IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
自らのプライドを捨ててまで力を望んだルーヴァは敗北したことに絶望し、海之に殺せというが海之はそれを拒否。自分ならば最後まで戦って死ぬか自らを利用した者に一矢報いてから死ぬだろうと言い放ち、ルーヴァを捨て置いて去ってしまった。残ったルーヴァは悔しさと無念のあまり、絶叫を上げるのだった。
……一方、同じく力を取り戻した彼の戦いも始まっていた。
火影
「さぁ、始めようじゃねぇかアルゴ…いやオーガス。てめぇとの最後のケンカをな!」
ジャキッ!ヴゥヴゥヴゥヴゥン!!
海之がルーヴァとの決着をつけるより少し前、こちらも戦いが始まった。自身の翼を広げ、魔剣ダンテとそこから生まれた赤い刃を周囲に纏い、目の前のアルダ・スパーダ纏うオーガスに対峙する火影。
オーガス
「まさか貴様も魔の力を取り戻すとはな…。だが!」ヴゥゥゥゥンッ!!「如何に力を取り戻そうとも、魔の王たる力を持ち覇王である我に二度も勝てると思うな!」
オーガスは片手を掲げた。そしてみるみる内に巨大な魔力の光弾が生まれる。
オーガス
「先に貴様とバージルに弾かれたものよりも強力だぞ!くたばれダンテェ!!」ズドォォォォォォンッ!!
それを前方にいる火影に撃つオーガス。
火影
「……」バッ!
すると火影はその弾に向けて剣を持っていない方の手を向けた。
オーガス
「受け止める気か?馬鹿め、幾ら貴様でも素手で……!!」
…ヴゥゥゥゥゥゥン!!
すると火影と光弾の間に不気味な球形の空間が表れた。それに触れた光弾は動きを止め、
火影
「…ドカン」グッ!!
ボガァァァァァァン!!
火影が手を握ると同時にそのまま内側から爆発した。
オーガス
「! 私の攻撃を破壊しただと!?」
デモリション
対象物を魔力で生み出した球形の小さい空間に閉じ込め、内部から炸裂・爆破する技。通常は敵本体に使う技だが攻撃をかき消すために使う事も火影が思いついた。
火影
「やっと慌てた顔しやがったな。面付けてたら分からねぇけど口調からどんな顔してんのかは分かるな」
オーガス
「ちっ…!ならば!」ドゥンッ!
ズドドドドドドドドド!!
オーガスは上空に上がると虹の光と共に生み出す光の雨を降らせてきた。
オーガス
「これを全て防ぐことは不可能だ!」
火影
「…ほう、どうかな?」カッ!!
突然火影の、正確にはSin・アリギエルの四枚の翼が激しく光始めた。そして、
ズドドドドドドドドド!!
そこから無数の光弾、ザ・ルーチェが放たれた。それは上から降り注ぐオーガスの光の雨に向かって行き、
ドガガガガガガガガガガン!!
そのひとつひとつの弾とぶつかり、相殺させた。
オーガス
「!!」
火影
「こんどはこっちだぜ!」
ズドズドズドズドズドズドン!!
火影は再び手を向けるとそこから先ほどのザ・ルーチェよりも大きい魔力の弾、ジ・オンブラを撃った。
オーガス
「舐めるなぁぁ!!」
カッ!!ドドドドドドドドン!!
オーガスは手に魔力を集中させるとほぼ同じ大きさの光弾を作り出し、それを自らに向かってくる光弾にぶつけ、これも相殺させた。激しい爆煙が起こる。
オーガス
「ふん、愚かな事よ」
火影
「てめぇがな」
オーガス
「!!」
オーガスが振り向くとそこには…既に自らに的を絞る火影がいた。
火影
「オラァァァァァァ!!」
ドゴォォォ!!ボガァァァァァァン!!
オーガス
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
火影はオーガス目掛け、拳を振り下ろすとその衝撃と共に凄まじい爆発が起こった。
真インフェルノ
火影の技であるインフェルノが魔力を取り戻した事によって更に威力を増した技。地面に打ちつけてそこから灼熱の炎を発する技であるが、空を飛ぶ事が多いISの戦闘では地面を殴る機会がないと思った火影はこの方法を思いついた。
オーガス
「ぐっ…!!」
(何時の間に…!我が気配を感じ取れなかっただと…!)
火影
「ほらほらどうしたよ爺さん?」
オーガス
「貴様ぁぁぁぁ!!」ヴゥン!!シュン!!
しかしオーガスもダメージを受けながら自らの翼で意地の一閃を繰りだしてくる。だが火影は間一髪それをエアトリックで避ける。
シュンッ!
火影
「ひゅ~危ねぇ危ねぇ。やっぱ今の一発位じゃ簡単に倒れてくれねぇか」
オーガス
「調子に乗るな!今のは我が油断したからだ!」
火影
「へいへいだろうね。仮にも魔界の支配を企てた偉大なる覇王様がこんな程度で負ける訳ねぇもんな。そうなら期待外れもいいとこだぜ。……が」ジャキッ!
もう片手に持つ魔剣ダンテを握り直す。
火影
「俺も久々に魔力使うと疲れるからな。やっぱこういうのが俺には合ってる。そっちは遠慮なく使ってくれて結構だぜ?年寄なんだしよ」
オーガス
「…ふざけるな!貴様如きこの剣で十分だ!」ジャキッ!
そう言ってオーガスも魔剣エヴァを振りかざす。
火影
「やれやれ、やっぱてめぇも結構人間じゃねぇか。俺みたいなガキの挑発に乗るなんてよ」
オーガス
「黙れ!!」ドゥンッ!!
ガキィィンッ!!
オーガスの魔剣が火影の魔剣とぶつかった。
火影
「!…てっ、あんまり舐めちゃいけねぇな。それも一応親父の剣のコピーだからな」
オーガス
「貴様を斬るにはこれ以上のものはなかろう!」
火影
「ならばその前にてめぇをその剣ごとぶった切る!」
ガキィィンッ!!キィィンッ!ガキ!ガキキン!!
それから暫しの剣劇が続く。魔剣リベリオンとスパーダ、そしてSin・アリギエルの魔力が融合して生まれた魔剣ダンテの一閃一閃は火影の力と技術を加えて更に重くなっていた。一方のオーガスも自らの魔力を魔剣エヴァに込め、威力を上げて斬りかかってくる。その剣さばきも年齢には似合わない程正確無比である。スタミナも若い火影に負けておらず、まるで何かの支えがある様である。
オーガス
「無駄だ!」ガキィィンッ!!
火影
「…くっ!」
オーガス
「どんなに力を上げようとも貴様の剣術はこれまでの戦いで読めている!優位は覆らんぞ!」
オーガスはそう言い放つと更に勢いつけて剣を振り、火影を吹き飛ばす。…だがそれでも火影は落ち着いていた。ポンポンと身体の誇りを落とすような仕草をしながら、
火影
「ひゅ~、ホントにすげーな。それをなんでもっといい様に使えないのかね?」
オーガス
「そのふざけた口を二度と開けぬ様…次で真っ二つにしてくれるわ!!」ヴゥゥゥゥン!!
魔剣エヴァの刀身が再び不気味な光を帯び、倍以上もある光刃を生み出す。その強力な力を受ければ流石にただでは済まないだろう。それが一気に振り下ろされようとしたその時火影が、
火影
「けど目は悪くなってる様だな。気が付かねぇのか?さっきの俺と今の俺と」
オーガス
「何?………!」
オーガスはふと気が付いた。
オーガス
(何時の間にあの赤い魔力の剣が消えている…?)
戦い最初の頃に火影が展開した赤い幻影剣がいつの間にか消えてしまっていた。先ほどの剣劇でもそれによる攻撃は無かった。
オーガス
(奴の中に戻ったか?)
とその時、
ズガガガガガガ!!
オーガス
「ぐああ!…な、何!?」
突然後ろから何かに激しく斬りつけられた。オーガスはすぐさま後ろを確認するが、
火影
「遅ぇよ」
ズドドドドド!!
「ぐおおお!!」
今度は突然上空から何かが降りかかってきた様な衝撃。その瞬間オーガスは見た。
オーガス
「! これは奴の!」
それは火影が先ほど魔剣ダンテから生み出した赤い刃であった。それが背後から斬りつけ、次に上空から襲い掛かってきたのだった。攻撃を終えた刃が火影の周囲に戻ってくる。
魔剣ダンテに込められた魔力から生まれる赤き幻影剣。海之のそれよりも展開できる数は少ないが火影もこれを動かしたり自らの攻撃に組み合わせたり様々な攻撃を行う。
オーガス
「バージルの技か!?あの時戦った時は奴にこんな技は…!」
火影
「どうした?もう後がねぇぞ?昔のてめぇならこんな対策とっくにしていただろうに」
シュババババババ!!
インターセプター。火影の周囲に漂っていたミラージュソードが一斉に突撃する。オーガスも対抗して反撃の弾を撃つ。
オーガス
「邪魔だ!!」ズドドドド!!
火影
「邪魔ならどいてやるぜ」
ブゥブゥブゥン!!ガキキキキキ!!
ラウンドトリップ。火影の操作で陣形を組んでいた幻影剣が軌道を変え、回転しながらあらゆる方向から襲い掛かる。それをオーガスは翼の一閃で弾き飛ばす。
オーガス
「何時までこの様な攻撃をしている!怖気づいたか!」
火影
「怖気づく?戦術的と言ってくれ」ジャキッ!!
そう言って火影は再び魔剣ダンテを構え、斬りかかる。すると分散していたミラージュソードが火影の下に戻り、
ズガガガガンッ!ガキキキキンッ!ズドドドドンッ!
オーガス
「これもあの時の我が知らぬ技か…!だがそれ程の技を用いてもこの魔剣を折る事は出来ぬわ!」
火影
「そうかい!だがてめぇは折れそうだな!」
オーガス
「笑止!!」ガキンッ!!
火影の剣を弾いたオーガスは、一瞬の隙から狙う。
オーガス
「今度こそ終わりだ!」
火影
「ああてめぇがな。やっぱ目も悪くなってやがるな」
オーガス
「何を言って……!!」
オーガスが気が付くと…火影と自分の周囲に…赤く輝く魔法陣が描かれていた。そして、
火影
「
ドガァァァァァァァァン!!!
ジャッジメント
魔力を取り戻した火影の新たな技。魔法陣を浮かび上がらせ、剣で周囲を攻撃した後に大爆発を起こし攻撃する。
オーガス
「がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
火影
「まだだぜ!」ジャキッ!
ズガガガガガガガガガガ!!
怯んだオーガスに火影は魔剣ダンテと自らにミラージュソードを纏わせ、真スティンガーで突撃した。
火影
「
ザシュゥゥ!!ドォォォォォォォォン!!!
オーガス
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
火影の強力な攻撃の連続にオーガスは吹き飛び、地面に激突した。
オーガス
「ぐ、ぐぐ…!」
…キュゥゥゥゥゥゥン…
ダメージが深いのか、それまで纏っていたアルダ・スパーダが解除されてしまった。それと同時に火影の「悪魔還り」も解除され、起動前の通常のSin・アリギエルに戻る。
火影
「…どうやら魔力が弱まったら自動で解除されるみてぇだな」
オーガス
「アルダ・スパーダが…我の力…が…。ダンテ貴様…それほど迄の力を…!」
火影
「もうご自慢の人形も動かねぇ位弱っちまったか」
(…しかしこの「門」ってやつ、今の戦いでも傷ひとつ付いてねぇ…。壊すのは少し骨が折れそうだな…)
「…ま、いい。てめぇの下らねぇ企みもこれまでだなオーガス」
火影は倒れているオーガスにそう言い放った。すると、
オーガス
「……ク、ククク。まだ…負けてなどおらぬわ!」バッ!!
ヴゥゥゥゥゥン!!ズドドドドドドド!!
上空から無数の光弾が火影に向かって降り注いできた。
火影
「!」
オーガス
「馬鹿め!油断しおったな!」
徐々に迫る光。
火影
「…やれやれ」
ジャキッ!ズドドドドドドドドドド!!
すると火影の手からも無数の光が飛んだ。
ドガガガガガガガガガガガガッ!!
オーガス
「!!」
光と光はぶつかり合い、火影に届く前に破壊された。火影の手には…金色の銃があった。
…………
前日、火影と本音の部屋にて。
火影の言葉で落ち着いた本音。すると、
本音
「……ねぇひかりん」
火影
「ん?」
本音
「…これ、貸してあげる。持って行って」
そう言って本音が取り出したのは火影が以前本音にお守りとして渡したハンドガン「アルバ」であった。
火影
「…何言ってんだよ。それはお前のもんだろ?俺にはもうあるぜ」
本音
「うん。だからどう使っても私の勝手。ひかりんに持って行ってほしいんだ」
火影
「…何故?」
本音は力強く答えた。
本音
「ひかりんに持っててもらえたら…私もひかりんと一緒に戦えるから」
火影
「本音…」
本音
「ひかりんや皆と同じ場所にいたいけど…私には無理。鈴やシャルルンや皆の様には戦えない…。でもこの子ならできる。私の代わりに…連れてって」
火影
「………わかった」
本音の力強い言葉に火影は黙って受け取った。
…………
火影
「…助かったぜ本音」
オーガス
「…ば、馬鹿な。魔界の覇王として悠久の時を生きてきた我が…あのスパーダの息子とはいえ半人半魔の…しかも、完全な人間になってしまった貴様如きに…何故二度も負ける!?」
オーガスは動揺していた。そんなオーガスに火影は言い返す。
火影
「わからねぇのか?」
オーガス
「何…!?」
火影
「てめぇは逃げたり隠れたりしていざって時しか動いてなかった。…だが俺やバージルは違う。自分より弱かろうが、命かける位の強者だろうが、どんな悪魔相手でも関係無く戦い、ぶっ倒してきた。その度に強くなっていったのさ。ガキの頃から爺さんになってまで。気が休まる時なんてねぇ位な」
ISを解除した火影はオーガスに近寄り、
火影
「つ~ま~り、あん時の俺に倒された時のまんま止まってるてめぇが、記憶を取り戻そうと、この世の全てを支配する力を持っていようと…」
…ザッ!
火影
「無駄なんだよ」
更にズイッと迫って言い放った。
オーガス
「馬…鹿な…」
その気迫にオーガスはやや圧されていた。力が弱まったせいもあるが火影の気迫はあの時戦った頃よりも強いものであった。歳だけならばあの時よりも若い筈なのにだ。
火影
「てめぇの下らねぇ問答はもう結構だ。といっても殺しやしねぇよ。この歳で人殺しなんてしたくねぇし。てめぇには自分が今までやって来た事を洗いざらい話してもらわなきゃならねぇからな。…だが、その前にこっちの質問に答えてもらうぜ。ひとつだけだが……絶対に今ここで答えてもらう」
すると火影はオーガスにある質問をした。自身の赤い目に凄まじい怒りを浮かべながら。
火影
「…答えろ。てめぇの言ってた…「あの方」って誰の事だ…?」
※明日続きを投稿します。短くなる予定ですが題を分けたいためです。
本文中の「Vanish」や「Game set」はオリジナルの決め台詞です。