IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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あと一話位こちら。その次はやっと幻想郷食堂が投稿できるかもしれないです汗。


Mission04 焦る一週間

2-2

 

~~~~♪

 

「ふ~やっと午前の授業終わった」

 

「早くご飯行こ!私遅刻ギリギリだったから朝も食べてないのよ~」

 

「ねぇ、鈴も一緒に行かない?」

 

「……」

 

「鈴?おーい鈴~!」

 

「…え、あ、ご、御免。何?」

 

「お昼一緒にどうかって聞いたのよ。てかどうしたの?最近なんか元気無いわね」

 

「そ、そう、かな?」

 

「…そういえばシャルロットと本音も元気無いわよねなんか。何かあったの?」

 

「え!ぼ、僕は大丈夫だよ!?」

 

「わ、私もなんともないよ~!」

 

「ふ~んそう。ま、いいや。それよりもご飯行こご飯!」

 

「そ、そうだね~」

 

「あはは…」

 

「……」

 

 

…………

 

屋上

 

 

「…ねぇクロエ、博士からはまだ連絡無い?」

 

「はい。本日も今のところ連絡はありません…」

 

その日の放課後、新たな瑠璃月を作る簪、手伝いとして同行している海之とラウラを除き、一夏達はいつもの屋上に集まっていた。夏の暑さはあるが夕方だとそれも少し落ち着く。あの件の後、クロエは直ぐに彼女だけの極秘通信を使い、束に事のあらましを相談していた。魔界の火影が消息不明になった事、伊邪薙の事、そして自分達に何かできる事はないかという事。通信の時クロエは、

 

「また連絡するから待ってて!」

 

と返事を受けたらしい。しかしそれ以降束からの連絡は無く、既に3日が経過していた…。

 

「くそ…もう3日も過ぎてるというのに。何をしてるんだ姉さん…」

 

「焦ってはいけません。魔界に関わることですもの。篠ノ之博士でも時間がかかられるのは当然ですわ」

 

「今は博士を信じて待ちましょう。悔しいけど…私達には何もできないんだから」

 

「けどあと4日したら海之はひとりで…」

 

明々後日には海之はひとりで行くと断言している。それ以上は待たないとも。

 

「くっそ…やっぱりただ待つだけってのはむず痒いな。こうしてる間にも火影に何か」

 

「おい一夏」

 

「あ…ご、御免三人共」

 

「…気にしなくていいわよ」

 

そう言う鈴だが元気は無い。シャルロットも本音も。あの日からずっとである。

 

「まだ…時間はある筈だ。海之もあれからネロ達が出てきてはいないと言っていた。つまり…今の火影に変化は無いという事だ」

 

「…そうね、プラスの意味で受け止めましょう」

 

変化が無いという事は朗報も無いという事だがそれは誰も言わなかった。取り敢えずこの日はそれで解散となった。

 

 

…………

 

整備室

 

 

翌日の整備室では海之達が新たな刀を作製していた。前回の瑠璃月と違い、今回は整備科の皆には協力を仰げない。閻魔刀やリベリオンの破片の事を知られたくないからである。

 

「…簪、無駄な部分は省いてもらって構わんぞ?刀として最低限の機能があれば良い」

 

「うん、わかってる。でも…魔界じゃきっと戦いがあるだろうから。前の瑠璃月以上のものを造らないと。折れたりしたら大変だから」

 

「刀が折れたのは俺の責任だ。お前が気にする必要はない」

 

「まあそう言うな海之。用心に越したことは無い。いつもお前も言ってるではないか。それより海之、お前…ひとりで行く気は変わらないのか?」

 

「当然だ」

 

無理だとわかっていながらも訪ねたラウラに海之は即答する。

 

「お前達の気持ちは嬉しく思う。しかし今回に限ってはな…。束さんを疑う訳ではない。しかしたった七日の内では有効な策が見つかるとは思えん。ましてや今の魔界は普通ではない。何かが起こっているのは間違いない。そんな中にお前達を連れて行く事はできない」

 

「「……」」

 

「…何か飲み物でも持ってくる」

 

そう言って海之は部屋を出ていった。誰もいなくなったのを確認したラウラは簪に話しかける。

 

「…簪」

 

「何ラウラ?」

 

「この刀、本当はもっと早くできたのではないのか?」

 

「……」

 

「お前が刀を造るまで一週間かかるとあいつが聞いた時、暫し考える時間があった。大方、本来ならばもう少し早く出来るのを一夏達の気持ちを汲んで引き伸ばしたんだろう?海之もそれを感じ取り、黙ってそれに従った。そうだろう?」

 

「…ラウラほんと海之くんの事よく見てるよね」

 

「当たり前だ。私はあいつの嫁だぞ。そして…同じあいつの嫁のお前の事もよく見ているつもりだ」

 

簪はそう言うとコンソールを動かす手を止める。

 

「……殆ど当たり、ちょっとだけ外れってところかな」

 

「…というと?」

 

「一夏達の気持ちは本当によくわかる。私だって同じ気持ちだよ。海之くんと一緒に魔界に火影くんを助けに行きたい。ラウラもでしょ?」

 

「無論だ。仲間でかつ義弟だからな」

 

「でも…海之くんが火影くんの事話した時、私思ったの。きっと海之くんはひとりで行くって言いだすって。私達を気遣って一緒に連れて行かないって」

 

「…そうだな。それは私も思った」

 

「……でもね。その後で海之くん、こう言ったでしょ?この刀を使えば「一度だけなら、あの場所で扉を開く事ができるかも」って」

 

「…ああ」

 

すると簪は少し俯き、

 

「…怒らずに聞いてね。それってさ…もし、もしだよ?もし火影くんが…伊邪薙が…使えなくなってたら…海之くんは…」

 

そこまで聞いてラウラは一瞬ハッとした。考えたくもないがもし火影に、伊邪薙に何かあり、最悪の結果となった時、開けた扉を再び閉じられるのは海之しかいなくなる。魔界側から塞ぐ事はできるだろう。しかしこちら側の世界からは…。

 

「こっちの世界からじゃ…一度しか無理。それってつまり…もうこっちから扉に干渉するのは無理って事でしょ?もしそうなったら…海之くんが魔界に残ってしまう」

 

「……」

 

「だから…ちょっとだけ、ほんとにちょっとだけでも時間を作りたかったの。一夏達への気持ちはほんとだよ?でも海之くんの早く火影くんを探しに行きたいって気持ちもよくわかってる。でも…もし」

 

すると突然、ラウラは簪を抱きしめた。

 

「ラウラ…」

 

「…信じよう。私達の夫を。そして火影も生きている事を。大丈夫だきっと…きっとうまくいく…」

 

「…~~~」

 

ラウラの胸で泣く簪。ラウラも自分の無力を恨んでいるのか表情が辛い。

 

「……」

 

そして海之は扉の外からそんなふたりの言葉を何も言わず聞く事しかできなかった…。

 

 

…………

 

(必ず勝とうね火影)

 

(はは、当然だろ?)

 

そう言うとシャルロットは自分の頭を火影の肩に寄せた。

 

(……ねぇ火影。全部終わったら…僕、火影に言いたい事があるんだ。…聞いてくれる?)

 

火影のぬくもりを感じながらシャルは尋ねる。…が、彼から出た言葉は、

 

(……悪いシャル。それは無理らしい)

 

(……え?)

 

(…俺は…もう…)

 

 

シュバァァァァァァァァ……!

 

 

火影の姿は…シャルロットの目の前で光となって拡散した…。

 

(…ひ…かげ…?………火影ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!)

 

 

ガバッ!!

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

勢いよく飛び起きるシャルロット。見回すとそこは自分とルームメイトの部屋。時刻はまだ夜中。どうやら夢を見ていた様だ。

 

「……夢?」

 

今のは夢だと安心……とはいかなかった。現状、そして先程見たリアルな光景が頭に焼き付いている。

 

「火影…。~~~~」

 

ルームメイトを起こさない様にひとり静かに泣くシャルロットだった…。

 

 

…………

 

生徒会室

 

 

同日の放課後、本音は珍しく作業をひとり頑張っていた。その横には姉の虚もいる。

 

「本音ちゃん…大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫♪」

 

「でもお嬢様や海之さんがいない日もひとりだけでしょう?」

 

「今までかっちゃんやみうみうに頼ってばかりだったからね~。お姉ちゃんに言われた通り後輩もいるんだから頑張らないと~!」

 

「……」

 

数日前と違い、この日の彼女は妙にテンションが高かった。そして気が付くと…虚はそんな本音を背中から抱きしめていた。

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「…火影さんの事は聞いたわ。今の本音ちゃん見てると…以前海之さんがいなくなった時の簪様とそっくり。無理しなくていいから…」

 

「だ、だいじょぶだよ!私はひかりんを…」

 

「その言葉、あの時の簪様も言ってたわ」

 

「……」

 

「姉として貴女にできるのはこれ位だけど…私の前では…嘘をつかなくていいから」

 

 

(ひかりん。ひとつだけ…お願い聞いてもらっていい?私の、私の夢の話……聞いてもらえる?)

 

(どーぞ)

 

(私の夢はね…………ううん、やっぱり今はいい。帰ってきた後で言わせて。全部終わったら伝えるね)

 

 

「…おねぇ…ちゃん。……~~~~」

 

虚の腕に強くしがみつきながら、本音もまた泣いていた…。

 

 

…………

 

鈴の部屋

 

 

ガチャッ

 

 

「ただいま…」

 

鈴が部屋に戻って来た。二年に上がった事で箒とはまた別の部屋になっていた。そのルームメイトは部活らしく、まだ帰ってきていない。

 

「……」

 

鈴は自分の鞄を机の上に置くと…力無くベッドに横たわった。もうこんな日があの件以来続いている。流石に課題を無視してはいないが部活には通えずにいた。そして今日は5日目。未だ束からの連絡はない。そして海之からの連絡も。状況は悪化もしていないが好転もしていない。

 

「…私…何やってんだろ…」

 

そして鈴は最近自問自答を繰り返していた。といっても答えは出せないばかりのほぼ自問ばかりだが。自分に何もできない無力さを噛みしめながら。

 

「火影…貴方をひとりで行かせなければ良かったの…?無理やりにでも…止めてれば良かったの…?」

 

 

(よ~しそうと決まったらさっさと終わらせましょ!そして早く普通の学生に戻って、今度こそ青春を謳歌するのよ♪…あ~!そう言えば前にふたりで京都回るって約束、果たしてないじゃないの!今度絶対果たしてもらうわよ!)

 

(へいへい)

 

 

「…あの時の約束…守らなかったら…許さないんだから…。絶対…許さないん…だから…~~~~」

 

そう言う鈴の眼からは既に光るものが零れ落ちていた。

 

 

…………

 

そして6日目。金曜日。時間は再び放課後。再び屋上に集まった一行。

 

「海之さん…海之さんの刀は?」

 

「問題ない。明日には完成する。今簪とラウラが最終調整をしているところだ」

 

「完成次第…直ぐに向かうつもりか?」

 

「…無論だ。明日は土曜日だし丁度いい」

 

海之の返事は変わらない。

 

「クロエちゃん?」

 

「……」

 

刀奈の言葉にクロエは首を横に振る。未だに束からの連絡はない。

 

「畜生…束さんやっぱり無理なのか?」

 

「姉さん…」

 

「「「……」」」

 

誰もがその場の空気を重く感じていた………その時、

 

 

~~~~♪

 

 

「!……束様!」

 

突然コール音が鳴った。鳴ったのはクロエの電話。全員がその電話に注目する。電話に出たクロエはスピーカーに切り替えた。

 

(はいはいもしもし皆~お久しぶりぶり~♪どうせそこにいるんでしょ~?)

 

「束さん!」

 

「姉さん!」

 

(ふっふっふやっぱりね~♪皆の考える事なんて、あ、正確にはみーくんやちーちゃん以外の皆の考える事なんて炭酸飲料飲んだらゲップが出る位わかってるもんね~)

 

「そんな事より篠ノ之博士!」

 

「何か…何か手段は見つかったんですか!魔界に」

 

「おっとーちょい待ち!電話なんかで簡単に教えたら勿体ない。今から教える場所に明日の朝来てね♪あ、みーくん絶対先に行っちゃ駄目だよ?絶対だからねー!」

 

そして束はとある場所を伝えると明日の再会を約束して電話を切った。




Mission05

「再会の束」
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