IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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次は土日に幻想郷食堂やっと出せそうです(汗)
そしてあと1、2話位でこちらも進行遅くなりそうですごめんなさい。


Mission06 魔衣ドレッドコート

「これが魔界に行く方法。名づけるなら「Dreadcoat(ドレッドコート)」とでも呼んでおこうかな」

 

目の前の画面に映る部品らしきものを見ながら束はそう説明した。

 

「ドレッドコート…?」

 

「ちょっと待って下さい!それって!」

 

「ええ全く関係ないとは思えないわね。…「ドレッドノートシステム」と」

 

セシリアや刀奈がそう言い、一夏やマドカが複雑な表情を見せる。「ドレッドノートシステム」。半年前に海之達が戦った男。ラ・ディヴィナ・コメディアを創り、ファントム・タスクを率いていたオーガス・アクスが開発したシステム。力が欲しいという人の負の願望につけ込み、人を機械の悪魔へと変貌させるこれを使ってオーガスは争いが絶えない混沌の世界を創り出そうとしていた。

 

「ね、姉さんまさか…!」

 

「落ち着いて。あんなガラクタじゃ……いやう~ん、ある意味ではこれもガラクタかも」

 

「…どういう事ですか?」

 

「話は半年前、私が下手こいてオーガスのジジイに捕まったとこからかな。箒ちゃんとくーちゃんに助けられた後、私は皆があのメントス、いやドリトス?まぁなんでもいいやあんなの。とにかくそいつをぶっ倒すために消去プログラムを作ったのは知ってると思うけど~」

 

「だからムンドゥスですよ…」

 

「あ、あんなのって…私達無茶苦茶大変だったんですけど」

 

「博士だって殺されかけたのに…」

 

「そしてプログラム完成の後、私はオーガスの研究データを根こそぎコピー。あとこれから使おうとしてたのか余ってたいくつかの装置を持ち出したんだ」

 

「いやそれじゃあまるで火事場泥棒…」

 

「この束さんへの依頼料と利用した迷惑料だよ。まぁともかくその中には「ドレッドノートシステム」そして「デビルトリガー」もあったけどそんなもんに興味は無かった。でも魔力に関しては科学者としてほんの少し興味があった。前にみーくん達が魔力は魔界を満たすエネルギーだって言ってたのを聞いてね。そんで今回ひーくんの事聞いて三日間寝ずに…嘘、3時間は寝たかな?もらった(奪った?)データを調べ直したんだ。その結果面白い事に気づいた」

 

「面白い事?」

 

「ドレッドノートシステムってのはわかりやすく言えば「力が欲しいか?」というシステムの質問にイエスで答えると魔力がISを変化させるというプログラム。これってISの二次移行に似てるんだよね~。あれもIS操者の強い意志にコアが答え、ISを次の段階に進化するってもんだしさ。白式の三次移行まで果たしてるいっくんならわかるでしょ?」

 

「そ、そうなんですかね?」

 

「そ〜なんですよ。更に魔具。中でもシャルちんのパンドラ」

 

「しゃ、シャルちんって…ま、まぁいいか。パンドラがどうしたんですか?」

 

「パンドラ・リヴァイブは容量の関係で使える武器は限られてるけど実際のパンドラは666の武器があるんだよ。そんなにあるなら何か使えそうなもんがあるんじゃないかと思って探したら面白いやつを見つけたんだ」

 

すると再び画面に何か映し出された。見た感じ盾の様に見える。

 

「盾?名前は…カーバンクル」

 

「ガーネットの事ですわね。ラテン語で「小さな石炭」とも言われますが」

 

「博士、これはどんな効果なんですか?」

 

「魔鏡カーバンクル。これの効果はいわば中和や跳ね返し。全身を特殊な魔力で包んで瘴気や毒の海や火の海に全身突っ込んでも無効化するってもんさ。他には攻撃を跳ね返して全く同じ痛みを敵に跳ね返したりね。まぁシールドをがあるISには実質あんまり役立たないからパンドラ・リヴァイブの装備には省いたけど。…でも今回のドレッドコートにはこのカーバンクル、そしてドレッドノートシステムが参考になった」

 

「それで…そのドレッドコートの効果とは?」

 

再びドレッドコートに画面を戻し、束は説明した。

 

「目には目を、歯に歯を、そして魔力には魔力を。つまりこちらもシールドみたいに魔力の盾を作り、外からの魔力や瘴気の干渉を防ぐって効果さ」

 

「そんな事ができるんですか!?」

 

「理論上は可能の筈だよ。こいつをISにセットして起動させるとこいつに込められた魔力がISごと包んでくれる。そうすれば魔界の瘴気にやられる事もなく行動できる。みーくんやひーくんの剣がドレッドノートシステムを使ったスーちゃんやオーちゃんに反応したのはふたりが纏った魔力にだろうね。ほら、起動時に炎にくるまれてたでしょ?あれがまさにその時だよ」

 

束のその言葉に皆が驚く。しかしここで海之が、

 

「しかし束さん。今の説明ではこの装置の起動には少なからずとも魔力が必要な筈です。その魔力をどうするつもりですか?」

 

海之の言葉は正しかった。ドレッドノートシステムもデビルトリガーも機械には違いないが起動時に魔力の反応があった。という事は非科学的な力、今回の場合は魔力だがそれが関わっている筈だ。恐らくはオーガスに宿ったムンドゥスの力が。どちらも既に滅んでいる以上それに代わる力が無ければこの装置は使う事は出来ない…。しかし束は余裕ある顔を変えない。

 

「焦らない焦らないワトソン君。大丈夫♪そのアテも考えてるさ!さてここで皆にひとつ質問。ドレッドノートシステムやデビルトリガーも同じ様に魔力が込められていた理由だけど、それ誰がやったと思う?」

 

「どうって…それは」

 

「ムンドゥスか、若しくはオーガスがやったのだと…」

 

「うんうんそうだね〜。間違いなくアイツらの仕業だ。そしておそらくシステム的にマントルともリンクしてたんだろうね。でないとラーちゃんやいっくんの時みたいに話しかけたりできないしね。でもさ、それって魔力を込められるなら誰でも構わないって意味じゃなくない?」

 

「「ン」しか合ってない…ってそんな事より…それは、そうかもしれませんが…でもあいつ等は」

 

「違う違う、そうじゃ、そうじゃな〜い。もうふたりいるじゃん。魔力を込められるだろう人が。ひとりは今魔界にいるから無理だけど」

 

「こ、ここにって……!?」

 

「まさかそれ…」

 

全員が海之に注目する。

 

「そのと〜り。みーくんに魔力込めてもらえばいいんだよ♪オーガスのジジイやマンティスを超える魔力を持つみーくんならそん位モーマンタイじゃん!」

 

「た、確かに海之さんなら…」

 

「ですが束様、ドレッドノートシステムをモデルとしているなら、これを使えば悪魔になるのでは…?」

 

「それは多分問題ないよ。こいつの役目はあくまで魔力を纏う一点。最低限必要なとこ以外は全部省いてる。耐性がある程度できてる人が使っても問題無い。炎にくるまれたり悪魔になったのはあいつらがそんなクソみたいに作ったからだろうさ」

 

「く、クソって…」

 

「待ってくれ束さん。今の俺はただの人間。魔力を持つには魔界に行き、「悪魔還り」を使わなければならない」

 

「だから魔界に行ってから魔力を込めてくれたらいいのさ♪」

 

「いやでも魔界では私達は…」

 

そこで束は今度は一夏を指差し、

 

「そこでいっくん出番だよ!」

 

「…え!」

 

「い、一夏ですか姉さん?」

 

「いっくんの白式・駆零孥の単一特殊能力「Aigis」は30秒間あらゆるものから自分とその範囲の人を守る盾。それを使えば少なくとも30秒は時間を稼げる。その間にみーくんはドレッドコートに魔力を分けてくれれば良い」

 

「で、でも博士。駆零孥の盾が魔界の瘴気まで阻止できる確証はあるんですか?」

 

「無い!」

 

自信たっぷりに言い切る束。こうまではっきりだとかえって清々しい。

 

「そ、そんなはっきり言わなくても…」

 

「だって魔界だよ?行った事も見た事もない世界だよ。確証なんて持てる訳無い。もっと言えばドレッドコートのテストもしてない。だからガラクタな訳よ。でも、現時点ではコレが最良な方法だと束さんは信じてる。ひーくんだって悪魔にはなってるけどそれもアリギエルというISがあるからこそできるんだからISが魔界でも通用するって事だけは確信してる。ISのお母さんとしてね」

 

普通から見たら束の狂人ぶりなその意見に疑いの声を持つ者が殆どだろう。ISを始めて世に出した時もそうだ。多くの人間が彼女を馬鹿にした。しかし方法はどうあれ、彼女は負けなかった。自らのISの有用性を証明し、今やっと夢に向かって動く彼女を疑いの目で見る者は今のこの場に不思議といなかった。しかしあまりにも危険な賭けである事も確かではあるが…だが一夏の目はやる気に満ちていた。

 

「……わかりました。やります」

 

「一夏!?」

 

「危険よ一夏くん。余りにも大きな賭けだわ!」

 

「いや箒、刀奈さん。俺は束さんを信じます。今できる最良の事がしたい。それがこれだと俺は信じます」

 

「一夏さん…」

 

「それにこうしている間にも火影が危ないかもしれない。グズグズ悩んでる暇は無い」

 

すると続けて、

 

「…私も行く」

 

「僕も!」

 

「鈴、シャル。お前達は」

 

「どうでもいい!一夏の言う通り火影が危ないのにじっとしてられない!」

 

「何かできるなら僕はそれに賭ける!」

 

鈴とシャルの目は本気だった。

 

「私も!」

 

「駄目よ本音。アンタは戦ってはいけない。火影と約束したでしょ?」

 

「で、でも」

 

「火影を笑顔で迎える。それが火影が望んでる本音の役割だよ」

 

鈴とシャルからそう言われて本音も頷かざるを得なかった。

 

「私も行く!一夏達だけ行かせる訳にはいかない!」

 

「当然ですわ!お国よりもずっと大事なものがあるのです!」

 

「箒…セシリア…」

 

「私も行くぞ海之。火影を、義弟を助けに」

 

「皆と、海之くんと一緒なら、魔界でも怖くない。きっとうまくいくよ」

 

魔界に行ける。火影を助けに行けるという希望を聞き、その場にいる殆どの者から自分も行くという声が上がる。刀奈、クロエ、そしてマドカと海之は何も言わない。

 

「あ~…盛り上がってる最中で悪いんだけど、皆ちょっと良い?」

 

「…?どうした姉さん?」

 

そんな中、束が再び口を開いた。そして次に彼女から飛び出したのは思いも寄らない言葉だった。

 

「ド直球に言うね?実はこれを使う人っていうか、魔界突入組は束さんの中でもう決めてるんだよね」

 

「「「!!」」」

 

その言葉に海之、クロエ、刀奈、そしてマドカ以外の誰もが驚く。そして束は続けて一言。

 

「ついてきて」




Mission07

「新型ISと魔界へ行く者」



「魔衣ドレッドコート」

束がオーガスのドレッドノートシステムを徹底的に解析し、パンドラの機能のひとつ、「魔鏡カーバンクル」を参考にして開発したもの。名前は似ているが実質はほぼ全くの別物。起動させると魔力が全身を包み、魔力の波や瘴気の干渉を跳ね返し受け付けない。力を望むという負の感情を必要としたり魔とのリンクもないため、束曰く悪魔になる様な事は無いとの事。しかし魔力を纏う事は事実なので飲み込まれない様強靭な精神力と魔へのある程度の耐性が必要。
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