお織斑先生!なんですかあれ!?」
千冬
「……わかりません。本来全てのISにはバリア、そして絶対防御が張られている筈なんですが…それにあの傷の再生の早さ…一体…」
…………
観客席
本音
「だ、大丈夫かな!?ひかりんもみうみうも!」
簪
「……」
(…剣が身体を貫通?ISが出血?…一体…。大丈夫かな、二人共…)
…………
ある教室
簪に似た少女
「……」
(あの異常な傷の再生速度、そして出血ですって…。一体あれは…。そしてその操縦者の火影と海之という男子。彼らは一体…。これは少し調べてみる必要があるかもね…)
…………
???
束
「…いや~まさかこれ程までとはね~。あの剣捌きや銃捌きだけでも驚きなのに、あの再生能力は何よりも驚きだね~!出来ればバラしてみたいとこだけど…止めとこ!二人に嫌われたくないもんね~♪」
…………
アリーナ
やがて戦いに再び変化が起きた。
火影が上空から海之に強烈な勢いで剣を振り下ろし、海之はそれを受け止める。
海之
「ぐうっ!」
海之は体制を崩しながらもこれに耐え、火影を弾き飛ばした。弾き飛ばされた火影はアリーナの壁に背中から激突した。そして地面に落ちる。
火影
「ぐあっ!…ぐぐっ」
海之
「ハア、ハア…どうだ?以前のような生身と今と、どっちが戦いやすい?」
火影
「くっ…どうだろな。お前は?」
海之
「どうかな…もう遠い昔の話だ」
火影
「へっ、そうだな。随分昔だ。まあでも今はそんな事より…」
海之
「決着といこう…はっ!」
火影
「おらぁ!」
そういうと二人は構え直し、再度突進する。
その時、
~~~~~~~~~
アリーナのアラームが鳴る。
管制塔
「試合が続いていますがタイムリミットにより、これにて終了とします」
管制塔から試合終了を伝えるコールがアリーナに鳴り響いた。
「……………」
暫く静寂に包まれる観客席だったが、やがて、
ワアアアアアアアアアアアアアアアッ!
歓声が上がった。
火影
「…時間切れかよ…」
海之
「…らしいな…」
火影
「ハア……なぁ?…こっちでも…決着なんて付かねぇんじゃねぇか?」
そう言うと火影は地面に寝っ転がる。海之は地面に座り込んだ。
海之
「…かもな…。だが時間ならある。…ふっ」
火影
「…へっ」
くたくたになりながらも二人は笑っていた。
未熟ながらダンテとバージルの戦闘を書くのも楽しいです。あと彼等は出血なんて全然問題としてない気がします。