IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
から聞いたのは衝撃の真実の数々だった。
ふたりがアリギエルとウェルギエルの正体を知っていた事。アミュレットに仕掛けられたセキュリティプログラム、そして一年後の再起動はアルティスの仕業であった事。そして「悪魔還り」の事…。
思ってもみなかった事態に困惑の色を隠せない火影と海之。
だがそんなふたりに画面に映る父アルティスと母雫はふたりの正体がどの様なものであっても自分達の愛しい子供である事は揺るがない、そして必要になった時は自らの意志で力を使えと伝えた。
そして今、火影と海之は使うのであった。父と母が伝えてくれた力を。
火影
「教えてやるぜ…!俺達の…人間の力ってもんをな!!」
海之
「人間は成長するのだ…。その力を…見るがいい!!」
オーガス・ルーヴァ
「「!!!」」
火影・海之
「「グッ…グゥゥゥゥゥゥアァァァァァァァァァァァ!!!」」
ドォォォォォォォォォォォンッ!!
凄まじい絶叫と共に、凄まじい力が解き放たれた。
オーガス
「ぬぅ!!」
火焔天では火影を中心として起こった凄まじい力の奔流にたじろぐオーガス。
オーガス
「…馬鹿な、このアルダ・スパーダが怯むだと……!!??」
そんな彼の目の前には…彼にとって理解し難いものがあった。
火影
「ハァ…ハァ…。待たせて悪かったな…。さぁ、始めようぜ…セミ・ファイナルラウンドをよ」
そこには火影の声だが今までと違う姿のSin・アリギエルがいた…。
…………
そしてそれは「煉獄」でも、
海之
「嘗て…ウィリアム・ブレイクは言った…。世界は一粒の砂…。天国は一輪の花…。掌に無限を。一時の内に永遠を…」
海之も火影と同じく、それまでと違うSin・ウェルギエルを纏っていたのだった。その変化にルーヴァも困惑の色を隠せなかった。
ルーヴァ
「……!!」
…………
「悪魔還り」によってふたりは大きく変わった。全身のいたる場所からエネルギーの如き光、もしくは炎とも見れるものが漏れている。火影は赤。海之は青。更に全身の装甲、爪や翼、尾までが機械的なものから禍々しい有機的なものになっている。最も変わったのは頭部。それまでの顔面部にあったバイザーは砕け散り、鋭い牙を持つ口と光り輝く眼を持つ顔が現れた。体温が高いのかその口からは時々湯気が出ている。そして何より違うのは…、
オーガス
「姿が変わった…?そしてどういう事だ…?この凄まじい魔力は…!」
ここにはいないルーヴァも海之に対して同じ様な反応をしているだろう。火影が纏うのは見た目のそれだけでなくわかる者にしかわからない強力な魔力…。「悪魔還り」の名の通り、悪魔に還る能力にして秘術。火影と海之は嘗てのダンテとバージルだった時の魔力を取り戻していたのだ。それを確認する様に火影は己の姿を見て、
火影
「……この姿も久々だな」
オーガス
「悪魔に、ただの人間である貴様が、自ら嘗ての力を取り戻したとでもいうのか…!?」
火影
「自ら?……違うな。これは父さんと母さんが教えてくれた力だ。俺、そして海之を想ってくれたな。……そして」
カッ!ジャキッ!!
そう言う火影の手にあるものが姿を現した。、
オーガス
「…それは貴様の剣?…だが何故持ち手しか無い?」
それはつい先ほどまで使えなくなっていた火影の剣…リベリオンであった。だが火影の手にあるそれは柄の部分と僅かな刃の部分だけ。途中で折れていたのである。
火影
「ずっと気になってたんだよな…。何故俺のアリギエルの剣がリベリオンなのか…。そして親父の剣はどこに行っちまったのか…。そして…俺の剣はどこ行っちまったのか」
火影、前世のダンテはみっつの剣を持っていた。ひとつ目は父スパーダから託された「魔剣リベリオン」。ふたつ目は自分とバージルのアミュレット、そして父の剣を組み合わせた結果、本来の姿を取り戻した「魔剣スパーダ」。そしてみっつ目は…。
火影
「そんな時、夢の中でのあいつの言葉を思い出した…」
(だって魔剣スパーダはアンタが取り込んでしまったじゃないの)
その答えを聞いて火影はある結論に達したのだった。
火影
「もし俺の想像が正しいのなら…これが第一段階って訳か」
オーガス
「…貴様、先程から何を言っている?」
オーガスは火影の言葉が気になる様だ。その火影はというと手に持つリベリオン(半分)を見ながら、
火影
「俺は今までいろんな奴に散々刺されたり撃たれたりしてきたが、ふっ…まさかこれを二回もやるとはな…」
そう言いながら、
ドスッ!!
火影は自らの腹部にリベリオンを刺した。
オーガス
「何!」
火影
「ぐっ!!親父の剣が…俺に取り込まれたんなら、親父の剣は……既に、俺の中に、ぐっ!!」
グググ……シュゥゥゥゥ……
更に深く自らに深く刺し続けた火影。すると折れたリベリオンは火影の中に吸収される様に光と共に消え去った…。
オーガス
「き、吸収しただと…!?」
火影
「ハァ…ハァ…」ドクンッ!!「!……へっ、やっぱな」
バッ!…ギュォォォォォォォ…
一瞬感じた力の脈動に何かを確信したらしい火影は手を出し、自らの力を集中させた。…そして、
……カッ!!
オーガス
「!!」
火影の手に…剣が現れた。それはリベリオンでもスパーダでもない…。
オーガス
「なんだ…その剣は…!?」
火影
「ああそういやこいつは見た事ねぇのかテメェは」
蘇りし伝説の魔剣「魔剣ダンテ」
火影が嘗てダンテだった頃に最後に使っていた三本目の伝説の魔剣。
ユリゼンとの戦いで砕けてしまった魔剣リベリオン、父の形見である魔剣スパーダ、そしてダンテ自身の魔力が融合して彼自身から生まれた魔剣。有機的な両刃の刀身に悪魔の爪を思わせるような装飾。柄にはアミュレットにはめ込まれた赤い宝石が埋め込まれている。魔剣スパーダをわが身に取り込んで生まれた事やダンテの名を持つことから正にスパーダ、父を超えた証そのものである。
火影
「上手くいくかは半分賭けみてぇなもんだったがな…。だからリベリオンだけが外に出てたって訳だ。俺だけでなくあいつにも使わせるために」
ジャキッ!ヴゥヴゥヴゥヴゥンッ!!
火影は手の魔剣ダンテをゆっくり振り回すと刀身が半分に割れ、そこから赤き光を放つ同じ形状の光の剣が飛び出した。
オーガス
「それはバージルと同じ…!」
火影
「さ~て随分待たせて悪かったな。…始めようぜアルゴ、いやオーガス!テメェとの最後のケンカをな!」
オーガス
「…ダンテェェェェ!!」
…………
そしてこちらでも、
海之
「……さて」
ジャキッ!
そう言いながら海之も何かを取り出した。それは、
ルーヴァ
「…剣先だと?」
火影のリベリオンの剣先だった…。
…………
それは先日の出来事。ラ・ディヴィナ・コメディアに向かう直前、
火影
「海之、お前にこいつを渡しとくぜ」
そう言いながら火影は海之に何かを渡した。それはリベリオンの剣先。
海之
「……お前の剣の剣先だと?どういう…!……そうか」
すると海之もまた何かの結論に達した。
火影
「お前なら理解してるだろ?俺のリベリオンの特性を。だったらお前にも出来る筈だと思ってな。「悪魔還り」を使った後なら」
海之
「…だが俺には剣が」
火影
「お前にもあるじゃねぇかアレが」
海之
「!……成程な。…ふっ、良いだろう。お前にできて俺にできない筈はない」
火影
「一言余計だっつの」
海之
「所で…どうやって折ったのだ?」
火影
「んなもん折れるまでぶん殴り続けたに決まってるじゃねぇか」
海之
「…やれやれ全く…」
…………
海之
「思えば俺もこれをやるのは二度目だな。最も最初は人間を捨て去るためだったが。……まさか何かを守るためにこの様なことをする等…あの時の俺には思いもしていなかった…」
カッ!ジャキッ!
すると海之はもう片方の手にあるものを出した。それは…折られた閻魔刀。
ルーヴァ
「そんなガラクタばかり出してどうするつもりだ?」
海之
「黙って見ているがいい…」
ルーヴァの問いに海之はこう答えると、
ドスッ!ドスッ!!
火影と同じくリベリオン、そして閻魔刀を自らに刺し、貫いた。
ルーヴァ
「…!」
海之
「くっ!!……俺の閻魔刀は…人と魔の両者を別つ!そしてあいつのリベリオンは…人と魔を…ひとつに…!!」
グググッ……シュゥゥゥゥン…
そして火影と同じ様にリベリオン、そして閻魔刀も海之に取り込まれる様に光になって消え去った…。
ルーヴァ
「…奴に飲み込まれただと!?」
海之
「ハァ……」バッ!!
海之は片手を前に突き出した。すると、
……カッ!!
海之の手に光と共に現れたものがあった。それは…白塗りの鞘に収まれた一本の刀。
ルーヴァ
「…閻魔刀だと!?……いや、違う」
海之
「……もはやその名では呼ばん。これは…」
もうひとつの新たなる魔剣「魔剣
魔剣リベリオンの「人と魔をひとつとする力」により、リベリオンと閻魔刀、そして海之自身の力が融合して生まれた新たな魔剣。刀は閻魔刀と違いないが鞘は黒塗りから白塗りに変わっている。また閻魔刀の「人と魔を別つ力」も継承されている。名前は生と未来の神
海之
「過去の俺の罪は決して消えはしない。だがそれでもいい。この世界で得たもの達が教えてくれた。俺は海之として、これからもこの世界で生きていく。そのために…過去の因縁はここで断ち切らせてもらう」
スッ…
海之は鞘から刀を抜いた。
海之
「…終わらせよう。…あの時の俺」
ルーヴァ
「…バージル!!」
それぞれの第二ラウンドが始まった。
※次回は30日(土)の予定です。
短いですが剣の箇所も強調したいと思い、本日前半を投稿する事にしました。
閻魔刀の名前を変えるのは抵抗ありましたが海之自身から生まれた刀なので火影と同じく変えるべきかと思いました。