IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
火影と海之は自分達のISの調整と一夏へ贈る物の作製を行っていた。
その中で2人はかつての自分達にそっくりなISや魔具等、改めて自分達がこの世界にとって異質な存在であることを再認識するのであった。
一方そんな2人がいるIS学園に、また新たな風を起こしそうな者が表れようとしていた。
IS学園に火影と海之が転校してから間もなく3週間近くが経とうとしていた。学園は今一限目と二限目の間でちょうど休憩に入ってる。
そんなIS学園の校門、正面ゲート前にツインテールの少女がいた。大きなキャリーバッグを持ったままでいることからつい今ほど着いたという感じである。
ツインテールの少女
「はあ、やっと着いた。ここがIS学園ね。待ってなさいよ一夏!…とは言ったものの、先に受付に行かないといけないわね。えっと本校舎一階総合事務受付…って一階のどこよ?…あ~こんなに広いとわかっていたらどこにあるのか聞いてくれば良かった~」
少女は学園の想像以上の広さに正直参っている様だ。
少女
「地道に探して時間つぶすのもなんだし…、こうなったら誰かに聞くしかないかな。確か今の時間はちょうど休憩中の筈…、あっ、ちょうど人が……!?」
少女の先には真耶から資材を受け取りに来てほしいと依頼され、職員室に向かっている火影がいた。だが少女は何より男子がいると言う事に驚いている様だ。
少女
(だ、男子?しかも制服着てるってことは生徒?一夏以外にも男子がいたの!?そんな話……、って今はそんな事より早く行かなきゃ!)
そう言うと少女は火影に近づく。
少女
「ね、ねぇ?」
火影
「ん?」
少女
「あ、あなたここの生徒?」
火影
「…まあここの制服着てるからな」
少女
「あ、それもそうか…。じゃなかった!ねぇ本校舎一階総合事務受付ってどこ?私今日から転校してきたんだけど今着いたばかりでここの事わからないのよ。良かったら教えてくれない?」
火影
「そうなのか。総合事務受付なら確か職員室の隣だ。僕もちょうど職員室に行くから案内しよう」
少女
「ほんと?ありがと♪」
そう言って火影と少女は歩きだした。
その道中少女は気になったことがあったので聞いてみる事にした。
少女
「ねぇあなた。ここの生徒と言う事は…もしかしてIS使えるの?」
火影
「ああ使えるぜ。一応専用機持ちでもある。おっと自己紹介が遅れたな。1-1の火影・藤原・エヴァンスだ。宜しくな」
少女
「私は鳳鈴音。こちらこそ宜しくね。私は1ー2に行くの。あなたも専用機持ちなんだ」
火影
「?…もって事は鳳さんもか?ああ、あと僕の事は気軽に火影って呼んでくれて良いぜ。これから一緒に学ぶなら双子だと呼びにくいだろうし。因みに兄も僕と同じクラスだから良ければ仲良くしてやってくれ」
鈴
「あ、うん。じゃあ私の事も鈴って呼んで。…って双子!?しかも兄って…兄弟でIS操縦者なの!?」
火影
「ああそうだ…っと、着いたぜ鈴」
鈴
「え、あっ、本当ね。どうもありがとう」
火影
「良いって。じゃあな」
そう言って火影は職員室に入って行った。
鈴
「……、あっそうだ。行かないと」
そして鈴も総合事務受付に入って行った。
………
受付
「はい。本日転校される鳳鈴音さんですね。ようこそIS学園へ」
鈴
「ありがとう。あとついでに聞きたいんだけど、織斑一夏ってどこのクラスですか?」
受付
「織斑くんなら1-1です。鳳さんのクラス1-2の隣ですね。因みに織斑くんは1-1のクラス代表です」
鈴
「へえ、そうなんだ…。ねぇ、1-2のクラス代表ってもう決まってるの?」
受付
「はい、決定していますけど…それがなにか?」
鈴
「…ちょっとね♪」
…………
2限目終了後の休憩中、1-1
生徒達が集まって何か話をしている。
「ねぇ聞いた!隣の1-2に今日から転校生が入るんだって!」
「へ~そうなんだ。どんな子かな」
「まだ学校が始まって一ヶ月も経っていないのに多いね~!」
「なんでも今度の子は中国からの転校生らしいよ」
生徒達の話を聞いて一夏は思う事があった。
一夏
(中国か…あいつ、どうしてるかな…)
そんな一夏の表情を見て箒が尋ねる。
箒
「なんだ?転校生が気になるのか一夏?」
一夏
「えっ?…ああ、まあ」
箒
「ふん。そんな余裕あるのか?2週間後にはクラス対抗戦だろう。情けない結果残してくれるなよ?」
一夏
「う、わ、わかってるよ」
本音
「本当だよおりむ~。今回の対抗戦には学園のスイーツ半年フリーパスが懸かってるんだからね~。まあ私はひかりんにお願いすれば作ってもらえるからいいんだけどね~♪」
火影
「…僕は専属パティシエじゃねぇぞ」
本音
「まあでもおりむ~が頑張ればクラス全員幸せなのだ~!」
セシリア
「ですがこんな時期にまた転校生とは…。大方、代表候補生である私の事を警戒しての事かもしれませんわね!」
セシリアは声を高くしてそう言った。
生徒1
「それはわからないけど…、まあでも今専用機持ちは私達のクラスと4組しかいないから楽勝だと思うよ♪」
一夏
「…っへ?4組にもいるのか?」
箒
「…一夏、それ位覚えておけ。いるぞ。確か名は…」
?
「その情報はもう古いわよ!」
教室の外から声がした。
鈴
「悪いけど1-2にも専用機持ちが入ったの。そう簡単に勝てるなんて思わないことね!」
見ると鈴が腕を組んで立っていた。
そんな鈴を見て一夏が呟いた。
一夏
「……お前……鈴か?」
鈴
「そっ。中国代表候補生、鳳鈴音よ。久々ね、一夏!」
そう言って鈴音は一夏に向けて指さした。そんな二人の様子に箒とセシリアは動揺しているのか何も言えなくなっている様子だ。一方先ほど会っている火影は冷静だった。
火影
「やっぱり転校生というのは鈴の事だったか」
鈴
「あ、さっきはありがとね火影。あんたのおかげで迷わずにすんだわ」
火影
「それは良かったな」
海之
「知り合いか火影?」
火影
「ああ、さっきちょっとな」
鈴
「あっ、もしかしてあんたが火影の双子のお兄さん?本当にそっくりね!目の色と髪型位しか違わないじゃないの」
海之
「ああ。海之という。宜しく頼む」
鈴
「わかったわ。私の事も鈴と呼んでくれていいわよ」
海之
「わかった。ところで鈴。今すぐ教室に戻った方が良い」
鈴
「どうして?」
火影
「後ろ…」
パコーンッ!
千冬
「…海之の言う通りだ。早く教室に戻れ」
鈴
「ち、千冬さん…」
千冬
「織斑先生だ。馬鹿もの」パコーンッ!
二度目の出席簿を受けた鈴はたまらず教室に戻ろうとするが、
鈴
「と、とにかく一夏!逃げるんじゃないわよ!あと火影!あんたにも後で話聞かせてもらうわよ!」
そう言って鈴は帰って行った。
火影
「……なんか色々騒がしい奴だな」
一夏
「まあな…。でもいい奴だから。でもまさか鈴までIS操縦者だとは思わなかったぜ…」
パコーンッパコーンッ
千冬
「静かにしろ。授業を始める!」
火影と一夏も千冬の出席簿を喰らったのであった。
次回は鈴との交流の回です。