IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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一夏の訓練を終えた海之は作業を行うために整備室へ。するとそこにはISの設計を行う簪が来ていた。海之は簪が自身の姉に負けたくないという理由で全て自分1人で組み立てたいという想いを聞く。

そんな簪に海之はかつて力に縛られて全てを失った昔の自分(知り合いの男としている)の話をする。
「自分(男)の様になるな。頼りたい時は力になる」
海之の言葉に簪は想いを巡らせると同時に、そんな自分を認めてくれた海之に感謝するのであった。


Mission28 クラス対抗戦 一夏VS鈴

火影と鈴、海之と簪。

それぞれの交流から更に一週間が経った。

 

今日はいよいよ一夏と鈴、それぞれのクラス代表による対抗戦である。

この1週間の間、一夏はアラストルによる高速移動と瞬時加速の訓練を繰り返していた。その効果もあり完全ではないが瞬時加速の成功率も上がってきていた。

今はアリーナのピット内で、相手となる鈴のISについて火影たちと共に最終確認をしている所である。

 

 

アリーナ東側ピット

 

こちらは1-1側。白式を纏った一夏に火影達が付き添っている。

 

海之

「いいか一夏。鈴のIS「甲龍」は近距離中距離の戦闘を念に置いた機体だ。「双天牙月」という双剣による近接戦闘が主だから射程だけで言えば白式と似た様なものになる。だがこいつの最大の特徴は「龍咆」という衝撃砲、空気圧を圧縮して弾として放つものだ。空気を弾とするから視認が出来ない。発射の瞬間もな」

一夏

「見えない砲弾ってわけか…」

海之

「そうだ。出力次第で機銃の様に連射もできる。欠点と言えば射程が短いという事だろうな」

火影

「つまり戦術としては…龍咆の射程外から瞬時加速による高速接近。龍咆の連射を高速で避けながら懐に潜り込み、零落白夜で切る…、という感じだろうな」

「ならセシリアの時より比較的楽かもしれんな。瞬時加速、高速移動共に集中して訓練を行ってきたしな。一夏、負けるなよ!」

セシリア

「頑張ってくださいませ!」

一夏

「おう!」

火影

「油断するなよ一夏。鈴も代表候補生だ。アラストルの情報も既に向こうに伝わっているだろう」

海之

「その通りだ。調子に乗ると足元すくわれるぞ。あと覚えているだろうが零落白夜はSEを大きく消費する。節約を心掛けろよ」

一夏

「そ、そうだな!よし、行ってくるぜ!」

 

そして一夏はアリーナに出て行った。

 

火影

(頑張れよ…二人共)

 

 

…………

 

アリーナ中央

 

一夏が出て行くとそこには赤いISを纏う鈴が既に待っていた。

 

「遅いわよ!」

一夏

「悪い、遅くなった!」

「前にも言ったけど全力で行くからね!あっという間に終わらせてあげるわ!」

一夏

「なんだよ、まだ怒ってるのか?」

「そんなんじゃないわ。というかもうあんな事どうでもいいのよ。後…昔の事もね」

一夏

「えっ?」

「ハァ…、あんた何時かマジで誰かに刺されるわよ…、っとそれは置いといて。いいわ!私に勝てれば幾らでも酢豚作ってあげるわよ。勝てればだけどね!」

一夏

「言っとくけど俺だって強くなってるんだからな。甘く見んなよ!」

 

管制塔

「それでは試合を開始してください」

 

~~~~~~~~~~~

 

一夏・鈴

「「はぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

…………

 

観客席

 

一夏と鈴の試合が始まって数分が過ぎ、火影達は観客席に移動し、二人の戦いを観戦していた。一夏はアラストルで、鈴は双天牙月という双剣で斬り合いを演じていた。

 

火影

「…近接戦闘はほぼ互角か。スピードは一夏が、一撃の威力は鈴が勝っているという感じだな」

「うむ。双天牙月という武装だが、凄まじい一撃だ」

セシリア

「ですが一夏さんも負けておりませんわ。アラストルの効果もあって剣速も上がっておりますし」

海之

「そろそろ動くか…」

 

 

…………

 

一夏

「やるな鈴!すごいパワーだぜ!」

「当然でしょ!でもやっぱり速いわねその剣!火影達が作ったって聞いたけど!」

一夏

「ああ!あいつらが託してくれたんだ!」

「ならばこれでどう!」

 

スダダダダダダッ!

 

一夏

「!?」

 

一夏は突然、衝撃の連鎖を食らった様な気がしてたまらず鈴から距離を取った。

 

一夏

「な、なんだ今のは!重くは無かったけどなにか食らったぞ!…まさか今のが!?」

「そう!これが甲龍の龍咆よ!」

 

ズドンッ!

 

一夏

「!?」

 

一夏は間一髪回避したおかげで直撃を免れた。

 

「何時まで避け切れるかしらね!」

 

ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!

 

 

…………

 

「一夏!」

セシリア

「あんなに連射されたら入り込む隙がありませんわ!」

海之

「…予想より龍咆の弾速と連射速度が早い…。アラストルに対抗するためか」

火影

「やるな鈴…さあどうする一夏」

 

 

…………

 

その一夏は直撃こそしていないものの、龍咆の猛攻に確実にSEを消費していた。

 

一夏

(くっ!このままじゃ近づく前にやられちまう!何とかしねーと!…仕方ねぇ、悪い海之!約束を破るぜ!)

 

すると一夏はアラストルのスピード向上機能をひき上げた。

 

「「「!?」」」

 

突然白式のスピードが上がった事に会場の者たちは皆驚いている様だった。

 

 

…………

 

海之

「……一夏の奴、アラストルの機能を上げたな」

「なんだと!大丈夫なのか!?」

火影

「…あいつを信じるしかない」

セシリア

「一夏さん……」

火影

(…一夏、…鈴)

 

 

…………

 

「スピードが上がった!?」

一夏

「くっ!やっぱりきついな!だがこれなら!」

 

一夏は高速で龍咆の攻撃を全て避け切ると一度射程外に脱出、次に瞬時加速を起動する準備に入った。

 

「…あいつには剣しか装備が無い。正面から向かって来る気ね。おそらく次で決めようとしてくる…!…いいわ!受けて立つわよ!」

 

そう言うと鈴は双天牙月を構える。

 

一夏

「うぉぉぉぉ!!」

(絶対負けない!あいつも見てくれてるんだから!)

「はぁぁぁぁ!!」

 

そして二人の剣がぶつかろうとしていた……………その時、

 

 

ズドォォォォォォンッ!!

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

突然アリーナ中央に空から強烈なレーザーが降りかかった。その衝撃に地面は抉られ、砂埃が起こる。突然の事態に会場のあちこちから悲鳴の様な声が上がる。

 

「えっ!?」

一夏

「な、なんだ!?」

 

 

…………

 

職員の部屋

 

千冬

「どうした!何が起こった!」

真耶

「わ、わかりません!外からの攻撃としか!」

千冬

「何者だ…?アリーナのシールドを破る程のレーザーだと…?」

 

 

…………

 

「一夏!」

セシリア

「な、なにが起こったんですの!?」

海之

「…火影」

火影

「ああ。どうやら…空気を読まないお邪魔虫がいるようだな」

 

全員が慌てる中、火影と海之の二人は冷静だった。

 

 

…………

 

一夏

「一体何が…!?り、鈴!上!」

「えっ?…!」

 

見上げるとアリーナのシールドには先ほどのレーザーによって空けられた大穴が空いていた。そしてそこから何かが降りて来るのが見える。

 

一夏・鈴

「「!」」

 

それは一体のISだった。全身装甲で黒色をしたそれは右手に巨大な剣、左手にはライフルを持っている。そして先ほどのレーザーの発射口らしき物が胸部分にあるのがうっすらとわかる。一見中世の騎士を思わせるそれはやがて会場の誰にもわかる距離まで降りてきた。

 

一夏

「な、なんだお前は!?」

謎のIS

「………」

「黙ってないでなんか言いなさいよ!」

 

そして、

 

ドンッ!ドンッ!

 

一夏・鈴

「「!?」」

 

ISは突然二人にライフルを向けて襲いかかってきた!




※原作を細かく読んでいないので乱入者(ゴーレム?)の設定はややオリジナル仕様になると思います。
※火影と海之(ダンテとバージル)は大抵の事は驚かないのでできるだけ同じにしたいと思います。

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