IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
火影は以前オーガスが言ってたその言葉。そして「我ら」という言葉の意味がずっと引っかかっていた。その言葉の真意を聞き出そうと火影は戦意を無くしつつあるオーガスに迫る。
……するとその時、目の前のオーガスに異変が起こった。力無き目。火影の言葉も入ってきていないのか表情にも変化が無い…。怪しむ火影だったがその時オーガスのアルダ・スパーダが突然覚醒。オーガス本人は倒れているのにも関わらず、それはまるで中に何かいる様に言葉を、更に凄まじい魔力を発していた。そして火影は…ある者の名を呼ぶのだった。
目の前に浮かぶアルダ・スパーダに、正確にはその中にいるであろう者に、火影は叫んだ。
火影
「この世界でアルゴどころかてめぇにも会うなんてな。…………ムンドゥス!!!」
「ムンドゥス」
ダンテとバージルの父スパーダが嘗て仕えていた大悪魔。全ての悪魔を支配する程の力を用い、人界に侵攻を企てたが正義の心に目覚めたスパーダによって封印されてしまった。…やがて長い時の果てに復活を果たし、ふたりの母エヴァを殺害。更に自身に敗北したバージルを操り人形とした。その後ダンテとも戦い、彼によって倒された筈だったが…。
ドゥンッ!!!
すると再び、目の前にいるアルダ・スパーダから衝撃波が発せられた。火影は何とか耐えるが足元に倒れていたオーガスは気絶したまま吹き飛ばされてしまった。
火影
(この力……マジのもんか!)
魔剣ダンテを通し、目の前にいるそれから感じる強大な魔力。それはこの世界で出会ったファントムやグリフォンの様な人形でも、DNSによる変身から感じる物でも、オーガスの様に人間を通して出た様な物でもない。嘗て自分がいた世界で数えきれない程出会い、そして自分にもあった純粋な魔力とそれを宿す純粋な悪魔。そう例えるべきものだった。…そして驚く火影を前にそれが口を開いた。
ムンドゥス
「……姿が変わっているが…わかるぞ。…久方ぶりだな、…ダンテ」
火影
「…お互い様だろうが」
ムンドゥス
「よもや別の世界で再び対面する時が来るとはな…。余に歯向かいし…裏切者の血筋に」
火影
「それもお互い様だ。…まさか舞い戻ってくるとはな。あと言っとくがもう俺もバージルも持ってねぇよ。スパーダの血はな」
ムンドゥス
「ふっふっふ…そうだな。貴様もバージルも半魔どころか穢れた人間にとうとう成り下がってしまったという訳だ。フハハハハハ!」
火影は怒りを抑えて冷静になろうとする。
火影
「……悪いがこっちにはのんびり話してられねぇ理由があるんでね。最低限の事だけ答えてもらうぜ。…何故てめぇがこの世界にいる?今度はどうやって生き返りやがった?」
すると火影の質問に対し、ムンドゥスは笑って答えた。
ムンドゥス
「…生き返った?余が?…フハハハハ、何を勘違いしている?」
火影
「…?」
ムンドゥス
「余は死んでなどおらぬ…。忘れたのかダンテ。あの時マレット島での最後の戦いの事を…」
火影
「何……!」
…………
それはダンテが自らとトリッシュの力を籠めたエボニー&アイボリーを魔帝に撃ち込んだ時の事。
トリッシュ
(決め台詞は?)
ダンテ
(…JACKPOT!!)ズドンッ!!ズドンッ!!
ドゴォォォォォォォォォォォォォ!!!
ふたつの光は魔帝に確かに直撃した。
ムンドゥス
(グォォォォォォォォォォォォォ…!!ダンテ…忘れるな!!必ず、必ず現世に蘇るぞぉぉぉぉぉぉぉ…!!!)
そして最後の断末魔を上げつつ、ムンドゥスは再び亜空間の穴に押し戻された…。
…………
火影
「そしててめぇは…」
ムンドゥス
「そうだ…。貴様とあの
火影
「…ちっ…」
それは火影も何となく予感はあった。嘗て父スパーダがムンドゥスを滅ぼせずに封印する事しかできなかった様に、自分も倒せなかったのではないかと。しかし自分が生きている間復活する事はなかった。故に僅かに安心もしていたのだが…。
ムンドゥス
「…だが死ななかったとはいえ、現世への復活には多くの時が必要だった。次元の狭間の亜空間は嘗て我らがいた世界とは時の流れが異なる。どれ程経っているかもわからぬ虚無の世界の中で、余は僅かに漂っている魔の力を餓鬼の様に取り込みながら復活の時を待つしか無かった…」
火影
「…八ッ!魔帝様には似つかわしくない姿だな」
ムンドゥス
「…だが、どれ程の時が経っても力を大きく取り戻す事は出来なかった。そこで余は考えた。この僅かにため込んだ力を使い、例え大きいもので無くとも次元に穴を開け、現実の世界に帰還する事をな」
火影
「…何!」
ムンドゥス
「人界と魔界を繋げるのと同じだ。穴を開けるためには多くの力を使う必要があったがやむを得なかった…。そして余の思惑通り、現実世界に帰還した。……と思っていた」
火影
「…あ?」
ムンドゥス
「思いもしなかった事が起こった。…違っていたのだ。次元の狭間の亜空間から脱出し、嘗ての世界に戻れたと思っていたが…余が開けた穴は別の世界に繋がってしまったのだ。今より19年前のこの世界にな」
火影
「! 何だと…!」
これには火影も一瞬言葉を失う。ムンドゥスが脱出するために開けた穴は嘗て自分達がいた世界では無く、19年前の、本来全く関係ない筈のこの世界に繋がってしまったと事実に…。
ムンドゥス
「更に悪い事に…その世界は嘗て我々がいた世界はおろか、次元の狭間よりも魔力が乏しい世界だった。魔界への繋がりもな。如何に余とはいえ、実体も力も失ったままでその様な世界ではいずれそう遠くない未来に消滅するしかない…。正直に言って…絶望した。嘗て無い程に絶望した。……奴に会うまでは」
火影
「……まさか!」
ムンドゥス
「そう、アルゴサクスだ。嘗て余と魔界の覇権を争い、同じ様にスパーダによって封印されたもうひとつの大悪魔…。その生まれ変わりともいえる人間がこの世に存在していたのだ。どうやら貴様に倒されたらしいな、ダンテ。…それで確信した。この世界は嘗て我々がいた世界とは別の次元の世界だと」
火影
「……だが奴は記憶を失っていた筈だ。どうやってオーガスの野郎がアルゴの生まれ変わりだとわかった?」
ムンドゥス
「確かに。…だが神とやらの悪戯か、はたまた奴の記憶でなく潜在意識に残っていた魔の部分が引き寄せたのか、余がこの世界に現れた地が奴のすぐ近くであったのだ。そして余と接触した事で奴は記憶を取り戻した。嘗ての自身の事、貴様に殺された事、そして忌み嫌っていた人間として生まれ直した事。あの時の奴の口惜しい顔は見てて飽きなかったぞ。ふっふっふ。……そして余と奴はある契約を交わした。余の力の断片を奴に貸し与える代わりに、余の魂の器になるという契約をな。余程人間として生まれ直したのが屈辱だったのであろう、奴はそれをすんなりと受け入れた。人間の身体に入る等口惜しい以外のなにものでもなかったが自らの存在を保つためには仕方が無かった」
火影
「それが19年前に奴が別人の様に変わったっていう理由か。言うなれば奴もてめぇに運命を狂わされたって訳だな。それがなきゃ普通な人生を送ってたってのによ」
火影は倒れているオーガスを見ながらそう言った。
ムンドゥス
「そして余はある事をアルゴサクスに命じた。この世界で魔界から流れてくる魔力を最も強く感じられる場所の捜索を。どんなに力を失っても感じ取るだけならば可能だったからな」
火影
「んで探し当てたのがこの名も無き島って訳か。島全体が不毛な地なのはその影響だろうな」
ムンドゥス
「余はこの地で力を取り戻そうと思ったが……この世界は魔が乏しい。この下にある針の先程の隙間を広げる力を取り戻すだけでも早くて百年。幾らアルゴサクスとはいえ今は普通の人間、余が力を取り戻すまでには命尽きるだろう。……だから余は更に奴に命じた。手早く力を取り戻すために、この地に人間を集めよ、とな」
火影
「…人間をだと?何のためにだ?」
ムンドゥス
「ふっふっふ…気付かぬか?」
するとムンドゥスは笑いながら言った。
ムンドゥス
「それは…昼も夜も成長を続け…やがて輝く林檎の実をつけた」
火影
「!!」
火影の目が一際開かれる。更にムンドゥスは続ける。
ムンドゥス
「人間の血は悪魔の力の源…。
そこまで聞いて火影は理解した。
火影
「そうか…。アインへリアル計画の目的は…最強の兵士なんぞじゃなく…てめぇの!」
ムンドゥス
「その通りだ…。禁断の果実を生み出すための人間の血、それを集める事が真なる目的だった。そのためにアルゴサクスが打ちたてたのがアインヘリアル計画。憎しみや苦しみに染まった血は更に甘美な物だからな…。ふっふっふっふ…愚かな人間共はその様な事、全く思いもしなかったろう」
火影
「ちっ…。だが禁断の果実とは木の実。「樹」が無ければ実は……!!」
火影は更に理解した。この…塔の真の意味を。
ムンドゥス
「随分と利口になったではないか。……そうだ。貴様らがラ・ディヴィナ・コメディアと呼んでいるこの塔こそが、クリフォトの樹の代わり…。この中で死んでいった人間の血は全てこの火焔天に集まる様に創られている。幾らアルゴサクスでもこのような塔をほんの数年で生み出せる訳がなかろう。全ては余の助力によるものだったのだ」
火影
「……成程な。あの計画の犠牲者は言わば…てめぇの復活のための生贄に過ぎなかったって訳か…」
ムンドゥスの言葉を信じるならば火影の言う通りアインヘリアル計画で死んでいった者達は言わばムンドゥス復活のために集められた生贄に過ぎなかったという事になる。一万人以上もの犠牲全て…。世界の闇の権力者達が揃って協力した「最強の兵士を創り出す」というアインヘリアル計画。それは実は全て今ここにいる魔帝、ムンドゥスの力を取り戻すために仕組まれた事だった等、確かに誰が信じられるか、いや誰も信じられぬに違いない。
火影
「…だが5年間一万以上もの人間を使えば流石に木の実はできたんだろ?…何故魔界に帰還しなかったんだ?アルゴにくっついたままで、こんな門まで造っといて」
火影の言葉は最もだった。アインヘリアル計画は5年にも渡って続いていた。それ程の期間があれば魔界への扉を広げる事も造作もない筈だった。
ムンドゥス
「…確かに木の実は実った。喰らえば力を取り戻すことはできただろう。……だが、ひとつ気になる事があった」
火影
「…気になる事?」
ムンドゥス
「…今より11年前だ。僅か、それも一瞬だけではあったが確かに感じたのだ。この世界の…我以外の魔の力をふたつ、な」
火影
「…!!」
(まさか…アリギエルとウェルギエルが初めて起動した時か…?)
ムンドゥス
「だがその力は先も言った通り直ぐに消えてしまった…。それを感じた時思ったのだ。もしかすると余、以外の魔力を持った者がいるのかもしれぬ、と。そしてその存在を知る迄はこの世界に留まっておくべき、とな」
火影
「…ご丁寧だな」
ムンドゥス
「…そして一年前、アルゴサクスが生んだ人形共を蹴散らした貴様らを見て確信した。あの時感じたそれがよりにもよって貴様ら、ダンテとバージルであった事をな。正直に言って驚いた。そして同時に喜びを持った。宿命とは本当に恐ろしいものであり、面白いものだとな。フハハハハハ!」
火影
「…ああ。本当に腐った腐れ縁だな。俺らの魂にはそういうのが刻まれてんのかね…」
火影も自嘲した。
火影
「…仮に俺らだと分かって、どうして直ぐに殺しにこなかった?あの黒い奴らに任せる様な真似しやがって。命が惜しくなったのか?」
火影の質問に対し、ムンドゥスは笑った。
ムンドゥス
「ふっふっふ…何を勘違いしている?もしそうならば貴様らを海の底で生かして等いてやるものか」
火影
「…何?」
ムンドゥス
「人形共に倒された貴様らがあの海の底で生きていた事位、余が知らずにいたとでも思っていたのか?はっきりと感じていたぞ、貴様らの妙な結界が発する魔力を。しかし余はそれをアルゴサクスには知らせずにいてやったのだ。感謝するがいい」
火影
「知ってて見逃してたってのか。…何のためにだ?」
…バッ!!
するとムンドゥスは自身の、アルダ・スパーダの翼を広げてこう言った。
ムンドゥス
「…決まっておろう。スパーダの意志を継ぐ貴様らを…余がこの手で確実に抹殺するためだ。特に貴様だダンテ。アルゴサクス等にくれてやるものか。…そして貴様らはこの地に来た。こうして余の前にな。ダンテ、そしてバージルの命を確実に消し去った後に、余は魔界の扉を開く。そして新たな魔界を創り上げる!」
火影
「新たな魔界だと…!?」
ムンドゥス
「ふっふっふ。アルゴサクスはこの世界の人界と魔界を繋げ、争い耐えぬ世界に創り上げようとしていた様だが…余が成そうとしている事は根本的に違う。余にとって人間も、そして古い悪魔も必要無い」
それを聞いて火影は理解した。ムンドゥスの目的を。
火影
「!……人間と、そしてこっちの魔界の悪魔共を皆殺しにするって事か…!」
ムンドゥス
「そうだ。余が治める新たな魔界にそんなものはひとりたりとも必要ない。余と、そして余が生み出す新たな悪魔達さえ存在すれば良いのだ」
ドゥンッ!!
火影
「くっ!」
ムンドゥス
「そのために……先ずはダンテ!貴様を殺す!無論バージルもな!」
ムンドゥスから凄まじい殺気と魔力の波が発せられる。しかし火影も負けずに言い返す。
火影
「…けっ!つーかてめぇ忘れてんじゃねぇのか?てめぇは不味そうな木の実を喰ったところで元の力を取り戻すしかできねぇんだろ!俺に、そしてあいつにも勝てると思ってんのか!」
確かにアインヘリアル計画で生み出した禁断の果実は嘗ての力を取り戻すだけで精一杯と先程ムンドゥスは言っていた。魔帝とは言えその力では現在の火影に、そして同じく海之にも及ばない筈である。
ムンドゥス
「…確かに今のままの余では貴様に勝てるとは思えん。口惜しいがそれが分からぬ程愚かではない」
そしてそれはムンドゥスも分かっている様だった。しかし何故かその口は悔しそうではない…。
ムンドゥス
「だからそのために…余はある「ふたつのもの」を造らせた。アルゴサクスとあの人間、篠ノ之束にな」
火影
「…何!?」
束の名前が出た事に火影は驚くが操られた事によるものだとは分かっている。しかし何を造らせたというのか…?
ムンドゥス
「ひとつは…この「アルダ・スパーダのコア」。このコアは特別なものでね。余の魂と魔力を収める器の役割を果たしている。これによりオーガスが離れても余の思いのままに動かせる」
火影
(…てことはコアを潰せば…!)
「…成程な。あん時の黒い奴のコアはその試作品みたいなもんか…。んで、もうひとつは?」
ムンドゥス
「知りたいか…?では…見せてやろう」
ギュオォォォォォォォォォォォォォ……!!
その時アルダ・スパーダの、ムンドゥスの下に凄まじい光の奔流が流れ込んできた。それはあらゆる方向からムンドゥスの手に集まってくる。
火影
「! あの光は…!」
ムンドゥス
「これは貴様らが
火影
「何!?」
ムンドゥス
「この世界に流れ着いてきて…余は自らの置かれた境遇に一度は絶望した…。しかし得たものもあった。この世界だけの特有のものにな…」
火影
「この世界特有……まさか!」
ムンドゥス
「そう…。あの人間、篠ノ之束が生み出し、貴様らが使っている…
火影
「どういう意味だ…?」
ムンドゥスは答えた。
ムンドゥス
「ふっふっふ…こう言えばわかるか?ISにとってコアは命の源…言わば人間の心の臓…。ではISにとってSEは何か…?」
火影
「…!!」
ムンドゥス
「そうだ。
先の一夏達のIS、そしてIS学園含む世界中のSEの枯渇。それはこのために起こった事だった。やがて光の奔流が消えるとムンドゥスの手に眩い光を放つ白い球体が出来る。
火影
「てめぇ…SEを集めて何を!」
ムンドゥス
「…こうするのだよ」
ギュゥゥゥゥゥゥゥン…!!
するとSEの光に変化があった。眩い白い光から…どす黒い光に変わったのだ。それを見て火影は理解した。
火影
「…それはまさか!」
ムンドゥス
「…気付いたか?そうだ、これは余の力によって変貌したSE。SEによって生み出された…禁断の果実だ」
火影
「!!」
ムンドゥス
「余の力にかかればこれ位造作もない事…。血の量だけならば人間の方がISよりも遥かに勝る。だがそれに込められた力は人間のそれの比では無い。この世界最強の兵器であるそれの血より生み出されたそれは…過去に喰らったものとは比にならぬぞ」
火影
「くそ!」ドゥンッ!!「くっ!!」
それを喰らおうとするムンドゥスを火影は止めようとするが魔力の波動に阻まれる。
ムンドゥス
「黙って見ているがいい。これで余は…嘗ての力を超えた更なる力を…手に入れる!!」
火影
「!!」
そしてムンドゥスはその光を自らの胸に埋め込んだ。光は吸収される様に消えていった。…すると、
…ピキッ!ビキキキキキキキキキ……!!
ムンドゥスが宿るアルダ・スパーダにヒビが入った。それは音を立てながら全身に広がっていく…。
火影
「ちっ!!」
ムンドゥス
「祝え!新たな魔界を治める…真なる魔帝の誕生をなぁぁぁぁ!!」
カッ!!ドォォォォォォォォォォォォォォン!!
火影
「ぐあっ!!」
アルダ・スパーダの全身のヒビが砕け、そこから凄まじい光が溢れ爆発した。その光量に火影は思わず目を閉じる。
火影
「くっ…何が起こって……!」
火影は驚いた。周囲が今までいた「火焔天」の巨大な空間から…満点の星が漂う、宇宙に変わっていた。
火影
「こいつはあの時と同じ……!!」
火影はある方向に目をやるとそこには…、
白く光り輝くスパーダ
「……」
それまでの血の如く赤く染まっていたアルダ・スパーダが消え、一点の曇りも無い白く光り輝く存在がそこにいた。それはよく見るとスパーダの輪郭に見え、顔には鼻も口も無かったが唯一みっつの赤く光る目がある。……だが、
…ドクンッ!!!
そこから感じる魔力は紛れもなく本物だった。これまでのどれよりも遥かに強い。あのユリゼンよりも。
ムンドゥス
「……形はそのままか。……まぁいい」
そこから発せられた声はムンドゥスのものだった。
火影
「てめぇ…その姿は…!」
ムンドゥス
「どうやらこの姿で貴様と決着をつけねばならん様だ。……思い出したぞ。この世界には白騎士という救世主と呼ばれるものがいたな。…スパーダの姿、そして白騎士。いわばふたつの世界の救世主を模したもの、という事だな。なんとも皮肉なものだ。世界を救ったふたつの存在が、今度は世界を破滅に導く姿になろうとは。フハハハハ!」
ムンドゥスは高々と笑った。そんなムンドゥスを前に火影は
火影
「……いつまでも調子に乗るな」カッ!!
怒りを隠すことも無く、そう言いながらSin・アリギエルを展開する。
ムンドゥス
「…ふっふっふ、そうだ。それでこそダンテ。その危険な光を宿す目、紛れもなくあの時の貴様だ!」
火影
「…教えてやるぜ。てめぇがどんなに変わろうが、結末は同じだって事をな!」
ドンッ!!ドンッ!!
火影とムンドゥスは互いに翼を広げ、飛び、対峙し、宣言した。
ムンドゥス
「…我は魔帝、魔帝ムンドゥス…。嘗て愚かなる裏切者スパーダの息子であり、その魂を継ぐ者よ。罪に汚れたその肉体、その命、貴様の死をもって浄化するがいい!」
火影
「貴様の存在はこの世界だけじゃねぇ、どんな世界にも許されねぇ。嘗ての父スパーダ、そして嘗ての俺ダンテの名のもとに、その魂に刻まれた定めに懸け、今度こそ貴様に死を!」
※次回は再来週の27日(土)になります。
次回からラストバトルです。頑張って書きますので宜しくお願いします。
加えて申し訳ありません。仕事が忙しくまた再来週です…。