IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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試合を終えたセシリアは一夏達に改めてお礼を伝えようと思い探していた所、同じく向こうも自分を探していたという一夏や火影達に出会い、「話がある」と言われて屋上へ移動する事に。
セシリアが火影と海之から伝えられた事。それは自分の父親が頼りなかったのは自分を守るための芝居であり、本当は母親と一緒に自分を守ってくれていたという真実だった。
両親の愛を知り、セシリアは涙するのであった。

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Mission19 IS実習

試合が終わった翌日

 

1-1の生徒達はISスーツを着てアリーナに出ていた。この日の最後の授業は専用機を持っている者が実際にISを生徒の目の前で動かし、模範演習をするというものである。箒や本音を含む生徒達の前には火影、海之、一夏、セシリアが整列していた。因みに担当教師は真耶ではなく千冬である。

 

千冬

「それではこれより、専用機持ちの操縦者による模範演習を実施してもらう!行うのはISの装着、飛行、武器の展開だ。専用機持ちは専用機を持っていない者達の見本になる様に励め!いいか!」

火影・海之・一夏・セシリア

「「「「はい」」」」

千冬

「それでは専用機持ちは順番にISを展開してもらう。まずはオルコットと織斑!」

セシリア

「はい!」

織斑

「は、はい!」

 

そうして二人はISを展開した。間近で見る彼等の機体に生徒から「カッコいい~」「キレイ~」等の感想が上がったが千冬はそれを無視した。

 

千冬

「…オルコットは0.9秒、織斑は2秒か。遅いぞ織斑、せめて1秒で出せる様精進しろ」

一夏

「は、はい!」

千冬

「では次にエヴァンス兄弟、展開しろ」

火影・海之

「「はい」」

 

二人もISを展開した。こちらも様々な感想が上がる。

 

「な、何これ!?」

「ISまで双子!?」

「カッコいい?怖い?いや怖カッコいい!」

「剣や刀持ってる~!まるでダークヒーローだね~!」

 

千冬

「ほう、二人とも揃って0.6秒か。流石だな」

 

千冬は先の模擬戦と兄弟達の話から納得していた。

 

千冬

「では次は飛行と降下を行ってもらう。先程と反対でエヴァンス兄弟から順番に飛べ。そして全員到着したら順次降りてこい。目標高度は500m。着地目標は地上10cmだ」

火影・海之

「「はい」」

 

ドンッ!!ドンッ!!

 

彼等はほぼ同時に飛び上がる。その勢いで地面が少し抉れてしまった様だ。

 

一夏

「は、はえぇ」

セシリア

「ええ、本当に…」

千冬

「おい、おまえらもぼさっとするな!」

一夏・セシリア

「はい!」

 

ドンッ!ドンッ!

 

そして2人も飛び上がる。一夏はセシリアに比べ、少し遅れている様だ。

やがてセシリアが兄弟が待つ地点に並ぶ。

 

火影

「順調だなオルコット」

セシリア

「いえ、御二人程ではありませんわ」

海之

「大したことではない」

セシリア

「…あの、御二人共」

火影

「ん?」

セシリア

「昨日は本当にありがとうございました。御二人のおかげで両親への、特に父への誤解が解けましたわ」

火影

「気にすんな。勝手にやっただけだ」

セシリア

「それでも本当に感謝しています。…あの、御二方…これからは私の事をセシリアと、名前で呼んでくださいませんか?」

火影

「いいのか?じゃあ僕達も名前で呼んでくれ。海之もいいよな?」

海之

「構わん」

セシリア

「わかりましたわ。ありがとうございます、火影さん。海之さん」

 

そうこうしていると一夏がやっと到着した。

 

一夏

「や、やっと追い付いた…」

 

それを地上から見ていた千冬が通信で話しかけてくる。

 

千冬

「何をしている織斑。エヴァンス兄弟はともかくとして、スペックはブルーティアーズより白式の方が上だぞ」

一夏

「うへぇ。マジか」

火影

「お疲れさん一夏…でも確かに少し遅すぎやしないか?」

一夏

「それを言うなって。俺からしたらお前らが早すぎる位に感じるぜ。なんかコツあるのか?」

海之

「慣れろ」

一夏

「はやっ!」

セシリア

「ふふ。ですがそれに勝る物はありませんわ。こればかりは幾度もやってみて自分自身で最適な方法を習得しませんと」

一夏

「う~ん、やっぱりそうなのか~」

 

4人で会話していると…

 

「おい一夏!いつまで話している!早く降りてこい!」

 

見ると地上で箒がインカムで呼びかけていた。

 

火影

「やれやれ、行くか」

海之

「ああ」

セシリア

「はい」

一夏

「お、おう!」

 

全員順番に降下を始める。

火影・海之・セシリアは難なく目標地点で停止できた様だが、一夏は…

 

ヒュー――――、ズドオォォォォォン!!

 

漫画的に落下していた。

 

千冬

「…誰が地面に穴を空けろと言った?…ハァ、織斑、後でキレイに埋め直しておけ」

一夏

「は、はい…」

 

自らが空けた穴から一夏が這い上がって出てきて答えた。

 

セシリア

「大丈夫ですか?一夏さん」

一夏

「あ、ああ、少しくらくらするけどな……一夏さん?」

「!?」

 

…………

 

千冬

「…では次に武装の展開を行う。まずは織斑からだ。始めろ」

一夏

「は、はい!来い!雪片弐型!」

 

……カッ!

 

約1.5秒後、一夏の手に雪片が表れた。

 

千冬

「遅い。せめて一秒以内を目指せ」

一夏

「は、はい!」

千冬

「では次に…そうか、白式には射撃兵装は無かったな。ではオルコット、始めろ。まずは射撃兵装からだ」

セシリア

「はい。お出でなさい!スターライト!」

 

…カッ!

 

間もなくセシリアの手にスターライトが表れる。だが…

 

千冬

「ふむ、問題はなさそうだな。だがそのポーズははっきり言ってなんの意味もない。直しておけ」

 

そう。セシリアはスターライトを呼びだす際、手を横に広げるオーバー動きをしていたのだ。

 

セシリア

「で、でもこれは私の」

千冬

「いいな?」

セシリア

「…わかりましたわ」

 

千冬の凄みにセシリアは何も反論できなくなった様だ。

 

千冬

「では次、近接兵装だ。もうオーバーな動作は止めろよ」

セシリア

「はい。お出でなさい、インターセプター!」

 

………

 

だが何も起こらなかった。

 

セシリア

「…ああ、もう!インターセプター!」

 

…カッ!

 

そうやく彼女の手にインターセプターという短剣が表れた。

 

千冬

「…何をやっている。お前は実戦でも出てくるまで待っていてもらうつもりか?」

セシリア

「じ、実戦では相手に近づかせる事はありませんわ!」

千冬

「ほう…、前日の試合で織斑に切られておいてか?」

セシリア

「うっ。そ、それは…」

千冬

「遠距離戦重視の機体とはいえ、近接戦闘への対策も忘れるな。いいな?」

セシリア

「はい…」

千冬

「…よし。では次にエヴァンス兄弟だが、近接兵装はもう出しているな…。では二人には代わりに抜刀の早さを見せてもらう。良いか?」

火影・海之

「「はい」」

千冬

「…よし抜け!」

 

そして火影は背中のリべリオンを、海之は腰の閻魔刀を鞘から抜いて構えた。

 

千冬

「火影は0.5秒、海之は0.3秒か。やはり剣をやっているだけあって抜刀は海之の方が早いな」

海之

「ありがとうございます」

千冬

「次は射撃兵装だ。では始めろ」

 

そして火影はエボニー&アイボリーを。海之は幻影剣を4本出現させた。

 

千冬

「火影0.5秒。海之は0.7秒か。こちらは火影が上だな。所で海之、その光の剣を動かしている間、お前も同時に動けるか?」

海之

「はい。問題ありません」

千冬

「そうか」

一夏

「…あの、千冬姉?」

千冬

「織斑先生だ。…なんだ?」

一夏

「いえ、大した事ではないんですけど、何故二人を名前で呼んでるのかなと思いまして」

千冬

「そんな事か。別に大した意味は無い。いちいちエヴァンス兄弟のどちらかなんて言うより言いやすいと思っただけだ。海之、火影。お前達も良いだろう?」

火影・海之

「「はい」」

 

キーンコーンカーンコーン

 

授業終了のアラームが鳴った。

 

千冬

「む、ちょうど良い時間だな。では本日の授業はこれまで」

生徒達

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

千冬

「ああそういえば織斑。空けたあの穴は埋めておけよ!」

一夏

「げぇ~」

火影

「手伝うぜ一夏」

一夏

「すまねぇ…。いつかまた礼するよ」

火影

「気にすんな。それに早くしないと俺達も遅れる」

一夏

「遅れる?もう授業は終わっただろ?」

海之

「後でわかる。今は急ぐぞ」

 

三人の穴埋め作業は急ピッチで行われるのだった。




次回は代表決定&パーティーイベントです。

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