IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
戦いから半年後、地上に残った海之は仲間達と共に騒がしくも平和な時を過ごしていた。
しかしある日、夢の中に現れたネロとVから魔界の火影と魔剣伊邪薙の反応が途絶え、彼らに何らかの異常が起こっている事を知らされる。海之は託された閻魔刀とリベリオンの欠片を使い、火影と自らの刀、そして魔界で何が起こっているのか見極める為、自らも魔界へ行く事を決意する。
一方、それを知らされた一夏や鈴達も魔界へ行こうとするが人間にはどうしようもない…と、諦めかけた時、束が魔界に順応できる装置「ドレッドコート」を開発。彼女の新型のISに取り付ける事に成功。海之と過去にドレッドノートシステムを使った事で魔力への耐性を身に着けていた一夏、マドカ、束。そして火影を助けたい一心で無理やり魔力を自分に纏わせた鈴とシャルロット。6人が魔界へと乗り込んだ…。
海之達が魔界に乗り込んだ10日前…、
魔界
ザシュゥゥゥ!!
「グオォォォォォォ…!!」ドサッ!!
空気を裂く巨大な断末魔を上げながら一刀に断ち切られた悪魔。やったのは勿論、
火影(魔人体)
「っせーな全く…これだけは何時まで経っても慣れねぇ」
魔界の浸食から世界を守るため、伊邪薙と共に魔界へ降りていた火影。常にISを纏い、そして悪魔還りを常時起動させている。右手には彼の剣である魔剣ダンテ。魔界に降りてきて約半年、火影は魔界で悪魔を狩り続けていた。
「どうやら今のでここらのはあらかた片付いた様だな。ま、どうせすぐまたシロアリみてぇに次から次へと湧いてきやがんだが」
悪魔が全滅しそうな話だが魔界は魔力の海。そして悪魔は濃い魔力を必要とする。これらの事から悪魔は魔力によって発生し、ほぼ無限に湧き出てくるのか数が少なくなったと思った事は散々狩り続けてきた前世も、そして今も感じた事は無い。
「まぁそれ位じゃねぇと退屈で死にそ…………?」
その時、火影はある異変に気付いた。周りを見渡しても特に何もない。この一帯の悪魔は狩り尽くした。再び湧き出すにはまだ少し時間がかかる筈だ。しかし…何かが違う気がした。空気の流れかそれとも魔力の感じか…。
(なんだ………!?)
そして火影は見た。魔界の空…いや空と言えるものなのかはわからないが、とにかく彼方に歪みが見えた。黒き雷が走り、空気が張り詰め、魔力の暴風が吹いてくる。場所がかなり離れているにも関わらず、それは火影のところまで伝わっていた。IS越しに肌がビリビリする感じだ。
「…………へぇ~、これはこれは。久々の」
そう言うと火影は魔剣ダンテと新たに伊邪薙を二刀流で持つ。表情は彼らしからぬ真面目なものだ。
「……
…………
海之の言葉で一夏達は頷き、彼に続いて扉へと入っていく一夏、鈴、シャルロット、マドカ、そして束。扉内部は禍々しい光を放ち、通る者達を魔界、闇へと誘う様に思える。
「これが魔界への扉の中…?」
「海之!これはどれ位続くの?」
「そう長くはない」
言っているそばから彼らの目線の先に一際強い光が見える。
「…あれが出口か?」
「いっくん!「Aegis」を起動して!」
「は、はい!皆!俺の近くに集まれ!」
言われて鈴、シャルロット、束、そしてマドカが一夏のすぐ近くに寄る。一夏はそれを確認すると自らの白式・駆黎弩の単一特殊能力「Aegis」を起動した。彼らの周りが黄金色の盾に包まれる。
「これで30秒は大丈夫!……な筈」
「もっと自信持って言いなさいよ~!」
「しょうがないだろ~こんな事で使った事ないんだし~!」
「…行くぞ」
6人はその光に飛び込んだ…。
…………
魔界
光に飛び込んだ海之達。そして一瞬視界が光に包まれたと思うと…その先には見た事無い光景が広がっていた。
「出た!」
「皆、まだ安心しちゃ駄目だよ〜!じゃあみーくん、Aegisが切れる前にお願いね♪」
「頼むわよ海之!アンタにかかってんだからね!」
「ああ」
(…やってみせるさ。
…ヴゥーーーン!!
海之は掌に自らの力を集中させる。すると掌に黒い光のオーラの様な物が現れた。海之はそれを一夏達に向けると、光は一夏達を覆い尽くす様に姿を変えた。
「わわわ!」
「まるでドレッドノートシステムの様だ…」
「ほ、ほんとに大丈夫なんでしょうねこれ!」
…そしてほんの数秒で光は消滅する。
「そろそろAegisの効果が切れるぞ!」
「あとは祈るだけだね…」
一夏が警告し、シャルロットがそう言う。もしドレッドコートが上手く機能しなければどうなるかわからない。一同に緊張が走る。
……そしてやがて、海之以外の5人を覆う黄金の光は消えた。
「時間切れだ!皆、大丈夫か!?」
「…………特に、何ともないね」
「上手く……いったの?」
「……その様だな」
Aegisの光が消えて数秒程経っているが…皆に特に変化は見られない。どうやら無事にドレッドコートが起動し、魔界からの干渉が防がれている様だ。
「よ~しさっすが束さん!まぁ結果は見えていたけどね♪」
「皆下がっていろ!扉を閉じる!」
次に海之は新たな刀、蒼羽々斬を一閃。それによって扉はゆっくりと封印された。これでこちらから出る事も向こうから入る事も出来ない筈だ。
「さ〜これで一時間後かひーくんを見つけるまで後戻りはできないよ〜?」
「わかってます。……ここが魔界…。前にトリッシュさん達に見せてもらった世界とよく似てるわ…」
セルケスティス纏う鈴は周りを見渡す。見た事無い色や形をした岩や樹々。どす黒い空。重苦しい大気。それは先程までいた自分達の世界とは似ても似つかない世界。そして海之が知る魔界と何処と無く雰囲気が似ている気がしないでも無い。
(……)
「嫌な空気だね…。全身装甲のISを着てるのにすり抜けて皮膚に張り付くみたいだよ…」
「なぁ海之、っておお!」
一夏が海之に目をやると…そこにはつい先ほどまで気付かなかったがそれまでのSin・ウェルギエルでなく、悪魔還りを起動した魔人態の海之がいた。どうやら魔界に近づく中で自動的に起動した様だ。機械的なISの姿から悪魔の皮膚と青い光を放つ異形の存在がそこにいた。
「び、吃驚した。その姿も半年ぶりだな」
「改めてじっくり見るとお前が悪魔というのが頷けるぞ」
「火影!火影応答して!」
その横でシャルロットはまずISの通信で火影に呼びかける。…しかし応答は無い。
「火影!………駄目、火影出ないよ…」
「それじゃあ早速火影を探しに行きましょう!」
「ちょっと待って鈴ちゃん。この広大な魔界を闇雲に探すつもり?」
「う…」
「まずは状況整理からだよ。なんたって一時間しかないんだからね。正確には残り58分だけど。みーくん、ひーくんのいる場所わからない?」
束の言葉に海之は精神を集中し、火影と自らの伊邪薙の気配を探す。……が、
「…………伊邪薙の気配はうっすらだがわかる。魔界に入り、俺が悪魔に戻った事でわかったのだろう」
「そうか。それで火影は!?」
「………………駄目だ。火影の反応は俺にもわからない」
「「そんな…!」」
鈴とシャルの声に動揺が走る。全身装甲のため顔は見えないがその声は酷く慌てている。
「落ち着け。以前あいつは魔剣スパーダの力で姿を隠していた事がある。今回も同じ事をしているならそれも頷ける」
「そうだぜ鈴、シャル!火影が死ぬはずねぇよ!」
「そうだよふたり共~。ひーくんが君達を未亡人にするなんてありえないって~」
「その刀の傍に奴もいるのではないか?」
「………そう。そうよね」
「うん…きっと火影生きてるよね!」
一夏や束やマドカの言葉に元気を取り戻す鈴とシャルロット。
「……ただ」
「ただ?」
「気になってはいたのだが…魔力の濃さがひと際強い。こうして魔界に入ってそれが一層強く感じられる。扉から漏れ出してたのもこれ程のものならば納得できる」
「原因はなんだ?」
「今のところはまだわからん」
「元々それ位の濃さだった可能性は?」
「それは無いだろね~。それならみーくんの中の人がみーくんにもっと早く言ってくるだろうし。少なくともここ数日の間の事だと思うよ~」
「それじゃあ…」
「そんな事は後でもいいじゃない!」
「そうだよ!今は火影を探しに行こうよ!」
「あ、ああそうだった!時間も無いし!海之、とりあえずお前の刀の場所を教えてくれ!」
「…そうだな」
取りあえず海之達は伊邪薙を見つけるため、行動を開始しようとした…その時、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!
「「「!!」」」
「じ、地震!?」
(ドクン!!)
「!!」
凄まじい轟音と共に大地と大気が揺れ、続いて、
「グアアアアアア!!」
「ゴオオオオオオ!!」
「キシャアアアア!!」
耳を劈く咆哮をあげながら、無数の悪魔が彼らの周りに現れた。
「な!あ、悪魔!?」
「なんて数なの!」
「くっ!時間が無いこんな時に邪魔すんじゃないわよ!」
「まずはここを突破するぞ!」
「も〜うっとうおしいな〜不細工にもてても嬉しくないっつ〜の」
「来るぞ。油断するなよ」
(先程の地響き…そして一瞬感じた凄まじい魔力は…?)
Mission10
「新型IS、交戦」
こんにちは、storybladeです。
遅くなりましてすみません。短いですがやっと出せました。ですが幻想郷食堂にもある通り暫くはゆっくりのペースで進んでいきそうです…。必ず完結はしますので気長にお待ちいただければ幸いです。
皆さんも仕事のペースと暑さには十分お気を付けてくださいね。