IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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火影の前に現れたのは嘗てダンテだった頃に彼によって敗れ去った魔帝ムンドゥスだった。ムンドゥスはダンテに次元の狭間に封印された後、自らの力で脱出する筈だったが嘗ての世界では無くこのISの世界に脱出してしまっていたのだった。だがアルゴサクスの生まれ変わりであるオーガスを巧みに操り、自らの復活のための禁断の果実を生み出す血を集めるためにアインヘリアル計画を企て、更に世界中のSEを集めて作った更なる禁断の果実をも取り込んでしまった。
嘗ての自身はおろか、ユリゼンをも超える力を手に入れたムンドゥスはまず火影と海之を亡き者にした後に人間を絶滅させると断言。それを聞いた火影は自らのスパーダの魂に刻まれし定めに従い、ムンドゥスに挑む。今度こそケリをつけるために…。


Mission216 ラストバトル①魔帝ムンドゥス

宇宙に姿を変えた「火焔天」。そこで白く光り輝く悪魔と赤く輝く黒き魔人が対峙する。

 

 

ムンドゥス

「余は偉大なる魔の絶対たる支配者…魔帝ムンドゥス…。裏切者スパーダの魂を継ぐ者よ。その罪を死をもって浄化するがいい!」

火影

「父スパーダそして嘗ての俺ダンテの名のもとに、今度こそ貴様に死を!」ジャキッ!ギュオォォォォォォォ!!

 

カリーナⅢにエネルギーをチャージする火影。

 

火影

「メインイベントを始めるか!正真正銘、てめぇとの最後のケンカをな!!」

 

ズドォォォォォ!!……ドガァァァァァン!!!

 

カリーナから放たれた一撃はそのままムンドゥスに直撃した。……しかし、

 

ムンドゥス

「……」

 

爆煙の中、光り輝くフィールドを張ったムンドゥスがそこにいた。どうやら無傷の様だ。

 

火影

「……」ドォンッ!

 

火影は黙ったままのムンドゥスに向かって行く。

 

ガキン!ガキキキン!キィン!

 

そのまま魔剣ダンテで続けざまに斬りかかるがそれも全てムンドゥスを覆う様に展開する結界で弾かれる。

 

火影

「硬さだけは上がってやがるな」

 

ヴゥゥゥゥンッ!ズドドドドドドドド!!

 

するとムンドゥスが周囲に光弾を集め、そこから無数の小さい光が火影に向かう。

 

ゴォォォォォォ!ズガガガガガガ!!

 

火影はやや距離を取り、アグニ&ルドラを回転させて生み出す炎の竜巻によってそれを蒸発させる。

 

ズドドドドドドドド!

 

防いだ後にアルバを連射すれば、

 

シュバババババ!ズガガガガガ!!

 

ムンドゥスが手から赤いカッター状の光を出して銃弾を粉々に斬り刻む。

 

ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!

 

反撃として巨大な岩石の嵐を降らせれば、

 

ゴォォォォォォッ!ドガガガガガ!!

 

火影はバルログを出し、ファイアストームによる火炎蹴りでそれを次々と破壊していく。

 

ギュオォォッ!!ズドォォォォン!!

 

そのまま火影は特大のメテオを撃つ。

 

バシュゥゥゥゥゥゥ!!

 

だがそれは先ほどのカリーナと同じくやはりかき消された。互いに決定打が無いそんな一進一退の攻防が暫し続いた所で、

 

火影

「…どうも盛り上がらねぇなぁ。御大層な変身しておいて確かにパワーは上がっちゃいるが前の技ばっかかよ。せめて少しは動いたらどうだ?まさかビビッてんのか?」

 

火影は戦い始めてから撃ってばかりで動こうとしないムンドゥスに挑発気味に話しかける。そんな火影に対しムンドゥスは、

 

ムンドゥス

「……何故今の貴様にその必要が?貴様こそ遊んでいるのだろう」

火影

「…まぁな。ウォーミングアップってやつだ」

(…つってもこれだけの攻撃浴びせて無傷ってのはな)

 

火影は内心、動かないまま自分の攻撃を全て対処してその上無傷である事に少し驚きもしていた。

 

ムンドゥス

「悪魔ならばいざ知らず、人間としての貴様等なんら脅威では無い。それ程の事を言うのであれば出し惜しみ等せず向かってくるのだな」

火影

「それはいいんだがあれって結構痛ぇんだよな~。あんま無暗に使いたくねぇのが本音なんでね」

ムンドゥス

「…そうか」ギュオォォォォォォォ!!

 

そう言うとムンドゥスは手に巨大な光が生み出す。するとそこから、

 

 

魔龍

「……ゴアァァァァァァァァ!!」

 

 

巨大な黒き龍が咆哮を上げながら出現した。これも以前使っていた技である。

 

ムンドゥス

「ではただ死ね」

魔龍

「グオォォォォォォォ!!」ドォン!!

 

そう言うと黒き龍は真っすぐ火影に向かってくる。

 

火影

「それも昔とうに見たぜ!」ゴォォォォォ!!

 

火影はバルログを構える。しかし、

 

魔龍

「ゴアアアアアア!!」ドォォォンッ!!

火影

「! ちっ!」シュンッ!

 

寸前に迫った龍の口から巨大な火炎弾が撃たれた。突然の攻撃にやむなくエアトリックで避ける。

 

火影

「ひゅ~」

ムンドゥス

「遅い」

火影

「!!」

 

エアトリックで逃げた火影の後ろに…攻撃態勢に入っていたムンドゥスがいた。

 

ムンドゥス

「望み通り動いてやったぞ」

 

ドゴォォォォォッ!!

 

拳の突きを背中からもろに受けてしまい、吹き飛ぶ火影。

 

火影

「ぐああ!!…ぐっ!」

ムンドゥス

「どうした?」ヴゥン!!

火影

「!!」

 

再び瞬間移動で火影の後ろにいたムンドゥスはそのまま拳を振り下ろしてくる。

 

火影

「なぁめんなぁぁぁ!!」ヴゥン!!

 

 

ドゴォォォォォォ!!…ガガガガガ!!

 

 

火影も振り向きざまにバルログ纏う拳をぶつける。互いの拳が激しくぶつかる。…しかし、

 

ドォォォォォォォンッ!!

 

火影

「ぐわああ!」

 

火影はムンドゥスのパワーに押し負けてしまった。

 

ヴゥンッ!

 

魔龍

「ガアアアアアア!!」ドォォォォォン!!

火影

「ぐあ!!」

 

吹き飛ばされた火影に先ほどの魔龍が転移の穴から出現し、体当りを仕掛けてきた。その一撃で更に吹き飛ぶ火影。魔龍はムンドゥスの下に戻る。

 

火影

「くっ…てめぇもできやがんのか」

ムンドゥス

「貴様にできる事が余に出来ぬ訳がないだろう。この世の全てのSEを手にした今の余は最早人界を既に手にしたと言っても過言ではないのだ」

火影

「へっ、その割には単なる人間の俺を潰すのに時間かかってる様じゃねぇか」

ムンドゥス

「そう簡単に終わらせてはつまらんからな」

 

するとムンドゥスは続けてある事を言い出す。

 

ムンドゥス

「……ふむ。再会の祝い代わりにもうひとつ良いことを聞かせてやろう」

ダンテ

「言っとくが祝いのキスなら勘弁してほしいんだが?」

ムンドゥス

「フハハハハ、果たしてどこまで強がっていられるかな?…ダンテ、貴様とバージルにはこの世界での、死んだ父と母がいただろう」

火影

「……何!?」

 

火影は驚く。父と母の事を何故ムンドゥスが、そして「いた」という言葉から察するに何故過去の人間だと知っているのか?

 

ムンドゥス

「ふっふっふ、貴様らはその死があの人間の女(スコール)の自爆によるものと思っているかもしれんが…真実はそうではない。あれはアルゴサクスの手によるものだ」

火影

「!!」

ムンドゥス

「あの時、奴も同じ場所にいたのだ。あの人間も知らぬがな。そして余が貸し与えた力によって動力炉を破壊した。爆発寸前に自らは転移で脱出してな」

火影

「……何…だと」

 

衝撃の真実に言葉を失う火影。あの事件の被害者、自分達の両親、そして一夏の父、それらの命を奪ったのはスコールではなく、ムンドゥスとオーガスであったのだ。

 

火影

「……」

 

ショックを受けているのか俯き気味になる火影。

 

ムンドゥス

「…戦意喪失か?ならばこのまま食われるがいい」

魔龍

「ゴアアアアアア!!」ドォン!!

 

魔龍は何も言わぬ火影に向かって行く…。すると、

 

 

…ドクンッ!!

 

 

ムンドゥス

「……!」

 

突如感じる巨大な魔力。そして、

 

 

「アクマニカエレ」

 

 

シュバァァァァァァァァァァ!!

 

 

魔龍

「!!」

 

突然火影から発せられた光。魔龍は一瞬怯む。

 

…ザシュ!!

 

魔龍

「!! グオォォォォォ…」

 

そして気が付いた時、魔龍の身体は真っ二つにされていた。痛みの唸り声を上げながら消えていく…。

 

火影

「……」

 

そこには「悪魔還り」によって自身の力を取り戻した火影がいた。魔力を放出し、バイザーが壊れて禍々しい悪魔の顔が浮かぶ。

 

ムンドゥス

「……」ヴゥヴゥヴゥヴゥン!!

 

ムンドゥスの光の弾から生み出された針が火影に向かう。

 

 

カッ!!ギュンッ!!

 

 

しかしそれは火影の目が光るとまるで捻じ曲げられたかのように別の方向に飛んでいってしまった。続けての攻撃も同じく。そして攻撃が止むと火影はその目でムンドゥスを睨みつける。

 

火影

「……いつまでも調子に乗るなって言った筈だ」

ムンドゥス

「……ふっふっふ。何もかも昔のままだ。だが最早恐怖は感じんぞ。あの時のスパーダの様にな」

火影

「…何?」

ムンドゥス

「知らぬのか?奴は余の復活を察し、再度封印を試みようとした様だが…自らの力を貴様らに託していたためにそれは叶わなかった。だから逆に亜空間に放り込んでやったのだ」

火影

「!」

ムンドゥス

「次元の中で消滅したか、運が良くてもどこか別の空間に投げ出されているか、最も自分が何者かも忘れているだろうがな。フハハハハハ」

火影

「……」

 

嘗てダンテやバージルがまだ幼かった頃に父スパーダは姿を消した。自分とバージルに魔剣を、母にはアミュレットを託して。あの時は何故姿を消したのか分からなかったが…父は自分達のために再び戦おうとしていた。力を失ってでも。

 

火影

「つまりてめぇは二度も俺らから…両親共奪ったって訳だな」

ムンドゥス

「恨むのならばその様な運命をもたらしたスパーダに」

 

キィィィィィィン!!!

 

言い切る前に火影がムンドゥスに斬りかかった。しかし結界に弾かれる。

 

ムンドゥス

「…流石だ。一瞬見失ったわ」

火影

「……俺は今まで星の数ほどのムカつく野郎や悪党に会った。だがその名前は殆ど覚えちゃいねぇ。どうせ二度と会わねぇし、悪魔なら会った瞬間にぶっ殺すから猶更な。…だがてめぇの名だけは忘れたくても忘れられなかった…」

ムンドゥス

「それは光栄だ」

 

ガキキキキキキキキキ!!

 

ミラージュソードも出し、続けざまに斬りかかる火影。

 

火影

「てめぇだけは容赦しねぇ…!俺の命懸けてもぶっ倒す!」

ムンドゥス

「その激しい怒り、嫌いではないぞ」

火影

黙れ(Silent)!!」ガキィィィィンッ!!

ムンドゥス

「貴様の取り戻した力とやら、この目でしかと見せてもらおう」

火影

「上等だ!」

 

ドガァァァァァァァァンッ!!

 

ジャッジメントの爆発を巻き込ませるがそれでもシールドは破れない。

 

ズドドドドドドドドン!!

ガキキキキキキキキン!!

ズガガガガガガガガン!!

ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!

 

ムンドゥスの赤い光の矢に火影のザ・ルーチェが、光弾にはジ・オンブラがそれぞれ一弾も余らず対応する。

 

ムンドゥス

「この攻撃も全て消し去るとはな…」

火影

「まどろっこしい事ばっかやってねぇでてめぇも何か見せたらどうなんだ!」

ムンドゥス

「ふっふっふ…」

 

だがムンドゥスは笑っているだけ。

 

火影

「…そうか。なら」ジャキッ!ヴゥヴゥヴゥンッ!!

 

火影はミラージュソードを自らの周囲に展開し、纏う。

 

火影

「もう何も言わねぇ。さっさと終わらせてやる」ドォンッ!!!

 

そして魔剣ダンテを前に出し、飛んでくるムンドゥスの攻撃も蹴散らしながら、超スピードの真スティンガーでムンドゥス目掛けて突撃した。ムンドゥスは動かない。

 

火影

終わりだ(ビンゴ)!!」

 

決め台詞を言いながら真っすぐに突進する火影。……すると、

 

 

ズガンッ!!

 

 

火影

「ぐあ!!」

 

火影の身体に異変が起こった。突然自分の肩に貫かれた様な痛み。火影は思わず後退する。

 

火影

「…何だ」ドンッ!「ぐっ!!」

 

今度は足元が同じく貫かれた様な痛みがあった。向こうの攻撃かと不審がる火影だったが…ムンドゥスは動いていなかった。

 

火影

「奴は動いてない…?一体」ドンッ!「!!」

 

再び身体に走る痛み。やはりムンドゥスは動いていない。しかし何かが火影に襲い掛かっているのは間違いなかった。

 

火影

(ラグタイムみてえなもんか?いやそんな気配は…)

 

ズドドドドドドドドドド!!

 

その時ムンドゥスから更なる光弾が迫る。火影もザ・ルーチェを撃つが、

 

 

ギュギュギュギュン!!

 

 

火影

「!!」ドゥン!

 

不思議な事が起こった。光弾の一発一発がまるで意志あるかの様にぶつかろうとしていたザ・ルーチェの弾をギリギリで躱し、別の軌道を描いて火影に向かって行った。火影はブリンク・イグニッションで躱すがそれにも対応して全弾が向かってくる。

 

火影

「ちっ!」ズガンッ!「くっ!」ギュギュギュギュン!「!!」

 

謎の攻撃で一瞬怯む火影に、

 

ドガァァァァァァァァァァン!!

 

飛んできた光弾は全て命中し、巨大な爆発を起こした……。

 

ムンドゥス

「…ふ、やった…」

 

……バシュゥゥゥゥゥ!!

 

すると火影を覆っていた煙が一気に吹き飛ばされた。

 

火影

「ハァ…ハァ…」

 

ギリギリ真インフェルノによる爆発で相殺し、火影へのダメージは大したものにはならなかった。

 

ムンドゥス

「訳が無いか…。そうだ、そうでなくては面白くない」

 

相変わらず笑うムンドゥス。…だが今の一連の中で火影はある事に気付いていた。

 

火影

「……成程な。あの妙な攻撃のからくりが読めた」

 

火影は肩や足に起こった貫かれた様な傷と痛みに気付いた。

 

火影

「あの攻撃がある時…うっすらだが見えたぜ。あの瞬間、てめぇの手が俺の方に向けて少し動いていやがったのを。そしてその指から…糸みてぇに細い光が出ていたのをな」

ムンドゥス

「……」

火影

「俺を貫いてたのはその光なんだろ?気付かねぇ様にこそこそ小細工じみた攻撃しやがって…」

 

 

……ヴゥーーン…

 

 

すると火影の言う通り、ムンドゥスの人差し指の先から細い光が現れた。宇宙空間の様な周囲の中でその光はうっすら輝き、真っすぐに伸びている。

 

ムンドゥス

「ふっふっふ、あの一瞬でよくぞ見抜いた」

火影

「漸くお披露目か。だが見えてしまったんならもう小細工はきかねぇぞ」

ムンドゥス

「…これを見てもそう言えるかな?」

火影

「何……!」

 

 

ヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥン!!

 

 

すると人差し指だけでなくムンドゥスの手の指先一本一本から光が出現した。計10本の光の線。

 

ムンドゥス

「さて…では貴様の望み通りそろそろ終わらせるとしようか」

火影

「そいつはありがてぇ事だな」ジャキッ!「でやぁぁ!」ドォンッ!!

 

ガキキキキン!!キィィン!!ガン!!ガキキ!!

 

火影に襲い掛かる光の糸。それはムンドゥスの指に合わせて自在に動き、剣の如く振り下ろされてきたり、槍の如く突いて襲い掛かってくる。だが火影も魔剣ダンテとミラージュソードフォーメーションによる攻守一体の攻撃で対抗する。どうやら光の糸は剣で弾いたりすることは出来る様だ。

 

ムンドゥス

「フハハハハハ!こうして別の世界で余と貴様が剣を交える等想像もしていなかったぞ。楽しくないかダンテ!」

火影

「俺は全然だ!それに」ズバァァンッ!

 

光を弾きながら火影は、

 

火影

「そんならせめてバージル位剣上手くなってくるんだな!隙だらけだぜ!」ヴゥンッ!

 

真後ろから一気に斬りかかる。しかし、

 

ムンドゥス

「勝つつもり?…違うな、殺すつもりだ」

 

 

シュンッ!!

 

 

火影

「!!」

 

火影の剣が届く直前、ムンドゥスが目の前で消えてしまった。瞬間移動かと思い周囲を見る火影。しかし、

 

火影

「…消えやがった…!?」

 

ムンドゥスの姿は無かった。瞬間移動やエアトリックならば別の場所に現れる筈。しかし見る限りどこにもいない。そればかりか魔力も感じない。

 

火影

「野郎どこに隠れてやが」ドォォォォン!!「ぐっ!…くっ!何!?」

 

突然襲い掛かる攻撃。しかし…どこにも相変わらず姿はない。

 

火影

「これは…まさか…!」

 

ズドドドドドドドドド!!

 

降ってくる光弾。火影はその気配を察し、急速回避する。

 

火影

「そこか!」ズドォォォォン!!

 

火影は攻撃が飛んできた方向に向けてザ・ルーチェを撃つ。すると

 

 

ヴゥゥゥン…ゴォォォォォォォ…

 

 

何も無い空間に突如ムンドゥスの姿が出現し、火影の撃ったザ・ルーチェが次元の穴らしきものに飲み込まれた。

 

ムンドゥス

「ほう…よくぞ避けた」

火影

「姿も魔力も何もかも消すって訳か…。本当に隠れんのが好きな野郎だぜ。かくれんぼなら王様になれんじゃねぇか?」

ムンドゥス

「フハハハハ、それは面白そうだ。……だがまた油断したな」

火影

「何…?」ドガァァァン!!「ぐああ!!」

 

火影のすぐ真後ろから突然の攻撃。それによって火影は態勢を崩してしまう。

 

火影

「ぐっ…な、何だ……!!」

 

気が付くと…すぐ目の前にムンドゥスが光の剣で既に攻撃態勢に入っていた。

 

ムンドゥス

「終わりだ…」ヴゥン!!

 

咄嗟に応戦できない火影にムンドゥスは指を下ろす。……とその時、

 

 

ガキィィィィィィン!!

 

 

火影・ムンドゥス

「「!!」」

 

ふたつの間に割って入るものがあった。それは…

 

 

海之

「何をやっている火影!」

 

 

青く輝く黒き魔人。ムンドゥスの光の剣を伊邪薙で受け止め、悪魔還りを起動した海之だった。

 

火影

「海之!」

ムンドゥス

「貴様…バージルか」

海之

「…やはり貴様だったか。…久しぶりだな、旧き時代の亡者よ」

ムンドゥス

「悪魔として生きる事を選びながら弟にも余にも敗れ、今更正義の味方を気取るか?つくづく失望したぞ」

海之

「貴様の方こそ随分と無駄口が多くなったものだ。それに…」

 

ガキィィィィン!!

 

海之

「貴様の希望に叶おうとした覚えはない」

 

海之に弾かれたムンドゥスは距離を取り、その間に火影は態勢を立て直す。

 

火影

「ったく遅いぜ」

海之

「助けてもらっておいて第一声がそれか。礼のひとつ位は言ってもいい所だ」

火影

「へいへい、助かりましたよと。どうやらお前も力と刀を取り戻した様だな。それで、久々に悪魔に戻ったご感想は?」

海之

「なんの感慨も無い」

火影

「相変わらずだねぇ」

海之

「そんな事よりも簡単に説明しろ。奴が現れた経緯を…」

 

 

…………

 

火影は海之にこの数分で起こった事態を簡単に説明した。ムンドゥスがオーガスの身体の中に潜んでいた事。アインヘリアル計画の真実の事。奴の目的の事。そして父と母の事…。

 

海之

「禁断の果実…。そして奴が父と母を…」

火影

「…らしいぜ」

ムンドゥス

「ふっふっふ…親がほしいならば幾らでも創造してやるぞ。あの時の様に」

 

ガキィィィィン!!

 

海之の次元斬が飛ぶ。しかしこれも弾かれる。

 

海之

「黙れ。……新たな魔界か。自らの野望を叶えられなかった恨みを嘗ての世界よりも弱い世界で成し遂げよう等、覇者を名乗る者のやる事ではないな」

ムンドゥス

「弱き者を踏みつぶして何が悪い?弱肉強食、それが悪魔の全てだろう?貴様も良く分かっているのではないのかバージル」

火影

「昔のコイツならな。でもコイツも学んだって事だ。てめぇも少しは学んだらどうだ?」

海之

「その必要はないだろう。ここで死ぬのだからな。この塔を…貴様の墓標にしてやる」

ムンドゥス

「無駄だ。例え貴様らが揃おうとも余には勝てぬ」

火影

「大抵の奴はそう言いながら死んでったぜ?てめぇもそうだったじゃねぇか」

 

そして火影と海之は並んで立つ。あの時の様に。

 

海之

「時間が惜しい。さっさと片付けるぞ」

火影

「へいへい。…てか今のこの光景見たら親父はどう思うかね?」

海之

「知るか…。前にも言った通りそんな事は死んだ後で本人に聞いてみろ」

火影

「……はっ!」

 

ガキンッ!!

 

火影

「確かにそうだな!」ドゥンッ!

海之

「でやぁぁぁぁぁ!」ドゥンッ!

 

そして火影と海之はムンドゥスに攻撃を仕掛ける。ムンドゥスは10本の光輝く糸を開放し、それを縦横無尽に操ってふたりに斬りかかる。

 

ガキンッ!キィィィン!ガキキキキキ!

 

……しかし火影と海之はムンドゥスを挟み込む様に攻め立てる。それにより先ほどの火影に対し10本と違いひとり5本の光で対応するため、徐々に迫られる。剣術ならば火影の言う通りふたりの方が上なのだ。更に、

 

ムンドゥス

「…ほぉ、先ほどよりも動きが良くなっている。何が貴様らを強くした?」

火影

「俺の中の魂が叫んでんのさ…。てめぇを止めろってな!」

海之

「そして俺の魂がこう言っている、貴様を滅ぼすための力を!」

ムンドゥス

「こざかしい!」ヴゥン!

 

するとムンドゥスが再度姿を消す。影も形も。ISのセンサーにも魔力も感じない。

 

海之

「魔力も感じない様だな……!」

 

ズドドドドドドド!!

 

何も無い空間から再びの攻撃。火影と海之はそこに自分達の攻撃を撃つが…先程と違い手ごたえが無かった。

 

火影

「ちっ、ホントかくれんぼが上手い野郎だぜ」

海之

「落ち着け。……」

 

バッ!ズドドドドドドドドドドッ!!

ヴゥン!バリバリバリバリバリバリ!!

 

そう言いながら海之は自分達の周囲に全方位五月雨幻影剣、そしてナイトメアVを召喚し、雷撃の雨を降らせる。すると、

 

………キンッ

 

海之

「そこだ!」ズドドドドド!!

 

ガキキキキキキン!!

 

続いて透かさず音がした方向に烈風幻影剣を撃つ。すると何かに反射する音と共にそこからムンドゥスの姿がぼんやり現れた。

 

海之

「やはり、如何に姿魔力隠そうとも実体が消える訳ではないという事だな」

ムンドゥス

「流石はバージルだ。ダンテよりも理解力はいい様だな」

海之

「この世界では知恵者で通っているのでな。…そして」

 

ヴゥンッ!ガキキン!!

 

ナイトメアV

「……」

ムンドゥス

「ナイトメア…。やはり失敗作だったか」

海之

「貴様に操る資格が無かっただけだ」

 

シュンッ!!

 

その時ムンドゥスのすぐ後ろに火影がエアトリックで現れた。海之に気を取られたムンドゥスは一瞬反応が遅れる。

 

ムンドゥス

「!」

火影

「言ったろ!隙だらけだってよ!」

 

 

ドゴォォォォォォォォォ!!

 

 

渾身の真インフェルノの一撃をムンドゥスのシールドに撃ち込む火影。そして、

 

 

ガガガガガガガ…バリィィィィィィン!!

 

 

ムンドゥスを覆っていたシールドが壊れた。

 

ムンドゥス

「何!」

海之

「おぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

ザシュゥゥゥゥゥ!!

 

 

シールドが砕けた一瞬、海之の伊邪薙と幻影刀による疾走居合の一閃がムンドゥスの腕を断ち切った。

 

火影

「でやぁぁぁぁぁ!」ヴゥンッ!

ムンドゥス

「ちぃっ!」シュンッ!

 

透かさず火影が追撃。しかし間一髪ムンドゥスは瞬間移動で避け、その後ムンドゥスの斬られた腕が再生する。

 

火影

「やっぱコアを潰さねぇと駄目か…。だがてめぇのシールドも無限でない事はわかったな。それがわかっただけでも十分だ」

海之

「貴様の掃溜めにも劣る野望もこれまでだ」

ムンドゥス

「……」

 

黙ったままのムンドゥスに剣を向ける火影と海之。

 

ムンドゥス

「………フ」

 

すると、

 

ムンドゥス

「フフフ…フハハハハハハ!ハハハハハハハハ!!」

火影・海之

「「……」」

 

ムンドゥスが無い口で大笑いした。本当に面白そうに。これ程の笑いは前世でも聞いた事が無い。

 

ムンドゥス

「全く大したものだ…。流石はダンテとバージル、あのスパーダの息子…。貴様らの力、見誤っておったと認めざるをえんな」

火影

「白旗でも上げるか?」

ムンドゥス

「…だが、貴様らは余の力を理解しておらん様だ」

海之

「…何?」

 

 

パァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

 

 

火影

「! くっ!」

海之

「!」

 

突然ムンドゥスの赤い目が一際激しく輝いた。それは今までのどんな光よりも強烈でふたりも一瞬目を閉じてしまう程だった。……だが何も痛みらしきものはない。やがて光が収まりふたりは目を開けた。

 

火影

「なんだ今のは………!!」

海之

「!?」

 

そして驚いた。自らの身体が…悪魔の身体では無く、通常のIS状態に戻っている。ふたりは直ぐに「悪魔還り」を再び起動しようとするが目の前にムンドゥスがいるというのに「悪魔還り」はまるで封印されているかの様になんの反応も示さなかった…。

 

火影

「…起動しねぇだと!」

海之

「…今の光か!」

ムンドゥス

「ふっふっふ…その通り。余の邪眼の光を受けた者は永久ではないが暫しの間あらゆる技を使えなくなる。貴様らスパーダより生み出た力には通用せんが」

火影

「ちっ!」

海之

「だが俺達の力は……!」

ムンドゥス

「貴様らが戦いの中で余の動きを見ていたのと同じく、余も貴様らの戦いを見ていた。そして気付いた。如何に力を取り戻そうとも、それは全て貴様らが使う「悪魔還り」とやらがあってこそのもの。それが使えなければ最早貴様らは只の人間。最早余に傷ひとつ付ける事もできぬわ!」

火影

「クソ!どこまでも姑息な手を使いやがる!」

海之

「…見くびられたものだ。貴様を倒すのに過剰な武器等不要。伊邪薙があればいい」

ムンドゥス

「ふっふっふ、それは楽しみだな!」ズドドドドドドドド!!

 

ムンドゥスから飛んでくる光の矢。ふたりは二手に分かれて避けようとする。しかし、

 

火影

「!瞬時加速(イグニッション・ブースト)も駄目か!」

海之

明滅瞬時加速(ブリンク・イグニッション)もだ!自分でなんとかするしかない!」

ムンドゥス

「どうした?さっさとかかってくるがいい」

火影

「ちっ!マジムカつくぜ!」

海之

「近づけさえすれば…!」

 

ドドドドドドドッ!!

 

ムンドゥスの攻撃に多少被弾しながらも再生能力が死んでいないのが幸いしつつ、ふたりは反撃の機会を伺うが飛ぶ事はできるもののエアトリックや瞬時加速も封じられ、近づけない。

 

ムンドゥス

「……では、願いを叶えてやろう」

 

……するとムンドゥスは突然一切の攻撃を止めた。

 

火影

「…?なんのつもりだてめぇ」

ムンドゥス

「近づきたいのだろう?余は丸腰だ。さぁ斬りかかってみろ」

 

言葉の通り一見丸腰の様に見える。あからさまに罠にも思えるがふたりは、

 

火影

「…へっ、どんなつもりか知らねぇが、あえててめぇの口車に乗ってやろうじゃねぇか」

海之

「貴様のその過信。その紛い物の身体ごと断ち切る!」

 

自らの剣を向け、

 

火影・海之

「「はああああああああ!!」」ドゥンッ!!

 

ムンドゥス目掛け突進した。幻影剣やミラージュソードは使えない。ふたりは全速且つ渾身の力をもってスティンガーを仕掛ける。

 

火影

パーティは御開きだぜ(GAMEOVER!)!」

海之

「…終わりだ(DIE!)!」

 

ふたりの剣がムンドゥスに迫る。

 

ムンドゥス

「……ふ」

 

 

ヴゥンッ!ガキキキキキキキキキキンッ!!

 

 

火影・海之

「「!!」」

 

…しかし無情にも剣は届かなかった。突然ムンドゥスを覆い隠す様に黒い球体が現れ、それによってふたりの全力の剣が弾かれていた。

 

 

……ドガアァァァァァァァァン!!

 

 

火影・海之

「「ぐあああああああ!」」

 

更にその球体が爆発を起こし、ふたりはその爆風をまともに受けてしまった。

 

 

ガシッ!!ガシッ!!

 

 

火影

「ぐっ!」

海之

「!」

 

更に更に自分達の身体が全く動かせなくなった。何らかの念力の様なものだろうか。

 

ムンドゥス

「フハハハハ!どうやら貴様らの思惑は外れた様だな」

火影

「ちぃ!」

海之

「くっ…馬鹿な…!」

 

ふたりはもがくがまるで動けない。

 

ムンドゥス

「無駄だ…。如何に貴様らとはいえ悪魔の力を封じられた今は全くの無力…。ましてや貴様らは是迄の戦いで力を消耗している」

 

 

ヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥンッ!!!

 

 

ムンドゥスの周囲に無数の針状の光弾や白き光弾が展開する。その全てが動けない火影と海之に向けられる。

 

ムンドゥス

「つまり…今が貴様らを同時に葬る、またとない機会!」

火影

「けっ!俺達がそう簡単にくたばると思ってんのか!」

海之

「言った筈だ。貴様は…俺が殺すとな!」

ムンドゥス

「ふっふっふ…貴様らのその戯言ももう終わりだ。…とうとうこの時が来た。スパーダの頃から続く因果が終わる。如何に貴様らとはいえ、王に戦いを挑むべきでは無かったのだ!」

 

そして、

 

ムンドゥス

「死ね!ダンテ!バージル!その身に宿す憎きスパーダの魂と共にな!!」

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドド……!!!

 

 

火影・海之

「「!!」」

 

 

ドガガガガガガガガガガガガガガ……!!!

 

 

ムンドゥスが展開した光が一斉にふたりに向かい、激しい連鎖爆発を起こした。ひとつひとつが全て終わる迄続いているその攻撃は如何に強力なシールドがあっても再生能力があってもここまでの連続的な攻撃を受ければ回復が追い付かない事は誰の目にも予想できた。

 

 

ドドドドドドドドド………

 

 

やがてムンドゥスの撃った攻撃が全て止み、火影と海之のいた辺りが爆煙に包まれる…。

 

ムンドゥス

「………………………!」

 

 

シュバァァァァァァァァァァ!!

 

 

すると突然、その煙の中から…金色の光の筋が貫いた。それが徐々に煙を晴らしていく…。

 

「ふ~~あぶねぇあぶねぇ」

火影

「…お、お前!」

海之

「!」

 

火影と海之は生きていた。ふたりの前に金色の壁が張られ、攻撃を防いでいたのだ。壁を張ったのは…、

 

 

一夏

「もう、足手まといとは言わせねぇぜ…!」




コンビネーションで魔帝ムンドゥスを追い詰めたと思われた火影と海之。しかし魔帝はふたりの悪魔の力を封じ込めてしまった。戦闘力を大きく下げられ、逆に追い詰められる火影と海之。最早これまでと思ったその時、魔帝の攻撃からふたりを守るために彼、そして彼女らも駆け付ける。


Nextmission……「ムンドゥスVSインフィニット・ストラトス」


彼らもまた戦う。この世界に生きる者として。


※次回は来月4日の予定です。
残りラストバトルの数話は後書きに次回予告を書いていきます。本当は作品最初からやりたかったのですがストーリーがまだ不確定でできませんでした。もし良ければ最後までご覧ください。
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