IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
…しかしムンドゥスが放った奇妙な技でふたりは悪魔の力の源である「悪魔還り」を封じられ、新たな技で逆に追い詰められてしまう。
動きまでも封じられた彼らにとどめの一撃を繰り出すムンドゥス。だがその時、火影と海之を守るかのように立ちはだかった者がいた…。
魔帝ムンドゥスの攻撃から火影と海之を守った金色の壁。それは、
一夏
「…もう足手まといじゃねぇぜ」
「極光の盾Aiges」でムンドゥスの攻撃を無力化した一夏だった。
火影
「一夏!」
海之
「何故お前がここにいる!?」
驚くふたりに対し一夏は、
一夏
「へへっ、俺だけじゃねぇぜ」
ズドドドドドドド!!
ズギュン!!ズギュン!!
ズガガガガガガガガ!!
ムンドゥス
「…!」
ドガァァァァァァァァァン!!
すると別の方向からムンドゥスに向かってレーザーや銃弾剣閃が飛んできて命中、爆発した。
海之
「…!」
火影
「まさか今の攻撃は…」
驚く火影と海之の下に更に駆け付けたのは…、
鈴
「火影!」
簪
「海之くん!」
クロエ
「兄さん!」
…勿論彼女達だった。
火影
「お、お前ら!」
刀奈
「ふたり共大丈夫!?」
海之
「刀奈さん!お前達もどうしてここへ!?」
箒
「少々問題があって来るのが遅れてしまった!それよりもふたり共!」
キュイィィィィッ!
箒が火影と海之に触れるとふたりのISのSEが忽ち回復した。「絢爛舞踏」である。
海之
「! お前達のISは使えない筈では…?」
海之の言う通り一夏達のSEはムンドゥスに吸収され、失った筈だった。
セシリア
「私達も驚きましたわ。急にSEが無くなってしまったのですから」
シャル
「でもこれがあったのを思い出したんだ」
そう言ってシャルが出したのは…星形の透明な水晶体。
火影
「…それは…!」
ISバイタルスター
一夏達が電脳世界でトリッシュから渡されていたアイテム。
使用すると失ったSEを一度だけ完全に回復する。本来は失った体力を回復するものだがIS仕様にされた。
一夏
「電脳世界でトリッシュさん達に貰ってたんだよ。困った時に使えって」
火影
「あいつ勝手な事を…」
鈴
「そう言うんじゃないわよ。私達はおかげで助かったんだから」
箒
「ああ。私の絢爛舞踏もベアトリスの回復機能もSEが無くなっては使えんからな」
海之
「……千冬先生はどうした?それから束さんは無事か?」
クロエ
「大丈夫です。束様は今別の場所に。千冬さんが守ってくださっています」
ラウラ
「ああだから大丈夫だ。それより…この景色はどういう訳だ?何故塔の内部が宇宙空間なんだ?」
シャル
「それもなんだけど…」
一夏達の視線は…
ムンドゥス
「……」
上空で浮かぶ白く輝くムンドゥスに行く。先程の攻撃のダメージは無い様だ。
刀奈
「…倒せたとは思っていなかったけど無傷とはね」
一夏
「なんだ…アイツは」
簪
「光っていて綺麗だけど…何か不気味…」
箒
「白騎士?…いや違う」
刀奈
「ええ…あれはそんなもんじゃない。なんというか…とても禍々しい物を感じるわ」
セシリア
「私にもわかります。これはあのマルファスという悪魔…いえそれ以上の恐ろしいもの」
火影
「…! 悪魔って…どういう事だ!?」
鈴
「あの蜘蛛女が使ったデビルトリガーってのでそうなったのよ。かなり強かったわ。なんとか倒せたけど」
一夏
「俺と千冬姉のとこでもボルヴェルクやアビゲイルってのも出たぜ」
海之
「何だと…!」
火影と海之は驚きを隠せない。
クロエ
「それよりも兄さん…アレは一体何なのです?オーガス…とは思えませんが」
火影
「……あいつは俺達の世界、…いやそれだけじゃねぇ。この世界でもある意味元凶といえる存在、…ムンドゥスだ」
一夏
「な、何だって!!」
鈴
「ムンドゥスって…確かアンタ達のお父さんが戦ったっていうあの悪魔でしょう!」
箒
「どういう事だ!何故その悪魔がここにいる!奴は火影、お前が倒したんじゃないのか!?」
火影
「ああ…確かに倒した。だが殺せた訳じゃなかった。奴を次元の牢獄に封印するのがやっとだった」
シャル
「でもそれが…なんで僕達の世界に!?」
火影
「……時間がねぇから簡単に言うぞ。奴は今から19年前にこの世界にやって来た。次元の壁をこじ開けてな。そしてオーガスと接触し、アインヘリアル計画を起こした。…自分を復活させるためにな」
一夏
「…!!」
箒
「な、何だって!?」
セシリア
「アインヘリアル計画があれを、ムンドゥスを蘇らせるために計画されたものだったというのですか!?」
火影
「…ああ。そのために奴は禁断の果実を生み出す事を考えた」
簪
「禁断の果実って…それ!」
刀奈
「嘗ての海之くんが生み出したというアレの事ね…」
海之
「…そうです。そしてそれを生み出すために必要なのは…人間の血」
クロエ
「! そ、それではまさか!」
一夏達の頭に最悪の考えが浮かぶ。
火影
「…ご想像の通りだ。奴とオーガスはそれを生み出すためここに人間を集めた。最強の兵士なんかじゃ無く、くそめいた実を作り出すの血を絞り出す材料としてな…」
ラウラ
「何…だと…!」
シャル
「それじゃまるで生贄じゃないか!」
火影
「まるでも何もその通りさ…。ここで死んだ人間は…あの野郎への餌同然だったんだよ。お偉いさん達は知る筈もねぇがな」
一夏
「……」
鈴
「でもどうしてオーガスを裏切ったの?仲間じゃないの?」
海之
「奴にそんなものはいない。そもそも奴はオーガスとは目的は違うからな」
簪
「…え、どういう事?」
ムンドゥス
「……ダンテとバージルに与する、この世界の穢れし人間共…」
すると当の本人であるムンドゥスが口を開く。
シャル
「しゃ、喋った…!」
箒
「ムンドゥス…。魔界の王か…!」
ムンドゥス
「…如何にも…。我が名はムンドゥス。聖地たる魔界を治めし唯一絶対なる者であり…新たなる魔界を創り上げる神である…」
簪
「神様…?」
刀奈
「神ですって?邪神の間違いじゃないの?」
ムンドゥス
「感謝しているぞ。貴様ら人間のおかげで、余はこの世に復活を果たす事ができたのだからな。そして光栄に思い誇るがいい。死ぬ前に王と対面できた事をな」
ラウラ
「黙れ!誰が貴様を王などと認めるものか!」
一夏
「ああ!それに誰がてめぇなんかに殺されてたまるかよ!」
一夏達は憤慨する。するとムンドゥスも白式・駆黎弩を纏う一夏を見て、
ムンドゥス
「……ふっふっふ、アルゴサクスが作った力の恩恵を受けた人間か。その怒りにその姿…まるで悪魔だな」
箒
「貴様!ふざけるな!」
セシリア
「一夏さんは悪魔ではありません!立派な人間ですわ!」
ムンドゥス
「フハハハハハ!…そうだな、所詮穢れた人間が我ら悪魔に匹敵する筈がない。失礼だった」
鈴
「随分言ってくれるじゃないの!私達の何処が穢れてるってのよ!」
ムンドゥス
「何度もアルゴサクスが言っていた筈だ。そしてこのラ・ディヴィナ・コメディアでもな。貴様達人間が過去に世界で、そしてここで行った事を忘れたか?」
簪
「それは…間違っていないかもしれない。でもここでの事は貴方やオーガスが皆を騙したからでしょう!」
ムンドゥス
「アルゴサクスは伝えたのみだ。理由はどうであろうとそれを叶えたのは他でもない貴様ら人間共。己の罪を差し置くのも人間の業だな」
シャル
「でもお前がいなければあんな事は!」
ムンドゥス
「そういう事は余を倒しきれなかったダンテやバージルにこそ言うのだな。奴らが余を殺していればあの様な事は起こらなかったかもしれんぞ?ふっふっふ…」
火影・海之
「「……」」
刀奈
「それはお門違いというものよ?ふたりは何も間違っていないわ!」
クロエ
「自らの過去の過ちを認めずに他者に責任を押し付けるなど、神を名乗る者のやり方ではありませんね!」
一夏
「火影と海之は悪魔の手から人々を守るために何度も戦ってきた!そして今度はこの世界を守ろうとしてんだ!ふたりを馬鹿にする奴がいたら俺達が許さねぇ!」
他の皆もそれに同意する。だがそんな彼らの言葉に当然耳を貸す気もないムンドゥスは続けて言い放つ。
ムンドゥス
「貴様らの意見などどうでもいい。ダンテとバージルに与する穢れし人間共よ。余の目的は貴様ら等ではない。奴らの命を余に差し出せ。そうすれば貴様らの命は他の人間共より少し先に延ばしてやろう。ほんの少しだがな。フハハハハ!」
鈴
「他の人間って…!?」
火影
「…言葉の通りさ。奴はこの人界の人間、そして魔界にいる悪魔共を皆殺しにするつもりだ。そして自分が生み出した悪魔共で支配する」
全員
「「「!!」」」
ムンドゥス
「喜べ。余が創り上げる新たな魔界の礎となれる事をな」
そう言うムンドゥスに対し、一夏は雪片を向ける。
一夏
「…ふっざけんな!てめぇの思い通りにはさせねぇ!」
箒
「その通りだ!誰ひとり殺させはしない!」
刀奈
「皆いいわね!こいつだけは絶対に外に出してはダメよ!」
セシリア
「ええわかっていますわ!」
鈴
「誰がアンタなんかにふたりを渡すもんですか!」
簪
「海之くんと火影くんは…本音達は私達が死なせない!」
他の皆も当然そうはっきりと拒絶した。
火影
「お前ら…」
ムンドゥス
「余に向かってくるのか?ダンテでもバージルでもなく貴様らの様な幼体が?アルゴサクスが生み出した人形相手にさえ叶わなかった貴様らが?」
シャル
「それでも火影と海之だけには背負わせない!」
ラウラ
「ああ!それに倒せない等、やってみなければわからん!」
クロエ
「例え悪魔の王でも力が無尽蔵ではない筈です!」
一夏
「てめぇに運命を弄ばれた人達のためにも倒す!この雪片に懸けて!」
そう言って皆は前に出る。
火影
「よせ!奴の狙いは俺達だ!」
海之
「お前達が敵う相手ではない!」
そんな皆をふたりは当然止めようとするが一夏達は拒否する。
一夏
「もうそれは無しだぜふたり共!これはふたりだけの問題じゃねぇんだ!」
箒
「一夏の言う通りだ。千冬さんも言っただろう!私達も奴と戦う理由がある。この世界に生きる者として!」
火影
「だが…!」
鈴
「いいから任しときなさい!それにアンタ達今パワー落ちてるんでしょ!」
クロエ
「兄さん達は力を取り戻し、生き残る事に専念してください!」
ラウラ
「その間、私達が守ろう!」
海之
「お前達…」
全員が戦うつもりだった。この世界に生きるものとして…。
火影
「………へっ、そうかい。ならもう何も言わねぇよ。俺達全員でクライマックスにしようぜ!」
海之
「……ふ」
火影と海之もそれぞれ魔剣を握り直す。
ムンドゥス
「……それ程までに死を望むのならば、まず貴様らから葬り去ってやろう。そして冥府で悔いるがいい」バサッ!
輝く翼を広げ、戦闘態勢をとるムンドゥス。
ムンドゥス
「人間など相手になるか!串刺しになるがいい!」ズドドドドドドドド!!
無数の赤い針状の雨を降らしてくるムンドゥス。
刀奈
「皆散開して!」ドゥンッ!!
刀奈のその一言で何手かに分かれて分散する。
ムンドゥス
「逃げられると思うか」ズドドドドドドドッ!!
追いかけるムンドゥス。先にいるのはラウラとセシリア。
ラウラ
「セシリア!」
セシリア
「はい!」
ビュビュビュビュンッ!!
ドガガガガガガガンッ!!
セシリアはビットのレーザーを偏光させ、レーザーで網目状の幕を作った。その網に引っかかった赤い針が破壊されていく。
ラウラ
「喰らえ!!」ズドォォォォンッ!!
その後ろからラウラのアルテミスからレインが飛ぶ。
ムンドゥス
「この様なものが余に」ガシィィィィッ!「!」
セシリア
「逃がしませんわ!」
シャル
「そのままじっとしててよ!」
気が付くとセシリアのケブーリーの鞭、そして別方向からシャルのドラウプニルがムンドゥスをシールドごと捉える。
ムンドゥス
「フン」シュンッ!
だが目の前で瞬間移動して逃げるムンドゥス。レインも躱されてしまう。
セシリア
「!!」
ラウラ
「ちっ!どこだ!」
シャル
「ふたり共!後ろ!」
セシリア・ラウラ
「「!!」」
気が付くとムンドゥスが既に光弾を作って攻撃態勢に入っていた。
シャル
「ラウラ!セシリア!」
ムンドゥス
「消えるがいい…!」
ガキィィィンッ!!
後ろから一夏と箒が斬りかかる。
一夏
「させねぇ!」
箒
「敵は前だけなんて思うな!」
セシリア
「おふたり共ありがとうございます!」
ラウラ
「そのまま止めていろ!はああああ!」
追撃にラウラのパンチラインとセシリアのローハイドが迫る。
ガキキキキキキキキキキキッ!!
しかし、これも結界で弾かれてしまう。
箒
「四人がかりでも弾かれるだと!」
シャル
「なんて強力なシールドなんだ!」
ムンドゥス
「煩いハエ共だ…」ギュオォォォォォッ!!
ムンドゥスは再び力を溜める。…とその時、
火影
「させねぇって言ったろが!」ヴゥンッ!!
ガキィィンッ!!…ビキッ!!
真上から急降下で斬りかかる火影。その衝撃でムンドゥスの結界が一瞬揺れる。
ムンドゥス
(!…力が上がっているだと?悪魔でもないのに)
一夏
「つおおおおおお!」
続け様に横薙ぎに斬りかかる一夏。…しかし瞬時により上空に瞬間移動で逃げられる。
ムンドゥス
「…こざかしい。これで砕け散るがいい」
ズドドドドドドドドドドンッ!!
大量の隕石を降らせてくるムンドゥス。
海之
「お前達!」
シャル
「うん!」
鈴
「全て叩き割ってやるわ!」
刀奈
「バスターアーム暴れまくりね!」
簪
「ケルベロス!力を貸して!」
ドガガガガガガガガガガガガッ!!
海之の指示で全員が飛んでくる隕石をそれぞれの武器で落ち着いて対処する。剣や刀、大砲を持っている者はそれで、シャルはグラトニーで貫き、鈴は双天牙月とアービターでかち割り、刀奈はバスターアームをこん棒の様に振るって次々と破壊する。
鈴
「当たってガーベラ!」
シャル
「リヴェンジ!」
クロエ
「アキュラ!」
ズドォォォォォォォ!!ドガァァァァァァン!!
そして隕石を破壊した皆がそれぞれ攻撃した。…しかしムンドゥスには届かない。
ムンドゥス
「…この世界の偽りの魔具か」
刀奈
「バスターアームでも傷つかないなんて全く反則紛いのシールドね!」
箒
「やはり火影と海之でなければ決定的なダメージは無理か!」
ムンドゥス
「……」ヴゥンッ!
魔龍
「「グオォォォォォォォォッ!!」」
何も言わずムンドゥスは再度最初に召喚したのと同じ魔龍を二体召喚した。
火影
「気を付けろ!体当りだけじゃねぇぞ!」
魔龍
「ゴアアアアアアアア!!」ズドンッ!ズドンッ!
セシリア
「火球だけではありません!スピードも速い!」
クロエ
「任せてください!セラフィックソアー!」ズバババババババ!!
クロエのセラフィックソアーの羽が飛び交う魔龍の周囲に展開する。それに触れた魔龍に爆発のダメージが通る。
ドガガガガガガガガンッ!!
魔龍
「グオォォォォォォ!!」
簪
「いくよケルベロス!」
ケルベロス
「グオォォォォォォ!!」ドギュ――ンッ!!
簪から氷の山嵐と召喚したケルベロスの口からブレスが飛ぶ。
ドォォォォォンッ!…ビキキキキキキキキッ!!
魔龍
「ガアアアアアア……」
その攻撃を受けた魔龍の身体が…徐々に凍り付いていく。
ムンドゥス
「…ケルベロス。…偽りのものとはいえ人間に飼いならされるとは」
鈴
「氷であいつの炎を相殺したのね!」
ラウラ
「しかしまだ生き残っているぞ!」
箒
「任せろ!…砕け散れぇぇぇ!!」ギュオォォォォォ!!
ズガガガガガガガッ!ドガガガガガガガンッ!!
箒の撃った穿千が動きが鈍った魔龍に直撃し、粉々に破壊した。
シャル
「あと一体!」
一夏
「断ち切ってやる!零落白夜ぁぁぁ!!」
ズバァァ!!ドガァァァァァン!!
一夏の零落白夜によってエネルギーを奪われた魔龍もまた破壊された。
ムンドゥス
「…何?」
海之
「箒が言った筈だ。隙だらけとな」
ガキィィィンッ!ビキッ!バリィィィィンッ!!
一瞬気がそれたムンドゥスに海之の魔剣伊邪薙による渾身の一閃が先ほど火影が与えたシールドの傷ある場所に当たり、破壊した。
ムンドゥス
「!」シュンッ!
瞬間移動で逃げるムンドゥス。
火影
「見え見えなんだよ!」ヴゥンッ!
ザンッ!!
その先に待ち構えていた火影がムンドゥスに魔剣ダンテの一閃。傷を付けるも倒しきるには至らない。そしてその傷も瞬く間に回復してしまう。
ムンドゥス
「ちぃ!」
ドォォンッ!!
火影
「ぐあっ!!」
鈴・シャル
「「火影!!」」ガシッ!!
零距離で光弾を受けた火影は吹き飛ぶが、先に飛んできた鈴とシャルが受け止める。
火影
「お前ら無茶しやがって…!」
鈴
「言ったでしょ。アンタ達だけに背負わせないって♪」
シャル
「あと火影は僕達が支えるともね♪」
火影
「…へっ」
ムンドゥス
「…どういう事だ。力を封じられておきながら何故余に傷を付けられる?そして貴様らの動き、まるで余の手段を知っているかの様だ」
ムンドゥスは先ほどから自身の攻撃が一夏達にまで防がれる事に疑念を抱いていた。
火影
「そりゃおめぇ、絶対に死なせたくねぇ奴らが近くにいるんだぜ。普通以上に力が出んのは当然だぜ」
海之
「そして言った筈だ。貴様の存在は既に予見していたと。だからこちらも対策していた…」
…………
それはラ・ディヴィナ・コメディアに向かうロケットの中での事。到着まで残り数時間と言うところで一夏が火影と海之に言い出す。
一夏
「…なぁ火影、海之。お前らってあの…アルゴサクスだっけ?そいつと戦った事もあるんだよな?って事は奴との戦い方も知っているんじゃないのか?ファントムやグリフォンとの戦い方も知ってたんだから」
火影
「戦ったのは俺だけだけどな。…まぁ一応は。でもなんでだ?」
一夏
「だったらさ。今の内に俺達にも教えてくれよ。もし奴と会った時の戦い方を」
一夏のその言葉に火影と海之は少し驚くが箒達も続く。
箒
「…そうだな。確かに教えて貰っておけば万一の対策になる」
シャル
「そうだね。倒す事は難しくても時間を稼いだりとかは出来る筈だよ」
海之
「そんな必要はない。奴は俺達の相手だ。奴もそれを分っている筈だ」
刀奈
「わかってるわよふたり共。でもそれでもよ。オーガスは卑劣な手段を使うんでしょ?教えておいてくれても罰は当たらないわ」
火影
「しかし…」
千冬
「火影、そして海之も聞け。確かにお前達と奴には深い因縁があるかもしれん。しかし前にも言った様に奴がこの世界にいる時点でもうお前達だけの問題ではないのだ。私達にもオーガスと戦う責務がある」
クロエ
「そうです。ましてあの男が束様を盾にする様なことあらば、私は…命を懸けても彼と戦います」
簪
「お願いふたり共」
海之
「……」
火影
「…仕方ねぇ」
彼らの言葉に対して火影と海之は考えつつも了承し、オーガス正確にはアルゴサクスとの戦い方を教える事にした。そして同時に、
火影
「………あとこれは追加なんだが」
…………
火影
「そん時に念入りに教えといたのさ。てめぇとの戦い方もな。確信は無かったし恐がらせたくなかったからてめぇの名は出さなかったんだが」
海之
「だが功を奏した様だな」
一夏
「ムンドゥスだっけか。よく聞け!神様気取って散々に人間を見下してる様だけどな!てめぇだって人間が無ければ復活できなかったんじゃねぇか!てめぇの犠牲になった人々に敬意と謝罪はあっても見下す権限はない筈だぜ!」
刀奈
「全くね」
箒
「一太刀なれど貴様は火影に斬られた。今はただの人間である火影にな。それに対して貴様はどう説明する?」
ムンドゥス
「……」
火影
「力が取り戻せねぇなら取り戻せねぇで戦い方もあらぁ。て訳でさっさと終わらせてもらうぜ。こっちにはもう時間がねぇんだ。こいつらの未来を守らないといけないんでな」
鈴
「…どういう事火影?」
火影
「オーガスがファイルをいじりやがったのさ。最後の情報が明るみになるまでもう30分もねぇ」
シャル
「そんな…!」
海之
「落ち着け。その前に全てを終わらせればいい。だからさっさと片付けるぞ」
簪
「うん!」
そう言って全員が再び武器を構え直す。
ムンドゥス
「………フ、フハハハハハ!ハハハハハハハハ!!」
するとムンドゥスは再び笑った。先程と同じく大笑いした。
ラウラ
「何がおかしい!」
ムンドゥス
「……懐かしい、昔を思い出す。嘗ての世界で人間に出会った事も数える程ではあったが…まさか余に対してこれ程の事を言い、刃をたてる人間がダンテやバージル以外にもいようとはな…。虫けらに劣る存在と思っていたが…少し考えを改めるとしよう」
セシリア
「できれば諦めていただけるとありがたいのですが…それは難しそうですわね」
ムンドゥス
「故に…余も最大の力で葬り去ってくれる…」
箒
「何!?」
ヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥヴゥンッ!!
するとムンドゥスは先ほど火影・海之との戦いで見せた指先からの光の糸を出した。
火影
「…ちっ!」
一夏
「なんだあの光の糸は!」
ムンドゥス
「貴様らは何もわかっていない。…見せてやろう。
魔帝ムンドゥスの圧倒的な攻撃に苦戦しながらもなんとか対応する一夏や箒達。力戻らないながらも火影と海之も戦闘に参加する。しかしムンドゥスは余裕を崩さず、その新たな力は彼らを徐々に追い詰めていく…。
Nextmission……「魔帝の力」
それは支配者がもつに相応しい力…。
※次回は11日(土)になります。
次回はムンドゥスが得た力を解説を入れながら書きます。